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2009年11月16日 (月)

■11月のメモ「蒸しパン」■

『マイマイ新子と千年の魔法』の宣伝会社から、プレスリリースが送られてきた。
1114_maimaihofu01(←クリックして、ぜひとも大きい画像で見てください)
14日の、山口県での先行上映の様子なんだが、福田麻由子が、素晴らしく美しく撮れている。これで「子役」は、確かに失礼だな。
日本映画のリソースというと、すぐ監督の話になるけど、今は本当に個性的な若い俳優が増えた。谷村美月、吉高由里子、仲里依紗らの存在は、僕が邦画を見つづける根拠になっている。

山口県での先行上映は大入り満員だったそうで、まずは良かった。
確かに上映される県が片寄ってはいるんだけど、宣伝会社にメール出せばいいんだよ。最初から、あきらめちゃダメだ。僕も、公開規模の小さい実写映画の宣伝を手伝ったけど、本当に見たい客たちは積極的に「私の県には、こういう良い映画館があります。そこで上映してくれませんか」って、たった数人だけどメール出してたよ。俺は「そんなことしても、数人のために小屋、空けるかよ」って思っていたけど、ちゃんと要望のあった映画館で上映されたんだ。
僕はもう、山口県に行かないと気がすまなくなってきてる(笑)。


『マイマイ新子~』の感想で、何だかムカつくのは、「良作だけど、興行的に難しい」的な意見。業界人ならともかく、普通に試写を見た人まで、「売り方が難しい」って……。自分と、その映画が、心の中でどういう関係を結べたか。それだけなんだよ、大事なのは。
例えば、深夜放送で知らない映画を偶然見ていて、すごいショックを受けたこと、ないのかよ。そのショックが大事なのであって、「この映画は興行的にどうなのか」とは考えないじゃん。映画との出会いを、自分の外部に置いてる。それは、愛情の手抜きなんだよ。「お前一人しか知らない映画でも、愛してやれ」って話だよ。
社会的容認が、そんなに大事なのかよ。誰に何と言われようと、自分が観て良かったんなら、それでいいじゃない。最後の最後まで、味方でいてやれよ。

『マイマイ新子~』の話に戻ると、農道を走るスクーターを見て、新子が「新型じゃ」と呟くシ0273_001ーンがある。その時、おにぎりを食べてると思ったんだけど、オフ台詞で、「蒸しパンがなくなってる」とお母さんが言っていたから、蒸しパンだったんだな。その蒸しパン、実に粗末な材料で出来ているのが分かる。そういう色で塗ってある。それを、もう一回、見たいんだよ。
そういう無数の、発見と記憶と確認の連続なの。俺が『マイマイ新子~』を見つづける理由は。
それは、俺の好きでやっているし、楽しいからやってるんだよ。


同人誌は、ようやく第一特集の「人類は、いかにしてプラモデルの金型にパンツを彫りこんできたのか」のデザインに入ってもらった。
091115_02530001これはとにかく、このブログに書いたものをコピペするのではなく、足りない資料をさらに買い足し、写真も知り合いの家で撮影して……この段階で、もう数万円、かかっている。絶対に回収できないけど、これはそういう遊びだから。
写真を撮ってくれた人の家で、夕飯をご馳走になったりして、そういう経験でチャラ。その分、サービスはしますよ、と。「パンツ・フイギュア」のページは資料性もあるだろうし、僕が怒ったり喜んだりしながら書いてるので、思春期フェロモンは、一番強いと思う。

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コメント

 初めてお邪魔します。
 片渕カントクからブログの存在を教えていただき、今初めて拝読しました。こういうご意見を言っていただける方がいらっしゃり、感激しているところです。
 私も今回のことがきっかけて「マイマイ新子と千年の魔法」や「アリーテ姫」、それに多くの人や出来事に出逢い、すでにたくさんのものをいただけたと思っている者のひとりです。
 私の周辺の目利きがどう観るか、公開前は正直不安だったこともありましたが、「お前が薦めなければ観なかった。ありがとう!」との声をもらい、その点「よっしゃ!」とガッツポーズをとっておるところです。
 個人的には(不適切かもしれませんが)これがわからない人間に用はないくらいにまで思っています。力強いエール、本当に感謝しています。
 近いうちにお会いできる予感がします。そのときはどうかよろしくお願いします!

投稿: 地元記者 | 2009年11月16日 (月) 17時34分

■地元記者さま
はじめまして! コメント、誠にありがとうございます。はるばる山口から、大変感激です。14~15日は「無理してでも、山口に行くべきだった」と監督のブログを見て、切歯扼腕しておりました。
僕自身は、勝手に『マイマイ』ストーカーしているだけで(笑)、宣伝会社の方や片渕監督に「そんなに好きなら、しょうがないなあ」と、付き合っていただいているに過ぎないんです。

>私の周辺の目利きがどう観るか、
>公開前は正直不安だったこともありましたが、
>「お前が薦めなければ観なかった。ありがとう!」

とても、うらやましいお話です。僕は21日に友達を強引に誘って、新宿へ行きますが(笑)、早くこの映画のことを、親しい人間と話したいと心待ちにしているんです。
偏見持たずに、とにかく観てほしいんですね。

「アニメージュオリジナル」という本で、片渕監督と福田麻由子さんにインタビューしておりますので、お会いできた時に、お渡しします。
普通は、取材が終わって本が出てしまうと、フッと冷静になるのですが、『マイマイ新子~』は逆なんです(笑)。
こちらこそ、よろしくお願いいたします!

投稿: 廣田恵介 | 2009年11月16日 (月) 19時31分

こちらでははじめまして。
地元記者さんは、防府で『アリーテ姫』を上映しようと企んでいる、まさに廣田さんがおっしゃるような行動をとられている人です。
でもって、『マイマイ』はすでに8回見てるそうです。ロカルノ、オタワでの上映も含め。

投稿: | 2009年11月17日 (火) 07時05分

■片さま
防府から、はるか遠いこの不浄な場所にまで、大変ありがとうございます。また、大変お疲れ様でした(週末は、また東京で舞台挨拶ですね)。

実は、『アリーテ姫』はDVDで見て以来、今はレンタル屋にもないのです。しかし、そのDVDを貸してくれた男は、とても誠実でしたから、よく覚えています。

やっぱり、8回は無理でしょうね。『ブレードランナー』と『王立宇宙軍』が、頑張っても6回でしたから(笑)。でも、その時も、他県まで遠征して見に行ったんですよ。

投稿: 廣田恵介 | 2009年11月17日 (火) 07時37分

まあ、記者さんの8回は上映状況を報道するという意味合いもありましたし。

僕はだんだん「自分の好き」で廣田さんに「多々良山」や「国衙」や「諾子の家の跡」や「千年前の港」を見てもらいたい気持ちになってきてます。そうしたらきっと、楽しいだろうなあ、と思うんですよ。

投稿: 片 | 2009年11月17日 (火) 09時33分

■片さま
僕も確かに、ジッとしてられなくなってきたのは確かですね(笑)。
江古田の講演の帰り、冗談で「聖地巡礼」なんて言っていましたが、現実的になってきましたね。

投稿: 廣田恵介 | 2009年11月17日 (火) 16時29分

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