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2010年1月31日 (日)

■観客の役目■

吉祥寺バウスシアターで、『マイマイ新子と千年の魔法』のチラシが貼ってあったのに、上映がなくなった件。
なくなった経緯は、僕も知っているのだけど、別にバウスが悪いわけじゃないんですよ。
むしろ、理不尽な目に合わされているように、僕には思えた。
連続上映が無理なら、イベント上映みたいな形にできないか、バウスに提案しているし、監督にも相談した。僕らだけが苦労している、とは言わないよ。でも、「噂にすぎなかったじゃないか」「ダメだったんじゃないか」とガッカリさせないよう、努力しているし、それが僕らの「仕事」でしょ?

今まで、ずっとそうやってきたんだよ。泣き寝入りせずに、ずっと動いてきたんだよ。
バウスの古いスタッフは、『アリーテ姫』を上映したときのことを、今でも覚えているそうです。支配人さんも、『マイ新』本編を見て感激し、「上映したい」と立ち上がったそうです。
それを「大人の事情」で水に流していいの? それを止めるのが、僕らの役割じゃないの?

「何とか上映できるよう、努力します」と言ってくれた映画館さん、みんな黙っちゃいましたよ? なぜ? この映画には、客が入らないから? いまや、そうではありません。僕ら観客が、その定説をひっくり返して見せたじゃありませんか。

僕は、この映画の関係者ではないし、何ら特別な立場の人間ではありません。
最近では、ライターとも名乗らないし、署名のことも口にしません。口下手なので、電話は苦手なのですが、必要とあらば、目をつむってダイヤルを回します。必要とあらば。
僕みたいなヘタレに出来るんだから、皆さんにも出来ます。
泣き寝入りするヒマがあったら、行動を。


今日は、池袋まで、『ミツバチのささやき』と『エル・スール』を見に行く予定です。
誰かが見つづけ、誰かが語り継がねば、文化なんて残るわけがないんですよ。レンタル屋のスタッフが、ビクトル・エリセを知ってると思ったら、大間違い。シネコンの受付のお姉ちゃんなんて、自分が生まれたあとの映画しか見てないよ。テレビで、古い映画をやらなくなったんだから、仕方ない。
だけど、「やらなくなった」ってことは、「権利者が止めてる」ということでもあるんですよ。映画を解放するのは、僕たち観客の役目です。


追記。この春~夏は、プチ『ゼーガペイン』祭になるそうです。
4年前のアニメを、支えつづけたファンがいたからこそ、です。ここに至るまで、制作者の方は無念の涙を飲んできたそうです。そんな裏話も、今年は笑って話せるかも知れません。

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2010年1月30日 (土)

■ジョソコを全力で肯定する■

『マイマイ新子と千年の魔法』、大阪シネ・ヌーヴォでの上映、本日よりです。
チケット販売は、朝10時ごろからだそうです。2/19の終映まで、満席のつづくことを期待しています。

あと、吉祥寺バウスシアターさん、がんばってください。『アリーテ姫』と二本立てで、やりましょうよ。応援します。
全国の映画館さんも、期待しております。
シネ・ジュニア国際映画祭もおめでたい話なので、国内での知名度UPに繋がってくれると、嬉しいです。まずは、国内なので。

マイマイ新子@ラジオは、面白かった。支配人さんが出てきたとき、「おばさんがバー・ラピュタの女ですか」って書いた人、誰だ(笑)。


読売新聞に、「ジョソコ」の話題が掲載されていた。
100129_19200001性同一性障害でもなければ、ゲイでもない若い男子が、積極的に女装して楽しんでいるという。この流行、ものすごい腑に落ちる。
社会で「男を演じる」ことは、ものすごく、しんどいのです。
「雄々しく、堂々とする」ことは、社会生活に必要ではあるが、それは手段でしかない。僕らの本質は、体育会的な「男らしさ」では、断じてない。大人の強要する「男らしさ」とやらは、まず体育の時間に、教師たちが奪い去っていったではないか。「跳び箱が飛べないなら、休み時間もずーっと練習していろ」などと、クラス全員の前で言われた「男の子」が、雄々しく堂々と育つわけがない。
それを今さら、「男らしくあれ」とは、ムシが良すぎる。

僕は、今でこそ「ハゲ、ヒゲ、メガネ」という「男らしい」記号で外見を固めているが、男になんかなりたくなかった。小学校高学年の頃は、肩甲骨の下まで髪をのばし、女子に間違われるのが、とても嬉しかった。
祖母に「この子は、女の顔をしている」と言われたときは、自分が初めて、認められたような気がした。(くどいようだが、今はハゲ・ヒゲである)

漫画では、『11人いる!』のフロルが好きだった。一見、少女にしか見えないフロルは、ま20090505163436だ男でも女でもない。成人すると、男女どちらかになる。性差の間で揺れ動くフロルの戸惑いに、心から酔った。友達に、「お前、こいつ(フロル)が好きなんじゃないの?」とからかわれたが、それは違う。僕は、フロル自身になりたかった。

結局、僕は運動が不得手で、色白なまま、第二次性徴を迎えねばならなかった。
女子の目線を意識せねばならない年齢で、体育がダメなら、ルックスも良くない。ついでに、頭も悪い。これは、遺伝子的敗北である。
恋愛で勝つには、ひたすら誠意と卑屈を武器にするしかなかった。――なぜ、恋愛で勝たねばならないか? それ以外に、自分の性を決定づけるものが、なかったからですよ。異性に受け入れられる以外、自分を「男」と認識する方法がない。

だけど、そこから先がなかった。結婚しても、恋愛シミュレーション・ゲームを捨てられなかった。離婚してからは、キャバクラに通った。ゲームやキャバクラでなら、自分は寸分たがわぬ「男」でいられた。だけど、僕の年齢だと、そこでデッド・エンドなんですよ。
いまだに、「男としての自信」はないし、必要ないのではないか、とさえ思っている。


初音ミクを使って、曲を発表する人たちがいる。男なのに、女の子の恋心を歌わせたりすMikutmbる。ミクが女の子である理由は、そこにある。性を無効化してくれるんですよ、ボーカロイドって。だから、「SFより凄い」と、前から言っているでしょ。
初音ミクは、単なるキャラクターではないし、ツールでもない。「男らしくない」僕たちの、肉体の一部なんだ。

キャラクターでいうと、『処女はお姉さまに恋してる』には驚いた。もう、5年前のゲームか。「歪んでる」と思ったんだけど、かつてフロルに感情移入していた僕に、言えた言葉ではない。
ハーレム・アニメが減っていき、女の園だけを描いた作品に、男性が感情移入するようになった。それを僕は「キャバクラ化」と呼んだけど、そうではない、と今では思える。自分も彼女たちの友達なんだ、と思った方が、心が楽なんですよ。「百合」の定着化も、近い理由だと思う。性差を越えない恋愛の方が、すんなり感情移入できるってことでしょう。

そうした流れの中で、「ジョソコ」が出てきても、何の不思議もない。「男らしくあれ」という社会の抑圧が、それだけ強いという証拠でしょう。
「男らしさ」は、社会構造にとって有益なだけで、僕たち個人にとっては、実はどうでもいい。女々しい方が、心が自由でいられる。


もうひとつ言うと、新垣結衣が、応援団長という「男らしい」役を演じる『フレフレ少女』。これも、僕にとっては重要な映画だ。
547529恋愛がきっかけで、応援団に入った新垣は、日常生活でもガクラン姿で生活せざるを得なくなる。すると、ガクラン姿の新垣に「女の子の」ファンがつくのである。さらに、チアガール部のキャプテンを男優が演じることで、この映画は、「男らしさ」「女らしさ」を木っ端微塵に吹き飛ばす。

『フレフレ少女』を見たとき、僕は自分が男装カフェに通っていた理由が、分かったような気がした。男らしくあろうとする女子(男らしい女子ではありません)に、憧れがある。性のボーダーを揺れ動く姿は、男女を問わず、美しいのです。


日本は、アメリカよりも自由の国である、と思う。今は大人たちが、自由を潰して歩いているだけの話だ。
逃げたかったら、逃げてもいい。30代の自殺者が、激増している。あらゆる逃避の手段を、今こそ肯定すべきときだ。「男らしさ」という錆びついた牢獄から、あらゆる方法で脱出しよう。
男になり切れず、思春期のまま一生を終えそうな僕は、ジョソコを全力で肯定する。

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2010年1月29日 (金)

■1月のメモ「18回目」■

まず、『ギャラクティカ』のご報告。
Tv_bga_sfx16gh_2日本テレビでのシーズン2は、2月16日火曜日よりスタート! 一年も待たされましたが、ちゃんと放映されますよ! 実写版『ヤマト』の前に『ギャラクティカ』を、どうぞよろしく。

そして、完結編となるシーズン4は、スーパー!ドラマTVにて、2月7日に先行プレミア放映。2月17日から、放送スタートです。

今日、DVD発売元のデイライトさんに行ってきました。取材相手は、なんと『マイマイ新子と千年の魔法』の片渕監督です。「片渕須直、ギャラクティカをミリタリックに語る。」 3月発売の「グレートメカニックDX」を待つべし!


