■11月のメモ「時祭組、予告」■
アニマックスで『赤毛のアン』を見ていたら、マシュウのヒゲが色パカしていた。あと、マリラのお腹がBG組(机に隠れるラインで、お腹を区切って描く)だったけど、話すたびに、ぶよぶよ動いていた。
僕には、そういう計算外のノイズが、すべて「表現」に見える。プリントに失敗したのか、カットごとに色が違っていたりするけど、その揺らぎに世界とか人間の実在感があるような気がする。
『マイマイ新子と千年の魔法』の初日、友人が言っていた「昔のアニメみたいだ」というのは、そういうノイズのことだと思っている。
WEBアニメスタイルの【artwork】『マイマイ新子と千年の魔法』を見ていると、「こんな実験的なこと、よくやるな」と感服する一方、「失敗したらどうするんだろう」というヒヤヒヤ感もある。実際、『マイマイ新子~』には、意図的にノイズを忍ばせてある(色パカを混ぜてあるとか、そういう意味ではなくね)。
それが、「温かみ」として受容されるのだと思う。
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『鉄腕バーディー:02』の騒動の時にも、似たようなことを書いたけど……
伊達に、「昔のアニメの方が良かった」と言ってるんじゃないんだ。僕が、雑誌にアニメの記事を書きはじめた10年前、「この道で書いていくなら、せめて勉強しなくては」と、昔のアニメを見まくった。『バーディー:02』の時は、みんな去年~今年のアニメばかり引き合いにだすもんだから、話がかみ合うわけがない。
昔のアニメを、ノスタルジアだけで見られるはずが、ないんだよ。過去を知らないと先のことも分からないから、遡って見るのであって。自分の勉強法は、自分でしか見つけられない。誰かに言われずとも、自ずと始めるもんだと思う。
『化物語』が売れてるけど、尾石達也さんは俺より若いのに、俺の生まれる前の映画を、ごく当たり前に見てますからね。過去の蓄積を知らずに、新しいものなんか作れっこない、という好例ですね。
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『マイマイ新子~』の感想は、あまりアニメを見てない人のが面白い。『マイマイ新子~』を劇場で見た直後、別件で会った先輩に、強引にオススメしたとか。その気持ち、すごく分かる。
「良作だけど、興行的にはどうなの」とか言ってる暇があったら、周りにどんどん薦めればいい。価値を認める、とは、そういうことだと思う。
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さて。『メガゾーン23』の同人誌『フェスティバル・タイムズ』をコツコツと出し続ける【時祭組】、冬コミに参加します!新刊は、板野一郎監督ロング・インタビューが圧巻。載せてもいいものかどうか、意見を求められたけど、「商業誌じゃないんだから、自粛する必要ナシ。このまま行くべき!」と答えたよ。
板野監督のほかに、石黒昇さんのミニ・インタビュー、梅津泰臣さんインタビュー、そしてプロアマ混在のイラストやエッセイが、多数。
詳細は、いずれまた……今号は、今までで一番、スゴイです。裏表紙の写真とか、もう絶対あり得ない。これ、ホントに売るのかよ(笑)。
廣田同人誌も、ラストスパートに入っていますが、【時祭組】の卓では販売しません。ついでに買ってくれる人もいるだろうけど、それはちょっと図々しい気がするので。
その代わり、1月10日のスーパーフェスティバルの僕のブースでは、【時祭組】の同人誌も売ります。だから、コミケで買い逃しても大丈夫。スーフェスでは、『亜空間漂流ガルダス』のDVDも売ります。それは、僕が優しい、イイ人だからです。
というか、得たいの知れない俺の同人誌だけ置いてあって、一冊も売れなかったら、イヤじゃない……。
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明日は、試写会です。しかし、午前中からというのはキツイなー。
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