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2010年1月 4日 (月)

■1月のメモ「ゲド戦記」■

毎度毎度、『マイマイ新子と千年の魔法』の話題で恐縮ですが……。
防府ワーナー・マイカル・シネマズは、9日以降も上映する、という情報が入ってきました。

大阪・九条のシネ・ヌーヴォは、上映スケジュールが出てますね。1月30日から2月12日までの2週間、連日20時20分から。2月11日のみ、昼間12時20分からの回もあるそうで、東京より、明らかに恵まれてます(笑)。
そうこう言っている間に、今週土曜から、もうラピュタ阿佐ヶ谷のアンコール上映がスタート。早っ。

もっともっと、広まってくれ!
あと、署名もお願いします!

追記:トラックバックいただいた「未完の映画評」さんの『マイマイ新子』上映情報が素晴らしいです。青森で上映するなんて、まったく知らなかった。


昨日、ちょっとジブリのことを書いたけど、『マイマイ新子』のことは関係ないとしても、何がどう転んでもヒットする状況下で、新人監督をデビューさせるのは、残酷なことだと思う。
こんなハリセンボンみたいな、電通も博報堂も味方につけてしまって、ババを引くとしたら、観客なんですよ。「また『ゲド戦記』だったら、どうしよう?」って、僕らは脅えている。完全武装で不沈空母の製作委員会は損しないが、観客が損する可能性がある。

スタジオジブリがエキサイティングだったのは、『ナウシカ』をゴールデン枠に流した頃だと思う(正確には『ナウシカ』はジブリではないけど)。
『ナウシカ』のテレビ放映権は、最初から日本テレビにあった(というか、売りつけられたらしい)。でも、「アニメだから」って理4959241980069由で、放映するとしたら、朝の時間帯にされてしまう。そこでがんばったのが、日テレの奥田誠治さんですよ。土曜スペシャルで、夜7時半からの特別枠で放映させた。そうしたら、視聴率15パーセント越えて、原作本プレゼントに100万通の応募が来た。100万通ですよ? 郵便局に怒られた、という逸話まで残ってる。

奥田さん、どんな気持ちだったかなあ、と思う。アニメ史に残る仕事をしたと、俺は思う。
もし日テレが放映権を買ってなかったら、いまだにジブリなんて、マイナーだったかも知れない。少なくとも、興行でパッとしなかった『ナウシカ』を起死回生させ、日本全国に広めたのは、日テレの奥田さんですよ。
マイナスからスタートするから、文化になる。なのに、今度のジブリの新作は、製作委員会の座組みからして、プラスすぎるよ。東宝ばかりか、ディズニー、三菱商事……メーターの針が、振り切れてる。あと、「ワイルドバンチ」って何の会社だろう、と思ったら、ちゃんと公式ブログで喋ってるから、聴いてみるといいよ。
そういうところを見ずして、「キャラが可愛い」「いつものジブリだ」とか言ってるから、『ゲド戦記』を皿に盛られるわけです。

迎え撃つ原恵一監督の『カラフル』はどうなのか?と検索したら、こっちの方がトップに来るというのは、どうなんだろう。
僕は断然、「負けるかも知れない方」を応援します。


あと、『ギャラクティカ』。レンタル屋で借りるのも面倒、という人は、ニコニコ動画で見よう。→こちら
たぶん、UPした人は、『ギャラクティカ』を見て欲しくて仕方なかったんじゃないかな。
ちなみに、僕は『ギャラクティカ』を見た後、2枚ずつ持っていた『スター・ウォーズ』全6部作のDVDを、ぜんぶ売ってしまった。それだけ、『ギャラクティカ』は凄いんだよ!

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コメント

はじめまして。『マイマイ新子』ファンとして廣田さんの事も影ながら応援しております。

ところで、知ってる人には非常に有名ですが、『ナウシカ』の前段階の『カリオストロの城』でも同様のことがあったのを付記させていただきたいと思いコメントいたしました。
『カリ城』公開当時、アニメブームは始まってましたが、『ルパン』の映画化としては2作目で今更感があり、興行的に惨敗。冬休み前でしたが初動が酷く冬休みまで持ちませんでした。宮崎監督はこれで「客の入らない監督」という評価が定着。実際次の『ナウシカ』まで3年ほど機会に恵まれないことになります。
この状況を救ったのは、とくにぴあを読んでるような映画ファンの地道な支持だったと思います。それに応えるように文芸地下などの名画座でしばしば上映。アニメファンには、片渕監督も出入りしていたアニドウのようなコアな層には熱狂的に支持されましたが、まだ同人界もほとんどなく、創刊浅い「アニメージュ」もはっきりと宮崎作品は『ヤマト』『ガンダム』より下の佳作程度の評価しなかった状況であまり力にはなってませんでした。(だから「アニメージュ」のその後の手のひら返しにはいまだに笑っております。)
さらにこれらを一夜で逆転したのが、公開2年弱ほどでの日テレゴールデンでの放映でした。翌日の学校で『ルパン』の話題一色だったのをいまだに覚えてます。ここで高視聴率だったのが直接的に『ナウシカ』の企画に繋がってると思います。
余談ですが、宮崎監督のこの時期の数少ない仕事であるTV版新『ルパン』最終回が片渕監督が宮崎監督と出会うきっかけになるのは、WEBアニメスタイルのコラムに出てるとおりです。