水曜日は、朝からラピュタ阿佐ヶ谷でした。9時すぎに着いてチケット購入。夕方、「8 1/2」で食事後、19時にはロビーにいました。
100127_18450001また、いろいろ展示物が増えてました。ビー玉、メンコ、ベーゴマ。キューピーさんの頭には、マイマイが。激レアなマイマイうちわも。
すべて、ファンの方が持ち込んだものです。

ひとり、サントラの流れるロビーに座っていると、試写会に通っていた頃を、不意に思い出す。あの頃と今と、どっちかが夢なんじゃないか?という気がしてくる。
そして、「感想のーと」のPencroftさんの言葉に、心からシビれた。


仕事仲間との18回目の鑑賞は、開幕10分ぐらいから涙腺がゆるみはじめ、「私のお母さん、死んじゃった」「なーんだ」のあたりで、涙が出てきた。ウィスキーボンボンのシーンで泣けるようになったら、もう『マイ新』廃人です。かなり、やられてます。

あと、シゲルの足にはさまったドジョウを奪おうとする新子、目が真剣だ(笑)。防空壕へ行く決死隊の面々、みんな「盗賊がいる」という設定でRPGしているのだね。「あービックリした!」と言うのが目的なんだ。ビックリするための仕掛けを、自分でつくる。大人にも、出来るはず。

終映後、ロビーに戻ってみると、新たな展示物が。
100127_22290001なんと、「赤いの…」です(笑)。なんだ、このアイテムは。「感想のーと」に貼って、使えということのようです。
映画見てないと、完ッ全に意味不明のアイテムです。
友達のいない人は、ため息をつきながら、小川に落としてみましょう。千年後、金魚になるかも知れません。

もうひとつ、実際に頭に装着できる「マイマイ」もありました(しかも、2個)。記念撮影にどうぞ。
100127_22290002このままでは、「いけえダム」がラピュタ阿佐ヶ谷に建造されてしまいます。
そうは言いつつも、あと2週間。
ラピュタの支配人さんがいらしたので、「8日間、マイマイ・ナイトに通った者です」と挨拶したら、「毎朝、大変でしたでしょう」とねぎらいの言葉を返していただきました。
誤解のないように言っておくと、監督以下のスタッフ、ラピュタさんも「朝から並ばせて、申し訳ない」という気持ちなのです。ただ、映画館のオペレーション上、『マイ新』だけ特別扱いは出来ないのですね。


そして、一部で盛り上がっている「吉祥寺バウスシアターで、『マイ新』をやる」という噂。
Photo4どうも、支配人さんが、商店会長を兼ねているとか……。そうしたら、街ぐるみで盛り上げられますね。

やっぱり、「町」「場所」「地域」と一体化して、上映を盛り上げるのが『マイ新』らしいように思います。


先日告知した、即売会「TAT-CON/TAT-HON」への参加は、「二次創作は販売不可」というルールのため、出店を取りやめました。
しかし、主催者が柔軟性のある方で、一部、ルールを改正してくれました。しかも、私の同人誌を買ってくださるとまで言う。こういう方が、「文化」をつくっていくのだと思います。

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2010年1月27日 (水)

■マイマイ上映館■

編集者とライターを『マイマイ新子と千年の魔法』に招待するため、朝9時にラピュタ阿佐ヶ谷へ。
昨夜、「今から行きましょうか」と気楽に言われたけど、朝からチケット販売では「夜から行こう」は無理っぽい……レイトショーなのに。
このシステムの矛盾については、公開前から指摘してはいたのです。「結局、夜に時間帯を変えても、見づらい映画」と受け取られているとしたら、残念です。それでも連日満席なのだから、たいしたものですけど。

それと、情報が徹底してないと思ったので、書きます。
●ラピュタ阿佐ヶ谷は、2月12日まで上映。
●大阪/シネ・ヌーヴォは、1月30日~2月19日です。

公式サイトの情報、間違ってます。シネ・ヌーヴォは一週、延長されてます 公式ブログでは、情報が整理されました。上映は19日まで、です)
☆追記:シネ・ヌーヴォも「整理券は、毎朝会場時に発行」です。
会場時間は、日によって、多少ばらつきがあるそうですが、だいたい10時前後とのこと。行く日の前日にシネ・ヌーヴォまで、お問い合わせください。(←電話で確認したので、確実な情報です)

今後の上映予定は
●北海道は、北見のシアターボイスで3月上旬から。
●佐賀は、THEATER CIEMAで近日上映。


そして、
●ワーナーマイカル・シネマズ防府は、2月5日で終了。
2月12日までは、上映するそうです。以降は、未定です。


……と、公式サイトには、書いてあります。でも、映画館に問い合わせた方が、より正確だと思います。


「名古屋や京都ではやらないのか」という声もあります。映画館に問い合わせてみると、上映リクエストの声は、たくさん届いているそうです。
Image033シネコンでかかっていた時のフィルムが、20本ぐらいあるはずなんです。なのに、現時点、阿佐ヶ谷と防府でしか、かかってない。なぜでしょうね。
『時をかける少女』のプリント数は、もっと少なかったんですよ。だけど、バトンリレー式に、全国に回して、あのヒットに導いたという話です。

『マイマイ新子』だけ、どうしてこうなのか、皆さん、考えてみてください。僕も考えてみました。その結果、ひとつの結論に行き当たったのですが、ここには書けません。

署名は、あと1ヶ月です。別に「BDを出すとしたら、こういう特典を入れて欲しい」でも、構いません。
いま欲しいのは、具体性と実効力です。

まあ……いざとなったら、貯金の半分ぐらい使って、上映会やりますよ。


中野のレコミンツ SIDE-Bさんに行ってきました。
100127_12000001_2『ファンタジア』のDVD、格安の1,500円だったので、買って来ました。『マイマイ新子』をプッシュしてくれるお店には、いい思いしてもらわないと。

それで、ショーケースの中には『マイマイ』のイメージボードがあったのですが、その横に『ブラックラグーン』のDVD-BOXが、置いてありました(笑)。さすが、分かってらっしゃる。割と安かったように思います。狙っている方は、中野レコミンツで!


他にも、NHK-BSで見た「萌えの心臓」について、言いたいこともあったんだけど、そんな気分じゃありません。
レンタルしたままの『1000の言葉より 報道写真家ジブ・コーレン』を見て、仮眠してから、阿佐ヶ谷です。

「アニメージュオリジナル」、『マイマイ新子』の記事もカラーで出てるので、よろしくね。

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2010年1月26日 (火)

■AMオリジナル、土曜日発売■

アニメージュオリジナル Vol.6  30日発売予定
Amori_cv6
●ビジュアル・ワークス・オブ『化物語』
●オルタナティヴアニメの過去と未来
●作家・河森正治の足あと 第5回
●『マイマイ新子と千年の魔法』、その後


以上を構成・執筆しました。
『マイ新』については、氷川竜介さんも連載で取り上げてらっしゃるようなので、合計4ページですね。しかも、すべてカラーページ。
『マイ新』ページが評判よかったら、次号から、連載しちゃってもいいんです……と、勝手に宣言しておきます。

だって、ミニ特集2ページなんて話は、最初は影も形もなかったんだから……。
企画書の隅っこに、「もしも『マイ新』がヒットしたら、モノクロでいいから、もう一度やりたい」と、控えめに書いといたんです。それって、公開前の話ですよ(笑)。
それが、カラーページに昇格しちゃったんだから。
文章はつまんないかも知れないけど、監督お手製のビジュアルは、「どこかで見たことある気がするけど、こんな大きく見られないし、持って帰れない」特製です。喜んでいただけるかと。

(「まよいマイマイ」とまぎらわしいから、『マイ新』と呼んでるのに、ぜんぜん定着しない……。僕は「まよいマイマイ」の方も好きだから、まぎらわしいのは僕だけかも知れないけど)
AMオリジナルについての詳細は、こちら


笑い話ですませて欲しいのですが、都内の某映画館に「マイマイ新子、近日上映!」みたいなことを書いた看板が、立っていたそうです。
それはフライングだったので、今ごろは撤去されてると思いますけど……。

その映画館は、別の方が最初に話を持っていっていて、僕に「ちょっと話を繋いでほしい」と振られて、担当者と話してきた所なんです。各種資料も、宣伝会社の許諾を得て、渡してあります。とても、いい映画館で、僕も年に何度か足を運びます。
なにか行き違いがあったらしいのですが、可能性は、ゼロじゃない。

そういう話は、いくつかあります。
ただ、僕が配給しているわけじゃないので、「こういう映画なんですよ」と力説するまでが、精一杯。映画館が、その気になってくれれば、とりあえずミッション終了です。

署名に関しては、あと一ヶ月、つづけます。
スタート当時から、状況はずいぶん好転したと思います。今から2万人集まれば、DVDやBDの仕様にも、いい影響を与えるはずだし、タイミングに合わせて、本だって出せるでしょう。
それを信じて、あと1ヶ月、つづけます。


まったく話は違いますが、また即売会に出ます。

ほとんど文化祭のような、立体物と同人誌のイベント「TAT-CON/TAT-HON」です。
申込書を送ったら、ぜんぶ文字化けしたメールが送られてきたのですが(笑)、そういうトホホな部分も含めて、楽しめればいいなあ、と思ってます。

売る本は、
67153621●廣田同人誌「550 miles to the Future」 500円

『メガゾーン23』同人誌「フェスティバルタイムズ」Vol.0~2 各1,000円

(上記は、通販もやっています。ご希望の方は、メールを送ってください)

●新刊としては『マイ新』フリーペーパー?
「TAT-CON/TAT-HON」の開催は、3月ですから、気長に……。


『マイ新』で盛り上がる、中野レコミンツ side-Bさんのブログ。今度は、イメージボードの展示もやっているそうです。
ここまでしてくれるんなら、何か買ってあげないとなあ……。

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2010年1月24日 (日)

■映画は、自由を目指す表現■

「シネマガールズ」最新号にも書いたことだけど、06年は邦画と洋画の興行収入が、逆転した年だった。
何が公開された年かというと、こんな感じ。『ゲド戦記』が邦画第一位だから、ジブリつながりで書くと、ジブリ発行の「熱風」09年1月号の特集は「日本人はハリウッド映画を見なくなったのか」。この特集は、非常に勉強になったし、元気づけられもした。
何しろ、かつては「日本人が一番、スクリーンで見たくないもの。それは、日本人の顔だ」とまで言われていたのだから。憧れは、アメリカのスター。偉大なのは、アメリカの監督。しかし、洋画雑誌『ロードショー』は、08年に休刊した。
ひょっとしたら、邦洋逆転は、日本人が誇りを取りもどしていることの、表れかも知れない。

