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2009年10月25日 (日)

■マイマイ新子、母校で4回目■

某作に、ガッチリくらいついてなきゃいけない時期に、『マイマイ新子と千年の魔法』に浮気。
0085_1_00039何しろ、改築された母校で、監督自らの講演ですからね。何より、試写会に行かなくても、また『マイマイ新子~』が見られる……水沢奈子の貴伊子の声が聞ける。
監督自らつくったキービジュアルが、すごく妖艶なので「欲しい」を連発していたら、いただけることになりました。
講演後、氷川竜介さんもいらっしゃったので、関係者でダラ~ッと雑談していたら、「ちょっと飲みに行こうか」という監督の一声で、駅前の飲み屋に。
ちなみに、上映中は携帯の音ひとつ鳴らず、学生のマナーは、そこいらの試写会より上でした。日芸も、捨てたもんじゃない。


今回で『マイマイ新子~』は4回目だけど、まだまだ発見がある。
気がついてはいたんだけど、例えば、ドアノブをキャラがつかむ。その時、ドアノブはセル。ところが、次カットでは、セルだったはずのドアノブが、背景として描かれている。質感が、ぜんぜん違う。というか、あえて変えている。
昔だったら、崩れそうな岩は、最初からセル描きだったでしょ。その違和感が実は、商業アニメならではのアイデンティティだったんじゃないかと思う。「皆さん、今から、この岩が崩れますのでヨロシク」という予定調和なんだけど、分かってても楽しかったでしょ。制作者と僕らが、イタズラするみたいに「シーッ、黙ってれば分からないよ」みたいな関係だったと思う。僕らとアニメの距離が、近かった。

0263_3_00051今なら、開くドアなんて、CGで整合性を保つでしょ。『マイマイ新子~』は逆を行っている。整合性を無視するところが過激だし、フェティッシュ。セルで描かれたブックエンドが、背景扱いの本を挟んでいるカットがあって、その美しさたるや……息をのむ。
他にも「?」と思うシーンがあったので、監督に聞いてみたら、氷川さんとダブルで解説されて、やけに密度の濃い返答になって、幸せな夜だった。

あと、福田麻由子の演技が、このアニメの「芝居の基礎」をつくっていて、水沢奈子がどんどん追いついていくのが、素晴らしい。この年齢、この時期でないと出せない声だ。
それで、俺は帰りに『シャーロットのおくりもの』を借りて帰りましたよ。日本語吹き替えが、福田麻由子だからね。

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コメント

ドリフの温泉コントで、崩れるセットの岩が思い切り目立ってたのが可笑しくて笑ってたなあ . . 思い出す。
それとは違うけどね

投稿: ごんちゃん | 2009年10月25日 (日) 21時08分

■ごんちゃん様
いやいや、書かれてくやしいけど、まさにドリフのコントだよ。

「見なかったことにしようよ、騙されてやろうよ」って、エンターテイメントに接する態度としては、かなり健全だと思う。今は、あら探しのために映画を見るような人が多い。

その「崩れるセットの岩」を、すごく好きだったじゃない、僕らは。「ネタバレの美学」があったと思うんだよ。

投稿: 廣田恵介 | 2009年10月25日 (日) 23時41分

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