『マイマイ新子』はこういう『カリ城』のような評価のされ方を彷彿とさせます。ネットの影響でファンの反応が『カリ城』の頃より早いのは運のいいほうだと思います。そういう意味ではラピュタの成功は第一歩で、これから先が大事だと思います。

投稿: zapo | 2010年1月 5日 (火) 06時41分

マイマイのポテンシャルを思えば、現在のジブリ作品や近年の細田時かけ同様、定期的に地上波ゴールデンでの放送がされるような状況になってほしいですよね。

ただ、ジブリ作品や時かけは、作品そのものの出来以上に賞の受賞やら後のスタジオ、監督のブランド化、メジャー化によるところが大きいと思うんです。

マイマイは、作品の性質上海外での受賞はなさそうで、公開時期の問題で国内で受賞するにしても、おそらく劇場公開が一段落したあと。

けど、近年の流れなら、マッドハウスがポストジブリ的なポジションになる可能性は結構ありそうなんで、マッドハウス作品としてのマイマイ新子が後々名作として再評価される可能性はあり得る気がします。
(広報でも、そろそろマッドハウスをブランドとして前面に押し出していい時期に来てるかと)

現在での草の根評価と並行して、そういった外堀が埋まるような状況も生まれてきてほしいですね。

投稿: すがり | 2010年1月 5日 (火) 09時12分

■zapo様
はじめまして。コメントありがとうございます。

今回、雑誌や本をひっくり返してみると、確かに『カリ城』は「常時20パーセントとれる鉄板作品」として、日テレに重宝がられていたようです。もちろん、『ナウシカ』制作以前の話です。
それ以前の扱いは、年上のアニメ・ファンの人たちが、一部で騒いでいた――というのが、当時の僕の印象です。テレビ放映は、公開から2年弱も後だったのですか……。
逆に現在は、2年も経過してしまうと、レンタル屋の棚にも残らない、衛星波で放映されればいい方、という恐怖が待っています。
ネットで広がったのは、確かにありがたい事なのですが、アニメの本数が増えたせいもあり、「見られなかったからDVDでいいや」という流れになりかねないのが、危惧するところです。DVDを急いで出したところで、1万本もいかないでしょう。

ラピュタの成功で安心は出来ないのだ、ということですね。
今後とも、応援いただけると、大変心強いです。どうもありがとうございました。

■すがり様
はじめまして、コメントありがとうございます。
今朝も、ある地域で上映運動をなさっている方から、メールが来ました。それを読むかぎり、なかなかハードルは高いのです。ラピュタ阿佐ヶ谷さん、シネ・ヌーヴォさんは凄いな、と思い知りました。

『時かけ』の時は、どうだったのかなと思い、ちょっと調べてみたら、やはり配給会社(角川ヘラルド映画)のフットワークが、非常に早かったんですね。9ヶ月かけて、全国に広まったそうですから。
熱心なリピーターが出現している、という点では『マイマイ新子』も似てはいるんですよね。

僕としては、再評価というよりは、“いま”伸びていって欲しいんです。
そのためには、署名だけでなく、何が出来るのかを考える時期に来たと感じています。

投稿: 廣田恵介 | 2010年1月 5日 (火) 10時09分

>迎え撃つ原恵一監督の『カラフル』はどうなのか?
この夏は舛成孝二監督と脚本倉田英之さんの「R.O.D」「かみちゅ!」コンビの初の劇場作品「宇宙ショーへようこそ」もようやく公開に漕ぎ着けた訳ですが
なんかもうそんなジブリの新作にホントにかき消されてしまいそうで、もう考えるだけで鬱になります・・・・。

追記:カリオストロの城の初回放送は公開翌年の80年の12月です。なにせなんとかして手元に残す為ありとあらゆる条件をつけてソニーのビデオデッキJ1(のNECのOEM機)を買ってもらう工作活動をやりましたので(笑)

