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2009年3月27日 (金)

■アニメは『恋空』を手に入れた■

番組改変期になり、深夜アニメが次々と最終回を迎えている。
天邪鬼な僕は、孤軍奮闘した『鉄腕バーディー:02』のラストに期待しているわけだが。

『とらドラ!』最終回は絶賛の嵐で、もう、一言でも悪口を書いたら訴えられそうな勢いだ。だけど、『とらドラ!』最終話を見た後、メールで告白したら恋が実った!←このジョークが、僕には分かるような気がする。現状肯定的な『とらドラ!』のラストを皮肉ったジョークだと思ったんだが……よく見てみたら、まるで『電車男』の再来かのようなマジレスの嵐。ブログの感想を読んでみても「泣いた」「きゅんとした」「恋愛っていいね」、後はキャラへの思い入れが切々と語られている。

こういうリアクション、どっかで見たような……と思ったら、『恋空』だ。新垣結衣主演の『恋空』映画版が公開されたときのターゲット層(10代~20代)の感想とそっくり。「ガッキー、可愛い!」と「くぎゅ、カワユス」は、たぶん同質のものですよ。
もちろん、『恋空』を見ていた層と『とらドラ!』に泣いた層は重ならないし、市場スケールも違うのだが、極めて近い受容のされ方だと思う。これは新しい現象だ。同じラノベ発でありながら『ハルヒ』のような、典型的なオタク向けマーチャンダイジングに落とし込まれてないのも新しい(ゲームは出るけど)。
この現象は、アニメがポピュラー化するためのステッピングボードかも知れない……と、気の早い僕はゾクゾクしている。


アニオタフォースのイベント「アニメの作画を語ろう」のレポートが刺激的だった。
以下引用「でもアニメーターに限らず、映画は10代の内に数見ておくといい。そして10年経ってからまた同じのを見るんだ。色々発見出来るから。」――まったく同感。みんな、何やかや理由をつけて、黒澤明すら見ようとしない。無理やり若い人にDVD貸すと、「で、この映画のどこを見たらいいんですか?」と聞かれるとか。そこまで説明しないとダメか。さらには「古い映画がいいなんて、懐古趣味」とまで言われちゃうので、不勉強な若者は放置するしかないと最近は思う。

かくいう俺も、「どうせ混んでるんでしょ」「ロフトプラスワンだと酒飲んじゃうから」とか言って、トークイベントに行かなかったりするので、もうちょっと行動しないと。とりあえず、藤津亮太さんと東海村原八さんのコレに行ってみようかと思ってる。

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コメント

こんにちは。別に悪口書いても訴えられるほどのことはないでしょう。意外ととらドラ!には醒めてみている人も私の観測範囲には多いですし。私自身は絶賛してブログにも書いたりしたんですが、アラフォーの友人同士で実況チャットしているときには「ありえねー」「テクニカルな恋空だな」といったツッコミを入れていました。
結局ノスタルジーを刺激してくれた点を高く評価はしましたけど。

投稿: 臨川庵 | 2009年3月27日 (金) 18時31分

■臨川庵さま
どうも、こんにちは。あちこちブログを見て回っていると「そこまで言うか?」というほどの高評価で、ちょっとビビってしまいますよ(笑)。

>結局ノスタルジーを刺激してくれた点を高く評価はしましたけど。

なるほど、年齢が高くなればなるほど、冷静な評価にならざるを得ませんよね。しかし、「テクニカルな恋空」ですか(笑)。見ているときは、そこまでは思わなかったんですけど、何だか今までのアニメの褒め方と感触が違ったんですよね。本編より、感想を読んでいるうちに「これは新しい現象が起きている」と思った次第です。

投稿: 廣田恵介 | 2009年3月27日 (金) 19時10分

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