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2010年4月30日 (金)

■4月のメモ「最終日」■

本日で最終日! 吉祥寺バウスシアターで『マイマイ新子と千年の魔法』。
DVD化をものともせず? 昨夜も、大入り!
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「最後までサービスしたい」バウスのファイナル特典は、先着7名さまに「マイマイ新子のふるさと防府PR実行委員会」による公式ポスター」プレゼントと、上映後、片渕須直監督による舞台挨拶(マイクなし、肉声!)です。

21時より、ファイナル上映(19時30分から、ファイナル発券)


吉祥寺の上映では、同級生を呼べたけど、本当は、もっといろんな人たちに、来て欲しかった。
(今夜も、業界の中では重鎮レベルの方が来場されるんだけど、入れるかな)
今ごろになって、「あの人にも」「この人にも」という気持ちに、なってしまった。彼らが来られない、と思うと、さみしい。

昨日、俺が書いたのは、「俺だけが特等席から『新子』を見ているんだ」という意味よりも、「何人かの人たちにとっては、特別な体験と化してしまってますよね?」ってことです。
そういう意味では、一人ひとりが「規格外」の体験をした。
やっぱり、「一人ひとり、みんな違う」んだよ。

でも、まったくプレーンな状態で見に来て、「面白かったよ」「イマイチだったよ」って帰っていくのが、最強の観客なんだと思う。
本来、映画ってそれでいいと思う。「一回見りゃあ、十分だ」とも思うし。
んー、一回どころか、半分寝てても、いい映画は、いい映画だと思うな。


僕にとって、何が特別かって、隣県に住んでるママさんが「子供と2人で、行ってきました」と言ってくれたり、知り合って間もない方が「今日は、別の友達、連れてきたんです」とニコニコしてたり……、一時期は「広い館内に、観客3人」とか言われていたこの映画が、じわじわと広まっていったことなんだと思う。

ドカン・デーの、あの奇跡的な青空も、僕とっては、映画のワンシーンとして欠かせないし。

赤い紙が金魚になったように、僕にとって貴重な、いくつかの映画は、映画以外の何かに1272123299変貌していった。
ほかに呼びようがないから、「映画」と呼んでいるだけで、おそらく、それらは感触であったり、独特な感情であったり、そして、すべてが心地よいとは限らない。

愚鈍な僕らは、何でもカテゴリー分けして、点数をつけて、知った顔をしているだけで、でも、本当はもっと、言語を絶する体験をしているのだろう。

それらの体験は、DVDには焼けないんだよ。


明日5/1からは、静岡CINEMAe_ra新潟シネ・ウインドの上映が、はじまる。
CINEMAe_raの入場者特典は、公式ポストカードとカンバッジ(200個限定・3種類)。試作品を見せていただいたけど、すごく綺麗です。

新潟シネ・ウインド初日特典は、「マイマイサイコロ」ポストカード
Post_card_01_01 これは、組み立てると、けっこうカワイイよ。

そして、2週目8日の特典は、「くみたてひづる」ポストカード。
前売り特典の「おしゃれポストカード」セットは、もし残っていたら、バラで配るかも……と、一応、3週連続でプレゼントあります。

あと、吉祥寺のものと同じ「デカすぎるポスター」も展示中だそうなので、ぜひご覧ください。
「月刊シネウインド」はあるし、新潟は、盛りだくさん。

吉祥寺が終わっちゃうのは、さみしいけど、また、新たな場所で上映はつづきます。
今夜は、しみじみ感傷にふけろう。

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2010年4月29日 (木)

■4月のメモ「うらぶれた場所から見る夕景」■

本日・昭和の日も吉祥寺バウスシアターでは『マイマイ新子と千年の魔法』上映中!
昨夜は80名以上の大入りだったそうで、その反動で、今夜は空くかも?

上映は、いよいよ、明日30日(金)まで
そして、最終日のプレゼントは、「マイマイ新子のふるさと防府PR実行委員会」による公式ポスター!(先着7名様まで・提供は庶務課の藤原さん)
さらに、片渕須直監督の緊急舞台挨拶、決定!

先週、バウスから駅に向かう交差点まで、ぐずぐず泣いていた主婦が、また『新子』のことでメールしてきた。
貴伊子のことを「きいちゃん」と呼ばれると、何だか、くすぐったいほど嬉しくなるのは、俺だけでしょうか。


結局、この映画は、自分の中では「一本の映画」という立場を越え、自分の人生から、はみ出してしまった。

たとえば、高層ビルから見る夕景は、どこの誰が見ても美しいでしょう。
080727_18380001でも、「この場所は、俺しか知らないもんね」という、うらぶれた場所から見る夕景の、その美しさは、自分だけにしか分からないかも知れない。
『マイマイ新子と千年の魔法』は、そういう「規格外」の体験として、自分の人生に刻まれてしまった。
「あんたには、これから一生、『新子』のタイトルがつきまとうんだよ」と、友人に脅かされたけど、それが良かったのか悪かったのかは、まだ分からない。

『MAG・ネット』のクロストークに出演された、涼元悠一さんが「スズモトジェイピー」で、やっと、私の立場を説明してくださった。
その通りなんですよ。署名を始めるとき、まっさきに思ったのは、「こりゃあ、仕事を失うな」ってことなんです。私のような無名ライターですら、いや、無名だからこそ、仕事は、信頼で獲得してくるしかないんです。

その信頼を失うかも知れない覚悟は、せざるを得なかった。
この立場にたってみなければ、なかなか理解しがたい感情とは思いますが、涼元さんのような作家の方に分かっていただけて、救われた気がします。


編集者に、いきなり仲里依紗の話題をふられた。
「コスプレ路線に戻りましたね」っていうんだけど、『ハチワンダイバー』のことか。
100121ゼブラレディはねえ……、こっちの路線には、行ってほしくなかったかな。
「非人間路線」は、谷村美月のナワバリだから(笑)。

あと、セクシーだとか過激コスだとか、そういう部分で女優が話題になるのが、俺は、ちょっとイヤなんです。『純喫茶磯辺』の麻生久美子みたいに、映画の中でしか機能しないコスプレは、おおいに結構なんだけど。
『蛇にピアス』で、吉高百里子が全裸になってたけど、あれも「映画の外」で脱いでた気がする。

俺、女優が「映画の外」で、誰とケッコンしようが、誰と熱愛発覚だろうが、まるっきり興味ない。「映画の中」で何を果たしたかが、大事であって。


アフターに付き合ってくれたキャバ嬢が、勇敢にも電話してきた。
いやいや、「俺のお目当ての嬢は、他にいる」と言ったはずですが。こういう駆け引きが生じると、キャバ通いは楽しくなっちゃうんだよねー。やばい、やばい。

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2010年4月28日 (水)

■4月のメモ「アフター」■

本日、吉祥寺バウスシアターは、レディース・デー! 身も心も女性の方は、1,000円で『マイマイ新子と千年の魔法』が見れちゃいます。

上映は、いよいよ30日金曜まで
100427_22430001そして、30日最終日は、先着7名さまに「マイマイ新子のふるさと防府PR実行委員会」特製ポスターをプレゼント。吉祥寺は、最後までサービスします。
(←新潟でも配布される「マイマイサイコロ」と「くみたてひづる」)

昨夜、一緒に行ったF氏は、実は防府出身とのことで、映画には、いたく感激していた。
雨の平日の割には、混んでいた。


深夜、強引にキャバクラ二人旅。給料日のあとのせいか、混んでたなあ。
100428_05460001明け方、アフターで焼肉。3年ぶりぐらいじゃないかな。

嬢ふたりは、この焼肉屋を知らなかった。アフターといったら、この店か「花月」ぐらいなもんなんだが。
でも、雨の中、傘さして来てくれたのは、ちょっと感激した。いや、感激している場合ではない。


昨日昼間は、Webラジオ「談話室オヤカタ」収録。

5/5配信分は「廣田恵介の語る『マイマイ』新子」。署名はじめた頃の状況を、ちょこっと。
もっと微妙なニュアンスまで話したかったんだけど、途中から、最近の市民発の上映運動の話とごっちゃに。ネタが多すぎて、もう何が何だか。

5/12配信分は「同人誌の楽しみ、商業誌の役割」というタイトルで、ごく数人の間で話題の同人誌版「550 miles to the Future」について、皆さんがツッコミを入れるという内容。
どっちかで、『ゼーガペイン』のことも、ちょっと話したはずよ。

参考として持っていった『新子』の「おしゃれポストカード」。唯一100427_18040001 の女性パーソナリティである、たつみんさんが「かわいい、かわいい」を連発。
僕の手元にも、あと2枚ずつしかないんだけど、「そんなに気に入ったんなら、どーぞ」と、あげちゃいました。

この「おしゃれポストカード」は、全国で新潟シネ・ウインドさんでしか、配布しません。
前売りを買われた方には、4枚セットをプレゼント中。
もし、余ってしまった場合は……? 3週目に、バラで配ることになりそうなので、セットで揃えるには、前売りを買うしかなさそう。
前売りで品切れたら、もう二度とお目にかかることはないでしょう。


ついでなので、新潟情報いくつか。
Monthly_cinewindまだ、手元に届いてないのですが、「月刊ウインド 5月号」発売中。こんな『新子』でムンムンの表紙、アニメ誌でもありえない(笑)。
片渕監督も寄稿とのことで、県外の方は、ぜひ通販で。

ほかに、「新潟日報」には、あの大久保賢一さんが『新子』評を書かれたという……読みたい。すでに掲載ずみのはずなので、映画館に行ったら、貼ってあるかも。

また、われらが松尾プロデューサー(マッドハウス)のインタビューも、「新潟日報」に掲載されるとのこと。

新潟は、静かに熱いのです。

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2010年4月27日 (火)

