■女の子と一緒に行って、失敗した映画■
アニメージュ オリジナル Vol.4 本日発売
●夏を描く技 part 2 『崖の上のポニョ』
●夏を描く技 part 3 『夏のあらし!』
この2本が並ぶというのも、何だかすごいですけど、どちらも近藤和久さん(作画監督)のインタビュー、新房昭之さん(監督)と大沼心さん(シリーズディレクター)のインタビューが、そんなに多くはありませんが、載っています。
●「映画」をつくり、つくり終える、ということ。
『空の境界』公開直前ということで、岩上敦宏プロデューサーと近藤光プロデューサー、それぞれ別々のインタビューです。いかにもufotableらしい、無駄に豪華なカットが楽しいです。
●尾石達也の演出
8ページにわたるインタビューです。もちろん、『化物語』中心ではあるのですが、オープニングの仕事も、ちゃんと網羅してますからね。誰がバラしたのか知りませんが、ご本人に私のブログの存在が知られており、『101匹わんちゃん』のマシントレスの話題で盛り上がったりしました。
●作家・河森正治の足あと 第三回
私が京都まで旅行したのは、キャバクラ目的ではなく、このページのためだったのです。これぐらい取材しないと、説得力が出ませんから。
以上を担当しましたが、インタビューは記事の「裏づけ」として必要だったから入れたのであって、基本的には「ややメイキング寄り」の企画の方が、多いはずです。やっぱり、「これを聞きたい」「こういう記事にしたい」という確信を持って取材しないと、インタビューって穴埋めみたいになってしまう。もうひとつ、インタビューすると、原稿チェックの名のもとに、根底から別の意図をもった文章に書き換えられてしまうリスクが生じます。
まだまだ理想には遠いのですが、「アニメージュ オリジナル」、頑張っていますから、よろしくお願いいたします。
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一昨日は藤津亮太氏と、飲みながら雑談する連載の収録日であった。途中で編集者も加わり、「女の子と一緒に行って、失敗した映画」の話題になり、これがすげえ面白かった。
僕は、『王立宇宙軍』の3回目を、女の子と観に行った。上野公園のボートの上で、「コンピューターのことを電子頭脳って呼ぶ、そういう世界なんだぜ!」と一人で盛り上がって、「?」という顔をされたのを、よく覚えている。それでも強引に観に行ったのだから、たいした度胸だ。
あとは、『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』に行ったとき、上映が始まるまでの間、『新たなる希望』と『帝国の逆襲』のあらすじを、10分ぐらいかけて、一気に説明した。映画が終わったあと、「それで、“ジェダイ”って結局、なに?」と聞かれて、一言も答えられなかったことも、忘れられない。
(↑『帝国の逆襲』を絶賛する庵野さんはカッコいいのう)
その後、『グレムリン』『ブレードランナー』とつづき、「どうして、こういう映画ばかりなの? もっと普通の映画が見たい」と言われたんだっけな。
大学は映画の大学だったから、今度は、相手の方が詳しかったりするんだ。「『ホテル・ニューハンプシャー』が好き。ああいうのを、映画っていうのよ! あなた、映画をなめてるんじゃない?」と言われて、呆然としたっけ。その頃から、だんだん知恵をつけて、「絶対に外さない映画」「インテリっぽい映画」「通っぽい映画」と、狙いをしぼっていく。……実に、つまらんよなあ。
やっぱり、「コンピューターを電子頭脳と呼ぶ、そういう世界観なんだよ!」と力説している方が、絶対に正しいよ。あの時の俺を、今の俺は否定できないもん。
アイドル時代の工藤夕貴のファンクラブに入ってみたりもしたけど、そういう10代の頃の恥ずかしい選択って、絶対に正しい。今、あれこれ迷ったすえに選びとるものより、絶対に「己」に近いものを選んでる。
余談だが、いま、工藤夕貴って、すごい美人になってるんだなー! 画像検索して、腰を抜かした。17年ぶりに出演した邦画『春よこい』、TSUTAYAにあるかな? やっぱり、10代の頃に好きだったものに、ハズレはないってことだな!
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夕方寝てたら、同人誌に協力してもらう予定の編集者から電話があり、「今晩、どうですか?」と言うので、居酒屋→居酒屋→キャバで、朝まで。
どうして、『エヴァ破』に、マリなんていうお邪魔なキャラクターが必要なのか、えんえん聞かされたけど、あれを思い出した。『バーチャロン』二作目で、「アジム」という理不尽なほど強いキャラが加わったんだけど、プロデューサー曰く「アジムのような、ゲームをしっちゃかめっちゃかにしてくれる存在は、絶対に必要」と。そうじゃなきゃ、「二作目なんだ」という、強い押し出しにならない。
おそらく、人生にも「アジム」のような、ルールを無視したような存在が必要なんだろうね。
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