■3月のメモ「ラブプラス禁止法」■
渋谷シネマ・アンジェリカにて『マイマイ新子と千年の魔法』上映中!
「ぶわっはっは! 笑いがとまらん!」「どないしたん、新子ちゃん? あれだけ“一日4本まで”って約束したやんか…」「だ、誰が、ボンボン中毒じゃい! 3週間で打ち切りだったはずの映画が、まだ上映しとるやん! むっちゃ痛快やんか」「ああ、うちも見た見た。風船でおじいさんの家が浮くやつな」……ビシッ! 「新子ちゃん、痛い!」
『カールじいさんの空飛ぶ家』も上映されているので、時間を確かめてから、行きましょう。ノー・モア・映画泥棒。
昨日は、小春日和の吉祥寺に行って、「吉祥寺アニメーション映画祭」の会場に、チラシを100部、置かせてもらいました。本日の「ジブリ美術館ライブラリーまつり!」でも、チラシが配られるはずです(さすが、マッドハウスさん)。
さて、渋谷のシネマ・アンジェリカ。片渕監督のTwitterに「初見の方ものすごく多数。」と書いてあって、ウルッときた。
俺たちのチラシの効果だとは言わないけど、とにかく、新規のお客さんに来て欲しい一心で、配りつづけてきたので。
「会社帰りに見れないよ」という方、27日からなら、19:30の回がありますよ。
あと、新座での上映がんばれ!
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えー、自分が関わった本ではないのですが、宣伝です。
なかなか『新子』を見に行ってくれない知り合いの一人(笑)、天神英貴氏の画集が発売されます。
ここだけの話、劇場版『マクロスF』で忙殺されている中、『メガゾーン23』同人誌『フェスティバル・タイムズ Vol.2』に、「何がなんでも描きます!」と、約束どおりにイラストを描いてくれたのが、天神さんだった。
なのに、この本には、天神さんが仕事で描いた『メガゾーン23』が載ってないという不思議……。でも、天神さんはカッコいい人よ。
『天神英貴WORKS 』、税込み3,990円。26日、発売。
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今さらだけど、『ラブプラス』をやろうと思う。友人にも、そう宣言した。
しかし、どうやら、東京都では『ラブプラス』が発売禁止になるかも知れない。
最初は「何かのネタだろう」と思っていた、「東京都青少年健全育成条例の改正案」が、マッハ速攻で、都民にも知らされないまま、可決されようとしているからである。
この改正案の異常なところは、「非実在青少年」、つまりマンガ・アニメ・ゲームの登場キャラクターを対象にしている点。
本当に、かいつまんで言いますね。絵であろうが何であろう が、18歳未満に見えるキャラクターが、ちょっとでもエッチなことをしていたら、販売・レンタルはもちろん、閲覧も禁止。
『ラブプラス』って、キスできるモードがあるんだよね? それ、第七条・第二項にある「性交類似行為」だから、絶対ダメだ……って書くと、ネタに聞こえるんだよなあ。
キスどころか、パンチラも水着も、それ以前に制服着てるだけでも、ダメなんですよ。18歳未満に「見えかねない」キャラクターだったら、ぜんぶ。それを見て、興奮するヤツが「いそう」だったら、もう規制の対象になってしまう。
どうとでも定義を広げられる曖昧な基準が、この改正案の不気味なところです。
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こんな話をしていると、「お前は18歳以下の、絵に描かれたエッチが見たいだけなんだろ?」などと、揶揄される。ああ、見たいね。俺は、本能に従う。本能で、この改正案に反対する。
何を見て興奮するか、それは心の自由だ。心の中でだったら、どんな禁忌に触れるも自由なはずじゃないのか?
