■40代からのモビルスーツ入門■
EX大衆 8月号 15日発売予定
●小倉優子 グラビアポエム執筆
「裏テーマ」のないポエムは、難しいです。
小倉優子なので、もう『クレープのマミ』で行くか、と思って、原宿、アイドル、クレープでまとめました。「コクのある甘さで40年が経ち、通ごのみのサッパリ感で50年、シナモンがふわりと香って64年。昭和が終わった。」――こんな感じ。
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例の1/1、やっと見て来た。「でかいガンプラ」と言ってる人もいたけど、それも分からないでもない。
なんでかって言うと、初期ガンプラと悪戦苦闘していた人と、最近のキットをパチ組みしている人とでは、評価が違う気がするから。僕は、1/100のオモチャ・キットにハンブロールで色を塗って、航空機のデカールを貼っていた中学生だった。企画・事業としては素晴らしいんだけど、俺らのモビルスーツ幻想は、そう簡単には、消えてくれない。
(←俺的ベストアングル。これぞ巨大ロボ)
ようは、初期のガンプラをいじっていた人は、「こう塗れば、もう本物だろう」とか「こういうディテール入れれば、文句は出まい」って、自分の中のモビルスーツ幻想を、納得させようとする意志を持っていた。つまり、理想があったのよ。
富野監督がグレメカDX5で言ってた「とりあえず、ザク5機!」 あれが本音なんだよね。モデラーとしては。
今回は、不特定多数に「ガンダムだ」「本物みたいだ」と思わせる試みだったから、意図は成功したと思う。しかし、それ以上に、俺らの中に植えつけられた巨大ロボ幻想に、カタをつけてくれなかったことに、むしろ感謝した。巨大ロボ幻想といえば、『ガンヘッド』の1/1もそうだったね。
「やっぱり、巨大ロボってのはウソなんだよ」って、死ぬまで、そう思っていたい。だから、模型をつくるのが楽しい。模型というのは、「実現不能」をカタチにしたものだから。美少女フィギュアも、「不在」をカタチにしたものでしょ。何度も何度も挫折するから、ずっと作っていられるの。
「ないもの」を「あるかのように幻視する」のが模型なら、今回の1/1も最大公約数的な大衆模型。だから、「でかいガンプラ」と言われるのも、間違ってはいないし、もっともっと模型を作りたくなったよ。アンサーではなく、メルクマールだったことが嬉しかったな。
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先日告知した『メガゾーン23』同人誌とは別に、廣田の個人誌(というか、商業誌で出来ない本)も、ゆるゆる進んでます。(←これ、いいでしょう? でも、もっといい絵が来たからね)
普段、俺、仕事では萌えとかやってないと思うんだけど(たまにメガミマガジンに書いてますけど)、この本では、たぶん「オタクのセクシュアリティ」みたいなものがテーマになります。ちょっとしか、刷らないけど。
で、例のパンプラ(パンツのモールドしてあるプラモ)も、新たに資料を集めているところです。写真も、すべて撮り下ろしになります。カラー印刷だとお金もかかるだろうし、しばらくキャバクラ自粛……マジで、そうしないとな。
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本日のティンカー・ベル。セガのプライズで、「HGフイギュア Ver.2」。未開封。やっぱり、日本人の造形だね。ちなみに、箱の4面にティンクの絵が刷ってあるんだが、これがどれも可愛い。パッケージで買ったようなもんだね。
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コメント
>>アンサーではなく、メルクマールだったことが嬉しかったな。
御意!!!!!!!!
投稿: まえおか | 2009年7月15日 (水) 15時33分
■まえおか様
ああ、ご覧になりました?
まあ、あまり本気で作られると、デザイン自体変えないと……って話でもありますしね。
しかし、こうやって見ると、ガンヘッドの方が実用性があるように見えますね。
投稿: 廣田恵介 | 2009年7月16日 (木) 07時22分
お、15分くらい時間ある!!!
