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2010年1月24日 (日)

■映画は、自由を目指す表現■

「シネマガールズ」最新号にも書いたことだけど、06年は邦画と洋画の興行収入が、逆転した年だった。
何が公開された年かというと、こんな感じ。『ゲド戦記』が邦画第一位だから、ジブリつながりで書くと、ジブリ発行の「熱風」09年1月号の特集は「日本人はハリウッド映画を見なくなったのか」。この特集は、非常に勉強になったし、元気づけられもした。
何しろ、かつては「日本人が一番、スクリーンで見たくないもの。それは、日本人の顔だ」とまで言われていたのだから。憧れは、アメリカのスター。偉大なのは、アメリカの監督。しかし、洋画雑誌『ロードショー』は、08年に休刊した。
ひょっとしたら、邦洋逆転は、日本人が誇りを取りもどしていることの、表れかも知れない。

215395c7bb9acc50086a8a13aa24e65e『踊る大捜査線』が、まさかの100億ごえで『子猫物語』『南極物語』の歴史的優位を脅かした98年、『がんばっていきまっしょい』のようなスター不在の小規模映画も、熱い支持を受けていた。
(どっちも見てない、という人がいたら、『がんばっていきまっしょい』だけ見てください)

アニメに目を転じれば、前年の97年に、宮崎駿が撮ったのは、日本の中世を舞台にした『もののけ姫』だった。
内容こそ、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、クロアチア紛争をバックボーンにしてはいるが、日本人を主人公に、我がこととして描いたところがカッコいい。胴長短足の日本人は、カッコいいのである。
「日本人が出ていて、日本人が監督する映画」が好まれている事実を、もっと自覚して、自信を持っていい。


こんなこと言うのも、今ごろ『おっぱいバレー』を見たからなんだけど。
前半は、もうちょっとイカくさい方が、後半とギャップが出て、よかったかも知れない。でも、女優に勇気がなければ、この企画は出来なかった。タイトルと綾瀬はるかで童貞心を「釣る」勇気は、認めるよ。
監督にスケベさというか、がめつさが足りなかったかも知れないけど、実写版『キューティーハニー』になかった「ひょっとしたら、綾瀬のおっぱい、見られるのでは……?」というムラムラした感じは、エンドクレジットまで持続していた。

それで、興収はどうだったのかな、と思って検索してみたら、「大コケ」「駄作」……単に、目標の半分ぐらいの数字だったというだけなのに、よくそこまで言えるよな。みんな、人の失敗、大好きだよね。たった一作で、これだけ厳しく言われたら、女優も監督もストレスで死んじゃうよ。
映画館で、現実のくびきから逃れて「おっぱい」連呼してくれる作品なんだよ。映画というのは、自由を目指す表現なのに、みんなでがんじがらめにしている。
僕も数字は気にするほうだけど、興収が悪いから「駄作」なんて、卑怯としか言いようがない。自分の審美眼と関係なく、作品を責められるんだもん。
俺の好きな『フレフレ少女』も、似たような目にあっていたけどね……みんな、弱い者いじめが好きだのう。


日本映画って、年に400本ぐらい公開されている。でも、その倍ぐらいの数、未公開のまま、お蔵入りになる作品があるという。
だから、劇場で公開されるのは、とてもラッキーなこと。祝福されるべきことなんですよ。それを背中から撃つような真似は、やめてくれ。

僕が生まれた1967年には、もう邦画は凋落していた。邦画の量が増え、公開のチャンスも増え、洋画を圧倒するほど愛されるようになってきたのは、ここ10年のこと。それ以前の30年ぐらい、ずっと氷河期だったんだ。
僕は、氷河期はもうイヤだ。だから、明日は映画館に行く。

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コメント

『がんばっていきまっしょい』の田中麗奈ちゃんは良かったじゃない。
「何処行ってたの」「家出してた」なんて件が好きです。

素直な私は人に薦められて見に行くし、天邪鬼な私は人がけなす映画を見に行きます。みんなが見に行く作品は私が見に行かなくても・・・。
でも怖いのは絶対ダメ!

投稿: イルカのおかげ | 2010年1月24日 (日) 23時51分

■イルカのおかげ様
『がんばっていきまっしょい』は、アイドルっぽく撮ってないのが、かえって新しかったんですよね。ちょっと、距離感があるというか。

>みんなが見に行く作品は私が見に行かなくても・・・。

僕も、基本スタンスは、それに近いですよ。職業的に「これだけは最低、見ておかねば」とか、交友的に「これは盛り上がるので一緒に行こう」とか以外は。
どんな映画にも、いい所は、必ずありますからね。

>でも怖いのは絶対ダメ!

僕は『殺し屋1』を妻と見に行ったとき、急に恐くなって、ひとりでロビーに出たことがあります。ああいうエグいのは、女性の方が平気なんでしょうね。

投稿: 廣田恵介 | 2010年1月25日 (月) 02時08分

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