■人生を、ポケットに入る分だけ持って行く■
TSUTAYA半額デー。おそるおそる、『ピーターパン2 ネバーランドの秘密』を借りてくる。まあ、OVAですね。これを劇場公開するほど、ディズニーも落ちちゃいません。(追記:アメリカではOVAですが、日本では02年に劇場公開されたとか……コメント欄、参照)ストーリーは、前作とは比較にならないほど整合性があり、無駄なくまとまっている。でも、俺はストーリーではなく、ティンカー・ベルを見るために借りたんだけど。映像面では、第二次大戦下のロンドン上空で、フック船長の海賊船とイギリス空軍機がすれ違うシーンに、センス・オブ・ワンダーを感じた(『リーンの翼』といい勝負)。
さて、今回のティンカー・ベルは、専属のアニメーターもついていないようだ。それでも、マーク・デイヴィスの原画を参照したような仕草が、随所に見られて、ちょっと嬉しかった。反面、そうではない完全オリジナルの芝居は、やっぱり弱いんだよなあ。根拠がない、というか。旧作の時、女優の演じた参考用フィルムがいかに重要だったか、よく分かる。←削除シーンより、クリンナップまで終わっているカット。戦前からそうだったのだが、原画マンが原画を描き、動画マンが中割りをする。それ以外に「クリンナップ」という「第二原画」に近い役職があった。あと、撮影は2コマ打ちが基本と聞いた。思ったよりずっと、今の日本のアニメの作画フローに近かったのだ。偏見捨てて、見て欲しいね……もちろん、旧作の『ピーターパン』の方ね!
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キャバ友達から呼び出され、またしても夜の巷へ。
キャバクラという場で、圧倒的に不幸になることはない。圧倒的に幸福になることもない。酔いが覚めれば、プラマイゼロになるところが、良くもあり空しくもあり。
僕は最近、手相師だとか霊媒師だとか名乗って、嬢をからかうことがあるが、そんなもん、詐欺罪に問われないでしょ。誰も本気じゃない。客は、自分の人生を、ポケットに入る分だけ持って行く。嬢は、名刺一枚分だけ、自分の人生を上乗せする。ただ、それだけの場所。
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『ピーターパン2』以外に借りてきたDVDは『不都合な真実』、『闇の子供たち』。後者、日本ユニセフ協会が支援しているためか、宮崎あおいがアグネス・チャンに見えて仕方なかった。阪本順治は、どんな女優でも色っぽく撮る天才だったのに、この映画ではインポテンツにでもかかったのだろう。女優、監督ともにイメージダウン。
凄いのは、タイのボランティア・スタッフが清掃車の運手席に乗り込み、「降りろ! 俺たちはボランティアだ!」と怒鳴るシーン。お前らは、FBIかっての。
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メモ。プラモデル・メーカーのプラッツのブログによると、メビウスモデルが『ギャラクティカ』のバイパー Mk-Ⅱをキット化する模様。
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以前に「まず、無理でしょう」と断られた方に、インタビューできることになった。
やはり、幸福は追うと逃げてしまう。あきらめた頃、無くし物のように、突然見つかる……とか書いてると、また逃げていってしまうかな。
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コメント
ところがぎっちょん。
ピーターパン2は日本では劇場公開されて、そこそこヒットしてるのですよ。
(さすがに本国はヴィデオオンリーかな?)
ピーターパンの興行力は強い、ってことでしょうね。
投稿: ぴょん太 | 2009年6月 2日 (火) 00時18分
■ぴょん太様
あ、それで吹き替え陣が、やけに豪華なのかあ。迂闊でした。迂闊な月曜日です。
日本でヒット→OVAの『ティンカー・ベル』も日本では劇場公開してしまえ、となったわけですね。
……なんか、ナメられとるなあ、と感じるのは俺だけでしょうか(笑)。
投稿: 廣田恵介 | 2009年6月 2日 (火) 00時27分
闇の~は観に行って後半に行くに従い意図的な何かを感じてありゃーとなって帰って、ネットでフィルターかけたらいくらなんでも臓器用に子供売買しないよとか日本ユニセフやらなんやらキナ臭いなおい!てな感じになったので感想とか諸々どこにも書きませんでした。
フィクションの部分で追い込んで掲げた主題と違う物を見せて一方的な善を押し付けて終わりってあーた。
投稿: てぃるとろん | 2009年6月 2日 (火) 00時34分
■てぃるとろん様
日本人と白人は、全員、変態で鬼畜で加害者(ボランティアの宮崎あおいと、正義に目覚めた妻夫木聡以外)。なんか、罰ゲームで撮らされたんですか、というぐらい奇怪な映画でしたね。
見ているうちに「マッチポンプ」という言葉が、自然に頭をよぎりました。
今後、実話を装った映画には、気をつけないといけませんね……。
投稿: 廣田恵介 | 2009年6月 2日 (火) 00時56分
■廣田様
あれは余程その手の情報に精通している人間じゃなければコロッと洗脳されちまいますよ…。
女性であればなおさらで、かつ、宣伝は女性向けの社会的で泣ける映画を装ってるから性質が悪い…。
投稿: てぃるとろん | 2009年6月 2日 (火) 01時40分
■てぃるとろん様
この映画を批判したら、「じゃあ、お前らはタイの子供たちがどうなってもいいのか」という反論が成り立つような構造になっている。
それが、この映画の最も嫌らしいところです。
投稿: 廣田恵介 | 2009年6月 2日 (火) 22時06分