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2010年2月28日 (日)

■署名は本日28日いっぱいで終了です■

レコミンツ Side-Bさんで、土日のみ署名受付中の「新座のシネコンで『マイマイ新子と千年の魔法』を上映するママたちの会」が、ネットでの署名を開始しました!
「用紙をダウンロードして、署名する」という形式です。
http://spreadsheets.google.com/ccc?key=0AmPEpV89BzobdG1zR1g0VzN6QnFRUHZXenRCQm1xa2c&hl=ja
用紙に入力したデータか、出力して手書きしたものをスキャンして、こちらまで送ってください。
この方法なら、PCを持ってない人へも、回覧できるわけですね。

この署名は、3月2日のシネコンとの交渉日以降も、続けていくそうです。
「戦いとは、常に二手三手、先を読んで行なうものだ」のお手本ですね。ほかにも、彼女たちは、新座近辺の小中学校だけでなく、図書館などの公共施設も味方につけようと、地図を広げているそうです。

やや牽強付会になりますが、これこそ、僕の始めたネット署名の幕引きにふさわしい現象じゃないか、と思うのです。
僕は、「とにかく、上映を長く続ける」ことを、目標に掲げました。僕以外の人たちが、それを具体的に引き継いでくれているのだから、これで良かったんじゃないか、と……。

そして、署名の終わる次の日に、僕は幹事会社のエイベックス・エンタテインメントに署名を持って、行ってまいります。


2009年12月3日、『新子』上映2週目が終わろうとしていた頃、僕と片渕監督は、「ネットで増えてきたファンたちの声を、何とか集められないか」と話していました。あまりに動員が悪く、上映打ち切りが決まりつつあった頃です。
(実際には、この日から2週間を待たずして、新宿ピカデリーでの上映は終わり、19日からラピュタ阿佐ヶ谷の「マイマイ・ナイト」が、始まります)

監督は、どこか場所を借りて、集会のようなものをやりたいと考えていました。
それに対して、僕は数で残せるもの、記録として活用できる方法を探していました。それで、「ネット署名をやりたいのです」と、提案したわけです。
『新子』の興行収入は、初日からの3日間で、1002万1900円。動員、8354人。これに対して、続映を求める声が1万人では説得力がない。それで、「最低目標として」、倍の2万人と決めました。
とにかく、初日3日間の動員をこえる数字を示して、製作委員会を翻意させるしか、打ち切りをくい止める手立てはないと思っていましたから。だから、期間も「2ヶ月」と急いだのです。

ところが、ラピュタ阿佐ヶ谷を皮切りに、年を越えて、各地での上映がつづいているのは、ご存知の通りです。
署名を決めた当時は、とにかく「全国のシネコンで終わったら、何もかも終わり」という状況だったんです。あの当時の絶望感といったら、そりゃあもう……。


また、「署名活動まで行なわれているアニメ」という言葉が、各ニュース・サイトで枕詞のように使われたのも、嬉しい誤算でした。『新子』復権のキーフレーズとして、役立ってくれた。
そして今、「署名活動の起きたアニメ」という言葉は、誰も使わなくなりました。そういう意味でも、署名活動の役割は終わったのだと思います。具体的方法を模索すべき時期に、入ったのです。

いま、続映の働きかけを行なっているのは、新座のママさんたちだけではありません。
結局、監督の望んでいた「せめて、春休みまで上映できないか」という希望は、5つもの映画館で、達成されることになりました。署名を始めた当時は、「春休みなんて、とんでもない……」と、ため息をつくしかなかったんですよ。
いま振り返ると、ウソみたいです。そんなに長く上映できるはずがない、と誰もが思っていましたから。


目標人数2万人という読みは、甘すぎたと反省せざるを得ません。
上映館が増えつづけているとはいえ、『新子』は資金回収できていませんし、依然として厳しい状況がつづいています。
まったく上映されていない地域も、まだまだ多いです。
渋谷シネマ・アンジェリカは絶対に失敗できないので、チラシを刷っては、配っています。

詭弁と言われようとも、僕は最後まで、数にこだわります。署名者数は、1500人台で終わろうとしています。
でも、最初は1人だったんです。

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2010年2月27日 (土)

■2月のメモ「もうひとつの署名活動」■

この週末、中野に行かれる方、中野レコミンツSIDE-Bに寄ってみてください。

署名用紙が置いてあるはずなので、心ある方は、署名お願いします……って、この署名は、「新座のシネコンで『マイマイ新子と千年の魔法』を上映するママたちの会」(俺が勝手に命名)が、設置させてもらったものなんですよ!

何しろ、金曜午前中に、主催者のママさんが、学生で『新子』ファンの美人姉妹と知り合って、レコミンツに署名用紙が置かれたのは、同じ日の午後なんです。
主婦・学生とはいえ、何だ、その機動力……女って、すげえな。
しかもですよ。
「春休みがNGと言われたら、次にシネコンが空くのは○月中旬」とか、すごく冷徹に計算して、計画を立ててるそうです。ほかにも、新座近辺の小中学校の数を調べて、「これぐらいの動員が期待できる」と、具体的な資料をつくっているという。
「映画館に、損をさせるな」とか、俺は偉そうなことを言ったけど、この人たちは、本能的に、それを察知して、先手を打っている。もう、俺の出る幕じゃない。

新座のママさんたちのために、中野レコミンツで署名を! 今週末、土日のみ受け付け!


何だか元気づけられて、取材の帰りに、吉祥寺バウスシアターへ直行。
Angelica_ad_071渋谷シネマ・アンジェリカ用のチラシを届けたついでに、支配人さんとご挨拶できた。
映画館を船にたとえるなら、この方は、ベテランの船長というお顔立ちだった。こういう人の、お役に立ちたい。

署名が終わったら、その時から始まることがある。そして、こういう方たちにとって、むしろ署名は関係ない。その意志の強さの前には。
しかし、製作委員会と話す最後のチャンスを持たせてもらっている、今の僕にとっては、ネット署名は大事です。委員会の資料として役立てたいそうなので、年齢・性別・都道府県は、正確にお願いします。
1500人の気持ち、無駄にはしません。→こちら

※1500名、達成しました。28日いっぱいまで!


『ギャラクティカ』season 4の、DVDジャケ写が来ました。
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これまでの黒っぽいイメージと一新して、白。最終回を見た後だと、これ以外は考えられない、鮮烈なビジュアル。

これも、日本側クリエティブ・ディレクターの清水節さんのアイデアだそうです。素晴らしい。
そして、ずっと一緒に記事をつくってきた宣伝チームの1人が抜けてしまうそうで、僕は悲しい(彼も、やはり最終回でボロ泣きしたとか)。
S木さん、長い間、ありがとう。新天地で成功しますよう、ここに、そう願います。
……DVDの発売は、5月28日。レンタルも、同日スタートです。見てください。

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2010年2月26日 (金)

■2月のメモ「4ヶ月前」■

原稿が予定より早くあがったので、映画館に行ってきた。
1001191吉祥寺プラザには、何十年ぶりかで入ったけど、音響がSRDになっていた。
上映していたのは、『オーシャンズ』。ほとんど、別の惑星かと思うほど、神秘的なシーンの連続で、ぜんぜん飽きない。
で、エンドクレジットで、「この映画では、海の生物を殺していません。そのようなシーンには、特殊な映像技術を使いました」旨の注意書きが表示されるんだけど……ようするに、SFXを使っているわけだけど、「ま、いいんじゃね?」と。

そういう胡散臭さも含めて、エンターテイメントだと思うし、この世のものとは思えない、圧倒的な映像美を見せてもらったんだから、それでチャラだよ。


署名は、あと3日間となりました。出来れば、キリよく1500名突破したいところです。
Angelica_ad_02_2「単に提出するのではなく、手渡ししたい」と希望したところ、エイベックスさんに、快く迎えていただけることになりました。
何らか、喜ばしいニュースを、持ち帰ってきたいと思います。DVD化とかね。僕も、ソフト化の条件に関しては、知らないこと一杯あるし。

最後の最後だから、きちんと松竹さんにも挨拶したいところだけど、正直、文句ばっかりになりそうで(笑)、ちょっと悩み中。山口放送は、東京支社ではなく脇田アナに送っちゃうか?とか。

せめて、ひとつぐらいは、いいニュースを……。残りわずかですが、よろしくお願いします。→こちら


この写真は、11月21日初日の舞台挨拶のもの。
Maimai_007僕の隣には、「マイマイ生き証人」である縄田記者が座っていたんだけど、気がつかなかった(笑)。
この頃、僕は「そこそこヒットするんじゃない?」程度にしか考えていなかった。というか、興行とか配給、ようするに「数字」のことなんて、まったく頭になかった。
そのまま、ボーッと何も考えずに「あんまり、ヒットしなかったみたいだね」ぐらいの距離感だったら、きっと楽だったんだろう。