215395c7bb9acc50086a8a13aa24e65e『踊る大捜査線』が、まさかの100億ごえで『子猫物語』『南極物語』の歴史的優位を脅かした98年、『がんばっていきまっしょい』のようなスター不在の小規模映画も、熱い支持を受けていた。
(どっちも見てない、という人がいたら、『がんばっていきまっしょい』だけ見てください)

アニメに目を転じれば、前年の97年に、宮崎駿が撮ったのは、日本の中世を舞台にした『もののけ姫』だった。
内容こそ、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、クロアチア紛争をバックボーンにしてはいるが、日本人を主人公に、我がこととして描いたところがカッコいい。胴長短足の日本人は、カッコいいのである。
「日本人が出ていて、日本人が監督する映画」が好まれている事実を、もっと自覚して、自信を持っていい。


こんなこと言うのも、今ごろ『おっぱいバレー』を見たからなんだけど。
前半は、もうちょっとイカくさい方が、後半とギャップが出て、よかったかも知れない。でも、女優に勇気がなければ、この企画は出来なかった。タイトルと綾瀬はるかで童貞心を「釣る」勇気は、認めるよ。
監督にスケベさというか、がめつさが足りなかったかも知れないけど、実写版『キューティーハニー』になかった「ひょっとしたら、綾瀬のおっぱい、見られるのでは……?」というムラムラした感じは、エンドクレジットまで持続していた。

それで、興収はどうだったのかな、と思って検索してみたら、「大コケ」「駄作」……単に、目標の半分ぐらいの数字だったというだけなのに、よくそこまで言えるよな。みんな、人の失敗、大好きだよね。たった一作で、これだけ厳しく言われたら、女優も監督もストレスで死んじゃうよ。
映画館で、現実のくびきから逃れて「おっぱい」連呼してくれる作品なんだよ。映画というのは、自由を目指す表現なのに、みんなでがんじがらめにしている。
僕も数字は気にするほうだけど、興収が悪いから「駄作」なんて、卑怯としか言いようがない。自分の審美眼と関係なく、作品を責められるんだもん。
俺の好きな『フレフレ少女』も、似たような目にあっていたけどね……みんな、弱い者いじめが好きだのう。


日本映画って、年に400本ぐらい公開されている。でも、その倍ぐらいの数、未公開のまま、お蔵入りになる作品があるという。
だから、劇場で公開されるのは、とてもラッキーなこと。祝福されるべきことなんですよ。それを背中から撃つような真似は、やめてくれ。

僕が生まれた1967年には、もう邦画は凋落していた。邦画の量が増え、公開のチャンスも増え、洋画を圧倒するほど愛されるようになってきたのは、ここ10年のこと。それ以前の30年ぐらい、ずっと氷河期だったんだ。
僕は、氷河期はもうイヤだ。だから、明日は映画館に行く。

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2010年1月23日 (土)

■『マイマイ新子と千年の魔法』、続映決定■

そろそろ、解禁してもいい時間でしょうか?
100122_21320001_2ラピュタ阿佐ヶ谷でのアンコール・レイトショーが、2/12まで、2週間、延長されることになりました!

時間は、21時からになります。
他にも、今日はいろいろ、良いニュースを聞くことが出来ました。2/7のロフトプラスワンのイベントでは、新しいニュースを聞けるかも知れません。

とりあえず……上映が見られなかったのに、ロビーにだらだら残っていて、続映のニュースを聞けて、良かったですよ。


ラピュタのロビーも、ひさびさに来たら、すごい事になってました。
100122_20000001どなたが作ったのか、『マイ新』スタンプ。すべて手彫りで、新子、貴伊子、諾子、千古、タツヨシの5種類。
しかも、持つところに、判子で苗字が押してある! 新子なら「青木」、貴伊子なら「島津」、諾子は「清原」、千古は苗字がなくて、タツヨシは「鈴木」。
マッドハウスのプロデューサーが「こんなの、初めて見た!」とおっしゃっていたので、ファンの方のご好意によるものでしょう。

もうひとつ、一部で噂の『マイ新』バッヂ。
100122_20340001すごい、こんなに沢山!? これも、開演前にロビーで待っていたら、お客さんの一人が自作して、持ってきました……何なんだ、この空間(笑)。
「いいですねえ~」と、物欲しそうにしていたら、「ハイ、どうぞ」と一個、もらってしまいました。駄菓子屋ですか、ここは(笑)。

原画は増えてるし、映画を見られなくても、十分に楽しめる空間になっています。
阿佐ヶ谷での上映前、このブログに「新たな聖地となる」と書きましたが、本当にそうなってしまいましたね……。

東京や大阪(シネ・ヌーヴォで30日から)だけでは、ありませんよ。


さて、昼間、チケットが取れなかったので、打ち合わせ前に中野のレコミンツさんへ寄ってきました。
Ca270203いやいや、聞きしに勝る力の入れ方。例のキャッチコピーには、ちゃんと「※Pencroft様から」と注意書きが……でも、原文から、かなりアレンジしてありますけどね(笑)。
その下に描いてある、レコミンツさん直々のメッセージも「どうしちゃったの?」というぐらい、熱い。署名サイトのURLも書いてあるし、本当にどうしちゃったんでしょう?と、『マイ新』宣伝チームのM本さんに聞いたら、すべてはお店の方から発案された、とのこと……。


ロビーで、友達と話していたら、主題歌のコトリンゴさんが入ってらしたので、何だか申し訳ないような気がして、帰って来ました(舞台挨拶のゲストですからね)。
今夜は、さべあのまさんともお会いできて、うーん、いま読んでいる『モト子せんせいの場合』を持っていれば、サイン頂いたのに……。
あとは、片渕監督に、『ギャラクティカ』のドッグ・タグを渡したり。


今日は、いろいろ驚いた。
この映画の周辺状況について、知っていることもあれば、知らされていないこともあり……これから先のことは、本当に分からない。何も分からずにいて、今日のようにビックリしたい、という気持ちもある。
30日発売の「アニメージュオリジナル」では、僕の記事だけでなく、氷川竜介さんも『マイ新』を取り上げてくださっているという。だったら、安心だ。あの孤独だった試写室の日々から、ここまで来られた。
まだ、この映画は、よちよち歩きを始めたばかりじゃないか、という気がする。

コメント欄でご指摘があったのですが、『ミツバチのささやき』は、「新文芸座」で「31日」の誤りでした。ごめんなさい。

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2010年1月22日 (金)

■永作博美目当てに行ったら、郷里大輔さんの声が聞こえてきて、驚いた■

『かいじゅうたちのいるところ』の日本語吹き替え版の上映館が少なくて、まいった。
この手の映画の吹き替え版は「子供向け」扱いで、例によって、午前~昼過ぎが中心になってしまうのだ。俺のように、永作博美を目当てに行くフリーの中年男性のことは、もちろん考慮されていない。

で、ちょっと早起きして、新宿で見て来た。
Where_the_wild_things_are永作博美、これは普通の演技であって、怪獣の声になってないよ。というか、映画自体、大人の怪獣たちが悩んだり、喧嘩したりする内省的なもので、明るく楽しいものじゃないから、仕方ないんだろうけど。
唯一、ふいに鼻筋がキュンとなったのは、郷里大輔さんの声が、聞こえてきたときだった。怪獣らしい声だし、しかも、優しい性格。こういう役をやれる人が、減ってしまったのだなあ。
ちゃんと「怪獣の声」を出せていたのは、郷里さんだけだった。

「ガンダムの常識」にも書いたけど、あの頃、オッサン役の声優さんたちは、みんな意外と若かった。今は、どうですか? キンキン声しか出せない女性声優は論外として、「渋いオッサンを演じたい!」という、若い男性声優はいるのか? 「ドズル・ザビみたいな役に憧れてます!」「郷里さんの分、この俺が埋めますよ!」という、生きのいい若手声優が出てこないものだろうか。


僕が声優インタビューを避けるのは、単純に、得るものがないからです。
編集から求められる課題も、「なんかアフレコ時の楽しいエピソード、聞き出してください」とか、そんな程度のものです。
アフレコを後ろで見ていて、「コンテ撮ばかりで、よく複雑なシーンをイメージできますね」と、本気で感心してインタビューしても、メーカーさんがカット。「コンテ撮ばかり」と書くと、制作スケジュールが破綻してるように聞こえるから、イカンのだそうです。だったら、破綻さすなよ。そんなことだから、アニメ誌が、どんどんつまんなくなっていくんだよ。

コンテ撮、原画撮でアフレコするのって、そんなに恥なことだろうか? 絵が間に合ってないのに、ちゃんと感情を込めて演技できるのって、すごい技術じゃないの? だけど、それを書いたらNGなんだよ。
郷里大輔さんだって、「絵が間に合わない。だけど、それでも演じる」という状況の中で、あれだけの仕事を、残してきたはずなんだ。それを寄ってたかって糊塗して、「声優は華やかな職業」みたいに粉飾するから、俺たちは何度も何度も「惜しい人を亡くした」と嘆かなくちゃならない。

「惜しい人を亡くした」時、本当は何が悲しいのか、よく考えてみよう。声優の層が薄くなり、アニメの企画が、やせ細っていくのが悲しいんじゃないだろうか?
(だからって、『ボトムズ』『ヤマト』新作で、オッサン成分補給……とか、そういう単純な問題ではないんだよねえ)

郷里さん、意外なところで、いい演技を見せていただき、ありがとうございました。


本日22日は、打ち合わせの時間さえ繰り合わせられれば、阿佐ヶ谷で『マイ新』の予定。そろそろ、「8 1/2」というフェリーニなメシ屋にも、行ってみたい。
本日無理でも、来週は『ミツバチのささやき』→『マイ新』という軽やかな流れで、見られないものか。

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2010年1月21日 (木)

■TSUTAYA■

中野の中古DVDショップのレコミンツ SIDE‐Bが『マイマイ新子と千年の魔法』祭になっている、とのニュース。
761299283_180(撮影:ギムレット氏)
このキャッチコピーは、Pencroftさんの名言「マイマイ新子は日本映画史/世界アニメ史において「事件」なのですが、それをどう伝えればよいのか困ります」の改変バージョン!?
他にも、片渕監督のサインが展示され、ポータブルDVDで予告編が流れている様子……。ラピュタ阿佐ヶ谷で、『マイマイ』のチケット買ったら、中野のレコミンツへ!


