『マイマイ新子と千年の魔法』続映にご協力を!
こんなこと、始めてやるんですが、『マイマイ新子と千年の魔法』の上映を継続するため、署名を集めることにしました。
http://www.shomei.tv/project-1385.html
http://www.shomei.tv/mobile/project.php?pid=1385 ←携帯用
(署名受付、開始しました!)
片渕須直監督から「あと2週間で終了」と知らされて、署名活動をすることにしました。「これから上映予定の地方もある」と当ブログで書いたばかりですが、東京での興行成績は地方にも波及します。ソフト化のとき、潤沢な予算がかけらない場合があります。「DVDをレンタルして見るから、いいや」という方、レンタル店に入荷しない可能性だってありますよ。
興行成績が悪くて、何かが好転することは、ひとつもありません。
Twitterを見ると分かりますが、「見たいけれど、見られない」人が、かなりいらっしゃいます。ほぼ全国で、一日1~2回上映に規模縮小してしまいました。個人ブログでも「今年、一番」という高評価が多く聞かれる中、観客の声を無視するがごとく、何とも見づらい興行になっています。挙句の果てに、もうすぐ上映が終わってしまう……。こんな状況、間違っています。
いい加減、「お客さん」として待っている状況から抜け出して、愛する映画のために、立ち上がるべき時ではないでしょうか。
『マイマイ新子と千年の魔法』を、「見たいときに、見たい人が見られる興行スタイル」にして欲しい。製作委員会に提言したいと思います。その裏づけとして、皆さんの声を貸していただきたいのです。
どうか、上記URLを出来るだけ多くの方に広めてください。私も頑張ります。
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私自身は、この映画には試写会で出会い、一度取材しただけの関係です。宣伝会社からは片渕監督の講演に呼んでいただいたり、かなりサービスしてもらいました。でも、だから上映継続を訴えるわけではないんです。
ただひたすら、この力強く美しい映画が、杜撰な扱いをされていることに、我慢がならないんです。ここまでネットで評判が広まっているのに、「見たい」と思った人が、見られない。だから、結局、映画館に人が集まらない。「興行的に苦戦している」などと言われていますが、それは映画館が、観客のニーズに応えきれていないだけの話です。興行サイドが、自ら悪い状況をつくっているだけではないでしょうか。そんなバカな状況に、『マイマイ新子と千年の魔法』を置いておきたくない。
「後年、評価されるだろう」とか「知る人ぞ知る傑作」とか、そんなのはイヤなんです。「とても見たいけど、時間が合わない」「興味はあるけど、上映期間が短すぎる」……そんな理由で、人と映画が出会えないなんて、おかしいです。
今、気持ちが盛り上がって「見たい」「もう一度見たい」「何度でも見たい」と思った人に、大きな画面で見て欲しい。細かいところまで、じっくりと。
「映画と人の関係」を、最善の形にしたい……。
もう一度、言います。興行成績が悪いと、業界で「アレは駄目な映画だった」と烙印を押されてしまい、後々、ずっとマイナス・イメージが付きまといます。
その悪循環から『マイマイ新子と千年の魔法』を救い出すためにも、署名にご協力ください。
皆様、何卒よろしくお願いいたします。
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コメント
初めまして。
僕も最初に試写で観た夜に、「マイマイ新子」の素晴らしさに打たれ、感動し過ぎて眠れなくなる位に、この映画が大好きになり封切り後何度も足を運びました。
この記事について、僕も賛成です。
人が来そうに無い枠に「マイマイ新子」を押し込めておいて、興行成績が悪いって……それこそ映画館とかの大人達に向かって「うちらの映画を返せ!」って叫びたいです。
月曜日、僕も署名させていただきます。
投稿: glulug | 2009年12月 6日 (日) 02時29分
■glulug様
はじめまして。コメント、ありがとうございます。
署名できる状態になったら、このエントリ自体を書き直して報告しますので、よろしくお願いします。
僕も、封切り以降、仕事が手につかないぐらい、この映画の動向が気になっています。ようやく、観客にふさわしい人たちが、作品にふさわしい評価をし始めたのに「ハイ、終わりです」では、ビジネスとして成立してないと思います。また、僕らも「終わりですか、それは残念」ではなくて、意見・要望を責任者のもとへ運ぶことが大事です。
見たい人が配給会社にメールして、上映が決まった例も、過去に見てきましたからね(それは、もっと酷い上映形態の映画でした)。
黙っていたら、今後もどんどん状況は悪化します。発言すれば、可能性が生じます。何卒、よろしくお願いします。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月 6日 (日) 02時58分
はじめまして。署名サイトをブックマークさせていただきました。「発言すれば、可能性が生じます。」と言うのは本当にその通りだと想います。微力ながら、署名サイトのURLを、後日Twitterなどに転載させていただいてもよろしいでしょうか?(勿論、詳細は明記させていただきます。)
投稿: 傘下逆 | 2009年12月 6日 (日) 07時48分
■傘下逆さま
はじめまして。ブックマーク、感謝いたします。
>微力ながら、署名サイトのURLを、後日Twitterなどに転載させていただいてもよろしいでしょうか?