だけど、日芸や日本工学院の片渕監督の講義に呼ばれた時点で、運命らしきものが、決まっていたような気がする。
ちなみに、文学フリマでのイベント後、「これから、みんなでゴハン食べるんですよ」と呼び止めてくれたのが、縄田記者だった。でもね。立場上、そういうわけには、いかなかったのよ。あの時点では。
そして、僕は縄田さんの指差した方角へ、まっすぐ歩いて、無事に蒲田駅に帰りつけたのだった。そのことを、僕は今でも感謝している。


『アクビガール』のソックス3足セットが、届いた。
100225_16370001うーん……やっぱり、このキャラは、ドピンクが似合う。あんまり渋くしちゃ、いかんのだと分かった。

お台場の「ハンバーグ大魔王」に行くと、『アクビガール』の現行商品が、ほとんど揃うらしい。5万円ぐらい握りしめて行っちゃうか?とも思うんだけど、おっさん一人でハンバーグ喰うってのは、どうなんだろう。


某氏に、「1/32 バイパーMk-Ⅱ」の製作を発注。『借りぐらしのアリエッティ』豆本、届く。

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2010年2月25日 (木)

■2月のメモ「DVD化」■

最近、「カワイイ」に悩まされているのですが、あるTumblrで拾った画像。
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この絵のある神社って、原宿らしいなんですけど、ちょっと行ってみたい。
もし、情報を知っている方がいたら、どうか教えてください。


『マイマイ新子と千年の魔法』の署名は、あと4日で終わります。
場合によっては「提出」ではなく、「交渉」にしたいと考えています。DVD化に関しては、それぐらい実現しなければ、この署名は、完全な無駄骨に終わってしまうじゃないですか。
僕だって、さっさと提出して「失敗しました、終わりです」と重荷を下ろしたいんですが、それは、逃げですね……。

どうせなら、「もう、これ以上は無理」と倒れこむところまでやって、それで終わりにしたい。ちゃんと、戦いたいんです。
日曜日まで受け付けています。一票でも多くのご協力をお願いします→こちら


また、上映館へのフォロー、上映館リクエストについて、相談を受けることが増えました。

「○○に話してみようと思うのですが、どうでしょうか」。それはもう、答えが出てますよ。実際に話してみて、ダメなら、頭を切り替える。恥をかいたって、門前払いされたっていいんですよ。誰も、笑いはしません。
何もしないよりは、いいじゃないですか。

僕は対人恐怖症で、電話口ではドモってしまうし、知らない人と話すと汗だくになってしまう。でも、そんな自分を責めないようにしています。
「俺は、よく頑張ったよな」と、悲劇のヒーローになって、やり過ごした方が健全です。そうすれば、また明日も、がんばれますから。


『ギャラクティカ』season 4 第二話。
誰からも理解されずに、自分の言うことが正しいと、独房で泣き叫ぶスターバック。理想を持つということは、孤独を受け入れる、という意味だ。
何度も書くけど、彼女のように生きてみたい。

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2010年2月24日 (水)

■2月のメモ「アクビガール」■

『マイマイ新子と千年の魔法』上映を目指すママさんチーム、ついにシネコンへのアポをとったらしい。展開、早っ!
「お客様の要望」なんだから、堂々と思いのたけを話してくればいい。だって、地元のお得意さんなんだからさ。

僕は、接客の悪いシネコンへは、行きません。「そういう決まりですので」とか言われると、もう窓口で帰っちゃうよ。映画を楽しもうって気分が、消し飛んでしまうもの。
果たして、地元ママさんたちの署名を、シネコンは受け取ってくれるのか? いい結果になることを、祈っています。

そして、ネット署名は、ラストスパートに入っています。数が増えれば増えるほど、交渉カードとして強力になります。28日まで、よろしくお願いします。


DVD化すらされてないアニメって、世の中には沢山あって、『アクビガール』も、そのひとつだ。
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吉田すずかさんの絵コンテ、かわいい。こんな貴重な資料まで、公式サイトにあるというのに、『アクビガール』はDVD化されてない。
『よばれてとびでて! アクビちゃん』じゃないですよ。金田朋子さんが声やってる『アクビガール』の方です。

グッズはいいのが出ていて、先日も、靴下セットを注文したんだけど、アニメを見ている人は、ほとんどいない……。
まあ何しろ、1話5分で、毎回似たような話ばかりだからなあ……。でも、絵がめちゃくちゃ可愛いので、DVDは欲しいんだ。『よばれてとびでて~』の方は、ジーダスというメーカーから出ている。(ジーダスって怪獣の名前じゃないのか?)
まず、タツノコに話もっていけばいいのかな。


Amazonの、「欲しいものリスト」に、こんなのが入っていた。
61ljzsnwbll__ss500_ 「キラキラ 魔女ッ娘 Cluv」というCD。入れた覚え、ないんだけど。
もちろん、『クリィミーマミ』も入っている。選曲は悪くない。
でも、こんなの、いつ入れたかな。

最近、「カワイイもの」に悩まされている。『おしゃれキャット』は、アニメが今ひとつだったので、あきらめることが出来た。
グッズを買わなくてすむ理由を、探してるんだよね。

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2010年2月23日 (火)

■2月のメモ「クリィミーマミ」■

昨日のエントリでも伝えたとおり、シネプレックス新座で『マイマイ新子と千年の魔法』を観たい!という、ママさんグループの動きが活性化してきた様子。
「見たことのない人にも、分かるように」と、資料をファイルにまとめて回覧していたら、「ガーッと署名集めてくるから、貸して。だって、私が見たいもん」というママが現れたそうで、この主婦たち……なめられん!

そもそも、彼女がシネプレックス新座を選んだのは、近隣の出生率が高いからだそうです。まず母子が見に行って、家庭で話題にすれば、今度は旦那が「俺も見たい」と1人で見に行く、というサイクルが期待できるらしく、ここでも、ひとつのストーリーが生まれつつあります。
どういう結果になるか、見守りたいです。

そして、日曜日でネット署名は、終了します。お陰さまで、すごい勢いで伸びつつあります。それでも、まだまだ……。
最低でも、DVDは出していただきましょう!


galaxxxyとのコラボが気になっていた、『魔法の天使 クリィミーマミ』。
Img55922150やばい、興味はなかったんだけど、グッズ買ってしまいそう。
仕事関連で、最終回を見たんだけど、コンサート後、魔法を失った優が、風に転がるピンクの傘を追いかける――ちょっと、息のつまるほどの美しいシーンだった。

キャラデは、いま見てもダサいとは思うんだけど、ダサいところがカッコいい。そう思わせてしまうgalaxxxyの審美眼が、素晴らしいってことなんだけど。
はっきり言って、本編にはあまり興味はないが(笑)、グッズは集めてしまいそうで、怖い。
――なんで、俺はギャルじゃねえんだよ! 愛は寛容から生まれるのではない。くやしさから生まれるのである。


『ゼーガペイン』も、こういう形で、「ちょっとダサいところが、カッコいい」という視点を見つけられないものか。創作者のほかに、発見者が必要だと思うし、さらにいうとアレンジャーが要る。
『ゼーガ』といえば、夏。当日版権で、Tシャツぐらい作れないもんかなあ。

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2010年2月22日 (月)

■『マイマイ新子』、お子様無料ご招待■

横浜ニューテアトルにて、2月26日(金)上映の『マイマイ新子と千年の魔法』に、小学生以下のお子様(12歳以下)を先着100名様まで無料でご招待いたします。
要、保護者(親でなくとも可)同伴です。

ご希望の方は保護者名、希望人数を明記の上、
arielatom@excite.co.jp
にメールいただくか、
FAX 03-5614-9556までご連絡お願いします。

あるいは、mixiアカウント
http://mixi.jp/show_profile.pl?id=2472932&from=navi
ツイッター
http://twitter.com/arielatom
まで、メッセージを送ってくだされば、受け付けます。

保護者の方も、半額で入場できますよ!