近所のTSUTAYAに、『ミツバチのささやき』を借りに行ったら、置いてなかった。リクエストしてみたら、メーカーにも在庫がない。こんなことじゃ、文化は滅びますよ?
何ヶ月か前ならあった『チェ 28歳の革命』『39歳 別れの手紙』の二部作も、「在庫ナシ」。これだから、レンタル屋は信用できない。回転率の悪いものは、さっさと棚から下ろしてしまう。
今の若い映画ファンや、映画制作を志している人は、『ミツバチのささやき』を見られないのか? いきなり、ビクトル・エリセのDVD-BOXを買えとでも?

ついでに言うと、『ギャラクティカ』はシーズン3の最終巻までとスピンオフ『RAZOR』も揃っていたのに、4巻ぐらいしか借りられていない。
091120_17110002(←謎ギミック満載のUS版BD-BOX)

いまだに「宇宙空母ギャラクティカですか、懐かしいですね」とか言われると、徒労感に打ちひしがれる。まったく別の作品なのに!
もっとも、『ギャラクティカ』に関しては、無知蒙昧で不勉強なマスコミ人の責任もある。『ギャラクティカ』のイベントは、過去に3度行なわれたが、フォトセッションが終わると、僕一人残して、ザーッと帰ってしまう。彼らは、宣伝会社の用意したプレスリリースをコピペして記事を書くわけだが、そんな程度で面白さが伝えられるような作品ですか?
彼らは『ギャラクティカ』だけでなく、自分たちの仕事をナメてる。「こんなもんだろ、報道なんて」とナメきってるね。

とりあえず、日本テレビに「早くシーズン2を放映して下さい」とメールしておきました。地上波で放送されると、知名度が段違いにアップするからです。
黙ってても放送されると楽観している、ファンもファンだよ。どんどん要望を出すべし!

なんか、いろいろ腹がたったので、気合いを入れるため、『マルコムX』を借りてきた。
あと、前から気になっていた『ゆれる』が、百円レンタルだったので、この2本。この百円コーナー、賞をとった作品を、ただ並べただけのような。入荷しすぎて、回転率の鈍った作品ばかりだよな、どう見ても……。


『ミツバチのささやき』は、権利関係で国内セールスが出来ないのか、調べようと思ったら、ニコニコ動画にありました(笑)。
B000mnp0sc_09_lzzzzzzzニコ動、YouTubeは、国内で見られなくなった映像作品の最後の砦です。僕は『ギャラクティカ』も『ゼーガペイン』も、違法動画サイトで見て、今ではDVD-BOXや関連商品を購入する、ヘビーユーザーになりました。
取り締まりばかり考えている版権警察の皆さんは、その力を作品を売る方に使っては、いかがだろう?

作品にとっての死は、「誰からも見られなくなる」こと。ニコ動でバッサバッサと削除されている間に、作品は死に向かって猛突進しているのだ。『ゼーガペイン』なんて、TSUTAYAでは風前の灯ですからね。

しかし、『ミツバチのささやき』は映画館で見たいよねえ……。と思っていたら、24日からユーロスペースで上映されるじゃないか! すみません。コメント欄でのご指摘のとおり、新文芸座で31日、です。なんというタイミングの良さ。

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2010年1月20日 (水)

■1月のメモ「女優は、顔やスタイルじゃない」■

長く引っ張っていた原稿が終わったので、ようやく、志田未来の『誰も守ってくれない』を見られた。
Photoフジテレビ製作だから、分かりやすい美談にせざるを得なかったんだろうけど、冒頭の警察とマスコミの動きは、ドキュメンタリックで圧巻だった。
志田未来も、映画初主演がこれで、良かったんじゃないかな。

僕が「志田未来目当てで見た」と言うと、「ああいうタイプが好みですか」って聞かれるんだけど、この映画を見るまで、彼女の顔なんて知らなかったよ。
映画というプロジェクトに対して、女優がどういう役割を果たしたかが問題であって、好みとか、そういうんじゃないんだ。

だから、谷村美月は、出演する映画に最大限に奉仕しているという点において「好き」なわけです。女優は、顔やスタイルじゃない。どう働いたか、で評価しよう。
この後は、『非女子図鑑』を見ます。


「ライターは、自分を殺して書け」と言ったけど、それは意志も主体性もなくていい、という意味じゃない。
だいたい、メーカーさんやプロダクションが「こういう取材をセッティングできますけど、いかかですか?」と持ちかけてきたら、それは「新番組、宣伝してね」という意味。だけど、持ちかけられたプランを、そのまま鵜呑みにするんだったら、やっぱりライターはいらない。
「こうすれば、読者は喜ぶし、メーカーさんも結果的に得をしますよ」という、改善案ぐらいは持ってないと。

ごくまれに、フリーランスのライターなんてアルバイト程度に思っていて、バリバリと原稿に手を加えてくる版元もあるけど、そういう会社や担当者とは、二度と仕事しなければいいだけのこと。収入が減っても、ストレスを抱えるよりはマシだから。
そういうところは、ほっといても自滅します。

話がそれたけど、「この記事は、ようするに宣伝なんですね」と噛んで含めた上で、なおかつ、「こうすれば、もっと良くなる」という向上心がないと、本当に外注宣伝マンに堕してしまうよ。
いいプランを出せば、編集者も広報担当者も、みんなが安心する。スタッフさんも「取材に時間さいて、良かった」となる。
で、俺はどの仕事が、そういうパターンで出来たのか、自慢したりはしないよ。「あの記事、面白くなかったぞ!」と言われるのが恐いから(笑)。


こまめに、ブログ「未完の映画評」で、『マイマイ新子と千年の魔法』の上映リストを更新している、かみぃさん。
こういう人は、もっと評価されるべきだよ。自分が得するかどうかなんて、考えないで行動しているんだから。
あと、たまごまごさんとウエダハジメさんの同人誌を、片渕監督が舞台挨拶で紹介したのって、あんまり知れ渡ってない? それは、ちゃんと監督に手渡した、陰の功労者がいるんですよ(笑)。
彼らが、『マイマイ』史をつくっているんだなあ、と思います。

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2010年1月18日 (月)

■1月のメモ「最善を望み、最悪に備えよ」■

僕の同人誌でも紹介した、プラモ改造コマ撮り自主映画『亜空間漂流ガルダス』。どうやら、絶望的状況の中で、第4話を制作中らしい。
ガルダス制作ブログで、新メカのデザインに悩んでるなあ~と思ったら、「名前は・・・デストルーパーにしよう。1000体くらい出るから。」って、1000体!? もちろん、コピペで増やすんだろうけど、今日の更新見たら、さらに壮絶な進行具合になっていた。
スタンド・アローン、すべて自前で調達。ノー・マネー、ノー・スポンサーだけど、でも作るんだよ! その心意気こそが、『ガルダス』の価値だ!


自主制作映画といえば、なかなか良いアニメを見つけた。
『ここにいる』という作品。

見せたいものがハッキリしていて、とても気持ちいい作品なんだけど、「フジテレビ短編アニメ大賞」に応募しちゃったの? 注意事項を読むと、他人事ながら不安になってくるんすけど。「めざせ! メジャーデビュー!」とか、いつの時代の話なんだろう? イカ天が終わったのって、20年前だよ?

僕は、新海誠さんですら「メジャーデビュー」したとは思ってない。メジャーにならないよう、努力している風にすら見える。
「一山当てよう」とか「有名になろう」とか、そういう価値観は90~00年代で崩壊したと思うんだけど、気のせいだろうか。


防府に住む、なおさんから『マイマイ新子と千年の魔法』ポストカードが届きました。
100118_14420001しかも、山口宇部空港のチラシ付き! なおさん、ありがとうございました。時刻表は、先ほど発送しましたので……。

ラピュタ阿佐ヶ谷には、mixiニュースで知ったお客さんも集まったそうで、まずは知名度がアップして、良かったです。もう少し、署名が伸びると思ったんですが、「話題性」として活用してもらっただけ、良しと考えることにします。

表立って言わないだけで、『マイマイ新子』上映のため、自主的に働きかけている人たちが、いっぱいいます。そういう人たちは、その努力に見合っただけの対価は、おそらく得られないわけですね。日本各地で上映が広がれば、それが対価です。
そして、残り9割の人たちが、皆さんの努力の成果を利用し、挙句に「もっと頑張れ」とまで言うかも知れません。 
でも、怒ったりしてはいけないんですよ。「最善を望み、最悪に備えよ」(from『ギャラクティカ』)です。

――僕は今日、覚悟ができちゃった。


仕事のことでも、書きますか。

ガンダムの常識 一年戦争キャラクター大全 20日発売予定
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今回から、百円アップで、オールカラーとなります。「600円でも売れる」というリサーチが、即座に反映できるのは、コンビニ流通の強みです。
こういうヒット・シリーズに関わらせてもらっているので、僕は「出版不況」なんて、まったく感じたことがない。「出版不況で本が売れない」とボヤいてる人は、じゃあ、事態を改善しようと努力してるのかな。

この本を書いているとき、僕は熱を出していて、それでも代打のライターがいなくて、編集に「誰か若い人に手伝ってもらおうよ」と訴えた。
でも、いないんですよ。自分を殺して書ける、若いライターがいない。「ガンダム」を生かして「俺」を捨てられる人が、いない。だから、40歳を過ぎた僕が、いまだに書いている。
ガンダムを語る「俺」を最優先する人は、そういうのは、仕事ではないんですよ。
本を売る目的は、あなたの名前を出すためではなく、世の中を豊かにするためだから、それを分かってくれないと。