雑文になると思うです。すまんです。
即座に、144倍にしてもこうはならんだろうという気持ちになった反面、
でも、60倍にするとこれはこれでこうなるのか?という気持ちにもなった。
元は「線」のものが、こうして立体になり、「面」として捉えられると、それまでのイマジネーションの世界でのことが具現化されるとともに、何か落胆に近い気持ちも出てくる。
144倍、100倍、72倍、60倍、30倍…と面としての情報が、自分の中では整理、許容されていると思っていただけに、なんだろこの感覚は?と。
富士で「寝てるやつ」を見た時も同じ感覚。
てか寝てるし。
松戸の「半身」のは「つくりもの感」がラブホの装飾や某ランドアトラクのエントランスの置物みたいで、そもそもスケール感を感じることもなかったかも。
タミヤ1/20のF1キットを本気で作り込んでいた時期、鈴鹿のパドックで初めてF1マシンを間近で見た時、案外デカいんだなと思った。
「等倍」のものをスケールダウンしたものに、「等倍」以上のリアリティを求め、そのための工作を施そうと思うのがスケールモデルなのだと思うんだけど、
ことお台場でつっ立ってる奴って、逆の道順ですよね。
スケールダウンではなく
スケールアップしていってあそこに立ったと。
>>アンサーではなく、メルクマールだったことが嬉しかったな。
だから御意!!!!!!!!なのです。
えっとぉ、こないだバルキリーの特集をしているMG誌のバックナンバーをつらつら眺めていて、そしたらマクロスという作品についての解説を、それは限られた文字数で見事に書いてるなあという文に出会った訳です。
そしたらすごいね。
これ、廣田さんの文に似てるなあと思ったのよ。まじで。
で、文の最初のところ見たらやっぱそうだった。
これ、すごいね。
投稿: まえおか | 2009年7月20日 (月) 12時43分
■まえおか様
あのMG誌の文章は、一晩で書いたんです。「いつものブログのノリで」って(笑)。でも、まえおかさんに読んでもらえて、嬉しいです。
>「等倍」のものをスケールダウンしたものに、
>「等倍」以上のリアリティを求め、
>そのための工作を施そうと思うのがスケールモデルなのだと思うんだけど、
>ことお台場でつっ立ってる奴って、逆の道順ですよね。
見事に、あの物体の立ち位置の曖昧さを言い当ててると思います。「だって、小さなガンプラがこれだけリアルなんだから、サイズが大きければ出来るはずだよ」って、設計者は油断していたはずなんです。
ガンプラの面のとり方、線の処理の仕方、すべて忘れるべきだったんですよ。
でも、ガンプラが社会に流布しちゃってるから、その方法論を流用したほうが早いし、反対意見も「でかいガンプラ」って程度だろうし、そもそもイベント品だから、いいよね、これで、と。
だから、スケールモデル作ったことのない人の意見って「でかい」「本物みたい」と素直ですね。ガンダム史のメルクマールとしての役割は果たしたから、いいじゃないかって結論なのです。
記事本文に書けなかったんですが、第1話でアムロが「こ、これが、ジオンのザクか!」って驚くでしょう。あの時のアムロの気持ちって、「でかい」「こわい」とか言うより「本物は違うんだな」って感慨だと思うんですよ。肉眼でザクを初めて見て「案外、テカテカしてるんだな」とか「意外と、装甲は薄そうだな」とか、そこまで含めて驚いたはずなんです。
そういう感慨は、お台場にはなかった。またモビルスーツの模型(必ずしもガンプラって意味でなく)を、今後10年20年、ずっと作ってみるか!って結論なのです。
ちなみに1/1ガンヘッド、「こいつが米空母の甲板に置いてあったら、ソ連は腰を抜かすぜ」とスタッフは話していたそうで、そういう感覚って大事ですね。
投稿: 廣田恵介 | 2009年7月20日 (月) 15時45分