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2009年3月 5日 (木)

■ファンの目を意識した瞬間に堕落がはじまる■

『バトルスター・ギャラクティカ』シーズン3、めでたく放映スタート。DVDの発売も決まっているし、どこの誰が仕掛けてくれたのかはわかりませんが、本当にこんな凄い、そして難しいドラマをまったく文句の出ない形で展開させてくれて、心から「ありがとう」と言いたい。
地上波の『GALACTICA/ギャラクティカ』も順調に放映中……なのはいいんだけど、ちゃんとエンディングまで見ていたら、また主題歌歌手が登場し、今度はグレイス・パークにインタビュー。意図が分かりません。CDを売りたいのは分かったから……というか、それが分かったらタイアップじゃねーよ。それとなく「いいなあ、CD買っちゃおうかな」と思わせるのがタイアップでしょ。関係者には申し訳ないけど、今回の主題歌は『ギャラクティカ』とは乖離しすぎです。
僕もタイアップ記事は書くけど、基本的に好きな作品の記事だから、作品尊重が第一です。こういうことは、現場にかかわっている人間が心がけていないとダメ。「しょせん、コンテンツ業界なんて、そんなもんだよね」と最初からあきらめてる業界人が多すぎ。

さて、怒りを抑えるために『ガンダムの常識』でもめくってみますか……今年30年を迎えたファースト・ガンダムだが、最近、このデザインが洗いざらしのシャツのように見える。
090305_0127000130年前のデザインが、いまだ現役で売れつづけているのはファンが保守的だからか? あるいは、『スター・ウォーズ』のミレニアム・ファルコン号の新製品トイがいまだに出るのはどういうことだろう? 単なる懐古趣味ですませられる事態だろうか。
どちらも70年代末に誕生したデザインだが、この頃はマーチャン・ダイジングのノウハウが貧弱だった。だから、作品力に頼って生きのびてきたのだと思う。ファースト・ガンダムなんて、実際の画面を見たら作画崩壊(笑)してるけど、とにかくお話に説得力があった。その後の作品は「……で、今度のガンダムはどんな形?」と話し合っているプロデューサーたちの顔が見えちゃう。富野監督の言葉を借りると(ファミリー劇場「月刊アニメージュTV」より)、「ガンダムと名前がつけば、半年なり一年なりのお仕事になってくれる」のが丸分かり。
コピーにコピーを重ねていたら、そりゃオリジナルには勝てないよね……と、ガンダムVer.2.0のプラモデルを組み立てながら思う。「昔のアニメって、あんなに面白かったのに」と、まっとうな勤め人になった友達が、よく嘆いている。そりゃあ、昔は「今期のDVD商戦を乗り切りましょう」なんてビジネスモデルじゃなかったからさ……。グレメカDXの板野一郎さんのインタビューにあるように、「ハイジは、牛乳よりカルピスの方がおいしいよとは言わなかった」。一社提供なのに、昔は潔いスポンサーもいたのだ。
「お仕事」してない、いい宣伝担当と組めば、タイアップ記事でも、すごく良いものになるよ。

今年はじめに『ピーターパン』を見て以来、折に触れてディズニー作品を見るようにしている。『白雪姫』の直後に『シンデレラ』を見たら、あまりに俗っぽい作風なのでピックリした。11113view001 『白雪姫』が1937年、『シンデレラ』が1950年の公開。実に13年もの隔たりがある。『ガンダム』に換算すると、ファースト・ガンダムの直後に『Vガンダム』を見たことになる……ちょっと、対比としては微妙か。
『白雪姫』の動きは優雅なんだけど、荒々しい原初的なエネルギーを感じる。でも、スタジオを維持しようとすれば、儲かる作品をつくらないといけない。『シンデレラ』の9年後に公開された『眠れる森の美女』はティンカー・ベルに命を吹き込んだマーク・デイヴィスの腕が冴え渡り、芸術性の高い作品なのだが、興行的には振るわなかったという。にぎやかしの動物キャラがいなかったせいかも知れない。

多分、ファンの目を意識した瞬間に堕落がはじまるんだ(って、これも「アニメージュTV」で富野監督が言ってたことに近い)。やっぱり、どこかで商魂を捨てないとあかん。

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