■あぜ道ロードにセクシー姉ちゃん■
新幹線で3時間、私鉄で2時間、さらに歩いて1時間のところにある畑を取材してきた。
詳しくは、本になった時に書くとして……とにかく、田んぼと畑以外、本当に何もないところ。不安になり、先日、プチ同窓会で再会したY子さんにメールしたら、ちゃんと返事がきた。ちょっと、元気が出た。
黒田硫黄の『茄子』に、田舎に引きこもって、畑をやっている大学教授が出てくるが、あれはファンタジーだ。こういう場所は、もっと、「生活がむき出し」だと思った。
そして、こうして興味半分、仕事半分でヘンピなところへ旅したりして、ついでに、その土地土地の夜街を見て歩くのは、なんだか無縁ではないような気がしてきた。
宿は京都駅前にとったのだが、繁華街までは20分ほど歩かなければならない。
まず、四条の中華料理屋風居酒屋で、作戦を練る。携帯で調べると、河原町という辺りに風俗街があることが分かり、ちょっと時間は早いが、回ってみる。左手に高瀬川という小さな川が流れ、粋な飲み屋が軒を連ねている。こういう場所なら、同伴やアフターも風情のあるものになりそうだ。
さて、無料案内所で「この時間から営業している店、ない?」と聞くと、「京都に来たら、まずこの店でしょう」と、三条まで歩かされる。噴水とシャンデリアがある、ゴージャスな店内。俺はキャバクラに、そういうものは求めてないので、1セットで席を立つ。
二軒目は、インテリアに何の工夫もしてない、閑散とした店。「これこれ。こういう雰囲気が、たまらんのよ」と、さびれたキャバの味わいを、嬢に説明する。京都の子は美人だし、何といっても奥ゆかしさがある。あと、キャバドレスが地味でよろしい。
三軒目。なぜか、黒服が男ではなく、スーツ姿の韓国人女性。ちょっと、意図が分からない。衣装もインテリアも、シンプルでいいじゃないか。噴水なんて、いらないよ。
だけど、高瀬川に沿って風雅な飲み屋が並び、ちっちゃな橋なんかがかかってて、その反対側が、一大キャバクラ街……いいよねえ。テーマパークみたいだよね。
歌舞伎町にあるような、黒いオーラがないんだよな。去年の沖縄・那覇なんて、犯罪臭がプンプンしてたものな……。
那覇は店が悪すぎたのかも知れないが、こういう店舗には、その街に堆積したムードが、吹きだまるのだと思う。
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旅行前に見た、映画のことなど。
パワードスーツ物として期待していた『アイアンマン』。やっぱり、子供向けマンガ映画だった。昔は、そういう映画でも楽しめたんだけどなあ。
BS世界のドキュメンタリー、『忘れられた内戦~ソマリア・明日をさがす子供たち~』。西原理恵子の「貧困と暴力は仲良し」という言葉を、思い出した。国の中で戦争をしているのではなく、戦争の中に国が存在している。
同『イラン 大統領への手紙』。どんな形であれ、政治が手に届く距離にあるのは、幸福なことだと思う。
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メモ。次回更新では、『海物語』のアニメ化について、ちょっと書きたい。『海物語』と言えば、京都のパチンコ屋は地味だった。
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コメント
「授業料」はいかがでしたか?けっこう高くついたのではないかと存じます。|||-_||| サダコ
センセ、同じ値段で、タイなら「涙」がついてきますぜ!空港まで見送ってくれて、別れ際にワッと泣き出すという演出付き。。。
日本のキャバ嬢の涙なんか、いくら積めば見れるんでしょうか。。。
あぁ、女の涙なんて何年見ていないんだろうか(^◎^)バブー
投稿: きゃてぃーなかぢま | 2009年6月11日 (木) 23時47分
■きゃてぃーなかぢま様
いえ、3軒ハシゴして、3万以内に収めましたから、まあまあ、普通の金額かと。
>同じ値段で、タイなら「涙」がついてきますぜ!
なるほど~。しかし、僕は「情」は、あまり求めてないかも知れません。いや、行ってみないと分かりませんけどね……。
夜遊びは、夜遊びで徹底する。そして、それと正反対の場所(今回の場合、畑)へ、汗水たらして行く。その二重構造が、旅のお楽しみという気がします。
投稿: 廣田恵介 | 2009年6月12日 (金) 00時27分
セクシー姉ちゃんがらみで。
一昨日TVBrosを買いました。
一応TV番組表がメインの雑誌ですが、
トンがったコラム・記事もあるので毎号買ってます。
表紙で遊ぶことがあるのでパッとみて気づかないことがあります。油断できません。
今回の表紙はセクシー姉ちゃんでした。どこのキャバクラのお姉さんかと。
誰だ?と思って確認したら仲里依紗でした。
コンビニ寄ったついで見てみるとニヤリとできますよ。新連載のコラムもあります。
投稿: DH98 | 2009年6月12日 (金) 13時12分
■DH98様
「TVBros」を見るためだけに、本屋へ行ってきました。やっぱり、こういう驚きは雑誌ならではですね。
仲は、もう「引き返せない道」へ入っているので、何をやっても面白いです。怪作『ちーちゃんは悠久の向こう』、いまだに繰り返し見ている『渋谷区円山町』の頃は「可愛い女子高生」と設定されていたのですが、今はもう……(笑)
ちなみに、「あぜ道ロードにセクシーねえちゃん」は、高野文子さんの短編漫画のタイトルだったりします。
投稿: 廣田恵介 | 2009年6月12日 (金) 17時34分
> なるほど~。しかし、僕は「情」は、あまり求めてないかも知れません。
> いや、行ってみないと分かりませんけどね……。
まあ、実際わたしもあんまり情は求めてませんでしたが、あまりの強烈さに負けまして(笑)。
さすが、「交渉能力」だけで、白人の国々の支配から逃れた国だけのことはあるな、と。
投稿: きゃてぃーなかぢま | 2009年6月13日 (土) 02時28分
■きゃてぃーなかぢま様
まあ、あの手この手で、支配や戦後処理を逃れてきた国ですからね(笑)。
投稿: 廣田恵介 | 2009年6月13日 (土) 02時37分