■僕には、理解し切れてない、という自信がある■
●『東のエデン 劇場版Ⅰ』パンフレット 構成・執筆
神山健治監督インタビューの他、いろいろやりました。
ニューヨークの地図づくりには、グーグルのストリート・ビューがすごく役に立ちました。絵コンテ、美術ボードと照らし合わせて探し歩くと、目印になる建物が、ちゃんと見つかるという。
試写には行かなかったので、映画の内容については、ノーコメントです。
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『マイマイ新子と千年の魔法』、川崎チネチッタでは12月4日11日まで。でも、音響がよろしくないそうなので、ぜひ、新宿ピカデリーまで足をのばしてください。
それと、公式サイトの情報を見ると、年末から来年にかけて、上映の始まる地方(静岡、宮城、山形、岡山、鳥取、愛媛)があります。まだまだ、これから!
僕には、『マイマイ新子~』を理解し切れてない、という自信がある。では、何に共鳴しているのかというと、多分、この映画が「そう簡単には、分からせないぞ」と、見るたびに姿を変えるような、ロックン・ロールな部分を持っているからだと思う。絵も物語も、発掘すればするほど、新たな問題が提起される。
冒頭近く、新子の後ろを舞っていた蝶が、貴伊子の方へ飛んでいく……と思っていた。ところが、よく見ると、蝶は最初から2羽いた。映画のラストカットで、また2羽に戻る……と思っていたら、貴伊子が三田尻駅を出た直後にも、2羽いる。これ、どういう意味だろう?とかね。
しかも、2羽の蝶は、例の直角に曲がった千年前の川べりから出てくる。エンドタイトルで、蝶が飛ぶ背景も考え合わせると、そこに、もう一本の膨大な物語が隠されているように思えてならない。
この映画のために、アニメや映画、物語や世界に対する認識が揺らいでしまい、かなり戸惑っている。でも、安定するよりは転がっていたい体質の僕には、いいことだと思う。
12月6日の文学フリマのイベントは、深読みしたい人に向けた、かなり面白いトークになる様子。もう、抜け出せないね。この映画からは。
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あちこちで『マイマイ新子~』の感想を読んだけど、「今日だけは、山口弁で」って、ぜんぶ山口弁で書いてあるブログが最高だった。
山口弁は、カッコいい。福田麻由子が教えてくれた。
あと、親子連れやオバチャンと、マニアが一緒に楽しめるアニメって、すごく貴重だと思うよ。そういう時間、空間を楽しむためにも、映画館で見て欲しい。
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コメント
はじめまして。マイマイ新子、川崎で観ました。
なんかもうすべての理屈が頭から抜けて飛んでいくぐらい良かったです。
技術と考証を積み重ねロジカルに演出や絵を作っているのに、
それがこちらの感情や感性を揺さぶる結果になっているのが面白い。
川崎シネチッタは上映館が3番に変わったそうで、音響よかったですよ。
日曜、半分ぐらいの入りでした。
投稿: クリハラ | 2009年12月 7日 (月) 06時59分
■クリハラ様
はじめまして。コメント、誠にありがとうございます。
もはや、どなたかが『マイマイ新子』のことを書いてくださるだけで、目頭が熱くなります。
おっしゃることは、とても良く分かりますし、あの何とも形容しがたい心地よさを、こうして他の方と共有できているのは、なんとも不思議な気持ちです。
徹底的に現実的な作り方をしているのに、どういうわけか遠いところに連れて行かれるような感覚、見た人になら、分かりますよね。
>川崎シネチッタは上映館が3番に変わったそうで、音響よかったですよ。
>日曜、半分ぐらいの入りでした。
スクリーンを変えて続映とは聞いていたのですが、音響が良くなって、よかったです(せっかく教えていただいたので、記事を直しておきます)。お客さんも結構はいっていたんですね。何より嬉しいです。
もう、ずーっと『マイマイ新子』のことを考えてるんです。
投稿: 廣田恵介 | 2009年12月 7日 (月) 08時00分