■4月のメモ「ミヤコワスレ」■

本日夜は雨だそうですが、吉祥寺バウスシアターでは、『マイマイ新子と千年の魔法』を上映します。
昨夜は、半分以上の入りだったそうですが、今夜は……たぶん、空いてます。

いよいよ、30日(金)まで! 連日21時~上映です。


土曜日に『新子』見たあと、歩きながら泣いてた一児の母が、メールで「ミヤコワスレ」の写真を送ってくれた。
100425_1310001(一見、ただの石だけど、まわりに咲いてるよ)
わしが飲み会で、「貴伊子の庭に咲いてるのは、ミヤコワスレ」と、人から聞きかじった知識を、自慢したからのう。

井の頭動物園で撮ったそうだけど、小学校のころのこと、いろいろ思い出して、また泣いたって。
いいよ、泣いたって。俺たち、きっと、そういう年頃なんだよ。


「ガンダムの常識 宇宙世紀モビルスーツ大百科(ジオン軍篇)」 今日発売
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今回は、今までより、ちょっと掘り下げて、いわば「ジオンの系譜」を追っています。ネオ・ジオンや袖付き、つまり『ガンダムUC』に至るまでを網羅しているのが、売りです。

僕はどこ書いたかな……。自分の好きなモビルアーマーとか、ジュアッグだとか、そのへんだと思います。
僕は、ザクレロがなかったら、あの世界は破綻すると思ってるから。


本日は、「談話室オヤカタ」の収録。
『新子』のこと話せ、というお題だけど、もう一本は何にしよう。『ゼーガペイン』は、ちょっとピンと来てない様子。

そのあと、しばらく会ってなかったお知り合いと一緒に、『新子』です。あと、何日もないのか……さすがに、寂しい。

しょっぱなが、ドカンだったからなあ。あの日は、光にあふれていた。

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2010年4月26日 (月)

■4月のメモ「メダカやザリガニ」■

本日、吉祥寺バウスシアターは、メンズ・デー! 男性1,000円で、『マイマイ新子と千年の魔法』をご覧いただけます。
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先日のバウスで、僕ら武蔵野一小卒業生たちとご一緒した、近隣在住の主婦グループ。
そのうちのお一人は、翌日、「家のメダカやザリガニにえさをやるとき、思わず話しかけてしまった」そうで、僕はそういう話が、大好きです。
同級生の子は、「今度は、家族で見たい」って……。

もう、僕はそれだけで嬉しい。
普通に友達同士で見に来て、「面白かったね」って言い合える、そんな普通の状態になるまで、半年もかかってしまったけど、これで良かったじゃないか、と今では思える。

バウスシアターでの上映は、今週金曜まで。連日21時より。日によっては混むので、チケットはお早めに(19時30分より発券)。


公式ブログのDVD化決定の報が、ちょうど良い機会かと思い、今さらながらですが、上映存続署名の「成果報告」をさせていただきました。→こちら

本当は、これまでの経緯や現状を鑑みても、私の立場から「ありがとうございます」というのは不自然なのですが、どうしても、その言葉しか出てきませんでした。

無論、DVD化が目的ではなかったのですが、署名をはじめた12月初旬は、各地での上映が不入りなまま、どんどん終わっていく……という状態でした。
起死回生となった「大人のためのマイマイ・ナイト」。でも、今では、そんなバック・ストーリーなど関係なしに、普通に見に来られる方たちがいる。まだ、上映もつづく。
それをもって、「良かった」と思っては、いけないでしょうか?


スーパーフェスティバル52、終了。
2189ギムレットさん、Tomsonさん、圧倒的睡眠不足の中、ご苦労さまでした。

また、私の珍妙な同人誌をお買い上げくださった6人の方に、お礼もうしあげます。
次回は、5/23の文学フリマで販売します。地味に、ひとりで手売りします。


「アニメージュオリジナル Vol.7」 明日発売
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●『機動戦士ガンダムUC』メカ原画集 メカ作監・玄馬宣彦氏インタビュー
原画(作監修正)集は、玄馬宣彦さん自らによるセレクション。メイキング・ページでは、ご本人の解説が入っています。

●河森正治の足あと 最終回
第一部最終回です。作品は当然、『KENjIの春』。企画をされた田代敦巳さんに、制作当時のお話を聞くことができました。

●『ゼーガペイン』の4年間
下田正美監督とキャラクター原案の幡池裕行さんの対談。BS11で『ゼーガ』ご覧になっている方にとっても、よいガイドになると思います。
未公開のラフ・スケッチを掲載しましたが、まだまだ、いっぱいあるんです……それこそ、本が一冊、つくれるぐらい。

BS11は、第3話まで来ましたね。変に忙しくて、いろいろ見れてない。

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2010年4月25日 (日)

■くみたてひづる■

今夜も吉祥寺バウスシアターで、『マイマイ新子と千年の魔法』上映中!

11月21日の初日、一緒に『新子』を見てくれた小学校時代の友人が、各方面に召集をかけてくれた。なので、昨夜はプチ同窓会を兼ねての鑑賞。
初めて会う主婦のグループもいたけど、何人かは、泣いてらした。どうやら、「毎日顔を合わせている自分の子供」を思い出してしまうらしい。

ようするに、母親たちにとって、「子供」は、毎日向き合っている対象であって、ノスタルジアではないということ。

同窓生の中でも、一人の子(40を過ぎても、女の子は女の子)は、映画館から出ても、しばらく泣いていた。
「原作本も買う!」と、女性陣のほうがリアクションが熱い。

そして、劇場の入り口では、ドカン隊長が「MAG・ネット」のチラシを手配りしていた……どこまで働くんだ、この人は。
お客さんがいっぱいで、ちょっと席を探すのに苦労するぐらいの入りでした。


昨夜の入場特典は、「くみたてひづる」ポストカード。
100424_20570001作者の我流切紙人さんが、初めて『新子』をご覧に見えられた!
(組み立て方はリンク先にあり!)
ポストカードの紙の質感が、うまい具合に金魚っぽくなってますね。

ポストカードをデザインした前岡和之氏が、我流切紙人さんの存在を知り、「実は、こういう映画がありまして……」と連絡したところから、実現した企画でありました。
この「くみたてひづる」は、この後は新潟シネ・ウインドでしか、手に入りません。


昨夜は、本当にいろいろな方が見に来られていて、日芸時代の先輩である映像業界の方も。
上映後の飲み会で、小太郎じいさんの役割などについて、にこやかに分析してくれた。
いわく、ファンタジーへの入り口として機能していた小太郎じいさんは、リアルな事件が発生した時に、新子を助けられなかった。その時点で、小太郎じいさんの役割は終わり、映画の質さえ変化する、と。

さらに言うと、「新子が米をかつぐ夕方のシーンからが、この映画の第二部」とのこと。なるほど、なるほど。
だったら、新子の父ちゃんは冒頭のほうに出しておいて、ラストには要らなかったんじゃない?などなど、男性陣は議論。


まだ朝とは言い切れない、グレーの空のした、「また飲もうよ」と手をふって、皆と別れた。
人生は、つづく。

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2010年4月24日 (土)

■アーメン、ハレルヤ、ピーナッツバター■

今夜も、吉祥寺バウスシアターにて、『マイマイ新子と千年の魔法』上映!
本日の入場者特典は、「くみたてひづる」ポストカードです!

100423_18510001昨晩は、「この光景が見たかった!」の、まさかの満席。
しかも、初めて見るお客さんが、大半!
舞台挨拶は、ドカン隊長発案だったんだけど、途中から製作委員会の仕切りになったので、隊長は、列に並んで入場していた。
この人が言い出さなければ、バウスの上映自体がなかったので、「あれ?」という光景では、ありました。隊長、律儀すぎるよ!

私は、せっかく福田麻由子さんが来るので、ウツギの花を捜して、吉祥寺の町へ。
でも、今年は気温が低く、ウツギの花は、まだまだとのこと。「ウツギって何でしたっけ?」というお店も、あった。
ここでも、ドカン隊長が活躍。絶妙のタイミングで、綺麗な花束を用意してくれたのでした。

劇場の前で、片渕監督に「福田さんに、花束を渡してくれませんか」と話すと、「廣田さんが渡しなよ! 俺が渡すのは、なんかヘンだよ」。
なので、花束は、隊長と監督の間をグルグルまわって、私の手元に来て、福田麻由子さんに渡されたのでした。


Gnj1004240501002p1福田さんには、「(高校入学)おめでとうございます」と言うつもりだったが、考えて「(こんな映画をつくってくれて)ありがとうございます」にした。
すると、福田さんも「ありがとうございます」とおっしゃったので、ちょっと失敗したかも知れない。

でも、いい女優は、映画を「つくる」し、また「救い」もするのです。

そして、彼女が「マイマイ新子が、こんな状況になっているのを知らなかった」というのも、まったくもって、正しい。
プロが仕事をする、とは、そういうことだと思う。

(上の写真は、サンスポさんからお借りしました)


近いうちに、署名活動の成果報告を書かねばならない。
「目に見える成果はなかったんですけど、どう書いたらいいんでしょう」と、昨夜、取材ついでに、映画もご覧になられた(福)記者に、相談する。

上映後、『ザ・シンプソンズ MOVIE』の、日本語キャスティング変更時に活躍した方も見えられたので、「やっぱり、そういう時期に、来たんだな」と思う。
この方たちは、本当に堂々としてらして、目元がキリッとしている。

「ライター」という、何だかよく分からない肩書きが、いろいろと邪魔をした。私個人の気性も。
匿名の応援グループとして活動していたら……と、今ごろになって、思う。

「すべて終わったら、もとの生活に戻ろう」と思っていたのだが、「もとに戻る」という選択肢だけは、なかった。


製作委員会が、市民発の上映活動を、いわばセールス・トークに使ってくれていることは、正しいと思う。新座も浜松も、それぞれに頑張っている。
100422_13150001(←中野レコミンツさん、相変わらず熱すぎるプッシュ)

新潟では、「月刊ウインド」含む、フルセットを購入した方も、いらっしゃるようだ。「新潟日報」、たしか今日の映画評は、『新子』のはず。地元の方は、お見逃しなく。

冒頭近く、新子の左手がフレームの外に逃げる。左手がフレーム内に戻ってきた時に、彼女は草を手にしている。つまり、観客が目視できないところで、「何か起きている」。
それが、この映画の本質というか、世界の実相であるような気さえしてくる。

今夜は、同級生たちと、22回目を見る。昨日みたいな行列だったら、どないしよう。

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2010年4月23日 (金)

■福田麻由子と吉祥寺の春■

4月23日になりました。吉祥寺バウスシアターで上映中の『マイマイ新子と千年の魔法』、本日は主演(青木新子役)の福田麻由子さんの舞台挨拶です!