「出版不況」は感じないけど、「ライター不足」は、感じています。

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2010年1月16日 (土)

■1月のメモ「大阪バージョン」■

ちょっと、びっくりしたんですけど。
43415391_3366358247このブログにも、何度かコメントを寄せてくださるMiya-Pさんが、『マイマイ新子と千年の魔法』のチラシをつくったんですよ。大阪・九条のシネ・ヌーヴォでのレイトショーに合わせて。僕らがコミケとスーパーフェスティバルで配った東京バージョンを改造して……というところが、最高に渋いです。

せっかくだから、Miya-Pさんが出店されるコミックトレジャーの告知をさせてください。

コミックトレジャー15
日 時: 2010年1月17日(日)11:00~15:00
会 場: インテックス大阪

5号館I-31a 紙でコロコロ(メカ・ミリタリージャンル)

新刊
Youtubeで楽しむ自動車動画 2010Vol.1
特集:F1グランプリ1970~1973
本文28ページ カラー

しかもですよ、ほうふ日報の縄田記者にコンタクトして、元旦の『マイマイ新子~』特集号を縮刷コピーして、配布するというじゃないですか。さらに、先着数名様に、クリアファイルもオマケするという大盤振るまい。
……ね? 普通のアニメは、ここまでしてもらってませんよ? 別に、誰かが頼んだわけじゃない。Miya-Pさんは、『マイマイ新子~』の知名度アップに少しでも貢献するため、実効力のあることを、自発的にやっているわけですよ。
もう一度いうけど、ここまでファンに良くしてもらっているアニメ、他にないですよ。映画とファンが、素晴らしい関係を築けていると思うんですよ。


山口県交通運輸対策室から、山口宇部空港の時刻表、届きました!
100116_18310001なんと『マイマイ新子』版の時刻表は、4種類もあった! これらを各2部ずつ、縁もゆかりもない僕のところへ郵送してくれた山口県交通運輸対策室、素晴らしい。
だって、「時刻表ないですか?」って、問い合わせただけなのに!

これで、行ったこともない山口県が、さらに好きになりましたからね。山口県交通運輸対策室は、ちゃんと「仕事」をしたと思うんですよ。儲けるためにイヤイヤやるのが「仕事」ではなくて、世の中に貢献することが「仕事」ですから。
誰かが「そこまでやることねーや」ってあきらめたら、すべて終わりなんですよ。ちゃんと伝えれば、ちゃんと伝わるんです。まさに、『マイマイ新子~』のテーマそのもの。

いまや、この作品は、「売れなかった」ことを武器にしつつある――これは、すごいことだし、リアルタイムでその過程を感じられるなんて、僕らは本当にラッキーだ。


仕事の告知でもしますか。

シネマガールズ Vol.5 20日発売予定
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●女優たちの初主演特集
●女優の魅力をひきだす異色監督!


異色監督のほうは、園子温監督と三木聡監督。園監督は「PFFの人」「自転車吐息の人」というイメージ。最近作を見ても、やっぱり変な監督だと思う。
三木監督は、『転々』でメロメロになってしまったので……CSで『転々』やってたけど、小泉今日子と吉高由里子が登場してからの多幸感が、やっぱりハンパでない。
「廣田さんは『転々』を好きすぎるから、原稿では、あんまり書きすぎないように」と編集に注意されたけど、そういうわけにはいかない(笑)。

あと、女優たちの初主演特集は、基本的に年表を解説しながら、邦画が活性化したこの10年を振り返る――という企画。こんなに女優がいっぱいいて、あんまり幸せなんで、書いてるときに泣いてしまった。
邦画がダメダメだった時代、アイドル的な女優といえば、薬師丸ひろ子と原田知世ぐらいしかいなかった。二人とも、まだ現役というのが素晴らしいんだけど、後から生まれてきた女優たちが、がっちり邦画界を支えている。夢みたいなことだ。

志田未来の『誰も守ってくれない』を借りてきたけど、原稿が終わるまで見られない。二日酔いなんだけど、がんばらないと。

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2010年1月15日 (金)

■1月のメモ「池田節」■

30日発売の「アニメージュオリジナル」には、僕と監督合作による『マイマイ新子と千年の魔法』ミニ特集があります。監督は、キービジュアルを自らつくってくださってます。
あの絵は、ぜひ、皆さんに共有して欲しいので……。
「今朝はアニメージュオリジナル用に新しい場面カット作らなきゃ。新子と貴伊子のポーズいいところ同士を組合せて再構成しないと、あの画にならないのだった。」
待ってますよ、監督! 350dpiでお願いします。


池田憲章さんが、談話室オヤカタのブログで『マイマイ新子』の宣伝をしてくださいました→こちら 応援団長というつもりは、まったくないんですけど……。
池田さんご自身、ラピュタ阿佐ヶ谷で『マイマイ新子』をご覧になったそうで、電話でいろいろ語ってい0030_001ただきました。「冒頭で、防府の町が画面いっぱいに映るでしょう? あれは、ようするに新子が知覚できる範囲、子供の世界だ!」
「ラストで、その子供の世界から、あっさり新子が出て行くのは、喜ぶべきことなんだよ。だから、みんな笑顔なんだよ!」と、池田節で『マイマイ新子』評が聞けるとは、思いませんでした。

ラピュタ阿佐ヶ谷ですが、22日(金)はコトリンゴさん、23日(土)は村井秀清さんの舞台挨拶です。22日は、混みそう……でも、どうしても行きたい。
平日は、20時ぐらいでも席がある(朝から並ばなくても大丈夫)ので、けっこういい感じなんすけど、週末はどうかなー。


仕事のことでも、書きますか。

EX大衆 2月号 本日発売
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●機動戦士ガンダム モビルスーツ完全図鑑38
前回のキャラクター相関図が、アンケートで評判よかったらしく、今度はカラー8ページで、モビルスーツ。
ラーメンズの片桐仁さんのインタビュー付きで、「なんかモビルスーツっぽいポーズ、お願いします」と言ったら、マスターグレードのザクVer.2.0の箱絵の横のポーズをとってくれた。

こういう雑誌で、こういう記事を書くときは、ガンダム音痴の編集の話を聞いた方がいい。「あの戦車みたいな緑色のやつも、載せようよ」と言われたら、とにかく従う。それは、編集なりのビジョンであって、記事がヌルくなったら、それはライターの責任。人の話をよく聞く、意図を汲むことが、ライターの仕事。

TSUTAYA半額デーなので、仲里依紗の映画でも借りてこよう。借りられてたら、谷村美月にしよう。

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2010年1月13日 (水)

■1月のメモ「17回目」■

アキバBlogさんに取り上げられ、いきなり話題になってしまった『メガゾーン23』同人誌「フェスティバル・タイムズ」
もう初回委託分は、売り切れでは……と思われますが、私までメールくだされば、発行人に転送します。同人誌版「550 miles to the Future」も、通販希望の方には、お送りしました。一週間たって届かなかったら、メールください。


昨夜は、ラピュタ阿佐ヶ谷に行ってきました。『マイマイ新子と千年の魔法』、舞台挨拶ナシ、ごく普通のレイトショーです。
100112_20210001ロビーに置いてある「ご感想のーと」の文字は、ラピュタのスタッフさんが、ロゴに似せて書かれたそうです。いちいち、やることが可愛らしいラピュタさん。私も、上映後にちょこっと書いてきました。
原画も置いてありましたが、なんと作監修正(黄色い紙)と、動画へ渡すためのガイド(△の中にアイウと書いてあるもの)まで付いた本物です。カット袋から出した、そのまんま、といった感じ。これは是非とも、触っていただきたい。

昨夜も、ほぼ満席だったのですが、補助席を用意するほどではなく、上映ぎりぎりに駆け込んでくる方も、いらっしゃいました。平日なら、朝から並ぶ必要はなさそうです。

それで、最後列で見たのが正解で、カメラワークが手に取るように分かりました。
0507_3_00092それだけじゃなくて、もう17回目なのに、数十箇所に新たな発見がありました。ダムつくる時、貴伊子がカーディガンを脱いで、桑の木に引っかけてるんですよ。これ、気づきました? でも、そんなディテールのことだけじゃなくて、やっぱり圧倒されるんですよ。映画全体に。
知っているシーンばかりのはずなのに、「えっ、今のカットって、何かすごいこと言ってない?」と、思わぬところで愕然とするんです。この文法を、誰か読み解いてくれって感じ。

だから、「まだ完全には見てない」感が、すごくある。コトリンゴさん(22日金曜日に舞台挨拶決定)の主題歌に、「君にだけ 教えてあげる たからものの 隠し場所」……この歌詞が、すべてを語っています。やっぱり、この映画は一万年後に残さないと。


それで、関係者の方とも話しまして、そうそう悪い話ばかりでないことも、分かってきました。
Maimai2個人的には、山口交通運輸対策室に「新子が表紙の時刻表が欲しい」とワガママを言ったら、ちゃんと送ってくれるとメールがあったこととか(笑)。ちゃんと大人の仕事してるなあ、と思うんですよ。それだったら、もう三泊四日ぐらいで、観光に行きますよ。

各地の映画館で個人で「上映できないか」と働きかけている方が、何人もいらっしゃいます。そうした方々から話を聞くと、問題点もはっきりしてきますが、ちゃんと解決策も見つかります。
あきらめないで、近くの映画館にリクエストしてみることです。私は遠くの映画館にリクエストしましたが(笑)、それでも話の糸口は、絶対に見つかります。


もう、実写版『ヤマト』は、和製『ギャラクティカ』にしかならないだろうから、頑張ってね、という気持ちになってきた。

↑これ、実写版『ヤマト』の予告編にソックリなカットがあるんだけど、そこまで同じにするんなら、期待してますから、頑張ってください、と応援するしかない。
でも、『ギャラクティカ』のほうが先なんだよ!とは言いたい。Wikipediaを見たら、山崎貴監督は「非常に明るく温和な性格で、怒鳴ったり怒ったりすることはほとんどない。」
じゃあ、怒れないじゃん……。

