■アヤナミより多く「ありがとう」と言えた一日■
日曜日はコミケ。とりあえず三冊目が出せるぐらいは売れたそうで、お買い上げくださった皆様、ありがとうございました。
売り場には、色々な方に訪れていただいたが、僕はブースの外でお客さんの相手をしなくてはならないので、十分にお話できず、ずいぶんな失礼をしてしまった。
初対面では、『モスピーダ』好きでもないのに長年愛読しているYacologさんに、お会いできた。驚いたのは、宮武一貴さんが声をかけて下さったこと。『ガブリエル』イベントで最前列に座っていたという、時祭組の組長の顔を覚えていたようだ。僕らみたいな無名の若造に、おおらかに話しかけてくれる宮武さんは、器がでかい。
以前、Vシネマの撮影現場で、毎日、タレントの方たちを送迎していたことを思い出した。緊張する余裕もなく、ずっと話しつづけなければならない。『エヴァ破』以降、どこか不安定な精神状態だったが、コミケ最終日で、なぜかストンと落ち着くことが出来た。
ああ……分かった。綾波より多く、一日に何十回も「ありがとうございます」と言ったせいだな(笑)。キモイと思うかも知れないが、マジにそう思う。
そんなキモい廣田の個人誌も、ニギニギと制作中です。
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『化物語』の、戦場ヶ原の部屋は、大島渚の『絞死刑』じゃないかと思っていたのだが、見当はずれかな。しかし、実写でやったら噴飯物の演出を、アニメで成功させているのは上手い。逆を言うと、実写に置き換えても、容易に成立するような演出を、避けている。
例えば、芝居の流れとは関係なく、八九寺の表情がインサートされる。いわばそれは、彼女の内面の表情だ。実写では、内面の変化を俳優の演技で見せるんだが、アニメではそこまで表現できない、というのが『化物語』の見解なのだろう。
活字のインサートについては、あの文字が「どこに在るのか」ってことだよね。『エヴァ』で「松代第2実験場」とかスーパーが出たら、その文字は間違いなく「物語の内部」にある。逆に、『化物語』の文字って、物語すべてを包含している気がする。活字で語り足りない部分を、映像で表現している。だから、「赤齣」や「黒齣」は、句読点だったり、改行だったりするんだろうな。
(「黒齣」=「クロコマ」は、文字通り、フィルムの中の「黒いコマ」のこと。本来は真っ黒な絵になるはずだが、このアニメでは演出指示をそのまま文字化しているわけだ)
今回は「時間経過」ってコマもあったか(笑)。普通、風景や何かをポンと入れるところだけど、文字で事足りるなら、絵にする必要ないってことだろう。
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来週は取材ウイークとなりそうで、ひさびさに女優さんにインタビューできるので、楽しみ。グレイス・パークの時は、通訳を介してたけど、今回は日本語だしね。
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