権力に心の自由を明け渡すことは、その他すべての自由を明け渡すこと。そうなってからでは、遅いのです。
観念的なことばかり言ってても、しょうがないので、「非実在青少年」でググってみて下さい。僕だって、つい昨日まで、まったくの無関心だったんだから……。
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コメント
とりあえず、業界人の端くれとして、
明日の集会いってくるわ。
僕個人はギャルゲーやエロ本が
なくなってもちっとも困らないけれど、
こんなん水際で止めないと、
マイマイ新子まで
ひづる先生が不倫願望あるから駄目とか
警察官がヤクザとつるんでるから無理とか
言い出しかねないからね。
売られている商品が「社会通念」からして
著しくわいせつだというのなら
わいせつ物頒布罪が既にあるのだから
提訴して司法の場で徹底的に争えばいい。
たとえそれがどんな表現であろうと、
刑務所に入る覚悟でやっているのであれば、
僕はその表現者を支持するし、
検閲を是とするほど、日本の司法は
腐っちゃいないことを信じている。
三次元だから駄目とか、
二次元だからいいというのは、
本来おかしなことだと思うのですよ。
投稿: 杉本晃志郎 | 2010年3月14日 (日) 01時22分
・・・谷崎潤一郎の一連の作品や、川端康成の一部の小説には、
よく読めばかなりあからさまな変態性欲が描かれている。
が、素材として少女性愛を扱っていても、主題としてフェティシズムを
中心に据えていてさえ、彼らの作品はポルノグラフィーにはならない。・・・
・・・同じように見える作品でも、たとえば調子ぶっこいた若い奴が
障子紙に不作法をはたらく湘南ブランド御用達の武勇伝文学や、
ビジネスマン向けの新聞に連載された
老年不倫情死小説は、ポルノでこそないものの、
芸術には届かない。要は、作品次第ということだ。・・・
以上、日経ビジネスオンラインより引用
小田嶋 隆 「非実在青少年」という概念は、アダルトっぽくないよね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20100311/213285/?P=1
今年は3/25~3/28で行われる、東京国際アニメフェア、
実行委員長は何を隠そう石原慎太郎ですよ。
何を考えているんだか・・・。笑ってるし↓
http://www.tokyoanime.jp/ja/info/greeting/
投稿: bokusatchii | 2010年3月14日 (日) 01時28分
■杉本晃志郎様
明日の集会というと、都庁ですか。百名限定だそうですよ。
ここで『新子』を例に出さなかったのは、やっぱり、ちょっと「笑えない」状況をつくりたくなかったからなんです。公開直後ですしね。
でも、あえて言います。『新子』はパンチラがありますから、立派に規制対象です。いや、パンチラがあろうがなかろうが、どうとでも規制できますね。
つまり、日本のアニメ・マンガ・ゲームの隆盛が、邪魔で邪魔で、しょうがない人たちがいるらしいんですよ。この文化を、潰したくてしょうがない。アグネス・チャンの言っていた「準・児童ポルノ」という珍妙な概念も、今回と同じです。
「児童」「青少年」を盾にしている。そうまでして、何かをやりたいらしい。それが不気味でね……。
僕も、現行法で十分だと思います。しかし、その現行法にも問題がある。主観で、どうとでも受け取れてしまうのですよ。
■bokusatchii様
URLは、両方とも見ました。「たけくまメモ」も、分かりやすいですよ。http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/
『源氏物語』もそうですし、この国は、性に放埓というか、大らかだったはずです。
なのに、今回の改正案は、どこか別の国の匂いがするのです。日本人の考えたことじゃない、と思います。
汚いことを、書きますね。
以前、このブログに書いたように、僕は2ちゃんねるに、エロ小説を連載していました。ぜんぶ保存してあるので、どこへでも出せます。
つまり、僕は当事者になりたい。訴えてくれれば、どこまでも戦う。むしろ、戦いたい。
今回、オタクはなめられてますね。「あんな連中、法になんか、関心もたないだろ」と。それに乗じて、彼らが何をしたいのか、僕は最後まで見届けたいんです。
ある有名なアニメ監督が言っていました。
「いま、日本って平和に思えるでしょう? でも、この空気ってね、太平洋戦争を始める前の大正時代にそっくりなのね!」
この口調で、どなたかは察してください。
投稿: 廣田恵介 | 2010年3月14日 (日) 02時31分
マンガやアニメの中の実在しない少年少女が性を想起させては駄目なのに、実在のグラビアアイドルならいいんでしょうか。そこらへんもわけがわかりません。U15ジュニアアイドルの着エロDVDとか、とんでもないのが出回っていますよね、いや、よく知らないですけどね……。
何をもって性的とするかという、ラインのひきようのないことを法律にしようというのだから、狂気の沙汰としか思えません。それこそ、人のパンツの中にまで口出しするなって話ですよ。
それに、部屋でこっそりマンガやアニメでハァハァしてる人間が集団強姦事件を起こすとかも想像しにくい。
投稿: ちえきち | 2010年3月14日 (日) 02時44分
■ちえきち様
前にもコメント欄で言いましたが、集団強姦事件を起こすのは、ラグビー部です(笑)
>U15ジュニアアイドルの着エロDVD
実際に、裁判が行なわれてます。ちゃんと、新聞に判決が出てますよ。
その裁判だって、「衣服の全部または一部を着けない児童」という、どっちにもとれる法令にもとづくものです(この場合の「児童」とは18歳未満の男女のこと。高校生は「児童」なんですよ、ハハハ)。
本気で分からないんですよ。「衣服の全部または一部を着けない」って、これ日本語なんですか?