ありがとうございます。ぜひ、お願いいたします。本来なら、署名可能な状態になってから告知すべきだったのですが、非常に心強いです。
東京での成績が悪いと、その数字が地方興行の方針すべてに響いてきます(ようやく上映されても「一週間で終わり」という形態も、十分あり得ます)。
逆に、東京での数字がよければ、未上映地域でも上映できるチャンスが生まれます。
署名も同様で、集まらなければ「やっぱり、集客の見込めない映画だね」となり、署名者数が多ければ多いほど、交渉のカードとして強力になっていきます。
私たちが「心」で応援していても、相手は「数字」で判断します。だからこその署名なのです。
何卒ご理解の上、ご協力をお願いいたします。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月 6日 (日) 08時11分
ふたたびお邪魔いたします。
事後承諾になってしまって申し訳ないのですが、記事を一部引用させていただき、私のブログで署名のことを紹介しております。
アクセス数は微々たるものですが、一人でも多くの方に署名に参加していただいて、「マイマイ新子」鑑賞の機会を増やしていければと思っています。
それと、拙ブログにも書いたのですが、私が「マイマイ新子」のことを知ったのは、廣田さんがアニメージュオリジナルにお書きになった記事を読んでのことでした。
素晴らしい映画との出会いを与えてくださり、本当にありがとうございました!
投稿: やや矢野屋 | 2009年12月 6日 (日) 15時10分
■やや矢野屋さま
ただ今、文学フリマの片渕監督トークショーから戻りました。『マイマイ新子~』のイベントに行列が出来ている……この光景を見たかったんです。
ブログ拝見しました。まだ稼動していないので、心苦しいかぎりですが、ありがとうございます。非常に心強いです。引用・リンクについては、まったく自由です。どんどん広めてください。
「アニメージュオリジナル」の記事がきっかけで……と言っていただいたのも、初めてです。あの頃、すでに「たいして当たりそうもない映画」という空気はあったのですが、押し切りました。
今回の署名の件も、Twitterや、はてなブックマークで支援してくださる方がいることに感謝していますが、一方では冷たい視線も感じています(笑)。
分相応なワガママをやっているのですから、味方と思っていた人が敵に回るのは覚悟の上です。
それだけ、自分にとっても革命的な映画なんです。愛してるんですよ。
引きつづき、ご協力よろしくお願いいたします。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月 6日 (日) 21時01分
廣田さんが猛烈にプッシュしているので、やっと見ましたよ。「マイマイ新子と〜」。
多分年齢的にもかなり近いこともあって、「ああ、あるある〜」的な見方をしていたのですが、なかなかしみじみと良かったです。誘っていった妻も気に入ってました。
どもありがとう。
投稿: aramaki | 2009年12月 7日 (月) 15時02分
■aramaki様
すっかり、ご無沙汰しております。
また、『マイマイ新子~』ご覧いただき、ありがとうございます(私の作品ではありませんが……心情的に)。
あの映画の世界を知っているのは、もうちょっと上の世代の方たちだと思いますが、どの世代にも共通する「子供時代」の記憶とリンクする映画なんでしょうね。
何だか、この映画は、自分の身体の一部になってしまいました。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月 7日 (月) 15時41分
Twitterっていう文字列がマスコミに
よく出てきますけど、これって何?
いわゆる一行掲示板みたいなもの?