Tnr0911200744004p1この写真は、昨年11月の公開前のもの。
「アニメージュオリジナル」では、当初、本上まなみさんのインタビューを予定していましたが、9月5日に試写を見た私は、その場で編集者に「福田麻由子に変更!」と、電話したのでした。

試写会までは、まだ音楽のみの「特報」しか見たことがなく、福田さんの演技が、ここまで「すごい」とは、思ってもみなかったから。


試写の前に見ていた福田麻由子の映画は、『同じ月を見ている』と『犬と私の10の約束』だけで、それぞれ、黒木メイサと田中麗奈の少女時代を演じていた。
だから、どうしても「子役」という印象が、ぬぐえなかった。
03_largeインタビューの日までに、『ヘヴンズ・ドア』や『Little DJ』など、未見の主演作を、すべて見た――といっても、主演作となると、数本しかない。

ところが、見れば見るほど、この女優が「映画の要求に忠実な」プロであることが、ありありと分かってきた。
だから、『新子』への起用は、そのプロたる部分が根拠となっているのが、よりよく理解できたし、「客寄せのためのタレント声優」でないことも、一層はっきりとしてきたのだった。

福田麻由子より、さらに知名度の低い水沢奈子のギリギリでの登板に関しても、何をか言わん。
『マイマイ新子と千年の魔法』という映画は、キャスティングの面でも、クオリティ重視の実力主義で――それゆえに、「ヒットしなかった」ともいえるのである。


インタビュー原稿は、「子役」という記述に×がしてあり、「女優」と書き直されていた。
それは事務所の判断なのかも知れないが、僕には、福田麻由子の覚悟に感じられた。

あの桜舞う春の午後、荷物いっぱいのトラックに乗って去っていったのは、青木新子ではなく、子役時代の福田麻由子だったのかも知れない。

そして、春という季節が、映画と女優を、再びめぐり合わせる。

チケット発券、19時30分。開演、20時30分。
――春の夜の吉祥寺で、夢の時間を、すごしましょう。


ところ変わって、新潟。
上京中の新潟シネ・ウインドの支配人さんと、初対面。来週あたりから、新潟の各媒体で、『新子』関連のインタビューや評論が、掲載されはじめるとのこと。

「月刊ウインド 5月号」の表紙の色校を見せてもらって、椅子からズリ落ちた。やりすぎだ、コレ!
鼻をちかづけると、麦穂の匂いがしてきそうなほど、『新子』でいっぱい。詳細、後日!

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2010年4月22日 (木)

■4月のメモ「モデグラ」■

今日の吉祥寺バウスシアターは、サーズディ! 特に何のサービスもありませんが、金曜の舞台挨拶前日なので、意外と空いてるかも知れません。
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「最高やん、バウスシアターで見る『マイマイ新子』!」「音もええし、完璧や! そやけど、ちょっと疲れたわ」「貴伊子、どないしたん?」「この3Dメガネ、うちには合わへん」……ビシッ! 「新子ちゃん、痛い!」

バウスシアターでは、『アリス・イン・ワンダーランド』を、3Dで上映しております。
大変混雑しておりますので、『マイマイ新子と千年の魔法』をどうぞ!


今週末はあわただしいので、昨日のうちに、『第9地区』を見てきた。
100421_15050001場所はやっぱり、立川シネマシティ。何度来ても、周囲の寂れ具合に、胸がしめつけられる。
この“住民から愛されてない感”が、愛おしい。

『ギャラクティカ』はもちろん、『ダークナイト』『クローバーフィールド』あたりの、「スペオペとかヒーローとか怪獣とか再利用して、9.11以降の社会とか倫理とか、ちょっと考えなおさね?」ムーヴメントなんだよなー、『第9地区』も。
そこから先は、「グレメカDX13」で。

ちょっと殺伐とした気分になったので、またTSUTAYAへ行って、女優を漁ってきた。
ケータイ小説の映画化は、新人女優の登竜門だよ。


「モデルグラフィックス」 6月号 24日発売予定
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●イマイ 1/72 バトロイド・バルキリー 解説
●モデラー地下座談会


バルキリーの方は、岡プロがつくったVF-1に付随する、『マクロス』マーチャン展開と作品についての、ちょっとしたエッセイみたいなもの。
岡プロは好きなので、コラボっぽいことができて、嬉しい。

地下座談会は、どうなったんだ、載ってるんだろうね?
「こ…こんなに、つまんない座談会でしたかあ?」と、バッサリ言い切れるのが、いい編集者。その一言で、俺、ぜんぶ書き直す気になれたからね。

そもそも、この男とは、仕事した回数より、飲みに行った回数、酔いつぶれた回数のほうが、圧倒的に多いよ。だから、無理してやろうって気になるんだよな。

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2010年4月21日 (水)

■4月のメモ「ペ・ドゥナと東京」■

本日水曜の吉祥寺バウスシアターは、レディースデーです。
女性の皆さん、『マイマイ新子と千年の魔法』を安く見られる、ラスト・チャンスです(いや、ラストではない)。
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「新子ちゃん。水曜日は、行かんとこうな」「なんでやの、貴伊子。レディースデー、むっちゃお得やん!」「うちらには、金曜日のカップルデーがあるやん」……ビシッ! 「新子ちゃん、痛い!」

※金曜日といえば、23日には、主演の福田麻由子さんの舞台挨拶があります。


ペ・ドゥナが好きだと言っておきながら、今ごろ、『空気人形』をDVDで視聴。
「DVDなんて、映画の代替品だよ」なんてセリフも、劇中にありましたっけ。すみません。

「ペ・ドゥナと東京」とでも呼びたくなるような、フィルムでしたね。東京の東端の風景が、とても9eeae7bc5399149c07a721ce0770dbb6綺麗。
明け方とも、夕方ともつかない、霧に沈んだようなビル街がね。窓に、水色の明かりを灯していて、すごく綺麗だ。
そういう時間が、好きだ。
ペ・ドゥナが小走りにかける商店街の、弁当屋だかパン屋だかの明かりだとかね。毎日、肉眼で見ているような風景なのに、郷愁を感じる。

映画って、それでいいじゃない。
私にとって、この映画の価値は「ペ・ドゥナと東京」の美しさに尽きる。
だから後半、寝てたってよかったんだよ。それでも、この映画の美しさは、曇らないから。


たいていの映画は、観客を100%、説得しようと努力する。だが、観客は説得される必要はない。その映画の、いいところを見つけられれば、関係は成立する。

何事においても、関係を成立させることが出来れば、そこから始まるし、始まらなければ、終わりもない。
その不安定さに耐えられない人間は、相手を値踏みし、点数をつけはじめる。ようするに、「説得されまい」ともがくわけだ。
もっと、自由でいればいいのに。

自由というのは、シャツのようなもの。一番上のボタンまで、とめる必要はない。擦り切れたら、買い換えればいい。


日本テレビの『ギャラクティカ』S2は、全シリーズ中、最高傑作の呼び声も高い、第10話『ペガサス』。いま見ると、イヤな上司や、無能な仕事相手と組まされたときの、イライラ感をリアルに感じる。
Tv_bga02_t2211_0008a「ウィリアム、会議が終わったそうだ!」「終わっただと? いつ、“始まった”んだ!?」――こんなやりとり、しょっちゅうでしょ? 普通に仕事してれば。
だから、人気あるんじゃねえの、『ペガサス』三部作は?なんて思うのだ。

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2010年4月20日 (火)

■4月のメモ「文学フリマ」■

『マイマイ新子と千年の魔法』を見るなら、吉祥寺バウスシアターへ!
(連日19:30~整理券発行、21:00~上映)

Dscn0407思いっきり便乗商品の「マイマイ新子クレープ」が食べられるのも、吉祥寺だけ!
(撮影:ドカン隊長)
マッドハウスのM尾プロデューサーも「けっこう、うまいですよ」と言ってました。

23日は、「福田麻由子、高校入学後、初!」の舞台挨拶アリ!
私がインタビューした秋頃、すでに「受験で大変」って感じでしたからね。


『MAG・ネット』の影響、チラホラ……。
一本は、ちょっと内緒で。実現したら、すげえのですが。

もう一本は、「署名TV」からのインタビュー依頼。「どうしてネット署名だったのか」、「結果についてどう思うか」、かなり詳しく答えてしまった。5月掲載予定だそうです。
なので、「談話室オヤカタ」では、何を話しましょうか。

『MAG・ネット』でカットされたのは、チラシ配布のシーン、バウスシアターでの打ち合わせのシーン。どっちも、僕だけがやっていたことではないので、確かにカットして正解。
チラシについては、関西勢のほうが熱心だったと思うし。チラシのことは、(福)さんが言ってくれたから、良かったよね。