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2010年1月11日 (月)

■1月のメモ「1万人」■

私の同人誌で取り上げられ、今後、「三鷹駅北口の萌え聖地」となりそうな一圓ラーメンさんに、見本誌を届けに行ってきました。新たな萌え計画があるそうなので、このブログで追ってみたいと思います!
100111_15520001家に帰ってみると、ヤフオクで落とした『マイマイ新子と千年の魔法』のシールが届いてました。もちろん、原産地は防府です。


さて、『マイマイ新子』を「ご当地映画」として上映しつづけてきたワーナー・マイカル・シネマズ防府で、1月9日、入場者数が1万人突破したそうです。
「祝!大ヒット御礼!」という看板は、今後さらに集客を狙うためには、なかなか有効だと思います。

防府では、前売り券で観賞する人が多かったようですが、とりあえず一人1,800円で計算しましょう。1,800円×1万人ですから、1,800万円が、ワーナー・マイカル・シネマズ防府の窓口収入ですね。テレビアニメ30分の制作費が1,000万ぐらいですから、黒字なんじゃないの?と、思ってしまいがちです。
しかし、興行収入の半分が配給・制作サイドの取り分ですから、収益は900万円。P&Aと呼ばれるプリント作成などの経費は、製作委員会が負担することが多い(『マイマイ』の場合は、配給の松竹が製作委員会に入っていますね)ので、収益はさらに減ります。

1万人入っても、収益は900万円を下回ってしまう。この金額の20倍ないと、『マイマイ新子』はつくれないのです。
もちろん、これはワーナー・マイカル・シネマズ防府、一館だけの話です。ちょっとイジワルな計算をしましたが、「1万人突破!」で得られる収入は、多めに見積もっても、たった900万円なのです。
さて、それでは全国の動員は? 12月13日までのデータしかないのですが、全国で2万2,954人、興収 2,742万1,500円。1,371万750円が、製作委員会に入ります。実に、テレビアニメ一本分でしかありません。
それから一ヶ月近くたっているので、数字は伸びているはずですが、上映館も上映回数も減りつづけていることを、お忘れなきよう。

「ラピュタ阿佐ヶ谷があるじゃないか!」と言われそうですが、補助席いれて60席ちょっとでしょう。1,300円×60席×20日=156万円。
だから、僕は署名活動をやめないのです。2万人という数字なら、何とか実効力を持ってきます。適切な例えではありませんが、『マクロスF』のBDが2.2万枚売れた……といえば、実感をもっていただけるでしょうか。


30日発売の「アニメージュオリジナル」に、再び『マイマイ新子』の記事を書くことになりました。カラー、2ページです。
これから逆転劇になるにせよ、悲劇に終わるにせよ、アニメ雑誌がこの現象を無視することは、許されないからです。

1万人突破は、華やかなフレーズだし、こと逆境に置かれた『マイマイ新子』に関しては、明るい話題です。しかし、上のような計算をせずに「よかった、よかった」ですませて来た結果が、今の状況なのです。
春ごろにはDVDが出るだろう、なんてタカをくくっていたら、大間違いです。まして、BD発売など絶望的でしょう。

明日の夜は、ラピュタ阿佐ヶ谷に行ってきます。最初は「ご招待します」と言われたのですが、とんでもない。1,300円でも1,800円でも、ひとりひとりの観客が払うお金以外に、映画を助ける方法は、ないのです。

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2010年1月10日 (日)

■1月のメモ「完売」■

本日、スーパーフェスティバルにご来場いただいた方々、ありがとうございました。
「5冊売れれば、いい方だ」と公言していた、同人誌版「550 miles to the Future」、めでたく完売となりました。
見本用にディスプレイしていた最後の一冊も、「それでも構わない」という心の広い方に、買っていただけました。


100110_08540001 【時祭組】のギムレット氏の搬入した、『メガゾーン23』本も計60冊、売れました。驚いたのは、コミケで見落としていた方が、「メガゾーンの同人誌なんてあったの?」と言ってられたことです。スーフェスで売って、出会えて良かったなあ、と。
僕の用意した、パンツ系フィギュアも、いつの間にか完売しました。
それと、pencroftさんのコピーを使わせていただいた『マイマイ新子と千年の魔法』チラシも、すべて配りおえた。「これ、山口限定なんでしょ?」というお客さんもいて、つくづく、情報が徹底してないなあ、と……阿佐ヶ谷で、今も上映中ですから!

あとはもう、次から次へと訪れる、ネットでは知っていたけど初対面の方、マイマイ・ナイトで知り合った方、年にいっぺん会うか会わないかの方……との話が、最高に楽しかったです。
型どおりの挨拶ではなく、いま仕事の中で何をすべきか。仕事以外のところで、何をすべきか。何だか、シラフで居酒屋トークになってしまった方も、何人か。そういう方たちとは、「今日は時間がないけど、また今度ゆっくりと!」と、明日の約束を交わしました。

しかし、ふらりと立ち寄って、なんとなく買われた方が大半だったので、この同人誌も、少しは、人の役に立てようです。読んでダメでも、500円なら、腹立たないし。
また、何かのイベントで販売するとしたら、またよろしくお願いします。


一日一ギャラクティカ。実写版『ヤマト』公開の日まで、『ギャラクティカ』を宣伝します。言っておくけど、『ギャラクティカ』は映画ではなくテレビですから! ↓スゴイよ、これ。
ふと思ったんだけど、『ヤマト』と『ギャラクティカ』との決定的差異は、波動砲の有無なのかも知れない。『ギャラクティカ』の頼みの綱は、たった4発だけ残された核弾頭。必殺兵器など皆無の殺伐さが、またいいのだ。


スーフェスでは、ほとんどお買い物できなかったのだが、完売のご褒美として、閉店間際100110_20000001 のお店で、ひさびさのティンカー・ベル・グッズを。
この素晴らしく色っぽいスタチューと、ちょっとアレな出来のフィギュア、合わせて1万円。
お目当てのジム・ショア製スタチューは売り切れていたけど、たまには、こんな日があってもいいだろう。

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2010年1月 9日 (土)

■1月のメモ「スーフェス前日」■

ラピュタ阿佐ヶ谷の『マイマイ新子と千年の魔法』レイトショー、17時近くまで、補助席の券が残っていたそうです。平日は、夜に駆け込んでも、見られるんじゃないかな。
あと、署名がジワジワと1,100人台になりました。


明日のスーパーフェスティバルを間近にして、ようやく同人誌版「550 miles to the Future」が刷り上ってきました。60冊、持って行きます。
100109_15360001(表紙をめくると、なぜか南洋でアホ顔をしている、綾波のカラーグラビアが。その理由は本誌にて)
この本は、ガス抜きにつくったというか……。いろんな意味で、自信喪失していた頃につくりはじめたので、ちょっと自虐的な本かも。
「自分は、何者にもなれないんだ」というのが出発点になっているから、何かに挑んでいるわけでもない。僕が楽になりたかっただけなので、サービス精神はないです。イラストを書いてくれた人たちには、厳しい注文を出したけど(笑)。
だから、彼らの絵や写真が気に入った……という理由で買っていただけると、いちばん嬉しいです。

100109_15430001ただ、ひとつ言えるのは、自信喪失したからといって、誰かに嫉妬したり八つ当たりせず、出来ることを形にした。人に頼らず、でも、人に助けてもらえた。寂しいけれど、ひどい本にはなっていないはず。自分ひとりで作ったわけではないからね。

表紙には「40過ぎても思春期マガジン」と書かれているけど、ひっょとすると、そういう本にはなってるかも知れない。
いま見たら、細かいところに、谷村美月ネタが仕込んであった。これも、デザイナーの友人に「ここに文字入れたいから、なんか考えて!」と言われて、とっさに出たのが、谷村美月だったという。そんな本ですが、500円の価値は、あるような気がしてきました。


あいかわらず音響のよい新宿ピカデリーで、『よなよなペンギン』。
子連れの主婦が大量に観に来ていて、俺が援護にいく必要はなかったような。
『迷宮物語』の「ラビリンス・ラビリントス」の雰囲気が、ほんのかすかにある。ああいうダーク・ファンタジーだって「子供向け」だと、僕は思っている。
Cast_akie
DVDでは『俺たちに明日はないッス』を。
怪女優・安藤サクラ以上に、水崎綾女(左の写真)のスケベさ・変態ぶりが、シャレになってない。彼女の映画デビュー作なのに、この情け容赦のない突き落とし方。男の愚かな希望を、木っ端微塵に打ち砕くタナダユキ監督に、惚れ直した。


録画してあった『もののけ姫』。生理的にゲッと思うようなシーンは、まさに宮さんの真骨頂。セルに描かれた物量も膨大で、一部デジタル彩色とはいえ、鬼気迫るものがある。終盤のジコ坊のアクション、何度見てもカッコいい。『ビバップ』のスパイクと戦っても、勝てそう。
でもコレ、神様の話であって、人間は脇役だよね。そこもまた、良い。

……そんな感じで、明日、スーフェスに来られる方、よろしくお願いします。I-23「廣田恵介」ブースです。

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2010年1月 8日 (金)

■1月のメモ「ラピュタ、再び」■

いよいよ、明日9日から、ラピュタ阿佐ヶ谷で『マイマイ新子と千年の魔法』が、アンコール・レイトショー!

公式ブログによると、
●初日と毎週金曜は、片渕須直監督の舞台挨拶あり。
●9日・10日・11日は、伝説の「マイマイ・エコバッグ」のプレゼントあり(私もヤフオクで落とそうと試みたレア物)!
●劇場ロビーにてパラパラ原画・ミニイメージボード展あり!

●追記:地元紙「ほうふ日報」の『マイマイ新子』特集号を、緊急販売するそうです!