投稿: だからー | 2009年12月 9日 (水) 15時07分
■だからー様
私自身は、Twitterを利用していませんが、一行掲示板みたいなものと考えて、差し支えないかと思います。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月 9日 (水) 16時46分
はじめまして、私も署名させて頂きました。
「マイマイ新子~」は、前回(「アリーテ姫」)と違って、営業規模はかなり大きくなると思っていたので、小規模だったのが残念に思いました。
地元も拡大上映エリアには入っていると聞いていましたが、私自身はかなり遠出して観てまいりました。
>どの世代にも共通する「子供時代」の記憶とリンクする映画なんでしょうね。
私はいわゆるファミコン世代ですが、なぜかこの映画のあらゆる場面が自分の子供時代の思い出のように思えるのです。
見終わった直後は、割とさっぱりした印象の映画でしたが、思い返すと切ないです。
珍しく安心してお世辞抜きで褒められる良い映画なので、営業サイドのこういった扱いは、もうちょっと何とかして欲しいと思いました。
投稿: とびた | 2009年12月11日 (金) 09時57分
■とびた様
はじめまして、署名へのご協力、ありがとうございます。
今回、「客が入らない映画は、さらに客が入らない形にする」合理的判断に、初めて疑問を感じましたね。仕方がないという理屈も分かる一方で、見たい客層が見られないという状況も明らかになったと思います。
>私はいわゆるファミコン世代ですが、なぜかこの映画のあらゆる場面が自分の子供時代の思い出のように思えるのです。
予告編を見た方が、「青森県で育ったのに、なぜか懐かしく感じる」と言ってらして、「日本人なら、みんなそう感じるのでは」と思ったんです。僕も住宅密集地に育ったのに、小さい頃に見た景色だなあ……と思いましたし。
それを考えると、やはり大人(高校生ぐらいから)向けなんでしょうね。
まだ公開している地域、これから公開する地域のある“生きた”映画ですから、せめてそこを配慮してもらいたいです。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月11日 (金) 13時58分
すみません、興行スケジュールを決定する部署がどこにあるのか良く分からないのですが、制作委員会がお金を出せば映画館は集客の少ない映画でも上映し続けてくれるものなのでしょうか。
たとえばこの「マイマイ新子」の署名が実って続映が決定されたとして、でも客足が振るわなかった場合、その映画館の損失をどこかが補填する仕組みなのでしょうか。
そこら辺がどうも判然としないので、詳しい事情をご存知でしたら是非お教えください。
投稿: KN | 2009年12月12日 (土) 11時16分
■KN様
私が答えられる範囲になりますが……製作委員会の中に松竹株式会社が入っています。興行スケジュールを決定するのは、配給・興行も手がける松竹です。
製作委員会の中に、配給・興行会社が入っているわけですから、「集客が少ない」と判断すれば、上映しつづけないわけです。現に、全国的に上映が終わりつつありますよね。
映画館の損失について。お客が入ろうと入るまいと、映画館側が配給会社から「劇場保証金」をとる場合があるそうです。金額は、その映画館が平均して週にいくら売り上げているか――これを週アベレージといいます――で決まります。
ラピュタ阿佐ヶ谷で、レイトショーが行なわれますが、松竹はラピュタの週アベレージをもとに金額交渉しているはずです。
あるいは、小さな映画館の場合は売り上げではなく、一年間にかかる経費を週で割って、それを保証金として先に払ってもらう場合もあるそうです。損をしないためですね。
客足が振るえば、そこから先が儲けになる、と私は理解しております。手元に古い資料しかないので恐縮ですが、いかがでしょうか。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月12日 (土) 11時58分
廣田恵介様、丁寧なご回答を頂き有難うございました。今回の件ではどこがお金を出すべきで、どこがリスクを負うことになるのかがちょっと分からなかったのでこれですっきりしました。
ここら辺のお金の流れを知らない人間からすると”続映を望む人の数”=”これから劇場に足を運ぶ人の数”ではないので、実際に続映が決まった後のリスクを映画館が負うことになるのでは?という疑問があったのです。
制作・配給側にそのリスクとコストを継続して負ってもらう為の署名という事なのですね。
投稿: KN | 2009年12月12日 (土) 13時24分
■KN様
>制作・配給側にそのリスクとコストを継続して負ってもらう為の署名という事なのですね。
そのように受け取りましたか?
最新のエントリにも書きましたが、観客が映画館に集まることで、制作・配給・興行に儲かって欲しいと、僕は望んでいます。
逆を言えば、観客が集まらないと、誰も幸せになりませんよね。みんなが幸せになれる、よい循環をつくる。それが署名の目的です。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月12日 (土) 19時20分
廣田恵介様、度々丁寧なご回答を頂き有難うございます。観客が集まらないと誰も幸せになれないという点で全く同感です。
投稿: KN | 2009年12月12日 (土) 21時29分