いやー、「文学フリマ」に出店すること、すっかり忘れていた。
671536215月23日です。卓番はT-02、ブース名は「廣田恵介」。ブース名なんて、どうでもいいの。当日は、俺一人しかいないんだし。

でも、こっちは売れて欲しい「スーパーフェスティバル52」、C-29「Hard Pop Cafe」。
こちらは今週末、25日開催。私はその日、二日酔いで臥せっているので、不在です。

どちらの会場でも、私の本は売っています。


吉祥寺での『マイマイ新子』上映は、30日まで。24日(土)は、雅な紙細工「くみたてひづる」をプレゼント。
翌日、5月1日からは、新潟シネ・ウインドさんで上映。発売中の前売り券には、新潟限定「おしゃれポストカード」セットが、付いてきます。
同5月1日には、静岡のCINEMAe_raさんでも、上映開始。入場者特典は、静岡限定カンバッジ!
5月15日からは、埼玉のシネプレックス新座にて、上映開始。

最近になって『新子』を知った方からすれば、「たった、それだけ?」と言われるかも知れない。
だけれど、各地の観客が、映画館に積極的に働きかけなければ、とっくに上映は終わっていたのです。


今夜は、ひさびさに女優目当てで、ムフフーと映画を見ますよ。

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2010年4月19日 (月)

■4月のメモ「痛み」■

吉祥寺バウスシアターにて、『マイマイ新子と千年の魔法』、レイトショー中!
(連日19:30~整理券発行、21:00~上映開始)

23日の舞台挨拶は、何だか凄いことになっていて、プレスリリースによると、

市民の声から実現した劇場上映に
福田麻由子“皆でお祝い”舞台挨拶

Web生放送“初”出演決定!
ニコニコ動画&USTREAM生放送決定!!
Twitter・USTREAM視聴者が直接質問できるコーナーも実施!
そして、
「マイマイ新子」サプライズ重大発表!

……だそうである。
だそうである、というか、いつの間にかこうなっていたので、皆さん、ご期待ください。
さらにプレスリリースから引用すると……

マイマイ現象・・・
昨年11月21日全国公開から徐々にクチコミが広がりラピュタ阿佐ヶ谷では延べ50日間(約7週間)の異例のロングラン上映。
同劇場支配人「レイトショーでこれほど満席が続く事は私が知る限り初めての現象」。
ここから、WEBの中で話題となり、上映の存続を求める署名運動、市民自ら映画館へ交渉して上映が決まる“市民発信上映”(全国的な活動となり、東京・埼玉・静岡・新潟・北海道などで決定)、ファン自ら立ち上げたサイトや自主作成したポスターの配布、交流掲示板、海外映画祭での上映や受賞など、公開より5ヶ月が経つ今もなお「マイマイ現象」は拡大の一途をたどっております。


『MAG・ネット』でカットされた私の発言は、池田憲章さんの「談話室オヤカタ」の5月5日放送分で、語ってみようかと思います。
別に、危険な発言ではないですよん。


国内ドラマは滅多に見ないのだが、NHKの『チェイス』は面白い。フィルム・ルックな映像もいいが、何たって、キャスティングがいい。
田中圭の演じる新人査察官が、「痛PC」を持ち歩いているのが、実にリアル。

62_12『ギャラクティカ』S4は、もう第9話か。
再生ハブの破壊、ロズリン大統領の臨死体験。
「あなたは、家族同然の人たちが慰めあう権利だけは、残しておくのね。でも、彼らを愛してはいない」。このセリフは、痛かった。

何かを行なう、物理世界に関与するには、「痛み」がともなう。
「思う」ことと「実行する」こととの決定的な差は、おそらく「痛み」の有無だろう。


「痛み」といえば、『ゼーガペイン』。BS11では、第2話。
時間をリワインドすることで、シーンに差分が発生する。大林版『時をかける少女』を想起させる演出だが、物語全体を大きく支える、バックボーンともいえるエピソード。
「1~5話は、6話までの助走」と考えていたが、ちょっと甘かった。

今日の編集会議で、あるライターさんが、「第2話までしか見てないが、志の高い作品。増ページすべし」と助け舟を出してくれた。
そろそろ、僕だけでなく、他のライターさんにも、書いてほしいところ。


スーパーフェスティバル52、ようやく卓番が決定。C-29、ディーラー名「Hard Pop Cafe」です。
5707580_21078568
「1/6 Tomson Blaster」を中心に、『メガゾーン23』トリビュート・マガジン「フェスティバル・タイムズ」バックナンバー全号を販売。

67153622そして、何のためにもならない私の同人誌「550 miles to the Future」も、委託販売してもら います。

パンツを掘り込んだプラモデルの歴史、児童向けアニメ絵本、グラビア・ポエムの書き方……何も考えず、ダラダラと本をつくると、こうなります。
一冊500円。

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2010年4月18日 (日)

■20回目■

『マイマイ新子と千年の魔法』、30日まで、吉祥寺バウスシアターでレイトショー中(23日のみ、主演の福田麻由子・片渕須直監督の舞台挨拶あり)!

初日は鑑賞しないつもりだったが(ドカンでヘトヘトだったし)、顔見知りの方が何人も来ていて、特に、ご恩のある方たちが、娘さんや奥さん同伴で来てらしたので、何だか一人で帰るのが寂しくなった。
「チケット、買えるかな」と受付に行ってみた。もう会場時間を過ぎていたけど、71番。僕のあと、もう何人か入場されたそうで、「マイマイサイコロ」は20枚ちょっと、残ったことになる。(今日、これから行く人は、ひょっとしてもらえるかも)

この映画を見るのは、20回目になる。『スター・ウォーズ』が12回、『帝国の逆襲』が10回、『ジェダイの復讐』が10回、『ブレードランナー』が7回、『王立宇宙軍』が6回。全部、10代か20代の頃だ(もちろん、すべて映画館で見た)。
ラインナップを見ればわかると思うけど、映画というより「映像」を見に行ってたんだよね。

それで、『新子』は、どうして何度も見られるのか?という話。
音楽の多用、カメラワークの多用(簡単なカットでも、パン・ダウンから始める。撮影泣かせの複雑なショットも多い)。その割に、カットが短い。あれよという間に終わってしまう。

もうひとつ、「アニメだから」というのも、大きく作用していると思う。


実写映画もアニメ映画も、1秒間24コマでしょ。実写の場合、1秒間のコマを見ていくBbbと、24コマすべて違う。
「コマ伸ばし」という特殊な処理(『ブレードランナー』のラスト近く、ルトガー・ハウアーが死ぬあたり、あれがコマ伸ばし)をしないかぎり、必ず、一枚一枚、違う絵なんですよ。

ところが、アニメは「基本3コマ」と呼ばれるように、同じ絵を3枚つかう。
だから、実写より情報量が少ないと言えるのではないか。
押井守監督が、あちこちで「アニメは、人が立っているだけでは存在感が出ない」と発言しているけど、それは、物理的に止まっているから。
どんな緻密なアニメでも、2コマは同じ絵を使っている(ディズニーも2コマだそうです)。

実験映画で『動くな!』というタイトルだったかな、無理なポーズのまま、動きを止めた俳優を、低回転で撮りつづけるのがあった。すると、役者がヒクヒクと動いているのが、よく分かる。人間は、じっとしてられない。
でも、アニメは、じっとしていられる。実写より、情報量が2倍も3倍も希釈されているとも言えるわけで、だから、アニメは見るのが「楽」なのではないか。


でも、やっぱり、あれですよ。長子さんが、でかい下駄を履いて歩くと、急に走る速度が落ちるでしょ。ああいうところは、動画枚数を途中から増やしている。そういう工夫が、アニメの面白さなわけで。
0653_2_00391このカットなんて、ひづる先生はゆっくり歩いているけど、光子は、せかせかと早歩きになっている。
キャラクターごとに、歩幅を変えているんだけど、それだけで、一人ひとりが生きているように見える。そういう芝居を考えて、描いているから、密度が詰まって見える。
だから、実写より希釈されているはずなのに、情報量を増やして、補っている。

声優のしゃべりも均質になりがちで、若手声優は、ついつい3コマのタイミングのみで喋ってしまう。それも技術なんだけど、みんな同じに聞こえてしまう。
だから、音響監督は、「絵に合わせるな」なんて指導もしているそうです。

実写映画、特に即興で撮られた、ジョン・カサヴェテスの映画などには、アニメにはない曖昧さが含まれていて、僕はアニメばかり見たあとには、ドキュメンタリックな実写を見たくなる。


とは言え、実写よりもアニメの方が「疲れない」と感じてしまうのは、僕だけだろうか。
ところで、今夜の『MAG・ネット』は、『マイマイ新子と千年の魔法』ですよ。


防府にお住まいの方から、「役立ててください」と、ポスターが送られてきた。
100418_19270001この防府市文化財郷土資料館のポスターは、「欲しい!」と言いつづけていたもので、1枚のみ。
他に、防府観光案内を兼ねたバージョンが7枚ほども。
舞台挨拶のときの、プレゼントにでもしましょうか。

庶務課の藤原さん、いつもありがとうございます。

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2010年4月17日 (土)

■ドカン、実行■

雪つもってますが、関係なくドカン実行します。
 
12:00~ 吉祥寺駅北口 エフエフビル前にて

『マイマイ新子と千年の魔法』は、21時より吉祥寺バウスシアターにて上映。
(整理券=チケットは、19:30発売開始)
○初日特典=「マイマイサイコロ」ポストカード


そして、こんな日でも、エンタングルは忘れない。
23時より、BS11にて『ゼーガペイン』放映!