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以上の企画、あまり時間がないのですが、広く告知して欲しいとのこと。これ、杉本さんという方の個人企画なんですよ。
16:30 ~と 18:30~の二回上映。よろしくお願いします。
最終日に横浜へ行ってみるつもりだったけど、子供たちに席ゆずるか……。

もうひとつ、友達がシネプレックス新座で、『新子』を上映できないか、動きはじめました。

「なぜかって、ここでは朝霞市・新座市・志木市の子供連れが沢山見に来ています。条件が整っていて、子供連れの夫婦が多くきます。ベビーカー持ち込みオッケーだったり、ファミリー向けの店が隣接してたり、マックがあったり遊び場があったり。 ママ友でも、『マイマイ』があそこでやってくれれば……観たいって人が多いのです! 」とのこと。
とりあえず、手書きでいいから、署名を集めるようにアドバイスしておきました。数人でもいいから、生の声を集めた方がいいよ、と。

シネプレックスの経営は、角川シネプレックス株式会社です。
さて、シネコンは、地元のママさんたちのリクエストに答えてくれるのか?  「シネコンは、映画のコンビニ」などと私は思い込んでいるのですが、ひょっとしたら……。

絶対勝てる戦いより、ひょっとしたら勝てるかも知れない戦いの方が、面白いです。
どちらも、がんばれ!

※『ゼーガペイン 忘却の女王』を書かれた日下部 匡俊さんが、署名してくださいました。『新子』と『ゼーガ』がつながったようで、個人的に嬉しいです。

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2010年2月21日 (日)

■2月のメモ「あと一週間」■

【速報】なんと宝塚シネ・ピピアで『マイマイ新子と千年の魔法』、上映決定。3/20~上映! 情報くださった方、ありがとうございます!

『マイマイ新子と千年の魔法』続映嘆願署名終了まで、一週間となりました。ブログやTwitterで熱心に呼びかけてくれる方たちのおかげて、ひさびさに数字は伸びつつあります。ありがたいことです。

1265713024ラピュタ阿佐ヶ谷に連れて行った女友達が、今度は横浜ニューテアトルへ、ママ友を連れて見に行ってくれた。彼女は、「次は長女を連れていきたい」という。
客層が広がるというのはそういうことだし、「子供に見せたい」と思った人が、困らないような状態を、つくっておきたい。
もっと言うと、その子供たちが大きくなった時、今度は自分たちの子供に見せられるようにしたい。
未来のために、この映画を存続させておきたい。それが、いろいろな方たちの動向を見ながら得た、僕のモチベーションです。

ただ、それは僕のモチベーションであって、同意しろということではありません。「BD出してくれ」でも構わないんです。「ちょっと興味あるけど、レンタルDVDでいいや」という方も、メーカーを後押しする意味で、署名していただいた方が……いや、現状ではDVD化すら危ういという状況なので、ぜひ、お力を貸して欲しいんです。
いずれにしても、製作委員会4社には、きっちり届けますから。

署名は、こちらからお願いします。


先週末は、『ナウシカ』放映したんですね。俺はその時間、『ゼーガペイン』の記事を書いていました(次号グレメカに掲載)。
Buena01『ナウシカ』は、庵野秀明さんと片山一良さんのコメンタリー聞きたさに、DVDを買いました。あのコメンタリーを聞くと、ちょっとしたアニメ博士になれます。最低限、密着マルチとかダブラシとか、用語は知っといた方がいいけど、あれは、本当に勉強になる。

僕は、作品の価値は「面白かったかどうか」だけではない、と思っている。『ナウシカ』のDVDは僕の教科書になってくれたし、いまやジブリ作品には、邦画業界を元気づけるという責務が負わされている。それが、ジブリ・アニメの商品価値であって、「面白い」「つまんない」などの個人的印象とゴッチャにしてはならない。
少なくとも、僕は内容とは別の価値を認めているし(そうでなきゃ、あんなに『ゲド戦記』取材しませんよ)、邦画界がジブリに頼りすぎてないか、危惧もしてもいる――というわけで、来週は取材です。


憎まれてもいいから、正しいことを貫こうとする人間が、好きだ。
自分から「憎まれても、構わない」と言える人間には、滅多に出会わない。そういう覚悟のある人間こそが、本物だ。
僕は、自分の正しいと信じられることを終えてから、死にたいと思っている。
むしろ、「死んでも構わない」と思えるに値する信念を発見することこそが、人生の目的じゃないだろうか。

『ギャラクティカ』最終回を、一足先に見てからというもの、スターバックの姿を見るだけで、涙が出てくる。彼女のように、生きてみたい。

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2010年2月19日 (金)

■「結局、どういう人たちに見せたいの?」と「そんなに急ぐこと、ないんじゃない?」■

本日で、ラピュタ阿佐ヶ谷での『マイマイ新子と千年の魔法』の上映が終わります。
大阪シネ・ヌーヴォは、今朝、終了したはずですね。

そして、来週の日曜日(28日)、上映延長嘆願署名も、終了します。延長はしません。
しかし、製作委員会に確実に届くルートであることは間違いありませんから、「DVDを出して!」と書いてもらっても、別に構いません。3ヶ月前とは、また状況も変わってきましたからね。

渋谷・北見・佐賀での上映は、陰ながら応援させていただきます。


実は、ここ数日、阿佐ヶ谷と渋谷の間の3週間を埋めるために、都内で上映できないか、数人の有志と行動を共にしていました。
正確に言うと、私はフィルム代などの費用を出し、各人に製作委員会への根回し、小屋探しと分担して動いていただいて、あとはフィルムさえ借りられれば、一晩ぐらいの上映なら、実行可能というところまで、たどり着けました。
都内でも、100席ぐらいのスクリーンを貸してくれるところは、いっぱいあります。何とか、個人に払える額です。

ただ、有志とはいっても、胸に抱えている思いは、それぞれです。私が最初に立てたプランからずれてきてしまい、「とにかく上映する」目的にしがみついてしまったことへ、疑問の声も上がりました。
「結局、どういう人たちに見せたいの?」――これに尽きると思うのです。それによって、上映場所や規模も、変わってくるはずなのです。「何を目的とするか」、これが最も重要です。
なのに、私は「借りられる映画館なら、すぐ押さえたい」と焦りはじめてしまった。「そんなに急ぐこと、ないんじゃない?」と言ってもらえたお陰で、ブレーキをかけられたのです。

とにかく、短い間に、非常に多くのことを勉強できました。そのことで、渋谷シネマ・アンジェリカでの上映後、もしこのままフェードアウトしていくのであれば、打てる手も見えてきたのです。……嫌われ者の私は、裏方に徹しますけどね(笑)。


そのシネマ・アンジェリカでの上映(3/13~4/2)ですが、『マイマイ新子』は『カールじいさんの空飛ぶ家』との特集上映のような形になります(二本立てでは、ありません)。
『カールじいさん』は、全国での上映は今月いっぱいで、ほぼ終了。4月21日にDVDとBDが発売されますが、スクリーンで見られるチャンスは、アンジェリカでの上映が、ラストになりそうです。

『カールじいさん』と『マイマイ新子』では、動員数が百倍以上、違います(笑)。
この2本が同じ映画館で上映されることが、吉とでるか凶とでるか。渋谷という場所柄、吉じゃないかと、楽観しています。


『マイマイ新子』のことを考えると、『ギャラクティカ』序章での会話を思い出します。
「まだ戦争は、始まってもいない。これからが本当の戦いです」「いいえ、戦争は終わりました。私たちの大敗です」――このふたつの間で、私の心は、揺れ動いています。

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2010年2月17日 (水)

■2月のメモ「アンジェリカ」■

『ギャラクティカ』の公式サイトが、えらく変貌しています。
シーズン3のラストまで見終わった人向けに、「日本語版吹き替えの声優対談」が連載開始されました!
11306a僕は、タイ大佐が好きだし、糸 博さんのお声も好きなんだけど、「嘘のないタイは男の理想だな」という見出しの一言を見て、目頭が熱くなった。
僕がウソをつかないとは言わないよ? でも、当り散らすように怒鳴ったかと思うと、一人で泥酔しながら、メソメソしているタイ大佐は、まぎれもなく僕だと思う。

「ちょっと『ギャラクティカ』に興味がある」という人向けには、庵野秀明監督のお気に入りシーンなどのコンテンツも、あります。
デイライト、力入ってるなあ。

そして、本日23時からファイナル・シーズンの放映スタート。DVD告知解禁日は、もうちょい先になります。


『ゼーガペイン』は、一箱目、終了。やっぱり、第6話の緊張感がハンパでない。
あと、第3話の作画は、けっこうバンクとして使われてる。作画、良かったからね。
553_mecha_005メカとしては、ゼーガタンクがお気に入り。キャラ立ちしてると思うんだけどなあ。「カラドリウス」という立派な名前があるのに、「ゼーガタンク」って呼ばれちゃうところとか、愛おしすぎる。

