« ■11月のメモ「スーフェス」■ | トップページ | ■マイマイ新子、5回目■ »

2009年11月10日 (火)

■11月のメモ「子供映画」■

YouTubeで特報を見て以来、一目惚れしてしまった『マイマイ新子と千年の魔法』。11日のプレミア試写にも呼んでいただいているのだけど、その直前が押井守さんのインタビュー。押井さんが、キリよく話し終わったら、間に合うんじゃないでしょうかね(笑)。

何バージョンもある予告・TVスポットの中では、上のがベストかなあ。
こうして90秒間に凝縮された『マイマイ新子~』を見ていると、実は意外にオーソドックスな物語曲線を描いてるのが分かります。つまり、最初に出会った2人が仲良くなり、仲間たちを巻き込んでピークに達した直後、ズドンと奈落に叩き込まれる。そこから、力技で元気さを取りもどしていく。たいていの物語は、大小二つのピークがあって、中盤の「ダウン」から、いかにして次のピークへ向かうかで、面白みが問われる……というのは江川達也氏の受け売りですが、一見、変化球を投げている『マイマイ新子~』は、ストーリー的には、かなりオーソドックスな娯楽アニメ。

そんなアニメを、どうして僕のような変わり者が、好きになってしまったのか。
もともと、『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』『がんばれ!ベアーズ』のような子供たちが主役の1004_4_00119映画を好きなせいもあるけど、大人の堕落であるとか死であるとか、むき出しのリアリズムを子供なりの妄想力で突破していく……実際には、監督の考証力も借りて突き抜けていく、バイタリティ。それがワンカットワンカットに、ぎっちりと満ち溢れているからだと思う。
人の死が出てくるから、大人が堕落するからネガティブじゃないんだよ。それを乗り越えていく力を肯定しなくては、生きていく意味がないということ。大人の力なんか借りなくても、子供たちは勝手に頑張る。そこが好き。
たぶん俺、40歳を過ぎて、死に近づいて、だから、この子供映画に元気づけられたんだと思うよ。


さて、子供時代を飛び越して、思春期ノイローゼ満開の廣田同人誌ですが、テキストは残り数ページとなりました。デザイナーも、3日に一度は進捗報告してくれます。
さっきの「ダウンから這い上がる」話じゃないけど、この同人誌も、僕の敗北から始まりました。早い話、小説の賞に応募したんだけど、あっさり落選してしまい(その話は、同人誌の中にも出てくるんだけど)、「だったら、同人誌で出すからいいよ」と開き直ったところを、2人の友人が「ちょっと、待った」と止めてくれたのです。
091109_19550001一人は、「小説をそのまま印刷するのではなく、廣田マガジンのようにして、その中に小説を入れたら? そうしたら、読んでくれる人が増えるよ」。もう一人は「もしここで、同人誌で小説を出してしまったら、仕事として小説を書くチャンスが永遠に失われるよ」。そうでなくとも、小説の仕事は永遠に来ないと思いますが、この2人は、それぞれ、具体案を出してくれたので、たちまち僕は説得されてしまったわけです。

だから、敗者復活戦なんですよ。この同人誌も。あのまま、同人小説を出していたら、さらなる奈落が待っていたわけで。「廣田マガジン」に舵切りしたお陰で、多くの人に協力してもらえたしね。
フリーマーケットは、条件が厳しく、ちょっと難しそう。……やはり路上販売か?

|

« ■11月のメモ「スーフェス」■ | トップページ | ■マイマイ新子、5回目■ »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■11月のメモ「子供映画」■:

« ■11月のメモ「スーフェス」■ | トップページ | ■マイマイ新子、5回目■ »