ドカン・イベント、奇跡の大成功。一時帰宅中。
100417_15370001まず、エフエフビルに挨拶しに行ったら、防府から電報が……(写真)
「イベントの成功をお祈りします」と……あえて、名前は出しません。ありがとうございます。

それで、どこから書いたらいいのか分からないんですけど、最初はイケメン担当さんと実行隊長の3人で、お菓子の袋詰めとか、チラシ配りとか、ぜんぶ出来ると思ってた。ところが、人が集まると、大変なんですよ、コレ。行列できちゃうし。

そこで驚いたのが、『新子』ファンの人たちが、何もお願いしてないのに、一番めんどうな100417_10180001袋詰め、司会、人員整理とか、全部やってくれた。
私の代打をしてくれたので、お一人だけ名前を出すと、すがり氏が、異常に通りのいい声で、司会してくれた。前、飲み屋の呼び込みやってたんでしたっけ。素晴らしかった。

あとはもう……お顔を知っている人も、初めてお会いする人も、何ですかこの異常なチームワークの良さ。「あれ、なんで、みんな手伝ってるの?」的な。
俺なんて、お客様に、包装されたお菓子とチラシを渡すだけの、いちばん楽な係でしたよ。でも、お陰で、ちゃんとお客様の顔を見られました。子供たちは、全員「ありがとう」って言ってくれたし、時間・原料ともに、一番キレのいいところで終われました。

皆さん、ありがとう。……なんて、陳腐な言葉では、日常に埋没してしまうのだけど。
味わったことのない感情です。言葉にできないです。


さらに驚いたのは、「来たよー」の一言とともに、片渕監督、登場(笑)。
エイベックスとマッドハウスのプロデューサー陣、ブースター・プロジェクトの宣伝担当まで現れて、ドカン手伝ってくれたついでに、その場で監督の舞台挨拶、決定(笑)。

なので、本日17日、上映終了後に片渕監督の舞台挨拶アリ!

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2010年4月16日 (金)

■吉祥寺に、新子来る!■

ああ、吉祥寺バウスシアターの公式に出てるじゃないですか。

主演の福田麻由子さん、片渕須直監督による舞台挨拶が決定致しました!

23日の20時30分~
(この日だけ、20時30分から舞台挨拶後、21時から上映です)

HogaHolicでも記事になりました。
すがりさん、ありがとう!


バウスに、いろいろ届けてきた。
100416_16180001「ドカン」イベント専用ポスターは、こんなにデカい(イケメン担当者さんに持っていただきました)。

ドカン実演は、明日12時~14時半、吉祥寺北口エフエフビル前にて。
「半分ぐらい、玄米でやってみよう」なんて話も出てます。
原料のお米は、かない米店さんからのご提供です。

公式ブログにも、ご紹介いただきました。ここまで来られたのは、製作委員会・宣伝会社のご理解・ご協力あればこそ、です。
ドカンは、雨天決行! 私は司会を命じられたので、がんばります。


あと、これ↓も持ってったよ。
100416_16240001B倍サイズの、「千年ポスター」。
ようするに、これは「途方もなくデカいチラシ」です。
貼ってあるのは、『不思議の国のアリス』を上映する「BAUS1」の中なので、ガラス戸の外から、見てください。

そして、明日17日の特典は、「公式ポストカード」に加えて、「マイマイサイコロ」ポストカード
これは、初日に来てくださる方のため、画像は載せません。
(来週24日は、「くみたてひづる」ポストカードをプレゼントします。「公式ポストカード」は、連日プレゼントです)


私とドカン実行隊長が出会ったのは、今年1月、スーパーフェスティバルの会場だった。
バウスシアターと話ができたのは、ドカン実行隊長がイケメン担当者さんと、顔見知りだったから。ようするに、私は尻馬にのったに過ぎない。

隊長が最初にもってきたプロモーション案は、とにかく奇想天外だったけど、そのうち二つが、実現してしまった……すごい人だと思う。
「この人と、また何かやりたいなー」と思うんだが、とりあえず、明日朝、長机をエフエフビルに運ぶところから、始めよう!

札幌シアターキノさんは、本日最終上映。新潟シネ・ウインドさんでは、新潟限定「おしゃれポストカード」付き前売り券が発売中。

まだ行ける。まだまだ頑張れ、マイマイ新子。

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2010年4月15日 (木)

■4月のメモ「むさしのFM」■

17日より『マイマイ新子と千年の魔法』の公開される吉祥寺バウスシアター
今日は、イケメン担当さんもお休みで、嵐の前のような静けさです。


吉祥寺上映を前に、僕の周りのオヤジたちが、おかしい。
1270519762ある者は、行きつけの飲み屋の女子トイレに、チラシを貼ってもらったという。
また、某社社長は、床屋で『新子』話で盛り上がり、店の目立つところに、チラシを貼ってもらったという。
「なんで、チラシなんて持ってたの?」と疑問に思うかも知れないが、その社長は営業カバンに、『新子』のチラシを入れて、常に持ち歩いているのだ!

また、アニメ業界の方(それなりにお名前の通った方たち)からも「吉祥寺、見に行きますよ」というメールを、何通かいただいた。
吉祥寺在住の漫画家さんたちも、集まりつつあるという……。


NHK-BSの『MAG・ネット』には、読売新聞の福田淳記者が、登場する。

紙面の片隅に『新子』の記事を見つけた日、僕は「ここまで書いてくださるなら、何かやってくださいよ」と、図々しくも電話をかけた。
だから、スタッフさんに「クロストークなら、福田記者が出てくれますよ」と、プッシュしておいた(笑)。でも、福田さんは、結果的に約束を守ってくださったわけで、僕は勝手に感謝してます。

ほかの出演者は、喜屋武ちあきさんと涼元悠一さん。こちらは、スタッフさんが探してきたそうです。異色の取り合わせで、面白いんじゃないかと思う。

分かる人にだけ、分かる情報。ARTBOXの会議室が、チラッと映るかも(笑)。


「返信不要」のメールをくださった方へ。
実際にああいう事をやっちゃったり、やってなくとも、誤解されるような行為をはたらく手合いは、一人だけではないと思います。
で、僕は「そんなヤツ、ほっときゃいいよ」とは、言いません。寛容さが、あなたのストレスになるくらいなら、そんなものは捨ててしまって良いとさえ、僕は思います。

その時に感じた憤りは、忘れるべきではない……だけど、それでは綺麗な、澄み渡った心にはなれない。なれなくてもいい時が、あるのかも知れない。難しいですね。僕も、葛藤しています。


地元の友達が、「ダメもとで頼んでみ?」と勧めるので、むさしのFMに「ドカン」と『新子』の情報を送ったら、即レスで「番組で紹介します」との返事が!

そして、前の飲み会でケンカしたままの同級生が、『新子』を見るために、来てくれる。あの時は、黙って帰って、ごめんよ……。

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2010年4月14日 (水)

■4月のメモ「千年ポスター」■

明日、4/15から、新潟シネ・ウインドさんで『マイマイ新子と千年の魔法』前売り券、発売開始! 特典は「おしゃれポストカード」4種セットです。新潟でしか、手に入りません。しかも、一度に4枚ももらえてしまう!

本日の「マイマイ行動」は、まず下北沢。
100414_15200001アンジェリカの時もお世話になった、トリウッドさん。
「あ、これは見たいんですよね~。でも、なかなかチャンスがなくて」とのことでした。
チラシを、とても丁寧に扱ってくださる映画館さんです。ありがとうございます。

吉祥寺に戻り、CAFE ZENONさんへ。やはり、アンジェリカ上映のときに、お手製チラシを置いていただきました。
今回は、半公式チラシですので、よろしくお願いします。

最後に、いろいろ渡すものがあったので、吉祥寺バウスシアターさんへ。
100414_16150001……あれだけ補充したのに、またチラシなくなってるんですけど。
(左上の空白部分が、『新子』コーナー)

イケメン担当さんは、研修で不在でした。トンテンカン。

ですので、監督、所沢校舎へは、増刷できてから、お送りします……すみません。


それで、帰宅したら、巨大ポスターが届く。
100414_17190001……えーと。これは、どうしたら?

絵柄は、A4チラシと同一なんだけど、サイズは「1067mm×(30m)」と。その、30mって何よ。
この巨大ポスター、裏にハレパネ貼らないと、使えないんだけど……30mのハレパネって、この家より大きくて、千年ぐらい生きつづけそうなんですけど。
あ、このポスターは「千年ポスター」と呼ぼう!

で、どうしてこのような物体が、制作可能だったかというと、われわれ実働部隊のほかに、「バウス上映を応援し隊」が、スポンサードしてくれているのです。

吉祥寺バウスシアター公開まで、あと3日。
この「千年ポスター」は、ドカン・イベントで、お披露目できるかと(17日正午より、吉祥寺エフエフビルにて)。


日本テレビ版『ギャラクティカ』シーズン2は、僕の大好きなエピソード『ブラックバード』。

Tv_bga02_t2209_0004長い逃亡生活と希望の見えない旅で、誰もが疲弊している。
恋人を失った整備班長のチロルは、「俺たちで、新しい戦闘機をつくろう」と呼びかける。
「チロルは、みんなが文句を言う中、一人で前向きなことしてる」と認めるのは、スターバック。俺、やっぱ、スターバック大好き!