明日、B社さん取材なので、リクエストしてきちゃおうかな……。


『マイマイ新子と千年の魔法』、渋谷のシネマ・アンジェリカさんに、電話してみた。
3/13~4/2の上映は、実は『カールじいさんの空飛ぶ家』と同時期です。ミニ・アニメ特集の一本みたいな感じなんですね。

それは聞かされてはいたんだけど、やはり映画館に、直接確かめないとなあ……と思って、聞いたみたら、2本立てではなく、料金はそれぞれ別。3週間もあるので、上映時間も変わる可能性があります。
ひょっとして、『カールじいさん』目当てのお客さんが『新子』も見てくれるかも?とも思うし、どうなるのか、蓋を開けてみないと、分かりませんね。

署名の方は、かなり前に「資料として使いたいので、データの形でください」とエイベックスから依頼がありました。来るべき日のために、活用した様子です(署名時に必要なメアドは、僕にも知らされないシステムになっているので、ご安心ください)。
なので、ソフト化希望の方は、「こんな特典が欲しい!」とか、コメント欄に書いておくと、いいかも知れません……あくまでも、遠い日への希望としてね。あと、10日です。


横浜ニューテアトルへ、お子さん連れて『新子』見に行った方の、エピソード。
客席から出て、開口一番「おもしろかったー!」と、お子さんが叫んだそうですよ。そうしたら、劇場の支配人さんが「ちょっと、待っててね」と言って、何かグッズを(エコバッグかなあ)を、渡してくれたんだそうです。
僕は、このエピソードを聞いて、それを「例外」だとは思えないんですよ。
この作品は、興行で失敗したがゆえに、あらゆる人々に、あらゆる可能性を渡してしまったのだと思います。皆さんが、いろいろ動いてらっしゃるのが、何よりの証ですね。

子供のお客さんをナメずに、グッズをくれた映画館の方にとってね、何が幸せなのか、聞いてみたい。単なる「美談」ってことでは、なくてね。
学ばなくちゃいけないことが、思いがけない方角へ、たくさん残っている気がするんです。

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2010年2月16日 (火)

■2月のメモ「北見」■

横浜ニューテアトルさんに『マイマイ新子と千年の魔法』を見に行く方、割引券がありますよ。今月末まで使えるようです。
日曜日に、お子さんを連れて見に行ったママさんからの情報です。ニューテアトルさんでも、14日はウィスキーボンボン、配ったそうです。


3月27日から、上映の始まる北海道・北見のシアターボイスさん。
果たして、北見とはどんな地なのか。当地にお住まいの浜長和正さんが、詳細なレポートを送ってくださいました。以下、ご本人の許可を得て、引用します。

「正確には、映画館というより、映画も上映できるイベントホールといったところでしょうか。演劇なども上演されたことがありました。ただ、施設としての映画館を期待していると、肩透かしを食らうでしょう。本当に小さいんです。」

僕は、こういう話を聞くと、ゾクゾクしてきてしまう。いや、逆に期待してしまいますよ。
注意点としては、「パンフレットが売ってない」らしいとのこと。

「私はシアターボイスの人たちと面識は無いのですが、本当に映画が好きな人たちの集まりだと聞いたことがあります。シアターボイスのブログを読むと、初めてのアニメ映画が『マイマイ~』とありました。凄い人達だと思います。好きでないと続けられないのではないか、意地で続けているのではないか、と私は思っています。」

……ここまで読んで、胸に熱いものがこみ上げた。
浜長さんは、シアターボイス支援のため、チラシを手づくりされるという。

ほかにも、貴重なデータを拾わせていただくと、「旭川で『時をかける少女』を上映した時、初日初回で10人以下」。旭川市の人口は、35万人だそうです。私も旅行で行ったことあるけど、吉祥寺より都会なのでは?と、ビックリしたんですけどねえ。
「北見のシネコンで上映された『スカイ・クロラ』は、平日昼間で10人以下」「レイトショーで上映された『崖の上のポニョ』でも、20人ぐらい」。北見市の人口は、12万人だそうです。

「正直いいまして、シアターボイスの前に『マイマイ~』のチラシが置いてあったので、夢ではないようですが、札幌、旭川、帯広、函館、釧路ではなく北見で見られるというのが、今だ信じられません。」

ああ、もうチラシは置いてあるんですね。
北海道は、バブル崩壊後、経済的に厳しくなり、人も減って、文化的にも衰えてきているとのこと。だからこそ、シアターボイスのような場所には、文化に飢えた人たちが集まってくるのではないか、ぜひ応援したい、というお話だった。
浜長さん、ありがとうございました。僕も、北見に行きたいよ……。


数えるほどしか人のいない試写室で、『マイマイ新子』を見ていた頃のことを思い出す。
宣伝スタッフが、「またアンタか」って笑い方をする。あの頃は、楽しかった。勝手なことを言うと、「ヒットしなくても、いいじゃん。俺は好きだよ」って、ずっと思っていた。

立川シネマシティの、いちばん小さなスクリーンで映画を見るのが、好きだ。もちろん、最終上映で、お客さんは3人とか、そんな程度で。
「こんな映画を見て喜んでるの、俺ぐらいなもんだよなあ」って、本当は、映画と僕の関係は、そんな秘めやかな感じが、ちょうどいい。
ひとりが好き。「寂しいのが好きです」って、『坊っちゃんの時代』で小泉八雲が言っていたけど、よく分かる。

誰も行かないような遠くへ行って、道端に咲く花々に、天国を感じたい。

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2010年2月15日 (月)

■2月のメモ「バイパー」■

ついに、明日16日から、日本テレビで『ギャラクティカ』シーズン2がスタート(第1話のみ深夜1時39分~、以降は深夜1時29分~)。
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そんな折、タイミングよく、プラッツから「1/32 バイパーMk-Ⅱ」のキットが届きました。スケールモデルといっても良い出来だと思います。
詳しくは、次号の「グレートメカニックDX」でレビューしますので……。

完成見本は、その次の号ですね。


おそるおそる、『マイマイ新子と千年の魔法』上映中の、横浜ニューテアトルさんに電話してみた。

「あの~、『マイマイ新子』は混んでますか?」
「いいえ、ぜんぜん大丈夫です!」
「ちなみに、何人ぐらいでしたか?」
「二回とも、30人ぐらいでしたよ!」

な・なんだ、この声の弾みようは(笑)。何だかもう、怒るより笑うしかないような、やりとりだった。すごい、愛想のいいオジサンで。
じゃあ、平日に時間つくって、横浜に行ってみるかなあ。チラシも補給するとして、だ。


一日中、あちこちへメールしたり、電話したりで、日が暮れてしまった。
「マイマイ新子 16ミリ」で検索してきてくれた方が、いるみたい。うん、自主上映か。みんな、考えてるんだなあ……。今のところ、35ミリしか現存してないみたいですよ? でも、気持ちは、分かります。

仲間がいると、1人では一週間ぐらいかかる情報が、仕事している間に集まってくる。僕のようにヤバンではなく、知的に、冷静に行動してくれる。誰が敵でもないよ。誰も、欲を出してもいない。
みんなで、ひとつの事をやろうとしているんだろう、という実感が生まれつつある。失敗したら、目も当てられないんだろうけど。

あと、昨日一日で、けっこう署名が伸びていた。ありがとうございます。DVD化のためにも、声を集めてください。全国で映画を見た人が3万人なら、そこに2万人足したいじゃないですか。5万人なら、DVDぐらい、何とかなるかも知れない。

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2010年2月14日 (日)

■恥も外聞もなく、手の平を戻します■

私のお知り合いのママさんが、「ようやく、横浜で上映が始まったので、行ってきますね」とメールしてきた。
私は疲弊しているし、仕事の量もハンパではないので、「ああ……、あれはもういいんです」と返信してしまい、あわてて撤回した。彼女は、映画を見ないうちから署名してくれた。私に背中を押された、という方たちにも、おおぜい出会ってきた。彼らを裏切ることは、できない。

横浜の方たち、横浜ニューテアトルへ、『マイマイ新子と千年の魔法』を、見に行ってください。
0355__5   
特に、子供連れの方、16時30分の回も、ありますよ。


また、横浜初日の数字が、散々だったというニュースを、怒りとともに聞いた。各回とも、20人にも満たなかった、と……。
怒るべきなのです。恥だと思ってください。私は、自分が疲れた、傷ついたからといって、急に手の平を返した自分のせいもある、と思っています。
なぜ、宣伝チームは何も手を打たなかったのか? なぜ、私たちは、この数字を看過するのか? 恥ずべき数字なのです。

