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2010年3月26日 (金)

■3月のメモ「風に吹かれよ」■

お知り合いの出演している演劇へ、行って来た。
開演前、お嬢さん方が、千円のパンフレットを笑顔で売り歩くので、優しい僕は、つい買ってしまったではないか。
肝心のお芝居の中身については、ノーコメント。


20代の頃は、毎週のように、駒場アゴラ劇場へ通っていた。
劇団ツベルクリンの『Lesson』に衝撃を受け、友達を誘って、二度見に行った。
次の公演も、シュールな笑いと抽象的なモノローグが美しく、脳の裏口を、ノックされたような気分だった。

ところが、三度目に見た舞台が、あまりよろしくない。何だか、大衆的なお芝居になってしまった。それ以来、ふっつり興味が失せてしまったのだ。
ひょっとすると、それは劇団が「大きくなった」ということなのかも、知れない。


最近は、何らかお誘いがあった場合のみ、知らない劇団の公演でも、出かけるようにしている。
でも、券の売り方って、これでいいのかな? ノルマが決まっていて、お知り合いに一枚でも多く買ってもらって……付き合いで来てくれる人たちは、「本当のお客様」なのだろうか?

ひどい場合には、もう劇団と観客の間にコミュニティが出来ていて、最初から常連さんが「キャーッ!」って、騒いじゃう。俳優が何を言っても、ウケる。
一応さ、お金をもらって、作品を見せてるわけでしょ? 常連で客席うめて、「満席、ありがとうございます!」って、それ間違ってない?


ところが、ある人に言わせると、彼らは、それでいいんだそうです。客席と一緒になって、ワイワイ騒いで、役者と客とで、お食事会やったり、そういう「娯楽」なんだそうです。

そういうのが楽しい人には、スマン。
でも、そこには、風が吹いてないよ。荒野に、たった一人で立てるだけの力が、そこにはない。
風にさらされていないモノは、俳優でもなければ、作品でもない。
ただの、なれあい。


『ギャラクティカ』シーズン4は、デミトリアス号反乱の話。
スターバックが「私のためではなく、船団のために、地球を探す」と怒鳴るシーンで、またしても泣く。
Nup_107039_0171険しい道ばかり選ぶスターバックの姿に、魂をゆさぶられる。

本当は、「一度信じると決めたら、何が起きようとも、信じつづけるのよ」という、アテナの姉妹たちへの叱咤に、学ぶところが大きいとは思う。
つまり、アテナの生き方には、社会性がある。
彼女に比べると、スターバックは無手勝流、やぶれかぶれの芸術家だ。
アテナには、夫も子もあるが、スターバックは天涯孤独だ。バツイチだし(笑)。
これで、親近感が、わかないはずがない。


明日27日より、『マイマイ新子と千年の魔法』が、2箇所で上映される。
北見のシアターボイス。シネコンであるミッドランドシネマ名古屋空港
渋谷も、宝塚も、まだまだ頑張っている。一人でも多く、「本当のお客様」を迎えられますように。

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コメント

>ひどい場合には、もう劇団と観客の間に~


予定調和。

それってぬるま湯だよね。
浸かってると気持ちいいよね。

で、気持ちいいのは、浸かってる人たちだけだよ。
傍から見ていて、気持ちいいんだろうことはわかる。
とても穏やかで平和な光景だ。

だがしかし、その平和な光景が空しく見えるときがある。


舞浜の空は青いか?と問いたくなる。


そう問える人間と、僕は一緒にいたいかな。


絶えず向かい風は吹いてくる。
それでも僕はペダルを漕ぐ。クランクを回し続ける。

だってそうしなくちゃ、前へ進めないじゃない。

それが僕には
すごく当然のことのように思える。

投稿: 前岡 和之 | 2010年3月26日 (金) 11時09分

「集まり散じて、人は変われど、仰ぐは同じき、理想の光」ですよ。

投稿: 杉本晃志郎 | 2010年3月26日 (金) 11時16分

■前岡 和之様
ぬるま湯でワイワイやっている人たちに、「お前ら、不愉快だからヤメロ」とは言いません。それで気持ちが救われてる人たちも、いるでしょうから。その権利までは、奪えないですよ。

でも、何千円か払って「作品」を見に来ているんですよね、僕らは。あなた方の「作品」は当然、世の中の方を向いてくれてますよね? というだけのことなんですよ。
風にさらされている、ということの意味は。

作品も人も、基本的にはスタンドアローンであり、だからこそ、支持を受けもするし、逆に、無視もされるんだと思います。
「無条件に、支持を受けつづけたい」という願望が、ぬるま湯を生み出すのでしょうね。

■杉本晃志郎さま
何かと思って調べてみたら、早稲田大学の校歌なんですね。無知で、すみません。
ところで僕、自分の出身大学の校歌なんて、聞いたこともない(笑)

失礼。意味を調べてみましたが、どうしてその言葉を引用なさったのか、分からなかったもので。

投稿: 廣田恵介 | 2010年3月26日 (金) 11時43分

 そうかー、わかんないかー。
 まあ、わかんないかもなー。
 
 かつて、全く同じこと思ってた人間からの
 今の廣田さんに対する励ましの言葉と
 取ってもらえれば。

 「なれ合いも悪くないよ」とか
 そういう意味じゃないから、安心して。
 
 

投稿: 杉本晃志郎 | 2010年3月26日 (金) 22時31分

■杉本晃志郎さま
それで、あなたの気がすんだのであれば、結構なことだと思います。

投稿: 廣田恵介 | 2010年3月26日 (金) 23時29分

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