やがて、チロルのもとへ、クルーたちが一人、二人と集まってきて、戦闘機が完成する。
「何もなければ、自分でつくる」チロルの行動は、「文化祭」なんだよ。「部活」なんだよ。

僕らが吉祥寺の上映支援してるのだって、「部活」なんだと思う。誰かに雇われたわけじゃないし、楽しいから、やってる。
世の中がつまらなければ、自分たちで楽しくしよう。みんなで「部活」を始めれば、世の中は、きっと楽しくなる。命あるかぎり、そう信じるよ、僕は。

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2010年4月13日 (火)

■4月のメモ「ドカンのシール貼り」■

原稿の合間に、ドカン用シール貼り。
派手なイベントやってるように見えて、実際は、こういう作業の積み重ねです。
100413_04380001このシールの手書き部分は、バウスシアターの担当さんの直筆です。担当さんは、イケメンです。

初期の頃は、「マイマイ探検隊で使ったシールを転用できないか」と言われており、防府の方に連絡したら、「何とかします!」という心強いお返事が、いただけたのでした。
結局、公開告知に特化したシールになりましたが、多くの人に支えられています。

11月21日の初日に見に来てくれた小学校の同級生が、「マイマイ新子で、プチ同窓会だ!」と、当時のクラスメイトたちに、声をかけてくれている。
……何だか、夢みたいだ。

あと、やはり同級生のmarikoさんが、またもや記事にしてくれた→吉祥寺バウスシアターで…
あんまり何度も記事にしてもらったので、今回は図々しいかな……と遠慮していたんだけど、ありがとう。
広がれ、広がれ、『マイマイ新子』!


同人誌でお世話になった、三鷹駅北口の「一圓」さんに、『新子』のチラシもって行ったら、店内に2枚、貼ってくださった。
P010836798_480「ポスターあれば、貼るよ!」とまで、ご主人は言ってくださった。
娘さんがアニメ好きなんだけど、「あいつは、俺が付いて行けば、21時からでも見られるな。でも、嫁さんが、なんて言うかなあ……」。

『新子』をめぐって、市井の人たちが、普通に会話している。
この光景が、見たかったんだ。「ドカン」やるのも、そのためだし。道ゆく人たちに、「いい映画ですよ」って、薦められる。そんなアニメ、滅多にない。

(でも、このお店、プロダクションI.Gの人たちが常連になってそう……近いもんね)

ご近所にチラシを配るのは、「一圓」さん、絵本・児童書の「りとる」さんまで。
明日は、下北沢へ行く。


5/1から上映の新潟シネ・ウインドさんが、twitterを始めていた。
「マイマイ新子と千年の魔法」の松尾亮一郎プロデューサーが来館。地元紙「新潟日報」と、新潟の情報誌「月刊にいがた」「week!」の取材に応えてくださいました。
松尾さん、本当にご苦労さまでした。
「新潟日報」は、地元の7割の人が購読しているそうです。

そして、シネ・ウインドさんの前売り特典「おしゃれポストカード」は、日本で新潟オンリーです。

あと、シネマe_raさんの缶バッジも、浜松のみ。どんどん増える、地方限定グッズ。
シネプレックス新座は、ママさんたちの地域ネットワークが、やっぱりすごい。→応援・協力頂いた方々リスト(随時更新)

すがりさんが、また新しいアイデア考えてくれた。本当に、嬉しい。


話かわって、25日のスーパーフェスティバル52。
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「1/6 TOMSON BLASTER」が、「Hard Pop Cafe」にて、販売されます。
えー、僕は自分の同人誌しか持って行きませんので、すみません。
550ft TOMSONさんが、わざわざ、僕の本のバナーをつくってくれたので、貼っておきます。
「パンティラーメン絵本にマリン…全ての秘密がここに!!」って、名キャッチすぎるよ、TOMSONさん。まさに、そういう本ですから。


本日は、こんな郵便が。
100413_15330001「日本ティンカーベル協会」って、そんなもん、ありませんから。

でも、中身は、ちゃんとティンカーベル・グッズでありました。フィギュア付きボールペン、4本セット。
部屋中、ティンカー・ベルだらけなんだけど、このボールペンは場所もとらないし、素敵。おじいちゃん、ありがとう(“が”にアクセント)。

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2010年4月12日 (月)

■吉祥寺続報■

いろいろ交渉してきた、
吉祥寺『マイマイ新子』上映……


23日…は
正式発表までお待ちください!!

この日のみ、20時30分開場、21時からの上映。
(整理券は、平常どおり、19時30分から発行します)

皆さんのお越し、お待ちしております!!

※今週の公式発表まで、お待ちください。


余談ですが、新房昭之監督に、『新子』のチラシ、渡してきました。
あと、「メガミマガジン」編集部の方から「マイマイエコバッグ、いりますか?」
「いえ……どうして、そんなもの持ってるんですか?」
「新宿ピカデリーで、もらいました」
こういう人、すでにレアっすね……。ではでは。公式発表まで、黙ってますので。

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2010年4月11日 (日)

■4月のメモ「吉祥寺~高円寺」■

17日の上映まで、一週間を切った『マイマイ新子と千年の魔法』ブリーフィングのため、吉祥寺バウスシアターへ。全力で遅刻したので、タクシーで。
100411_18450001完成品の三つ折りリーフレット、初めて見た。でも、増刷分は、細部が違うのよん。
これは、配布用に明日、すべて郵送。

ドカン実行隊長は、あいかわらずトンテンカンと作業中、横では23日のイベントについて、話し合われていた。
結果、23日のみ、20時30分からの上映になるかも。その30分の間……もし決まるとしたら、明日の夜、バウスさんの公式サイトに載るでしょう。

その他の上映時間は、21時から。整理券は19時30分から配布なので、要注意です。


すがりさんからの情報と交渉のおかげで、吉祥寺駅北口の「献血ルーム 吉祥寺タキオン」に、残り少ないA4ペラのチラシを、置かせてもらえました。
買い物に疲れた若者が、気軽に立ち寄れる場所なので、バッチリかと。すがりさん、ありがとう!

その後、シガレットシーワズの、かわばたてるゆきさんの出演する、高円寺のイベント「うたうやおや」へ。
100411_16500001なんと、八百屋の店内を一日だけ、ライブハウスにする異色イベント。
かわばたさんの曲を聞くのが目的だったけど、「ああ、マイマイ新子って、僕の知り合いのイベント関係者が“3回見た”って騒いでました。阿佐ヶ谷で、やってましたよね」と(笑)。
ちょうどいいので、チラシ置かせてもらいました。
イベント主催者も、すごく優しい方で。チラシを手に取るのは、女性が多い。

かわばたさんは、2曲目の『1992 16歳』が、すげえ良かった。もう一回、聞きたい。
かわばたさん、奥さんと2人で、『新子』見に来てよ!


最後は、高円寺ufocafeへ。ついでに、アンジェリカの時のチラシを回収。
もう、プリンターで刷って配る日々は、終わったんだな……と、感慨無量。古いチラシを置くシーン、『MAG・ネット』で撮影してたけど、もう状況、変わっちゃったよ。


『ゼーガペイン』第1話、メモ。
シズノ先輩の、キョウへの語りかけ。モノローグとは、はっきりと演技を変えている。つまり、キョウに対して「他人のふり」「優しいお姉さん」として、誘惑媚態を演じている。

キョウ「俺の初めてのファーストキス」、つまり彼は童貞である。演繹すると、カミナギとの肉体関係はない……と分からせる脚本。

親を出すと、ジュブナイルの心地よさが壊れてしまう。「親を出さない」「出せない」ことをロジカルに、物語に組み込んでいる。「親が出てくると、むしろ不自然。説明が必要」、そういう裏返しの構造に支えられている。

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2010年4月10日 (土)

■4月のメモ「ゼーガ、ミク、ラブプラス」■

今日も、吉祥寺バウスシアターの話題から。
Baustheater前岡さんからの電話で知ったんだけど、『マイマイ新子と千年の魔法』バウス用チラシが、すごい勢いで減っているとか。
三つ折りタイプなんて、俺だって、まだ見てないよ……。【追記】緊急増刷、決定。

新潟シネ・ウインドさんには、同じものが、まだあると思います。
今回のチラシをよく見ると、「このチラシは、製作委員会の許可を得て有志により制作されたものです」と書いてあるはず。
つまり、製作委員会にデザインを提出して、あちこち修正して、映画館さんに申請書を書いていただいて……という工程を経ている。
以前のように、勝手にプリントアウトして配ったら、映画館さんが怒られてしまう。増刷にも、許可が必要。つまり、『新子』は、次のフェーズに突入していたのです。僕が、解像度の高い場面カットを掲載しなくなったのも、そういう理由からです。


吉祥寺初日特典の「マイマイサイコロ」ポストカードと、24日特典の「くみたてひづる」ポストカードは、もう印刷に入ってます。

それ以外に、17日初日のポン菓子(ドカン)実演で、このイベントのためにだけ「特製巨大ドカン・ポスター」も制作中……これは、現在、製作委員会の監修中です。ドカンのポスターって、よく分からん……。

あと、昨日のビッグ・ニュースか。
もしポシャったら、ガッカリ度が洒落にならないので、まだ書きません。


かつて、一緒に映画企画を練った塚田耕野さんの映画を紹介します。
塚田さんは、まっすぐな性格の青年でして、それゆえに、私とはよく対立した(笑)。でも、一本の映画の原作・脚本を担当したとのことで、これも、彼のまっすぐさ故だろうなあ。
Untitledタイトルは、『海の金魚』で、本日10日から公開中。予告を見たけど、けっこう好きかも。
「感想、聞かせてください」って言われてるけど、俺にとっては、「女優がよく働いた映画が、いい映画」なので、そこを楽しみにしてます。

だけど、それは「脚本には期待してない」って意味じゃないよ。
『シムソンズ』なんて、「脚本が矛盾している」とか言われるけど、そんなの分かってるよ。でも、女優4人と大泉洋が、いい仕事したんだから、それでいいじゃん。
いいところを見つけたほうが、映画は面白い。


先日、『MAG・ネット』で、戸田誠司が「初音ミクは、死なないところがスゲー」って言ってたでしょ。『ラブプラス』も、死なないでしょ。
でも、みんな愛情を持っている。死なないから……なのか? 生身でないから、愛せるのか?