数字といえば、署名者数も、そうです。私は、この低い数字を「無念です」と提出する日のことばかり考えていた。早く、この重荷を下ろしたいと。
しかし、1240人目の学生の方のコメントを、見ていただきたい。「ひとりのアニメファンとして、この活動に協力したいと思います」。
彼は、この映画のファンではないのかも知れない。しかし、誰の目にも敗北が見えている署名活動に、協力してくださった。私は、最後まで彼らを裏切ることは出来ません。
今一度、署名にご協力をお願いします。もし、まだ良識ある「アニメファン」が残っているのなら、その魂を、肝っ玉を見せてください。アニメファンの意地ってやつを。あと2週間、あります。

製作委員会は「十分な数字だ」とおっしゃるが、私はそうは思わない。DVDの発売すら危ぶまれているのに、「十分」なわけがありません。
この冷酷な現実を見すえる勇気を、送り手も受け手も、持っていただきたい。私は、このままでは、北見や佐賀はもちろん、渋谷すら失敗すると思っています。


この国を、まず精神的に豊かにしたい。大人たちが、子供だった頃の感覚を、手の平や足の裏に取りもどすべき時が来ている。「誰もが、みんな子供であった」ことを思い出せれば、思いやりもゆとりも生まれます。

そんな空気を取りもどす力が、この映画にはある。この国を豊かにするために、『マイマイ新子と千年の魔法』の力を、どうか貸していただきたい。そう思って、私は、この映画を応援してきました。
監督のためでも、ましてや製作委員会のためでもない。この国のためです。

冷笑されてもいい。まだ、終わっていません。これが最後のお願いです。まだ、僕もみんなも、本気だしてないですよ。

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2010年2月13日 (土)

■2月のメモ「酢イカ」■

『ゼーガペイン』、視聴続行中。
100213_00160001第3話、シマ司令の言葉に絶句するミナトさんのアップ。俺の好きな表情なんだけど、第3話だったっけ。一枚絵で、瞳がゆらぐだけなんだけど、これぞ「腹芸」ってやつですね。眉の下のカゲが、すごい効果をあげてる。
この前のカットの、眉間にしわをよせるシマ司令も、実にいい。絵が止まっているのと、「芝居してない」のとは、話が違うのですよ。

『ゼーガ』で好きなのは、とにかく、シマとミナト。距離感がいい。
あとは、カワグチ、ウシオ、ハヤセの組み合わせ。特に、ハヤセの立ち位置かな。類型化されてない。


ここ何日か、いろいろな方からメールや郵便物を、いただいた。
中には、「義理チョコ」と書かれた郵便物も。そうか、世間はバレンタインか。
100212_19450001開封してみると、これだ……かなり以前に、駄菓子屋の酢イカがどうとか、書いたからなあ。
しかし、あの頃の気持ちには、もう戻れないのだ。送ってくれた人、すまん。

自分が皆から、心配されたり、同情されるに値する人間だ、と言いたいわけじゃない。
そんな価値があったとしても、自分で切り裂いてしまったよ。

同人誌を売るため、文学フリマに申し込んだけど、「俺がそんなに自己主張していいのか?」と、はたと考え込んでしまう。
「いやいや、これは在庫処分のためなのだ」と、言い聞かせる。ひとつひとつ、終わらせていくのだ。

これから仕事が激減し、今度こそホームレス直行かと思ったら、お断りしなければならないほど、依頼が来る。
神様は、まだ生きろとおっしゃるのか。そんな簡単に、頭を切り替えられるものではないのに。

「廣田さんの原稿は素晴らしいから、またお願いしたい」という人は、あまり信用しない。「廣田さん、何のかんの言って、シメキリに間に合わせてくれるじゃん」と言われると、とても嬉しい。
僕の価値をはかるなら、実効性と損得のみで、お願いしたい。

好きになって欲しいんじゃない。「使えるヤツ」でいつづけたいだけなんだ。


今から、キモいことを書きます。

今度、生まれ変われるとしたら、病弱な、深窓の令嬢になりたい。
調子のいいときなら、お庭に出ることが許される。町までは、そんな遠くへは、とても出してもらえない。体に障るから。
だから、自分の家の庭のことと、絵本の中の出来事しか知らない。そして、自分の美しさにも、気がつかない。お庭の花と、絵本の挿絵が、世界でいちばん美しいと信じている。

そして、町に出る前に、そんな大きくなる前に、あっさり死んでしまいたい。世の中のことを、何も知らないまま。
そんな贅沢な人生を、神様にリクエストしておく。

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2010年2月11日 (木)

■読解力■

『ゼーガペイン』を、1話から、丁寧に見直している。
種の絶滅の危機に瀕した人類、再生技術を持った敵……『ギャラクティカ』との共通点の多さには気がついていたが、もっと濃く重なるところがある。でも、それは『ギャラクティカ』ファイナル・シーズンのネタバレになるから、書けない!

262_060626191339あとは、死生観ですね。『ゼーガ』に於ける「死」の在り方。在り方というか、「死」が不在である。敵にも味方にも、「死」が設定されていない。人の形をしたデータが、消えるだけなんだ。
だから、「確率的に低い」という意味での「奇跡」しか、起きない。肉体的な痛みも、データでしかない。悲しみですら、サーバー内のデータである。
この寒々しさは、『寄生獣』にも通じる。

『ギャラクティカ』シーズン4では、死生観が変化していく。詳しくは書かないけど、はっきりと「死後の世界は素晴らしい」と言っているように聞こえる。だけど、『ゼーガ』が「死」を美化せず、ブレーキを踏み込めたのは、セルアニメだったからだと思う。
それはアニメの限界ではなく、特性なんですよ。セルアニメの質感というのは、希望を提示するのに向いている。というか、希望しか描けない気がする。だから、『ゼーガ』のラストは「光でいっぱい」で、正解だったと思う。

ついでに言うと、『メガゾーン23』のラストも、主人公がボコられて終わりなんだけど、悲しくはない。それは演出効果だけじゃなくて、人が手で描いたものって、結局は体温を帯びてしまうということ。あの無人の渋谷の街は、暖かいもの。
さらに余談だけど、河森正治さんが「アニメでは貧困は描けない」と悩んでいたのも、セルの質感のせいだと思うんだよな。


セルアニメの人物というのは、「線で囲まれた色の面」。だけど、記号以上のものを、そこに感じてしまう。欲情すらしてしまう。
100211_12490001(←『ゼーガ』のキャラ表では、このミナトさんの絵が、最高に気に入っている。迂闊な表情と、スカートのなびき、右手の小指が絶品)

アニメのキャラ表、しかも色指定入りのキャラ表が神聖視されはじめたのは、やはり70年代後半のヤマト・ブームの頃ではないかと思う。
キャラ表は、別にムック本の4Cページを埋めるためにあるのではなく(笑)、誰にでも描きやすくするためにある。
だからです。だから、pixivを見れば分かるように、日本人って、こんなにいっぱい「アニメ絵」を描ける人が多いの。キャラ表が、本に載るようになったお陰なんですよ。
ミナト役の井上麻里奈さんまで、『ゼーガ』のEDイラストを描いたんだから(笑)。

だから、この国では、セルアニメという「絵解き」が受け入れられる。「線で囲まれた、色の面」が、物語りはじめるわけです。記号が、記号ではなくなっていく。
『ゼーガ』を見ていると、物語が進むにつれて、薄っぺらな絵柄(失礼!)が、少しずつ強度を獲得していくのを、感じる。あの絵が「苦痛」だというのも分かる反面、これが「絵解き」であることも理解して欲しい、それが読解力なんだ、とも思う。

物語の強さが、薄味な絵を支える、という意味では、やっぱり『寄生獣』に行き当たるなあ。


谷村美月は女優というより、ミッション・スペシャリストである。
100211_06310001単に、映画というミッションに挑むスペシャリストとして素晴らしいよね、という意味なんだけど。

『おと・な・り』は、見ていて辛かった。あまりにも、まざまざとミッションの意図を反映してしまう役柄だから。つまり、監督が人間をどう見て、どう描きたいのか、谷村美月の挙動が明らかにしてしまう。

やっぱり、谷村は、もっと危険なミッションに挑んだ方がいいんだよ。丸坊主になった『おにいちゃんのハナビ』は、楽しみにしてる。

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2010年2月10日 (水)

■2月のメモ「シーズン4」■

月刊アニメージュ 3月号 本日発売
61e1wtirlzl__ss500_
●『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』 4ページ記事 
新房昭之さん×吉野弘幸さんの対談をまとめました。
この手の対談にしては珍しく、原稿用紙何枚だとか、一話につき何カットだとか、データ的な話も出てきます。

吉野さんは、『マクロスF』で二度、インタビューさせていただいたのですが、やっぱり「売る」ことを、綿密に考えています。
「関連各社に損させない」+「スタッフに楽しんで仕事してもらえる」よう、すごく努力してらっしゃいますね。