投稿: Miya-P | 2010年1月 5日 (火) 12時20分

■Miya-P様
『宇宙ショー』は、さすがに夏は外してくると思うんですけどね……。
ただ、06年の『ゲド戦記』のライバル『ブレイブ ストーリー』は、興収20億と健闘したんですよ……って、フジテレビの局を上げてのキャンペーンでも『ゲド戦記』に勝てなかったわけですね。
やはり、ジブリの存在は健全とは言いがたいです。でも、邦画界全体を牽引する力ではあるんです。そこが難しいところで。

>カリオストロの城の初回放送は公開翌年の80年の12月

そうでしたか。僕が見たのは、それが最初だったのかも知れません。
上映会が行なわれていたと思いますが、そういう場所で見た記憶はないんです。それとも、二番館で見たのかなあ……。

投稿: 廣田恵介 | 2010年1月 5日 (火) 13時19分

Miya-Pさん

訂正ありがとうございます。『カリ城』が不遇だった頃の時間感覚から記憶に頼ったわけですが、若い頃の時間が濃密だったことを思い知らされてしまいます。お騒がせしてすいません。

『時かけ』の場合は、最初からテアトル単館系とコアなアニメファン向き、言ってしまえば細田守を知ってるファン向きのような絞った公開をしたのが結果的に功を奏したんだと思います。あそこで掛かるアニメ映画は最初からDVDを収支の前提に組み込んだ作品が多いようにも見受けられます。

『マイマイ新子』の場合はまがりなりにも全国ロードショーで最初に恵まれすぎたのがアダになった感じです。直後の『スノープリンス』もそうですけど、松竹は伝統的社風的に人間ドラマを見せたい会社で名作劇場アニメの総集編映画もよく作っていた気がします。だからこそ『マイマイ新子』のような企画にも乗ってくれたのでしょうし、そこには感謝すべきですが、さすがに角川などに比べるとアニメを深くわかる人材が少ないのではないかという印象はもちます。

投稿: zapo | 2010年1月 5日 (火) 13時55分

■zapo様
『ナウシカ』の制作前、「放映権を買わないか」という話が日テレにあった時点で、すでに『カリ城』は高視聴率をマークしていたそうで、評価を獲得するのに「2年かかった」という意味では、間違いではないと思います。

>あそこで掛かるアニメ映画は最初からDVDを収支の前提に組み込んだ作品が多い

ようは、深夜アニメと一緒ですよね。波料を払うかわりに、ショーケースとして劇場を押さえているわけで、『エウレカセブン』が露骨でしたね。公開から2ヵ月後にDVD発売ですから、興収は宛てにしていません。毎回満員札止めだった『空の境界』ですら、DVDで回収するというモデルでした。

仰るように、『マイマイ新子』は伝統的な邦画興行で始めたのが、つまづきの原因だったのでしょう。
客席がガラガラでも、松竹系である限りは上映を続けなくてはならない興行形態は、昔のブロックブッキングとまったく同じです。これは、責められても仕方がないでしょう。

『時かけ』は観客の「見たい」という要望に、見事に沿う形で広がっていきましたが、原作のネームバリューも大きかったと思います。井上伸一郎さんにインタビューした時、「時かけは、ライトノベルの原点」と仰っていました。

投稿: 廣田恵介 | 2010年1月 5日 (火) 15時30分

その映画に最も適した方法で公開されるのが理想なのでしょうが、なかなか難しいものなのでしょうね。
マイマイ新子、防府のマイカルでも延長するとの情報に喜んでおります。お隣のMOVIX周南が延長するのに、防府で終わってしまうのはどういうことだ、と文句を言いに行こうと思ってたものですから。
こういった情報はHPで知らせてほしいものですが、私が見た限りでは見つけられなかったです。

投稿: $0.5 | 2010年1月 5日 (火) 22時34分

■$0.5様
MOVIX周南のサイトを見たら、時間帯を変えて続映するみたいですね。防府で『マイマイ』を見た主婦の方の日記を読んで、なんだか心和んでしまいました。

>その映画に最も適した方法で公開されるのが理想なのでしょうが、
>なかなか難しいものなのでしょうね。

その通りですね。いま、社会人向けのレイトショーと、家族向けの昼間興行が並走しちゃってますから(笑)。
もう、どんな形でもいいから、春休みぐらいまでは、日本のどこかで続いて欲しいと思っています。

