■マイマイ、あれこれ■
本屋が開くのを待って、「アニメージュ」買って来た。
もう、僕からすれば、『マイマイ新子と千年の魔法』全力応援特集号といえる内容。
「この人に話を聞きたい」「アニメの鍵」と、自分でもビックリするぐらいの集中力で、一気に読みきった。お世辞じゃなくて、それだけ面白かった。どちらの記事も「映画を観てから、読んでほしい」旨、前置きがしてあるけど、「この人に~」は原作小説を読んでいると、さらに理解が深まると思う。「アニメの鍵」には、僕が日芸の講義で見て「欲しい」を連発した、新子と貴伊子のキービジュアルが使われていた。
このキービジュアルは、静謐な色気があって(このカットの原画は、柳沼和良さん! 納得! 辻 繁人さんの作監修正でした。申し訳ありません)、このまま額に入れて飾りたいぐらいなんですよ。十分、売り物になる。
署名活動の先にあるビジョンは、そういう製品が出せるぐらいに、メジャー化したいんだ、ということ。今のままでは、販売目標なんか立てられないと思う。
興行的な失敗は、10年も20年もついて回る。大げさに聞こえるかも知れないけど、僕は実例を間近に見て来た。自社作品でも「ああ、あのリクープできなかったタイトルね」と、冷たく言いすてられてしまう。「あの作品の話題は、出さないでくれ」とかね。
だから、気分で署名お願いしているわけじゃないんですよ。「作品への愛」なんていう抽象的なものでは、何も動かせない。作品を応援している人の「数」が必要なんです。
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何も動いてないわけじゃないのですが、まだ報告できるレベルのものは、ありません。
○可能なかぎり多く、署名を集めること。
○ラピュタ阿佐ヶ谷のレイトショーを大入り満員にすること。
この二つが、事を動かす必要条件です。ラピュタ阿佐ヶ谷だって、「ほっといても、人が集まるだろう」なんて、僕はタカをくくってません。12月19日(土)~26日(土)の夜9時です。
26日夜から、片渕監督の講義があるので、申し込みました。場所はラピュタ阿佐ヶ谷ですから、講義後に、僕も一観客として鑑賞します。
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新宿ピカデリー、僕は年末進行真っ只中なので、行けるのは、17日最終日になってしまいそう。
そして、明日11日で終わる映画館は、
MOVIX亀有
MOVIX昭島
川崎チネチッタ
TOHOシネマズららぽーと横浜
MOVIX橋本
MOVIX柏の葉
エクスワイジー・シネマズ蘇我
MOVIXさいたま
MOVIX三郷
MOVIX川口
MOVIXつくば
MOVIX宇都宮
MOVIX伊勢崎
札幌シネマフロンティア
なんばパークスシネマ
MOVIX八尾
MOVIX京都
MOVIX六甲
MOVIXココエあまがさき
MOVIX橿原
名古屋ピカデリー
MOVIX三好
ミッドランドシネマ名古屋空港
TOHOシネマズ岐阜
ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13
TOHOシネマズトリアス久山
……新宿ピカデリーは、今週末が勝負かな。最高の音響設備で見たい方は、是非!
(追記:というかねえ、見たがっている人が大勢いるのに見づらい時間に上映して打ち切りって、客を逃がしていることに気がついてるのかね? そろそろ我慢ならなくなってきた。叫びたい)
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読売新聞9日付夕刊で、『マイマイ新子』コラム記事。「実はこの映画、ネット上では大きな評判を呼んでいるものの、興行成績がふるわず公開館数は縮小傾向。上映継続を求める異例の署名活動も始まりました。自信を持ってお薦めしますので、未見の方はぜひご覧ください!」(福田 淳)
新聞に載るとは、思わなかった……。署名サイトは、こちら。交渉までへの道は、まだかなり遠いです。ご協力、よろしくお願いします。
(追記2:発作的に読売新聞に電話したら、福田淳さんって、文学フリマで俺の横に座っていた方でした。ブログに署名サイトへのリンク貼ってくださっていました。感謝です。それでも、現状に対して叫びたい気持ちは変わりません)
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コメント
はじめまして。
イルカのおかげと申します。
防府の方と知合ったのをきっかけに『マイマイ新子と千年の魔法』にのめり込んでしまいました。
署名の計画ご苦労様です。先日署名させて頂きました。
今日のMOVIX橋本は男性料金千円と言う事も有り30名近い観客でした。
上映後、「遠くから来て喜んでくれて良かった。」などの声が聞え微笑ましい空間になっていました。
私も次はピカデリーに参戦します。
「アニメージュ」も久しぶりに買わなければ。
コメント長くなってすみませんでした。
投稿: イルカのおかげ | 2009年12月10日 (木) 22時46分
■イルカのおかげ様
はじめまして、コメントありがとうございます。
こうして、映画館でどういう様子だったのか聞くと、本当にホッとしますね。
「アニメージュ」も、このタイミングで出て、むしろ良かったと思います。どっちの記事も、目からウロコですよ。夢中で読みました。
署名してくださり、ありがとうございます。
しかし、正直に言って、少ないです。これでは、小石も動かせません……。
自動的にブルーレイが出ると信じている人は、お気楽すぎます。出るわけがありません。それはメーカーさんが無力というより、作り手に声を届けようとしない僕らの責任です。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月10日 (木) 23時03分
応援活動を応援したいのですが、なにせ見れていないものですみません。ひとえに環境によるものなのでお許し下さい。
この映画は子供は楽しめそうですか?