『ゼーガペイン』を見てみると、そこに00年代の死生観が、提示されていると思う。なにしろ、この物語には、一人も人間が登場しないのだから。そんな物語に、なぜ感情移入できるのか?

ミクにしても、『ラブプラス』にしても、現実世界との境界線が、どこかにあるだろう。僕らの世界が「本物」だとしたら、彼女たちは「永遠」に封印されている。「常世」に閉じ込められてる、とも言ってしまえる。
戸田誠司が「死なないところが、スゲー」と言ったとき、ミク自身の死生観を思う。
それは、ネットの全能感と無縁ではない。コンピュータ万能、すげえ!という超絶感を、『ゼーガペイン』は、ひとつずつ、周到に潰していく。その時はじめて、ミクの幸福や絶望を、僕らは思い知らされる。

『ゼーガペイン』06年、『初音ミク』07年。『ラブプラス』09年。
『ゼーガ』が、いかに先駆的だったか、よく分かる。というわけで、今夜放映です。

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2010年4月 9日 (金)

■4月のメモ「吉祥寺、ビッグすぎ」■

しばらくは、告知モードでいきますか……。

吉祥寺バウスシアターでの『マイマイ新子と千年の魔法』上映にともない、17日、北口商店街Dscn0256で「ドカン」イベントを行います。場所は、エフエフビルです。
時間は12時~14時半。ドカン・タイム満喫!

そして、初日入場者特典として、「マイマイサイコロ」バージョンのポストカードを配布!
さらに、24日には、「くみたてひづる」バージョンのポストカードを配布!
いずれも、100枚限定ですっ。
「初日にも、24日にも行けないよー」という方のため、公式ポストカードを2週間、連日プレゼントしますので!

あと……なんか今、すごい情報が。まだ怖くて書けないのですが、吉祥寺、ビッグすぎ。エクスペリメント。
解禁になったら、書きます。俺もう、死んでもええわ。


北見シアターボイスでの上映が終わり、10日から、札幌シアターキノに引き継がれます。
tegiさんという方が、シアターキノにリクエストしたのが、12月27日。上映決定したのが、3月1日。リクエストで上映が決まったのは、確か、これが初だったんじゃないかな。
後に「マイマイ史」を書く人がいるなら、09年末から10年春にかけての、上映リクエスト活性化は、なかなか面白く書けるはず。

あと、北見の方、いろいろありがとうございました。
いつか、飲み交わしましょう!


やっぱり、これは書かずにいられない『ゼーガペイン』放送。明日10日23時から!
Wallpaper1_800最近、『ゼーガ』を見たUさん
に言わせると、「1~5話までの凡庸さが、6話になって、急に非凡さへ変わる」。鋭い。
作り手が「上手いことやったか、失敗したか」を語るのには、興味がない。なぜなら、頭のいい作り手は、時に「バカのフリをする」から。

お気を悪くしないで欲しいが、『ゼーガ』の1~5話は、「バカのフリ」だと思う。だが、それゆえに、高等テクニックが投入されているはず。よし、それに気をつけながら、見てみよう!

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2010年4月 8日 (木)

■4月のメモ「ドカン」■

今日も、『マイマイ・ファイターZREO2』をプレイしてしまった。いい歳こいて、ゲーセン通いも恥ずかしいんだが。
100408_15290002やっぱり、うちの近所でもシンコ使いが、多いです。シンコの「マイマイ・ローリング・アタック」は、単に「ドリル」と呼ばれているらしい。あの技は、派手でいいね。

当然、俺はキイコ使いなんだけど、ようやく「36色ペンシル・クロー」の出し方を覚えたぜ! 「←溜め→ +PK」。キイコは地味な技ばかりだから、ペンシル・クローだすと、みんな、結構おどろくんだよな。

そうそう、いまいち個性のないショムカ・フジワラが、変な技(?)つかってたんだけど。一度ステージの隅に引っ込んだかと思うと、黒い車に乗って再登場。そのまま相手に突っ込むんだけど、あれが「ホウフ・クラウン・ボンバー」なのか?

キイコに飽きたら、次はフジワラ使ってみるかなー。
しかし、この歳で、格ゲーは疲れますな。


ま、アホな妄想はおいといて……。

玉川上水沿いの絵本専門店に、チラシを置いてもらえないかと思って行ったみたら、すげえ混んでました。
だいたい、20~30代の女性客。こういう人たちにこそ、『新子』を見て欲しい。
主要な映画館には、吉祥寺バウスシアターさんが配ってくれるそうなので、僕は、こっち系のお店を回ろうかな、と。

17日の「ドカン」イベントは、ある『新子』ファンが、驚くべき行動力で、業者との交渉から場所の手配まで、ぜんぶやってくれました。
Dscn0265(場所はココ! エフエフビルでやりますよ!)
バウスさんと相談しながら、消防署や警察署への手続きまで、ぜんぶ。
よく「出来ることをやる」っていうけど、この人は出来ることの10倍ぐらい、やってると思う。

そして、バウスさんで2週間興行やった翌日から、新潟シネ・ウインドさんで上映です。前売り券には、かつて見たことのないような、面白い特典がつくことになりそうです。


最近、また『アクビガール』を見はじめた。
2007_11_b_2登場人物3人、各話3分。
話のパターンはいつも同じで、主人公の夢見るるが、片思いしている愛田いとし君のハートをつかもうと、アクビちゃんにお願いする。ところが、アクビちゃんの魔法が、いつも失敗して……って、毎回そうなんですよ。

でもね、すごい幸せなの。
るるは片思いだと信じ込んでるけど、いとし君も、るるが好きなんだよ。明らかに。だから、アクビちゃんはいなくてもいいんだけど(笑)、何だか、このアニメは、誰かの見ている、覚めない夢みたいなんだ。

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2010年4月 6日 (火)

■4月のメモ「告知いろいろ」■

吉祥寺バウスシアターさんに寄って、限定チラシを受け取ってきました。私のノルマは、300枚。
Ca270206_2 写真では、この迫力が、伝わらない。
えー、とりあえず「メガミマガジン」編集部で打ち合わせがあったので、何枚か、置いてきました。
僕は『新子』が、「メガミマガジン」で特集されても、別にいいんじゃないかと思ったので、「ぜひ!」と言ってきました。
貴伊子は、女神じゃからのう……わしにとっては。

新潟シネ・ウインドさんも、同じデザインで、この後、三ツ折チラシというのも、出来てきます。ただ折っただけではなく、微妙に仕掛けがしてあります。

今週末から上映の札幌シアターキノさん、お客さんが来ますように……。

吉祥寺で行なわれる「ドカン」実演イベントは、17日午後からです。お菓子は、無料で配ります。そして、上映は21時~とのこと。

以上、『マイマイ新子と千年の魔法』に関する話題でした。


NHK-BS『MAG・ネット』、第一回、見た。
戸田誠司が出るとは、思わなかった。歳いっても、カッコいいな。

しかし、第一回がミクで、第三回が『新子』か……俺がプロデューサーだったら、止めますね(笑)。
でも、そのお陰で、エッジの立った番組になるような気もするし、複雑な心境ですね。


25日のスーパーフェスティバル52に、サークル「Hard Pop Cafe」の一員として参加しま67153621す……といっても、私は同人誌版「550 miles to the Future」を持っていくだけで、途中で抜けると思います(確か、ラジオの収録がこの日だったので)。

「Hard Pop Cafe」では、『メガゾーン23』トリビュート・マガジン「フェスティバル・タイムズ」を全3冊、販売します。各1,000円。

そして、立体物の販売もあり。Tomsonさん原型の1/6ブラスターですよ!
この銃って、チェンバーあるし、「実体弾」を射出するんですね。熱線銃だと思ってました。
というわけで、「Hard Pop Cafe」よろしく! 私の本は、一冊500円です。


忙しいので、告知ばかりです。
『ゼーガペイン』! 10日(土)より、BS11で放映スタートです。
私のまわりにも、『ゼーガ』見始めた人が増えてます。女性も、います。まだ11話だそうです。ルーシェン好きだそうです。俺は、ミナトさんです。

未見の方は、この機会に『ゼーガペイン』、どうぞ。
本物のSFってのは、案外、切ないもんなんだぜ……。

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2010年4月 5日 (月)

■4月のメモ「そんな世界はイヤなんだ」■

まず、『マイマイ新子と千年の魔法』の話から、しますか。

早いもので、札幌シアターキノでの4/10(土)~の上映、今週ですね。
ところが、掲示板に「チラシのはけが悪く、問い合わせもほとんどありません。「マイマイ新子と千年の魔法」のファンのみなさん、お知り合いの方々へのお声かけなど、応援を是非よろしくお願いいたします!!」との書き込みが……。

基本的に、僕は、「映画館が決まったなら、行ける人が行けばいい」と考えるようにしてますが、この悲鳴にも似た呼びかけには、「何かできることはないか」と考えた。
とりあえず、札幌テレビでアナウンサーやっている彼をふくめ、小学校の同級生にメールを出した。彼が札幌テレビで「シアターキノでマイマイなう!」と吼えてくれれば……って、それはないにしても、何とかしたいな、と思ってしまうのう。


気がつけば、札幌シアターキノもそうだし、今後の上映館は、すべて誰かが「上映してくだ1270275600さい」って、声をかけた小屋ばかりなんですよ。
誰も何もしなかったら、北見シアターボイスで、途切れるところでありました。
聞けば、名古屋での再上映も、お客さんのリクエストだったそうだし、宝塚もそうでしょ。「次は、京都でできないか」なんて話も、出てきている。