ちなみに、防府での延長はmixiの書き込みで知りました。いまや個人が足で集めた情報の方が早くなっていますね。

投稿: 廣田恵介 | 2010年1月 5日 (火) 23時16分

何度も投稿して申し訳ありません。

>もう、どんな形でもいいから、春休みぐらいまでは、日本のどこかで続いて欲しい

そうですよ。で、それを防府でやらないでどうするんだ、と思うんです。
1週間に1度でもいい。金曜か土曜のレイトショーで、それこそ春休みといわず、ずっと続けてほしい。週末の夜、防府に行ったらあれが観られるよ、ってことになったら素敵だと思うのです。
もちろん、ビジネスの世界がそんなに甘くないことは分かっているつもりではあるのですが…

投稿: $0.5 | 2010年1月 5日 (火) 23時27分

■$0.5様
いえ、お気持ちはよく分かります。
「こうあって欲しい」という形は、現状に即したものである必要はありません。むしろ、「現状にかんがみて、チョコッと改良した」では、また同じようなことが起きますから。
理想は、高い方がいいのです。

この小さな映画が、ここまで僕らの胸をかき立てるのは何故なのか……いまだに不思議です。
やっぱり、十分な評価を得ていないからでしょうね。名前すら、いまだに知られていませんから。

投稿: 廣田恵介 | 2010年1月 6日 (水) 00時04分

「青森で上映」の件、公式サイトの情報更新が遅れているようですみません。
やはり、当方一同、ちょっとくたびれているのかもしれません。

確認してみましたが、八戸で上映されるのは確実です。

投稿: 片渕 | 2010年1月 7日 (木) 15時43分

■片渕さま
いま見ましたら、ちゃんと反映されていました。

青森 八戸フォーラム
岩手 盛岡フォーラム

9日から上映される劇場が、これで10館になりました。
それぞれの地域の方に、情報が届いているといいのですが……。

投稿: 廣田恵介 | 2010年1月 7日 (木) 16時57分

初めまして。「未完の映画評」管理人のかみぃと申します。
私のブログ記事を取り上げていただきありがとうございます。

本日、今週末から来週に掛けての「マイマイ新子」スケジュールを反映させて改訂したのですが、いくつかうっかりするとせっかくの鑑賞チャンスを逃しかねない気になった点(公式サイトの劇場リストでは気付かない点)があったので、そのお知らせ記事をあらためてトラックバックさせていただきました。
自サイトの宣伝のようで気が引けるのですが、この素晴らしい作品が少しでも多くの方の目に届くよう願ってのこととお許しください。

微力ながら出来る範囲のことは尽力したいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。

投稿: かみぃ@未完の映画評 | 2010年1月 8日 (金) 04時14分

■かみぃ様
こちらこそ、いつもありがとうございます。トラックバックだと見逃される可能性もあるので、最新記事にもリンクさせていただきました。

しかし、公式では拾いきれない点まで網羅してあって、素晴らしいですね。「公式サイトで、各自チェックしてね」という言葉が、いかに無責任であるか、痛感します。
しかも、本来は批評系サイトなのに、恐れ入ります。

支持者の自発的活動のつづくかぎり、この映画は決して埋もれないと思います。こちらこそ、よろしくお願いいたします。

投稿: 廣田恵介 | 2010年1月 8日 (金) 07時36分

すみません。

かみぃさんからさらにご指摘をいただいて、松竹が把握している元データを照合し直して、マイマイ公式サイトの記事を修正中です。
劇場の名前まで変更になっているところもあったりして、思わぬボロが随所に出てきてしまいました。
原稿の確認終わりましたので、これからテキスト化して、可及的速やかに改訂をはかりたい所存です。

投稿: 片 | 2010年1月 8日 (金) 13時49分

■片さま
こちらこそ、恐縮です。
山口スカラ座は、公式サイトに載っていないだけで、15日までは上映するようです。

http://www.ishop.ne.jp/scala/

やはり情報は一本化していただきいですね……もちろん、監督の責任ではないのですが。

投稿: 廣田恵介 | 2010年1月 8日 (金) 18時06分

山口スカラ座の件、ありがとうございます。

周南が11日までというのは、劇場サイトで見るまで我々の方でも把握していなくて、「なんでこちらに連絡ないんだ?」などと顔を見合わせる始末です。

今更遅くはありますが、上記2点も宣伝チームに伝達いたしましたので。

これからもよろしくお願いいたします。

投稿: 片渕 | 2010年1月10日 (日) 09時22分

■片渕さま
こちらこそ、たびたび、申し訳ありません。
いまや「未完の映画評」さんが、最も正確なスケジュール早見表となっていますが……普通の映画では、ファンが「よその地方の方に見逃して欲しくない」という理由で、ここまではやらないと思います。

すでに、署名と関係なく、上映の働きかけをしてらっしゃる方も、何人か現れています。
こうしたネットワークが築かれていること自体が、驚異的だと思います。

投稿: 廣田恵介 | 2010年1月10日 (日) 20時28分

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