投稿: 廣田恵介 | 2010年3月14日 (日) 03時12分
何が異常かって
「ほとんどの国民は何も知らない」
これにつきますね。
職業とされてる方達も知らない人はかなり多いんじゃないかな。
やりたければ堂々と掲げればいいものを。どう考えてもコソコソしてるでしょ、っていうね(笑)
これでもまだ「アニメ、漫画は日本が世界に誇る文化だ」って言い続けるんでしょうか?
馬鹿にするにもほどがありますねぇ。
こちらに電話で問い合わせた方の話がありますので参考までに。
http://mitokobayashi.blog109.fc2.com/blog-entry-407.html
むちゃくちゃだ(笑)
そして一方でこういう意見もあります。
http://komachi.anond.hatelabo.jp/20100312023613
昨今の出版社の自浄能力の低下も問題の一つかもしれませんね。
投稿: まの | 2010年3月14日 (日) 03時37分
■まの様
本当は、アニメやマンガは「誇る」とうより、「隠す」べき文化なんでしょうね。
僕は明日で43歳ですが、「マンガなんて読んで、恥ずかしい子」と、祖母に怒られた世代です。その陰で、少年誌のエッチなマンガも、もう大好きでしたね。
後者のURLも拝見しましたが、少年誌に問題がある……いや、そんな小さな問題ではないと思いましたね。しかし、考えた方のヒントにはなりました。
>こちらに電話で問い合わせた方の話がありますので参考までに。
ああ、都に直接、聞いてしまえばいいんですね。これは大変、参考になります。
僕も、毎年、クソ高い都民税を払ってますからね。
意見を言う権利ぐらいは、残っているはずですよね。何しろ、都民ですから(笑)
非常に参考になります、ありがとうございました。
投稿: 廣田恵介 | 2010年3月14日 (日) 04時25分
>つまり、日本のアニメ・マンガ・ゲームの隆盛が、邪魔で邪魔で、しょうがない人たちがいるらしいんですよ。
>この文化を、潰したくてしょうがない。アグネス・チャンの言っていた「準・児童ポルノ」という珍妙な概念も、今回と同じです。
うんうん、アグネスの頃から気付いている人はもうとっくに気付いている。敵ははっきりしています。僕は「子供の為」にをまず口にする公人をほとんど信用しません。その言葉に異を唱える事の真意が何も考えず感情的にしか動かない大衆に理解させるのが難しい事を彼らはよく心得ているから。「子供手当」「高校無償化」がどれだけただの政党の人気取りで財政的に無茶なのかはわかっていても「子供の為なら」という大衆感情の前では正論が通用しない事も。
あとはまた象徴的な事件が起きれば彼らの思い通りです、いや、少しでも文脈が繋がれば犯人像をねつ造してでも彼らはまた過去の事件の様に「オタクの虚像」を仕立て上げて利用するでしょう。
ただ、苦言を呈するのなら、いわゆる自称同人作家達はもっとこの事に関心を持って欲しい。彼らがその時々の人気作品であること「だけ」に目を付けて首をすげかえただけで過激描写だけをエスカレートさせたもはやオリジナルへの敬意をもった「ファンジン(死語かな)」とはとうてい呼べないただの「エロ本」を無軌道にバラまいてきた事、それを「人気商品」として扱うショップが街のメインストリートに平然と存在する事実、こんな事が規制を狙う人間に付け入る隙を与えた可能性に。
最近いろいろブログとか廻ってみたけど全然関心持ってないですよ、腹立たしいくらいにね。でも無理なのかな、彼らの関心があるのは結局「イベントでの金儲け」だけだから、東京でだめなら他の地区で売れば良いじゃん、くらいにしか考えてない様に思えて仕方ないのです。
みんなが守りたいのはこんな連中の飯の種なんかじゃない、作品の中での表現の自由、もちろん文脈としてのエロティシズムも含めてなにものも規制されない自由なんですから。
投稿: Miya-P | 2010年3月15日 (月) 10時05分
■Miya-P様
僕は同人誌の世界のことが、よく分かっていなかったのですが、「イベントでの金儲け」と考えると、無関心なのも納得です。
別にエロでも、その人が「書かざるを得ない」ぐらい、本能に根ざしたものであれば、それは「表現」だと思うんですけどね……。
「金儲け」なら、そりゃあ、今回の改正案にも関心ないでしょうね。僕は、アマチュア作家の人たちを、神聖視していたようです。
いろいろ、納得いきました。
>「子供の為なら」という大衆感情
