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2010年3月23日 (火)

■時には、一人でキャバクラへ■

「最近、キャバクラは?」と聞かれることも、めっきり少なくなった。行くとしても、必ず友達か編集者と、2人。常に2人。シスの暗黒卿。

同じ数万円を払っても、会話も弾まず、アフターには誘いきれず、気まずい沈黙のまま、朝を迎えることもある。キャバ通いは、当たり外れが大きい。
ようするに、ここのところ、負けが込んでいたのだ。ところが、昨夜は、ひさびさの一人キャバで、勝った。元はとった、と思う。

ルールで、座っている間、手をつないでくれる店が、一軒だけあった。あと、ヒザの上に手を置くとか。でも、少ないよね。座る前、一度だけ握手してくれる、というのは何軒かあった。
笑ったときに、ヒザを叩く。これは、上手い。一気に親密度が増す(ように感じさせる、嬢のテクニック)。

ところが、昨夜は、「髪をなでて欲しい」「手を握っていて欲しい」「肩、抱いてて欲しい」ですよ。
でも、ボディタッチを売りにしたお店じゃないよ。一人の嬢だけ、やたら、触ってほしがる。これでは、指名するしかないじゃありませんか。眠かったけど、閉店までいたよ。
「髪のさわり方が、優しい」と言われたのは、おそらく人生史上、初ですよ。
だって、うっかり手を離すと、「ダメッ」って、自分から握ってくるんだよ? 「肩、抱いてくれないの?」って、うっわーうらやましいぞ、俺! 向かいの席の客は、こんないいこと、させてもらってないよ? 同じ金額払ってるのに。


改めて、思う。
キャバクラって、恋人気分を売るお店だ。客は、何を持って帰るわけでもない(せいぜい、嬢の名刺ぐらいだ)。手ぶらで帰ってきたのに、満足。これは、映画に似た商売だ。
「しょせん、キャバ嬢なんて金だろ? ぜんぶ演技だろ?」という人。あなたの人生は、つまらんね。恋愛映画を見ても、A-10神経が刺激されない人だね。
間違っている方が、幸せな場合もある。だとすれば、俺は、間違いつづけることにしよう。

ここ数日のイライラを、嬢といる間は忘れられて、翌日から頭を切り替えられる。
モテモテで困っているはずの友人が、「廣田さんは、この世に女神がいると思ってるでしょ? いませんよ、そんなもの」と寂しそうに言っていた。君にこそ、昨夜のような思いを、させてあげたかったよ。
体に残る香水のかおりで目覚める朝の、その一滴の幸せを。


稲垣足穂が「詩は歴史に対して垂直に立つ」って言うてる。俺はこれは恋愛についても言えてると思うんや。一瞬しかね、成立しない。その瞬間は非日常で、まさに天空の一番上へ昇っていく。(中島らも)

何事も、永遠に続きやしないのだ。しかし、そんなことは、嘆くには値しない。

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コメント

 まあ、人はどんどん変わっていくよね。
 それが悲しくて仕方ないから、僕はなるべく変わらない
 ように努力していたのだけれども。

 マイマイ新子をヘビロテで見出してから
 最近とてもやさしくなったと周りに言われまくってる俺です。
 喜ぶべきことなのか、それとも憤慨すべきなのか・・・・・・

投稿: 杉本晃志郎 | 2010年3月24日 (水) 00時18分

■杉本晃志郎さま
作品で人が変わる、ということは、つまり「体験化できている」というか、血肉になっているんだと思います。

体験化できなかった作品は、僕にとって重要ではありませんから、すぐ忘れてしまいますね。

投稿: 廣田恵介 | 2010年3月24日 (水) 00時27分

タイミングを逸して伝えられずにいましたが、「ハネダ模型店」大好きです。いま急に思い出しました。誰も悪くないのに、誰もが酷い目に遭うところがいいです。

投稿: ちえきち | 2010年3月24日 (水) 00時44分

■ちえきち様
読んだ人、みんな「イタタタ」と思ったのか、誰も感想くれないんですよ、『ハネダ模型店』。なので、ありがとう。

デッドエンドとしか、言いようのない話だからなー。
しかし、あれ以外の恋愛観を持つことが出来ないのですよ。

投稿: 廣田恵介 | 2010年3月24日 (水) 01時01分

女なので...コメントとくにないですけど(´ρ`)
自分を客観視しててとくに問題ないです

投稿: ごんちゃん | 2010年3月24日 (水) 16時20分

■ごんちゃん様
世の中には、キャバ嬢に優しくするぐらいしか、使いようのない男もいるってことで……。

投稿: 廣田恵介 | 2010年3月24日 (水) 17時47分

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