『ギャラクティカ』シーズン4のサンプル、全21話を、3日間かけて見た。
やっぱり、すげえですよ、これは。見終わって、思い返してみると、ちょっと『ドグラ・マグラ』的に、クラッときます。

Nup_111710_1396ネタバレを避けつつ、印象に残ったセリフを思い返してみると、「革命とは理念ではない。一秒一秒の具体的行動の重なりだ」
誰が言ったのかは、伏せるけど……おそろしく過酷なシチュエーションの中で、「お前と戦ってきたことを、誇りに思う」とか「生きてるって、最高でしょ?」とか……思わず立ち上がって、誰かとギュッと握手したくなるような、力強いセリフにあふれている。

指の先にまで、熱い血がめぐっている。それを実感する。ボロ布のような僕にも、まだ体がある。この体で、何が出来るだろうか。そんなことを、考える。
『ギャラクティカ』最終章・シーズン4は、17日からスーパー!ドラマTVで始まる。


そして、16日からは、日本テレビで『ギャラクティカ』シーズン2が始まる。
Tv_bga02_t2215_0008a「僕は、ただの理想主義者だった」と、涙ながらに銃を取り出すゲータ中尉が印象的なのは、シーズン3だっけ。

シーズン2は、大規模な艦隊戦もあるし、もう少しハデだ。これが、タダで見られるのだから、地上波も捨たもんじゃない。
日テレの公式は、こっちに変わったらしい。


たまに、初恋の女の子と再会する夢を見る。
僕は彼女と二人、夜の五日市街道を、自転車で走っている。街路樹の奥から見える、民家やお店の明かりが、あまりに美しくて、二人で話しながら、涙が出てしまう。

あの頃、僕は映画監督になりたかった。なのに、彼女は僕の手紙を読んで、「あなたは、文章のプロになる」と言った。そして、その通りになった。
彼女の予言の当たったおかげで、僕は餓死せずにすんでいる。だから、彼女にも元気でいて欲しいな、と思う。


ひさびさに、『ゼーガペイン』のDVD-BOXを見てみるかな。

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2010年2月 9日 (火)

■コメント欄から■

先日のエントリのコメント欄から、ご本人の許可を得て、転載します。(読みやすくして欲しいとのことなので、改行などに手を加えた)

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記事の趣旨からは外れるかもしれませんが、ちょっとお金の話しが出ているのでここに書きます。
 
昨日のイベントはとても楽しかったのですが、結局のところ、未見の方へのアピールとしては 「お金が無いなら無いなりに皆で頑張ろう」と言う話しに収束してしまったような気がします。

僕は「お金が無いなら、お金を集める方法を考えればいいじゃん」と考える方なので、少しばかり違和感を感じたというのが正直なところです。

(次々とアイデアを出すみなさんの熱意には心は打たれたし、作品を話題にすると言う意味では 面白いアイデアもたくさんあったんですけどね。)

私見ではありますが、いま新宿のイベントに参加したり、ラピュタに通いつめたりするハードリピーターの方々の気持ちって言うのは大きく分けて二つに分類されると思うんですよ。

ひとつは、この素晴らしい作品を、このまま知る人ぞ知る傑作にはしたくないと思う人達。もっと多くの一般の方にもこの作品を見てもらいたいと思っている人たちです。
無償でチラシを作ったり、友達を誘って何度も劇場に足を運ぶ人たちはこういう部類の人達だと思います。

もうひとつは、言葉は悪いんですが、「俺はまあ、最初から目を付けていたけどね」といいたいマニアな人たち。 
こころの中で薄々、「この作品がこれから切り返すことは無いだろうな」と感じつつも、この作品が持つ不思議なパワーや、それを取り巻く純粋なファンの熱意を鋭敏に嗅ぎとって、「この作品はこれから祭になるかもしれない。だとすれば、自分は最初から踊っていたい」と 心の底から思っている選民意識の強い人たちです。

まあ、実際は比率の問題で、極端に後者に偏っている人というのはそんなにいないとは思いますが、まあでも、今この作品を応援している人で、このような気持ちが全く無いと言う人は かえって胡散臭いと思います。(あくまで私見です)

で、後者の気質の強い人に、「劇場で10回見ろ」とか、「無償で、手弁当で、作品のPR活動をしてくれ」とか言っても、多分無駄だと思うんですよ。

でもね、「お金を払う“だけ”で、この作品を応援した証が残る」んなら、喜んでお金を払う人がこの作品には一杯いると思うんです。
 
少なくとも、自分にはそういう気持ちがあるし、現時点でも、映画を観るために飛行機で東京にきたり、作品の舞台を見るために防府に駆けつけたりする人が大勢いる作品なわけですから。
 (そういう人たちがピュアな気持ちでやっていないといっているわけじゃないですよ。念のため)

もちろん、タダで金を集めるわけには行かないから、形式上ファンクラブやファンドのようなものを作る必要はあるでしょう。そして、建前はどうあれ、
「ここでお金を払ってくれた人にはSpecialThanksとして、でDVDにお名前をクレジットしますよ」
とか追い打ちすれば、200や300のお金はすぐに集まると思うんです。
もちろん、それで十分とはいいませんが、宣伝費が完全に枯渇してしまっている現状を鑑みれば、ファンの熱意が強いうちに、少しでもお金を集める動きをした方がいいのは言を待たないと思います。

そして、「ほとんど名誉以外にメリットの無いお金」がそれだけ集まるってことが、今、上映を検討している映画館へのアピールやDVD化への働きかけにつながると思うんですよね。
(個人的には、仮初めにもアニメを商売にして生きている人間なら、業界の良心として、一人一万くらいはこの作品の応援にお金を出してあげても良いと思いますが)

もちろん、こんなことをしたら、純粋なファンからは非常に叩かれるでしょうし、製作委員会の中の権利関係で、「お金を集める」ということがそんなに容易いことではないのは想像が付きます。

ですが、たとえノリでつけてしまったにしろ、『公開宣伝会議』と銘打ったイベントで、「宣伝のためのお金を集めることに関する議論」が殆どなかったのは、とても不思議に感じました。
 
この作品は人に恵まれているとは思いますが、それでも善意で人を動かしつづけるには限界があります。この作品の将来のためにも、たとえ叩かれる羽目になっても、具体的にお金を集める話しをしてくれる人間が、登場することを願ってやみません。

こういうことを平気で書いてしまうのが、僕なりのこの作品に対する愛だと理解していただければ幸いです。作品への愛情や解釈ならいくらでも書く人がいると思いますから。

自分なりには真面目に考えて書いたつもりですが、もし廣田さんがお気を悪くされたら……とビクビクしながら送信ボタン押します(^^;;

投稿: 杉本晃志郎 | 2010年2月 9日 (火) 00時30分

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僕は、杉本氏の意見を、このまま、製作委員会へ送っておいた。
「この映画を救いたい」と思っている方たちも、「思い」ではなく「お金」に頭を切り替えてはどうだろう。

温かく優しい「思い」のため、この映画は再び、11月の悪夢をくり返しつつある(昨夜の大阪の客は、たった6人だった)。

【追記】杉本氏の意見には、製作委員会から返答がありました。

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2010年2月 7日 (日)

■僕はもう、やめますよ?■

「京葉線が強風で遅延気味」とのことなので、ワンダーフェスティバル、完全に遅刻です。
でも、強風は自然現象なので、しょうがないよね。

『マイマイ新子と千年の魔法』の素晴らしい広告ビジュアルを作成した前岡和之さんが、ブログからすべての『マイマイ』記事を消してしまった。理由は、僕もよく知っている。
Maimai_ad005 
彼の広告を見て、「映画に興味が出た」という人たちがいる。いまや忘れ去られつつある、署名サイトに「広告を見て、来ました」と、署名してくれた人もいる。
効果絶大。映画の役に立っている。でも、そこまで役立ってくれた彼の好意を、一番ないがしろにしているのは、映画の当事者たちなんですよ。
(念のために言っておくと、前岡氏へのフォローのために動いている関係者も、ちゃんといます。よい結果になることを心の底から、祈っています)

あのね。
応援してくれている人たちに感謝の気持ちがあるのなら、皆の応援に見合った分、実効的な方法を見つけ出し、「プロとして」「スペシャリストとして」厳密に、精密に、時には冷徹に実践すべきなんですよ。

僕は先日、関係者に「廣田さん、署名活動してくれて、ありがとうね」と何度も言われたけど、「ありがとう」と言われたいために、やってるんじゃない!
そんな簡単なことで、「良かった」なんて、思わないで欲しい。少なくとも、僕は2万人という目標を設定し、それに遠く及ばないことを、恥じている。今夜のイベントをお断りした理由のひとつも、それです。勝利には、ほど遠いと身に染みているからです。
「ありがたい」「嬉しい」「泣けてくる」って、この映画の周りにいると、そればかりなんですよ。感動したいのは観客。制作者たちが感動するのは、目的を完遂してからでしょう?