だから、映画館と話してみればいいんですよ。「マイマイにいがたクラブ」なんて、会費があるわけでもないし、気軽に参加してくれって、映画館の方から、言ってくれてるわけですからね。

「何とかしたい」と言っている人ほど、「情報待ち」状態になっちゃ、いませんか……。


デイリーヤマザキの『アクビガール』のランチボックス、2種とも手に入れちゃった。
100401_22030001どう見ても、百均の弁当箱に、シールを「ペッ」と貼っただけです。
でも、普通に「かわいい」と思って、普通にお弁当いれて使ってる人が、この世のどっかに、いたらなあ。そうじゃなきゃ、なんかイヤだ。

このアイテムが、私一人の価値観だけで楽しまれるのが、なんかイヤなんです。


小6の頃だったかな。
おばあちゃんの家に遊びに行ったら、ミッキーマウスの絵のついた缶ジュースが、近所で売っててな。ミッキーなんて、別に好きじゃなかったんだけど、「俺のような子供が買ってあげないと、このジュースがかわいそうだ」って、帰る日になって、ダダをこねた。
だって、本当に、さびれた自販機だったんだよ。
しかし、小6ですよ。「ミッキーのジュース買ってくれなきゃ、帰らない」なんて、恥かしくて、言えないよ。
でも、結局は、無言で指差して、買ってもらって。

「せっかくミッキーが印刷してあるのに、誰も買ってあげないなんて、そんな世界はイヤなんだ」。その価値観が、今の僕に、いろいろと面倒なことをさせているのだろう。


小学校時代の友人に、「マイマイ新子って映画が吉祥寺に来るぞ!」って、一斉にメールしたら、「子供の頃といえば、『コンバット』ごっこだよね」と返信が。
Img20080510044754261「いま思えば、修道院でコンバットごっこはよくないね」。ぼくら、修道院に入り込んでまで、『コンバット』ごっこしてたからね。よく通報されなかった。

小さい頃、公園で裸足で走り回っていて、足の裏にガビョウが、グッサリと刺さっていたことを思い出す。おじいちゃんが、傷口をつぶすため、金槌でトンテンカンと叩いてくれたのう。

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2010年4月 3日 (土)

■新子、いろいろ■

『マイマイ新子と千年の魔法』については、もう僕が宣伝しなくてもいいよね、と思っているんだけど、いくつか(使用画像は、前岡さん作)。

■新潟
5/1から『新子』を上映する新潟シネ・ウインドさんが、応援グループとして「マイマイにいが1269784279たクラブ」を結成!
ニュースでは「チラシの配布や各人のブログでの紹介」となっていますが、ようするに、新潟シネ・ウインドでの上映を応援してね、ということです。
映画館さんと関わると、いろいろ面白いんですよ。一本の映画を上映することの大変さも、よく伝わってきます。

シネ・ウインドの近くには、日本マンガ・アニメ専門学校があるのですが、そこの学生さんたちは、『新子』見ないとマズイだろう、さすがに……。
公開前、都内の専門学校で、片渕監督がワンカットの素材を使って講演したんだけど、すごく面白かった。私が若ければ、「俺も、アニメ、やってみようか」と思ったはず。
でも、そこの学生さんがTwitterで「この映画、上映してたんだ」とつぶやいていて、ちょっとショックだったですよ。「俺より若いのに、あの講演を見て、何も思わなかったのか?」って。
若い人ほど、『新子』から学べる技術や知識、いっぱいあるんだけどね。

話がそれたけど、新潟では、いろいろ動きがありそうです。チラシも、新潟限定バージョンです。
あと、新潟シネ・ウインドでは、『新子』の前売り券を発売予定だそうです。誰でも、1,000円で見れちゃいます。

■新座
5/15から上映の、シネプレックス新座。
1270179824上映時間が、午前10時からに決定したそうですが、公開一ヶ月前に時間が決まるのは、異例とのこと。詳しくはこちら。ちょっと泣けます。

僕は、本当に、シネコンに対して、偏見をもっていた。
ミニシアターならともかく、シネコンが一観客の意見なんて聞くわけがないと、勝手に思い込んでいた。
『新子』をとりまく活動の中でも、新座での状況は、いろいろ教えられることが多いです。

私のようなマニアックな視点とは一切関係なく、主婦たちが勝手に、連絡とりあってるところが、非常によい。
「この映画は、いったい誰に見せたいんだ」と、公開前から厳しい意見を聞いてきたけど、それは観客が決めるんだよ。『新子』は、どこに腰を落ち着けるんだろう、と思っていたけど、シネプレックス新座は、ひとつの答えなんでしょうね。

■吉祥寺
最後に、私の歩いていける場所にある、吉祥寺バウスシアターの話題。
12701797954/17から公開ですが、まず、初日プレゼントあり。新規に作成されたアイテムです。
チラシも、吉祥寺限定バージョンです。新潟と共通だけど、まったく新しいデザイン。来週あたりから、吉祥寺周辺で配られると思います。

あと、17日は吉祥寺商店街で、「ドカン」やります。貴伊子、耳、耳!


聞いた話だけど、渋谷で初めて『新子』見た若い女性が、今度は友達3人をつれて、吉祥寺へ行くとか……そうやって、広がっていってくれると、いいな。というか、勝手に広がってるから、これでいいんだよな。

横浜で上映したときも、仕事もってるお母さんが、息子さん連れて見に行って、「やっと見れましたよ」って、メールをくれてな。
あと、阿佐ヶ谷で、カップルで来ていたお客さんが、貴伊子のこと、「きいちゃん」って、まるで友達みたいに、呼んでいて……ダメだ、俺はいま、泣いている。

まったく、なんてこった。今、すごく嬉しいんだ。

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2010年4月 2日 (金)

■4月のメモ「パッテンライ!!」■

どうしても、石黒昇監督の元気なお姿を見たくて、『パッテンライ!! ~南の島の水ものがたり~』上映会へ。
平日の100401_16270001板橋区文化会館。数十人しか入ってなかったけど、この上映会自体、日本~台湾交流イベントのひとつ、という感じ。
アニメも、台湾にダムを建設した八田与一の功績を描いた、『プロジェクトX』的な内容。


ようするに、日台交流の“ツール”として作られたアニメなのだが、思いのほか、良かった。
んー、絵は『巨人の星』みたいだけど、そういう問題じゃないんだ。

ストーリーは、八田に憧れ、土木技術者を目指す少年Aと、飛行家を目指す少年Bの友情物語が、横糸になっている。
俺が「すげえな」と思ったのは、この2人のガールフレンド(少女Aと呼称する)が、電信柱に耳を当てて、うっとりするところ。
別に、この子は木で出来た電信柱に、フェティシズムを感じてるわけじゃないよ。
電線が風にたわむ音を、電信柱を通じて聞いて、「風のおしゃべりが、聞こえる」って言うの。

「本当かい?」と、少年Aが電信柱に耳を当てると、次のカットがすごいよ。
人物なし、風に揺れる電線だけを、横PANで撮る。このカット、映画全体からしたら、意味ないんだよ。でも、そんなカットを(下手な作画といえど)入れるんだ!?と。
何と官能的な、美しいシーンであることよ。


あと、この3人がいたずらして、怒られるシーンがあるんだよ。
少年AとBは、オヤジにゲンコで殴られて、泣くわけ。少女Aも、「2人をぶつなら、私もぶって」って、目に涙を浮かべている。
オヤジが「女の子は、殴れねえ」って躊躇してると、主役の八田さんが、少女Aの頭を、軽くコツン、とやる。八田さんが手をどけると、彼女の髪に、花がさしてあるんだよ。

その瞬間、少女Aは、大声で泣きだす。後ろから、お母さんが「あら、きれいなお花、つけてもらって」なんて、笑っているんだけどさ……少女Aの涙の意味、分かるでしょ?
優しくされすぎて、それが辛いんだよ。そんなに優しくされたら、もう、いたずらできないじゃん? そういう怒り方も、あるんだよ。そういう大人になろうよ。

このシーンだって、絵なんて、ボロボロといってもいいぐらい、ひどい。でも、そういう問題じゃないんだよ。演出って、こういうことなの!


ここまで来たら、ラストシーンのことも書かせてくれ。

10年もの歳月を費やして、八田のダムは完成する。その日、もう立派な青年となった少年Aは、別の理由で泣いていた。「飛行機に乗って、ダムを見に行くよ」と約束した少年Bは現れず、少女Aも、故郷へ帰ってしまったからだ。

その一年後。八田に案内され、少年Aは、赤い副座型の複葉機に乗る。
後席に乗っている男が、「こいつは、赤とんぼっていう名前なんだ」と言う。そのニックネームを知っているのは、少年Bだけのはず……! 10年ぶりに握手する2人。

2人の乗った複葉機を、ダムの上から見送るのは、すっかり綺麗になった少女Bである。お約束だが、この空撮カットは泣ける。絵は、しょぼいんだけど、泣ける。
Img_1481624_55560981_0そして、夢を果たした2人の飛行機を、現地の子供たちが追いかけていく。少年Aと少年Bは、思わず、ほほ笑む。
「おい、見ろよ」「ああ。あの頃の俺たちじゃねえか」 か……っこいい!!
大空へ吸い込まれるように、小さくなっていく飛行機……ああ、ここで終わってくれ、この映画~!と思っていたら、そこで終わる!


確かに、こんな70年代風の絵なのに、いきなり3DCGが大胆に使われたり、トータル・バランスは滅茶苦茶です。でもさ、どうでもいいじゃん、バランスなんて。
最初に『巨人の星』みたいな絵って書いたけど、確かに、剛速球で飛んでくる何かが、このアニメには、あるんだよ。
「目に見えるものだけが、すべてではない」。アニメを見るときにこそ、心がけたい。

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