投稿: ハム船長 | 2009年12月11日 (金) 05時09分
■ハム船長さま
たとえ僕が悪くなくても、未上映地域の方には「すみません」と言いたくなってしまいます。
>この映画は子供は楽しめそうですか?
それは、かなり難しい質問ですね(笑)。正直、お話は分かりづらいと思います。でも、大人になっても「あんなアニメ、あったなあ」と思い出せるはずです。「こんなシーンがあったはず」とか。
それだけ、描写のひとつひとつが濃いんです。何度見ても、必ず新しい発見があります。今後20年、30年、ずーっと語っていける作品です。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月11日 (金) 05時23分
はじめまして。
イルカのおかげさんをはるばる神奈川から
防府まで呼んでしまった張本人です。(笑)
私も自分のブログに【署名】の記事とブログパーツを
貼りました。
この作品は観るたびに新鮮で、深い感動があり、
また何度も観たくなってしまう・・そんな
不思議さがあると思います。
DVDになれば当然購入しますが、でも映画って
やっぱり大きなスクリーンで観てこそだと思うので
私は劇場へ通うつもりです。
みなさんにも、ぜひ劇場でこの作品を観て欲しいですね。
投稿: poko | 2009年12月13日 (日) 20時20分
■poko様
はじめまして、コメントありがとうございます。
ひょっとして、イルカのおかげさんが、先行上映に飛行機で行った方なんですか? 関東から飛行機で来てくれた人がいる、と監督がおっしゃってました。
署名の件、ありがとうございます。
今回は、僕も「どうして、映画館じゃないといけないのか」といろいろ考えたんです。DVDは、やっぱり映画とは別のメディアですよね。でも、「DVDでいいや」「DVDの方が楽しい」という映画もある。だけど、『マイマイ新子』は、映画館なんですよね。
DVDは、二次的メディアだと思います。この映画に限っては。
新宿ピカデリーは土日、満席だったと聞きますし、これでラピュタ阿佐ヶ谷が成功すれば、全国へ広がっていく可能性が出てきます。
そういう意味では、お客さんが足を運んで、料金を払って、ようやく映画が映画たりえると思うんですよ。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月13日 (日) 21時09分
はじめまして。
李小龍と申します。
”イルカのおかげ”さんに作品を紹介いただきました。
12日(土)に新宿ピカデリーにて鑑賞。満席でした。
物語は”感動”でした。
ことば、自然、遊び、町の様子、足もとに咲く草花の描写も当時のままで、思い出が生き生きとよみがえって参りました。
かくも素晴らしき作品が、世の中に知られていないことが残念です。
ラピュタ阿佐ヶ谷のレイトショウにも、伺いたいと思っております。
投稿: 李小龍 | 2009年12月14日 (月) 21時25分
■李小龍さま
はじめまして。イルカのおかげさんも、いろいろ活躍してらっしゃるんですね(笑)。
新宿ピカデリーの満席、噂には聞いていますが、ネットの口コミがお客さんを集めた部分も大きいでしょう。それでも、見た人の数は相対的に少ないと思います。
>ことば、自然、遊び、町の様子、足もとに咲く草花の描写も当時のままで、思い出が生き生きとよみがえって参りました。
ディテールの表現が、本当に美しいし、手が込んでいるんですよね。無数の表現が重なり合って、響き合って、それが映画自体のエネルギーになっている……。
若い人まで、「なぜか懐かしい」と言っているのを聞くと、何か日本人のDNAに響くものがあるんでしょうね。単なるノスタルジーではないんですよね。
ラピュタ阿佐ヶ谷は、熱気にあふれた空間になりそうです。すごく楽しみですね。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月14日 (月) 22時19分
こっそり書き込んだ積りだったのですがバレバレのイルカのおかげです。(笑)
やっぱり『マイマイ新子と千年の魔法』が素敵なのは片渕監督の作品に対する思いの大きさなんでしょうね。
文学フリマの時に防府での探検隊の事を伺いまた飛んで行きたかったのですが、急には無理でしょうから春にも計画したいと言う監督の言葉を信じ今回は諦めました。
でも先行上映の時にロケハンの場所を歩いたり、車で案内されたりしていたので、防府からの報告が手に取るように分りました。
緻密なロケハンと歴史検証も映画を真実に近づける大きな要素ですね。
探検隊には参加できませんでしたが、先週末は監督がお薦めの新宿ピカデリーで満席のお客さんと一緒に貴伊子がお母さんの写真を見ながらポーズをとる時の衣擦れの音を堪能して来ました。
投稿: イルカのおかげ | 2009年12月15日 (火) 03時35分
■イルカのおかげ様
いや、お疲れ様です。「飛行機で山口に見に行く」という最終手段を公開前に示してくれた功績は、とても大きいですよ。
>でも先行上映の時にロケハンの場所を歩いたり、車で案内されたりしていたので、防府からの報告が手に取るように分りました。
そうでしたか。
僕は、防府という地名自体、この映画で知ったんです。それで、映画には想像で描かれた場所が皆無に等しいらしいんですよね。すべて入念に調べて、根拠のないものがひとつもない。アニメでそんなことをやるというのが、またアクロバティックですよね。
僕も、春には参加したいと思っています。
>貴伊子がお母さんの写真を見ながらポーズをとる時の衣擦れの音
そこまで聞こえましたか。新宿ピカデリーが一番、上映環境はいいようですね。僕は、最終日に行くつもりでしたが、仕事で無理になりそうです。
いったん終わってもいいから、また新宿ピカデリーに返り咲くことを、お願いしたいです。キャパオーバーで帰っちゃう人がいたぐらいですから。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月15日 (火) 06時05分