あちこちの映画館に「この映画を上映しませんか」って話を持っていっても、そりゃあ、話が進まないわけですよ……。
だって、「これぐらいの規模で」「このぐらいの売り上げで」って具体的ビジョンがなくて、ラピュタ阿佐ヶ谷なんて「情で」延長してるんだもん。「最終日は、監督に舞台挨拶して欲しいから上映延長」って、場当たり的ですよねえ。関係者が「感動したいから」「気持ちいいから」ではなく、「ビジネスとして賢い方法」をとるべきでしょう? そして、この発言もNGですか?
シネマ・アンジェリカの件は、週明けに発表だったはずなのに、あちこちで周知の事実になってるし……この不手際も、責めたらイカンのですか?

『ガンダム』で、ゴネる難民たちに向かって、アムロが「皆さんがいると思えばこそ、戦っているんじゃないか。……僕はもう、やめますよ?」と言い捨てるけど、今、彼の気持ちが、ちょっと分かってしまった。

※かみぃさんの「未完の映画評」に、今回のいきさつの一端が書かれています。考察に関しても「まさしく、その通り」。よくぞ、言ってくださった。
前岡さんの広告も、ダウンロードできるようになっています。

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2010年2月 6日 (土)

■「そうはさせるか」という人たち■

今朝も、阿佐ヶ谷は寒かった。チケット、一番とれたけど、俺が見るんじゃないのよん。新しい観客を、増やすため。

100205_22240001すでに伝えられているとおり、『マイマイ新子と千年の魔法』はラピュタ阿佐ヶ谷で、レイトショー延長(19日まで)。そして、2月13日からは横浜ニューテアトルにて、公開決定。こちらは、16時30分からと18時30分からの、2回上映です。

もう、このブログでは告知しなくて良いかなーと思っていたのですが、なかなか情報が回っていかないので、援護をつづけます。


さて、やや話題に乗り遅れた感がありますが、前岡和之氏が、「もうマイマイ新子の広告を自分でつくることにした」そうで、会社の休み時間に、泣きながらつくったそうです。Maimai_ad003
Maimai_ad004 Maimai_ad002_2








これだけじゃないですよ、何パターンかあります。文字なしバージョンもダウンロードできるそうなので、キャッチコピーや情報を入れ替えて、使ってください。
(作者が記事を削除してしまったので、ご入用の方は、「未完の映画評」さんからダウンロードしてください)

ただ、ダメだと言うのではなく、代案を提出する。
しかも、今の状況に見合った代案。3ヶ月前とは違うんだ、という意思表示。
何度も言うようだけど、普通の映画は、絶対にこんなことしてもらえませんから。ロードショーでコケたら、終わりなんですよ。普通はね。

だけど、「そうはさせるか」という人たちが、いっぱいいる。
前岡さんは、ラピュタ阿佐ヶ谷に何度か足を運んでくれて、「なんでこの映画が、こんな小さな公開のされ方してるんだ?」とイライラしていた。怒っちゃったのか、と思っていたら、仕事の合間に、こんなことをしてくれた。

これはある意味、「11月21日時点で最良とされたビジュアルが、上映環境の激変した2月現在では、もはや通じないのではないか」という、痛烈なダメ出しでもあると思う。
毎月、何かしら公の出版物にかかわっている身としては、「どうして、これが表紙? 売る気あるのか、出版社!」と激怒しちゃうことも、あるんです。実際は、その裏には営業的な判断や、出版サイドなりの経験則が作用していたりするので、一概に責められない。
「だけど、ちょっと待てよ」というところから、切磋琢磨されていくのだと思う。公の表現物は。

だから、逆に「こんなポスターじゃダメだ」と言われる覚悟も、前岡さんはしなくちゃいけないと思う。多様性こそが、文化の本質だから。


ここ何日か、署名が伸びていて、嬉しいんだけど……「何が署名だ」と、いまだに言われてますよ。実際、目標の一割もいってない。ちっとも美しい話じゃない。「あんまり集まんなかったけど、良かったよな」というのは、負け惜しみでしかない。
だったら、署名活動という亡骸を踏み越えて、「あんなもんじゃダメだ!」って、誰かが前に進んで欲しいんですよ。
失敗することに意義があるとしたら、代案を提出できるってことです。誰かが代案を提出したときに、やっと署名活動は終わる。忘れられる。
死屍累々、堆積のうえにこそ、成功があるのだと、僕は信じている。

いろんなアイデアがある、多士済々である、という状況が、最も望ましい。『マイマイ新子』は、いま、そういう状況になりつつある。もっと、多くの映画館でやろう。もっと、多くの人たちに見てもらおう。ひとつのアイデアが駄目なら、誰かが別案を出そう。
文句ばっかり言ってて何もしなかったら、映画も負けるし、僕らも負けるんですよ。

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2010年2月 5日 (金)

■2月のメモ「もう、自分の信念に背を向けたくはない」■

『ギャラクティカ』ファイナル・シーズンのサンプルが全20話、来た!
Nup_107036_0186「グレートメカニックDX」連載の都合とはいえ、これを見始めると、止まらなくなる。やっぱり、カーラはいいヤツだ……僕には、あんな才能はないけど、彼女のように、一直線に生きてみたい。

2話まで見て、印象に残ったセリフは「もう、自分の信念に背を向けたくはない」。誰が言ったかは、ふせておきます。でも、どのキャラクターが口にしても、おかしくないセリフ。そこが『ギャラクティカ』っぽいよなあ……あ、バルター博士は別か(笑)。

シーズン4は、2月7日に第1話先行放映(スーパードラマ!TV)、17日より本放送。
シーズン2は、2月16日より地上波初放送(日本テレビ、そろそろ公式サイト更新しようよ)。


中野レコミンツのside B、アニメ店ではない方へ行ってみた。
100204_16230001アニメを置いてないお店なのに、『マイマイ新子と千年の魔法』、大プッシュ! ちゃんと目の高さに展示してあるのが、素晴らしい。
片渕監督のサインが、アニメ店とは別バージョンで、蝶々が描かれておりました。

2/7の「公開宣伝会議」ですが、ゲストも決まったようで、良かったです。
僕は「署名をやった廣田さんです」と紹介されて拍手を浴びるのが、どうしても耐えられないので、辞退しました。
何しろ、署名は目標の1割も達成していません。今月末で受付は終わりますから、「してやってもいいかな」という方、ぜひお願いします。

署名を始めた直後、あちこちで痛烈に批判された言葉の数々が、今になって効いてきました。レコミンツさんにも、署名のURLが貼ってあったので、ありがたいと同時に、面目ないような……複雑な気分でした。
前回は郵送でしたが、最終提出は、手渡しします。前回、何のリアクションもなかった山口放送さん、松竹さんにも持って行きます。

かみぃさんのブログ「未完の映画評」は、上映情報も公式サイトより確かだし、状況の見方も冷静です。自主上映したい気持ちは、私より強いご様子だし、『マイマイ』のホームグラウンドと化しつつあります。

私は明朝、宇都宮から上京する友達のために、ラピュタ阿佐ヶ谷に並びます。
観客を増やすには、今はそれしか、方法がありません。


話は変わりますが、明日からのイベント、魂フィーチャーズには行ってみたい。『ゼーガペイン』ファンとしては。
アルティールは、すげえ出来がいいみたいですよ。プラモより動くみたいです。

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2010年2月 4日 (木)

■2月のメモ「作る人」■

いま読んでいる本によると、『ホテル・ハイビスカス』(02)は、オフィス・シロウズが自社配給として、車にフィルムやスクリーンを積み込んで、沖縄のあちこちで上映。しかも、半年から一年もかけて、回った。回った結果の興収、8千万円と健闘。
シロウズの前作『ナビィの恋』は、沖縄だけで3億の興収。案外、沖縄はデカいマーケットである、という話。

これは『ホテル・ハイビスカス』や『ナビィの恋』が、個人的に面白いかどうかとは、まったく別の話だ。ビジネス話と、映画の印象をごっちゃにする人がいるので、なかなか話しづらい。