私は、翌日のスーパーフェスティバルの準備があるので、初日には行かれません。
朝、並ぶ気のある方に、ちょっとしたアドバイスを。
ラピュタ阿佐ヶ谷さんのオープン時間は、9時半です。それ以前に行っても、扉は開いていません。受付は、入ってすぐ右で、その下にカバンを置くのが、常連さんのルールのようです。カバンを置いたら、あとは発券時間まで、ロビー内をうろつくのも、外出するのも自由です。それと、「マイマイ新子、○枚」と言うのが恥ずかしい人は、「レイト、○枚」で通じます。私も後半は、「レイト」で通していました。

いったい、どんな3週間になるんだろう……。しばらく東京で見られないとしたら、あと4回は行きたい。それで、通算20回ですから。

追記:ラピュタ阿佐ヶ谷以外での上映館は、「未完の映画評」さんのリストが非常に充実しているので、参照してください。


スーパーフェスティバルの2日前となりました(私の同人誌だけ、まだ刷り上ってきませんが)。
もう一度、ブースで売るもののチェックを。
67153621
●廣田同人誌「550 miles to the Future」 500円
『メガゾーン23』同人誌「フェスティバルタイムズ」Vol.0~2 各1,000円
●DVD『亜空間漂流ガルダス』Vol.1~3 各2,000円
○中古プラモデル、フィギュア、食玩など、10円~500円(値下げ交渉歓迎)


ブースは、I-23「廣田恵介」です。


今日は、興行的に厳しいらしい『よなよなペンギン』を、新宿へ助けに行ってきます。
夜は、『もののけ姫』放映ですか。あれはメイキングのDVDの方を、より多く見てます。宮さんのセリフとか、ぜんぶ覚えちゃうぐらいに。
5159f3he52lこの頃のジブリは、宮さんも引退覚悟だったし、必死で良かったです。
ただ、今年の新作には不退転の決意が感じられない――製作委員会の座組みに関してはね。僕は「中身がつまんなそう」なんて、一言もいってない(笑)。むしろ、電通と博報堂が組んで、どれほど高度な情報戦を展開してくれるか、楽しみですらあるんです。

それと、ジブリの作品が公開された年は、邦画の興収全体が上がるんですよ。邦洋逆転の起こった2006年は、『ゲド戦記』が76億を稼いだ。『ゲド戦記』を筆頭に、邦画のメガヒットが相次ぎ、洋画を追い越してしまった。
そういう意味では、とても評価してるんです。何でかっていうと、邦画の需要が増して、低予算でも個性的な作品が、いっぱいつくられるようになるから。

映画産業トータルの中で、アニメの果たす役割を、数字とともに見ていくと、まったく別の評価が生まれるんですよ。
僕は『サマーウォーズ』は面白くなかったんですけど、16億も稼いでくれて、今後の邦画界に、はかり知れない可能性を残してくれたので、そういう意味では大好きなんです。

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2010年1月 7日 (木)

■1月のメモ「話に尾ひれがつく」■

日曜日のスーパーフェスティバル用に作成したチラシに、Twitterで見かけた熱烈な『マイマイ新子』ファンのpencroftさんの言葉を、コピーとして使わせていただくことにした。
Maimai_chirashi 「マイマイ新子は日本映画史/世界アニメ史において「事件」なのですが、それをどう伝えればよいのか困ります」
……これを読んだとき、思わず膝を打ったというか、「でしょ?でしょ?」と思ったし、「そこまで言う人が現れたか!」と驚きもした。
このツイートは、たまごまごさんの「マイマイ新子見てきた。これ話題にならないとおかしいだろう・・・。宮崎アニメと同じくらい話題になっていい作品だと思う。...」に答えたもので、僕はこのやりとりをキッカケに、熱心にTwitterをのぞくようになった。

9日からのラピュタ阿佐ヶ谷でのアンコール上映、30日からのシネ・ヌーヴォでのレイトショー。これらは、ネットでの言葉が糾合された成果だと、僕は思っている。
Twitterでの発言を、チラシに使うことを快諾してくださったpencroftさんには、この場でもう一度。ありがとうございます。これほど強力なコピーは、ありません。

なんで、スーフェスでチラシを配るのかというと、いまだに『マイマイ新子と千年の魔法』はビックリするぐらい、知名度がないからです。


「あんたが買わなくて、誰が買うの?」と周囲から言われていた、小林誠さんの『ハイパーウェポン二〇〇九 宇宙戦艦と宇宙空母』を買った。
100106_12200001凄い、ギャラクティカ本じゃん、これ!
カラー12ページに、『ギャラクティカ』の各メカの詳細なCG、模型が満載!
でも、ここまで『ヤマト』界隈のクリエイターが『ギャラクティカ』ラブだと、実写版『ヤマト』のビジュアル・イメージが似てくるのは、仕方ないよね。

似てしまうとか、あえて似せるとかいうのは、実はたいした問題じゃない。
実写版『ヤマト』が『ギャラクティカ』をお手本に、より素晴らしいビジュアルをつくってくれれば、それはそれで意義があるし、「せっかくなら、ギャラクティカを越えて欲しい」と願ってもいる。

だけど、評価・報道する側が『ギャラクティカ』を知らないという状況は、誰のためにもならない。
いまの時代は、情報が複合的に存在している。雑誌で読んでもらうことを待っているより、誰かがTwitterで名コピーをつくってしまい、それで広まる場合もある(実際、実写版『ヤマト』に関しては、「和製ギャラクティカ」という名フレーズが発明されている)。
ただ、それは既存のマスメディアに携わる人間が、無知でいてもいい理由にはならない。
「紙媒体はもう終わりだから、今度はTwitterで情報を流そう」とか、そんな単純なものではないのです。


例えば、昨夜、あるアニメの取材のために四谷の飲み屋にいたのだけど、僕がすでに見た映画が、それなりの専門スキルを持った方の口から語られると、まるで別の聞こえ方をする。「その映画なら、もう見ましたよ」というスタンスに立っていては、そこでしか聞けない「情報」を取り逃がしてしまう。
それは、「情報を足で集める」ということとも、またちょっと違う。僕が別の飲み会で「四谷で、○○さんが、こんなこと言ってたよ」と誰かに呟いたとき、それがまた別の経路から、思わぬ加工を施される。
情報が複合的に存在している、とは「話に尾ひれがつく」過程に、ちょっと似ている。「話に尾ひれがつく」のは、その情報が生きている証だと思う。噂やデマも使いよう、ではないだろうか。

話がわき道にそれたが、スーフェスの準備もほぼ終わったし(僕の同人誌は刷り上ってきてないが)、とにかく映画館へ行こう。

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2010年1月 6日 (水)

■1月のメモ「もうちょっと、頑張ってみよう」■

日曜日のスーパーフェスティバルに向けて、フイギュアを袋詰め。
100105_14530001中には、オモチャというより、芸術品のようで、ため息の出る物もある……。でも、それを手放すのが、エキサイティングなわけだ。
『スター・ウォーズ』のフィギュアが圧倒的に多いけど、一体100円で売ります。食玩系は10円から。プラモデルは、上限500円ぐらい。
「高い」と思ったら、値引き交渉に応じますよ。

中古オモチャ、プラモデルの他に売るものは……

●同人誌版「550 miles to the Future」 一冊500円
●『メガゾーン23』同人誌「フェスティバルタイムズ」Vol.0~2 各1,000円
●DVD『亜空間漂流ガルダス』Vol.1~3 各2,000円


1/10 科学技術館 スーパーフェスティバル51 I-23「廣田恵介」にて! 『メガゾーン』の同人誌は、メールくれれば通販しますよ!


ふつーに防府で『マイマイ新子』を見た、主婦の方の日記
あまりに素直な、当たり前の感想に、涙が出てしまった。「何だ、ちゃんと理想的な見られ方されてるじゃん……」と。
こういう方には、署名のことも、レイトショーのことも、知ってほしくはないのです。リンク貼って、ごめんなさい。


『ギャラクティカ』のストーリーを人に説明しようとして、ようするにアレは、徹底的なマイナスから出発して、いつ降りてもいい状況なのに、「やっぱり、もうちょっと頑張ってみよう」というストーリーだから、惹かれるのだな、と気がついた。
どのキャラも、裏切り者のバルターですら、「もうちょっと、頑張ってみよう」としている。
そもそも、ギャラクティカという老朽艦からして、「もうちょっとだけ、頑張ってる」。そこが何より、愛らしいところだ。


たまには、仕事のことでも書きますか。
オトナアニメ  Vol.15 10日発売予定
O0800113510349652844
●押井守監督インタビュー
今回は『アサルトガールズ』まったく関係なし、「押井守から見た、プロダクションIG」というテーマです。これが、なかなか毒舌で良かった。どこまで直されてるか、本が出ないと分かりませんが、押井さんに聞いた中では、一、二を争う面白さ。

一番面白かった押井さんの話は、中野のカレー屋で河森正治さんと対談してもらったとき。宮さんから富野さんまで総出演のサバゲーの話が、最高じゃないかな。カメラマンもデザイナーもノリノリで、あれはすごくいい記事になってるはずだよ。『立喰師列伝』の宣伝担当が、実は『マイマイ新子』の宣伝Pだったりします。

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2010年1月 4日 (月)

■1月のメモ「ゲド戦記」■

毎度毎度、『マイマイ新子と千年の魔法』の話題で恐縮ですが……。
防府ワーナー・マイカル・シネマズは、9日以降も上映する、という情報が入ってきました。

大阪・九条のシネ・ヌーヴォは、上映スケジュールが出てますね。1月30日から2月12日までの2週間、連日20時20分から。2月11日のみ、昼間12時20分からの回もあるそうで、東京より、明らかに恵まれてます(笑)。
そうこう言っている間に、今週土曜から、もうラピュタ阿佐ヶ谷のアンコール上映がスタート。早っ。

もっともっと、広まってくれ!
あと、署名もお願いします!

