■ティンク>モンロー■
『ピーター・パン』プラチナ・エディションのDVDが届いた。『ダンボ』、『バンビ』と揃ったから、これで一安心かな。あとは『眠れる森の美女』ぐらいか、手元に置いておきたいのは。
特典映像のティンカー・ベルのメイキングは、それほどマニアックな内容ではないんだけど、ナレーションがカッコいい。「ティンクのモデルは、マリリン・モンローだと言われていますが、モンローは当時、まだ無名でした」。なかなか、不敵なことをおっしゃる。「ティンク>モンロー」と思ってなければ、こんな発言は出ない。
ようは、全体が子供じみたこの映画の中で、ティンカー・ベルだけが大人の理屈で動いているから、魅力的なんだろうな。「なんで私が、こんなガキたちの相手を」って態度だものな、終始一貫。実際、ストーリーは幼稚すぎて、話にならない。ティンクだけ、物語世界の外側に立って、達観している。
子供のままでいたいピーター・パンとウェンディの仲を、唯一の大人であるティンカー・ベルが邪魔をする。そういう屈折した構造が透けて見えた時、ディズニー・アニメは急に面白くなってくる。けっこう、「ファミリー向け」の一言でくくってしまっているよね、みんな。
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ディズニーつながりで、メモ。
ウォルト・ディズニーは各界の著名人をスタジオに招いたそうだが、その中に幻覚剤メスカリンの研究で有名なオルダス・ハクスリーの名前があった!
まさか、『ダンボ』の幻覚シーンは、ハクスリーがスタジオに持ち込んだメスカリン(LSDと同じようなものです)の効能か?と色めきたったが、どうしても計算が合わない。ハクスリーがメスカリンの実験を始めたのは戦後だからな。
ただ、神秘主義に傾倒していたハクスリーを、なぜウォルトが招いたのかは、興味がある……「ただ、何となく」の可能性が強いが。
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『東のエデン』、第6話。「日本をニート大国にしよう」という発想は、妙に生々しいし、爽快だ(咲が、就活に失敗したエピソードが効いている)。
ただ、ニート大国になって本格的に経済が崩壊して、政治もへったくれもなくなるシミュレーションを、全11話(リアルタイムで進行するので、全11日)で見せてくれないことが最初から分かっているので、だから、話がこじんまりしてるのかなと思う。
携帯ひとつで人が殺せるギアス能力的設定も、なぜか、ストイックなんだよね。「俺も、あんな携帯が欲しい」とは、あんまり思えない……。もう一歩で街へ出られる、現実にタッチできるぞって思うんだけど、どうしても「アニメ」の領域に留まっている感じが、残念。
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