同じ本に、単館系でヒットする映画のチャート表が載っていた。その表と照合すると、主題歌やテーマ性など、『マイマイ新子と千年の魔法』は、単館系では「ヒット路線」なのである。
それなのに、これから単館で上映したいという時に、「だって、シネコンで入らなかったじゃないですか」と、まるで食い違う話をされたりする。
映画のプロが、そういう話をされるもんだから、本当に耳を疑う。

さて、10日発売の「月刊アニメージュ」3月号なのだが、なんと、『マイ新』配給の松竹が、読者のQ&Aコーナーに登場しているらしい。
「こちらマイアニ特捜部」という、とても小さなコーナーなのだが、ちゃんと『マイ新』の話をしているそうなので、興味のある方は、ぜひ。


福田麻由子の出演映画は、とりあえずすべて見たいので、『GOEMON』をレンタルしてくる。
F4f01804登場シーンが少ないのは分かっていたが、広末涼子の少女時代という設定で、回想シーンにしか出てこない。
『犬と私の10の約束』もそうだったし、このままでは、回想シーン専門女優になってしまうよ!……というところで、ちょうど受験でお休みなので、いずれ、いい役が巡ってくるでしょう。

興収は、14.5億だったという。「おーっ、そんなに入ったの?」というのが、正直な感想。ぜんぜんリクープできてないんだけど、うーん
やっぱり、キャスティングが大スクリーン向けだったのかな、という気がする。

映画の印象の話をすると、「俺がルールだ!」と言わんばかりの紀里谷和明監督は、嫌いじゃない。
ワガママをやる代わりに、批判も聞きますよ、という態度がいい。「クソ」とか「死ね」とか言って、何もしない人よりは、メチャクチャでもいいから「作る人」のほうがいいわけです。生きるに値する、というか。

一仕事したら、今度は『おと・な・り』です。麻生久美子と谷村美月という、思わず正座したくなるキャスティング。
監督は『ニライカナイからの手紙』の人だ。じゃあ、そんなに悪くないはずだよ。というか、麻生と谷村が出てるんだから、つまらないはずがない。俺にとっては、ですが。


ラピュタ阿佐ヶ谷での『マイマイ新子』、なんと鈴木タツヨシ役の江上晶真さんが、舞台挨拶されるとか。2月5日(金)です。支配人こと「バー・ラピュタの女」が、キャーッってなっちゃいますね。

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2010年2月 3日 (水)

■2月のメモ「ガンダムUC」■

新宿ピカデリーで、『機動戦士ガンダムUC』。マスコミ試写と銘打っておきながら、ライター・編集者ばかりか、メカデザイナーのお知り合いも。声優・絵描き・芸人と、カオスな試写会だった。

意外によかったのは、背景。スペースコロニー内。
Img_story_02人間が移動するには、電車のようなものを使わなくてはならないけど、プチ・モビルスーツに乗ると、3次元的に移動できる(プチ・モビが一瞬、風にあおられる描写がニクい)。
プチ・モビを出すことで、コロニー内が、少しだけ、狭く感じられるわけだ。
だけど、モビルスーツで移動しようとすると、まず突入路を考え、常に脱出路を探してないと、おいそれと戦っていられない。ようするに、コロニーが狭すぎてしまう。
その、丁寧なスケール感の描き分けを堪能するには、大画面の方がよいかな、と思う。
2月20日より、主要都市5館で上映。

背景、というか演劇的な「舞台」という意味では、『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇』が面白い。「こんな使い方も、出来るのか」と、ちょっと関心。
こっちは、3月26日発売。


『ミツバチのささやき』と『エル・スール』を、二週間も上映している静岡シネ・ギャラリーは、素晴らしい。1/31には、静岡県立大学准教授の大楠栄三さんのセミナーまで、あったらしい。
この歳になって、「映画の先生」が欲しくなってしまった。人に聞かないと分からないことって、いっぱいあるので。

20年前は、洋泉社『映画の現在形』を読んで、見てない映画を片っ端から、探して歩いた。当時は、レオス・カラックスら、「ネオ・ヌーヴェルヴァーグ三羽烏」が流行っていた。「お前、ベネックスも見てないのかよ?」というあのノリは、シャフト・新房作品の流行り方に、ちょっと似ている気がする。


ほうふ日報の縄田記者のTwitterによると、「ワーナーマイカルシネマズ防府のN支配人から商議所へ電話が入り、『マイマイ新子と千年の魔法』防府で11000人動員突破の報を聞く。2月28日までは防府での上映確実視。3月7日までの上映を交渉中」とのこと。
なるほど、3月7日までなら「マイマイ探検隊」に参加した人が、そのまま映画館に流れることが出来ますね。そろそろ、宿を予約しておかないと。

縄田記者はもちろん、この映画と何年も付き合っている監督、プロデューサーたちのスタミナは、凄い。嫌なこともいっぱいあるだろうに、まだ戦いつづけている。
僕なんか、この映画と知り合って、4ヶ月の新人だ。

大阪での上映を盛り上げよう、という方たちも現れた。
氷川竜介さんが「アニメージュオリジナル」で書かれていたように、『マイ新』を巡る状況は、本当に「奇跡」じゃないか、という気がしてくる。


2月7日のワンダーフェスティバルに向けて、絶望的状況のもと、制作のつづく『亜空間漂流ガルダス』。
1月30日の制作ブログによると、映画の完成を前に、DVDパッケージを発注したらしい。
しかも、「演出を実験的にする」とか……。今回の『ガルダス』は、ファンタジーじゃなかったのか(笑)。もし間に合わなかったとしても、もはやこの状況が、エンターテイメントという気がする。

そういえば、同人誌で『ガルダス』の岩井はるみさんにインタビューして、写真も撮ったけど、撮影に使った新宿御苑が「成果物を送ってください」と電話してきた。
公園事務所で「同人誌」「即売会」について説明した日が、懐かしい。

さて、ワンフェスに『ガルダス』は、お目見えするのか? あと4日しかない!

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2010年2月 1日 (月)

■2月のメモ「ミツバチのささやき」■

池袋の新文芸座へ、『ミツバチのささやき』と『エル・スール』の二本立てに行った。
窓口で「今からですと、お立ち見になりますよ」と言われ、次の回の上映まで待っていると、なんと開場30分前から並ばされる。女性の一人客や、外人のカップルもいる。日本公開から25年、いまだ「名作」と認知されてるんだなあ……と感慨深い。

8383c83o836082cc82b382b382e282abどのショットも、寒々しいまでの切実さに溢れている。小さい頃、夜毎に布団の中で感じていた、形にならない不安。恍惚。映画の中で「精霊」と呼ばれるものたちに、確かに触れていた時代が、僕にもあった。

20年前に記していた「映画鑑賞ノート」を引っ張り出してみたら、僕が『ミツバチのささやき』を見たのは、1988年だと分かった。
同じページに『怪盗ルビィ』、『ドグラ・マグラ』、『汚れた血』など、明らかに映画館で見た作品の名前があるので、間違いなく88年。ということは、映画館ではなく、ビデオで見たのだろう。
『ミツバチ』のすぐ下に、ケン・ラッセルの『マーラー』と記してある。この二本立てがあったという記憶もない。

「映画鑑賞ノート」には、驚いたことに「ミツバチのささやき…訴求力が弱い」と、そっ気ない一言が添えられていた。
これだから、歳はとっておくものだ、と思う。僕は大学卒業後、文献で『ミツバチのささやき』の批評を繰り返し読み、自分自身の感想はそっくり忘れたまま、「名作」のレッテルを貼ってしまっていたのだろう。

死ぬまでに、もう一度、どこかの映画館で出会うことになるだろう。その時、僕は今よりずっと年寄りで、死に近づいて、「精霊」の世界を、身近に感じられるんだろうと思う。


『マイマイ新子と千年の魔法』、バウスシアターの件が、いまだにモヤモヤと頭から離れない。言いたくて言いたくて、でも飲み込まなければならない言葉が、いくつもある。
署名を始めた12月初旬頃から、ずーっとこんなです。

「アニメージュオリジナル」の記事は、シネ・ヌーヴォの上映は2月12日までになっているし(実際は2月19日まで)、ラピュタ阿佐ヶ谷での上映も終わっていることになっている(2月12日までやってます)。
どうしてそうなっちゃったか……、文責として名前が載っている以上は、僕の責任です。

問題点は、現場、現場で各個に解決していくしかない。「A案がダメなら、B案がある」と言えるのは当たり前のことであって、ノーレスポンスの人までは救っていられない。具体的に、体を使って考えること。頭だけでは、ダメだ。
歩き、話すこと。それ以外に、問題の解決法はない。

監督のお声がけで、署名者数がグッと伸びました。毎日、必ず目を通しております。あと28日間ですが、よろしくお願いします。

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