追記:トラックバックいただいた「未完の映画評」さんの『マイマイ新子』上映情報が素晴らしいです。青森で上映するなんて、まったく知らなかった。


昨日、ちょっとジブリのことを書いたけど、『マイマイ新子』のことは関係ないとしても、何がどう転んでもヒットする状況下で、新人監督をデビューさせるのは、残酷なことだと思う。
こんなハリセンボンみたいな、電通も博報堂も味方につけてしまって、ババを引くとしたら、観客なんですよ。「また『ゲド戦記』だったら、どうしよう?」って、僕らは脅えている。完全武装で不沈空母の製作委員会は損しないが、観客が損する可能性がある。

スタジオジブリがエキサイティングだったのは、『ナウシカ』をゴールデン枠に流した頃だと思う(正確には『ナウシカ』はジブリではないけど)。
『ナウシカ』のテレビ放映権は、最初から日本テレビにあった(というか、売りつけられたらしい)。でも、「アニメだから」って理4959241980069由で、放映するとしたら、朝の時間帯にされてしまう。そこでがんばったのが、日テレの奥田誠治さんですよ。土曜スペシャルで、夜7時半からの特別枠で放映させた。そうしたら、視聴率15パーセント越えて、原作本プレゼントに100万通の応募が来た。100万通ですよ? 郵便局に怒られた、という逸話まで残ってる。

奥田さん、どんな気持ちだったかなあ、と思う。アニメ史に残る仕事をしたと、俺は思う。
もし日テレが放映権を買ってなかったら、いまだにジブリなんて、マイナーだったかも知れない。少なくとも、興行でパッとしなかった『ナウシカ』を起死回生させ、日本全国に広めたのは、日テレの奥田さんですよ。
マイナスからスタートするから、文化になる。なのに、今度のジブリの新作は、製作委員会の座組みからして、プラスすぎるよ。東宝ばかりか、ディズニー、三菱商事……メーターの針が、振り切れてる。あと、「ワイルドバンチ」って何の会社だろう、と思ったら、ちゃんと公式ブログで喋ってるから、聴いてみるといいよ。
そういうところを見ずして、「キャラが可愛い」「いつものジブリだ」とか言ってるから、『ゲド戦記』を皿に盛られるわけです。

迎え撃つ原恵一監督の『カラフル』はどうなのか?と検索したら、こっちの方がトップに来るというのは、どうなんだろう。
僕は断然、「負けるかも知れない方」を応援します。


あと、『ギャラクティカ』。レンタル屋で借りるのも面倒、という人は、ニコニコ動画で見よう。→こちら
たぶん、UPした人は、『ギャラクティカ』を見て欲しくて仕方なかったんじゃないかな。
ちなみに、僕は『ギャラクティカ』を見た後、2枚ずつ持っていた『スター・ウォーズ』全6部作のDVDを、ぜんぶ売ってしまった。それだけ、『ギャラクティカ』は凄いんだよ!

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2010年1月 3日 (日)

■1月のメモ「マイマイ本」■

正月二日目、「ほうふ日報」の縄田記者から、元旦2部の「『マイマイ新子』と昭和30年代の防府市」が届いた。
Scan20001スキャナに乗せ切れないサイズなので、中途半端な紹介になるが、12月13日に行なわれた「片渕須直監督と歩く『マイマイ新子と千年の魔法』探検隊2」の詳細なレポートが、メイン。
片渕監督のコメント、そして(無記名ではあるが)縄田記者の筆により、ラピュタ阿佐ヶ谷でのアンコール上映の件も報じられた。

こういう記事を読んでいると、単純に『マイマイ新子』の世界に没入できた日々を思い出す(縄田記者、粋なお年賀、ありがとうごさいました)。
しかし、防府ワーナー・マイカル・シネマズでは、8日で上映終了の模様。翌9日からは、ラピュタ阿佐ヶ谷で二度目のレイトショーがスタート。シネコンで惨敗、ミニシアターで満席。客層がはっきり分かって、いいじゃないかと思う。
(当地では、大量のタンス券が発生したとも仄聞するが、この21世紀に、まだ団体動員に期待してたの?とビックリしてしまう)

まだ一度も上映されたことのない地域の方が、問題だと思う。『マイマイ新子と千年の魔法』って、東京のアニメ業界の人にすら「聞いたことない」って、いまだに言われるの。信じられないだろうけど、事実です。

※大阪のシネ・ヌーヴォのスケジュール。1/30~2/12 連日20:20~
2/11(祝)のみ、12:20から1回追加上映あり。


知名度のなさゆえの不幸、ということで言うと、『ギャラクティカ』も例にあげておきたい。
元旦に発表された実写版『ヤマト』のPVの評判がいいけど、あのSFXは、かねてより『ギャラクティカ』を絶賛していた山崎貴監督が、『ギャラクティカ』を意識したもんでしょ? ↓これが『ギャラクティカ』。

俺は、日本アカデミー賞を獲った監督に「パクるな」とは、一切言わないよ。
ただ、これから『ヤマト』が公開されるまでの一年間、『ギャラクティカ』の知名度UPには貢献します。『ギャラクティカ』が知られてないばかりに、実写版『ヤマト』のSFXが過剰に持ち上げられるという状況は、フェアじゃないよ。
東宝系公開なんだから、大ヒットして日本アカデミー賞獲るのは、もう誰の目にも明らかじゃない。でも、審査員の方々が『ギャラクティカ』を見てませんでした、というアホな事態だけは、カンベンして欲しい。十分にあり得る事態だから。

というわけで、『ギャラクティカ』ファイナルシーズンは、2月7日よりスーパー!ドラマTVで放映開始。最低でも、第1話にあたる『ギャラクティカ/序章』は見てないと、実写版『ヤマト』についてコメントする権利は、一切ない。
山崎監督だって、フェアな状況で戦いたいはず。


今日は中野に行って、コミケでの預かり物を、受け取ってきましたよ。
100103_14120001ウエダハジメさんの『マイマイ新子』本、富野ネタも加味されていて、面白い。本だけではなく、ポップに使われていたA3サイズのカラーコピーまで、貰ってしまった(同人誌より、こっちの方が貴重だよ)。
あと、『どこでもいっしょ』のカレンダー。これは、どなたが下さったのでしょう? カレンダーなくて困ってたので、ありがたく使わせていただきます。
それと、レゴビルダーの直江さん宛てのプレゼントは、責任もって、ご本人に届けておきます。

コメント欄にも書きましたが、『メガゾーン23』同人誌を買いたい方は、廣田までメール(YIV00571@nifty.com)くだされば、そのまま発行人に転送します。


スタジオジブリの新作に、ほとんど興味のない自分に驚いた。NHKで、宮さんと養老先生が対談していても、「ふーん、そうですか」としか思えない。
『マイマイ新子と千年の魔法』が評価されない国で、ジブリが何をどうしようと、それらはすべて形骸なのです。そもそも、新作には東宝・日テレと代理店が2社のほか、海外の映画会社まで出資している。シャア・アズナブル風に言えば「これで勝てねば、お前は無能だ」という状況の何が面白いの? フィルムが真っ白でも、ヒットするよ。
『マイマイ新子』が、レイトショーでじわじわ広がっていく方が、僕にとっては、圧倒的に面白い。

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2010年1月 2日 (土)

■1月のメモ「スーフェス」■

コミケで『メガゾーン23』の同人誌を買い逃した方、10日のスーパーフェスティバルで販売しますのVol2_hyousiで、そちらでどうぞ(I-23「廣田恵介」ブースにて)。
板野一郎監督のサイン色紙ごと、販売当日にヤフオクに出品されてしまい、それを現地で知ってしまった売り子さんたちは、かなり落ち込んだそうです。

まして、サイン色紙は板野監督が「この本を買ってくれた、ファンの人のために」と、用意してくれたもの。出品した人は、板野監督に殴られる覚悟ぐらい、しておいていただきたい。
制作予算を貯めて、サークルの仲間とケンカまでしながら、苦労して出した同人誌なので、「買ってくれた人は、メガゾーンが好きで、買ってくれたはず」と信じたいわけです。
スーフェスでも売りますが、本当に『メガゾーン23』を好きな人にだけ、買って欲しい。


スーフェスまで、あと何日もないので、「廣田恵介」ブースで何を売るのか、書いておきますか。
67153622まず、同人誌版「550 miles to the Future」を売ります。一冊500円です。
このブログでも連載した「人類は、いかにしてプラモデルの金型にパンツを彫りこんできたか」をリライトし、さらに買い集めた資料をカラーで掲載。
もうひとつの特集は、本屋の軒先で幼児向けに売っている絵本をレビューする「アニメ絵本を楽しもう!」です。本文デザイナー氏によると、「こっちの特集の方が面白いじゃん」とのことなので、そうなのかも知れません。

藤沢孝さんが、なぜか『亜空間漂流ガルダス』のイラストを描き下ろしていたりします。『ガルダス』ヒロイン役の岩井はるみさんインタビューとカラーグラビアもあり!

他には、上に書いた『メガゾーン』同人誌『フェスティバルタイムズ』のバックナンバー(一冊1,000円)、廣田が資料用に買ったプラモデル、フィギュアなどを、投売りします。
ストレス発散のための出店だから、ゆるゆるやります。


新年早々、『マイマイ新子と千年の魔法』のガレージキットを出すべきか否か、一部で盛り上がっている。あそこまで考証された映画なのだから、やはりジオラマ風のキットが良かろう……などと思う。小太郎じいさんの立像があったら、けっこう渋いかも。
廣田同人誌にも参加してもらった、モデルグラフィックスのTさんを巻き込みたいんだけど、まずラピュタ阿佐ヶ谷に連れていかないと……特集も組んでもらえないし(笑)。

昔、杉井ギサブロー監督の『銀河鉄道の夜』のガレキが、TVC15というメーカーから発売されてたんですよ。「これ買うの、俺しかいないじゃん!」と思って、買いましたとも。
やっぱり、心意気が大事。その心意気を引き継ぐのは、もう僕らしかないじゃないですか。

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