「子供のため」「青少年のため」、容易に、目的をすり替えることが出来る。考える余地を与えない。とにかく、反対しづらい呼称・名目を前面に出してくるんですよね。
実際、大衆が考える以前に、話題にすらなってない。新聞にも載らない。それが不気味なんですよ。
投稿: 廣田恵介 | 2010年3月15日 (月) 14時11分
>「イベントでの金儲け」
私の主観だろうと言われると困るのでちょっと補足しておくと
その作品が大好きで倒錯した妄想に走って本作ってしまうなんてのは微笑ましい話で全然オッケーだ思うのです。
でも、いわゆる「あとがき」の部分で題材にした作品を「見た事ないんだけど」って平然と書いてる本の作者が少なからずいるんですよ。いったいなんなんだよあんたは?って思う事もしばしばあります。
周囲の会話の中でもまず「次の新作同人誌、何をネタにすれば売れる?」みたいな事を聞く事もしばしば。「好きだから売れなくてもこの作品の本を作って知ってもらいたい」という純粋な思いとはまったく異なる考えで参加してる層というのはやっぱりいるんですね。
投稿: Miya-P | 2010年3月15日 (月) 14時39分
■Miya-P様
>「次の新作同人誌、何をネタにすれば売れる?」
この発想、価値観が、まるで理解できませんよね。
「あいつら、売れれば何でもいいんだ」と憤慨している友人がいたことを、思い出しました。
でも、確かに「売れる」という動機なしに、ここまでエロ同人誌ばかりが増え続けるはず、ないんだよなあ……。その専門店が、ビルのような高さになることも。
最低でも、日陰者意識は、持ってほしいんですよ。後ろめたさは、感じていてほしい。
秋葉原で昼間から堂々と売ってる=市民権を得ている、と勘違いしている輩が多すぎるんでしょうね。
かと言って、そいつらを法で規制せよ、というのも、また違うように思うのですよ。
投稿: 廣田恵介 | 2010年3月15日 (月) 15時10分
>そいつらを法で規制せよ、というのも、また違う
そうですね。売り手の事ばっかり言いましたが、
買い手側の
>秋葉原で昼間から堂々と売ってる=市民権を得ている、と勘違い
このあまりの日陰者意識のない無防備さがつけ込まれる結果になってる自覚は持って欲しいですね
話は変わってしまいますがこの「次何が売れる?」が転じての「今何が売れてる?、売れてる物に乗りたい」意識があまりにも強い今のオタク達(私はそんなのがオタクとはまったく思わないんですが)の姿を見てると「マイマイ新子」の様な作品を売るのがいかに難しいかっていう理由が明確に見えてくるようにも思えます。
作品の質の良さをいくら言った所で、彼らにとっては既に多くの他者の話題になってなければ全然見る価値すらない、そういう事なんじゃないかと。 幸いマイマイは作品の質を見い出せるオタクの人達に注目され、一般映画のファンに訴えかける力を充分に持っていた事で厳しい現状ながらもこうして多くの支持を得る所まできましたが、純粋に内容と質で勝負しようとした多くの作品が、「事前の仕掛けがない、有名なラノベ原作じゃない」という馬鹿げた話で注目される事も無く埋もれてしまう現実に、本来鋭いアンテナを持ってそういう作品をリードする存在だった筈のオタクの「質の低下」を嘆きたくなってしまいます・・・・。
投稿: Miya-P | 2010年3月15日 (月) 21時27分
■Miya-P様
基本的に、僕は「バカは気にしても、仕方ない」(笑)と思います。
作品のポテンシャルを見抜けなかった人たちのことを、後になってから責めても仕方ないし、僕自身も「みんなコレは、必見作品だって分かるよね?」と楽観していましたから。
語弊を怖れずに言えば、「みんな、アホになったんだなー」と感慨深く思います。
ここで呼称している「バカ」「アホ」がメインの購買層であるかぎり、仕方ないですよ(笑)
いま、『MAG・ネット』出演候補者の相談を受けていますが、本当に、『新子』を見てくれている著名人が少ない……鳩山幸とか、そっちへ戻ってしまう(笑)。
「売り方が難しい」とは言われてきましたが、それ以上に、「作品の運命」みたいなものを、感じざるを得ないのです。
ちょっと前まで「本当なら、こうあるべきだったのに」という理想を抱いていたのですが、果たして、僕が鈍感だと決め付けている「バカ」「アホ」たちの責任かな?と、最近は思うようになりました。
投稿: 廣田恵介 | 2010年3月15日 (月) 22時52分