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2008年12月 9日 (火)

■ピコピコロボットの系譜■

80年代、ニッカのCMで「アポジーとペリジー」っていうロボットの出てくるやつがあったでしょ?


『WALL・E』を観てきたんだけど、映画館に貼られていたポスターは、「アポジーとペリジー」のCMを強く想起させた。そうでなくとも、ストーリー設定は80年代OVAそっくりですよ。管理社会の恐怖に、ロボット081208_18120001の反乱、地球再生計画……あの時代、日本のアニメは間違いなく世界で一番新しいことをやっていた(もちろん、ハリウッドのアイデアを貪欲にパクりながらね)。

『WALL・E』の企画の元は、『スター・ウォーズ』のR2-D2だそうだけど、むしろ更に遡って『サイレント・ランニング』のドローンたちを思い出したマニアな人も多いはず。そして、そのドローンたちの名前は、確かディズニー映画に由来しているはず。そういう余計な知識を引っ張りだすまでもなく、全体にリサイクル感の漂う映画だった。
ウォーリーがキャタピラを踏んばって、縦穴を登ってくるのは『ガンヘッド』だし(笑)。あとは、『ジュブナイル』に出てきたテトラを思い出したりした。『宇宙戦艦ヤマト』のアナライザー、『ガンダム』のハロ、『クラッシャージョウ』のドンゴとか、俺は、この手のマスコット系メカを「ピコピコロボ」って呼んでいる。えー……もちろん、バカにしてそう呼んでいるわけだけど(笑)、なんかこう、いかにも「さあ、人間ども! ボクのことを可愛がれ!」と言わんばかりのルックスが、イラッとくるんだよね。怒られると、ピコピコ声でぼやいたりしてさ。

俺、どうしても『攻殻機動隊』のタチコマが好きになれなかったんだけど、アイツらはピコピコロボなんだよね。いろいろ難しいセリフを口にしていたけど、最終的にルックスと声で「許してもらおう」って態度がなあ。
ピコピコロボのルーツは、おそらく『禁断の惑星』のロビーだと思うんだけど、あいつは頭もRobby_and_morpheus799179いいし、態度も紳士的な「大人ロボ」だったじゃないですか。さまざまなリフレクションを経て、『WALL・E』に至ったんだと思うけど、この映画にはロボット史というより、テクノロジー史が込められている。何しろ、ウォーリーがアタリの「PONG」で遊んでいるシーンがあるぐらいだ。ゲームやコンピュータに詳しい人なら、その手の小ネタはいっぱい拾えると思う。それこそ、エンドクレジットに至るまで。

さて、冒頭のアポジーとペリジーは、なぜ「許せる」のか? 81年にスペースシャトルが打ち上げられ、85年に科学万博が開催された。時代を反映していたんだよ、彼らピコピコロボが。何しろ、子供向けではなく、ウイスキーのCMだしね。
そして80年代後半、アニメからもピコピコロボは姿を消していく。科学が星目がちに眺められていた時代は、実はあの頃に終わっていたのだ。

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コメント

とりあえず、
WALL・Eのデザインは「ショート・サーキット」のナンバーファイブのパクリだと思いました。
と書いておきます。

投稿: DH98 | 2008年12月 9日 (火) 09時04分

■DH98様
ナンバー5でしたっけ。
僕、あの映画、見たことないんです(笑)。
さすがにデザインはウォーリーの方が洗練されてると思いますけどね。

投稿: 廣田恵介 | 2008年12月 9日 (火) 14時25分

なんとも一方的なコメントしてしまいました。申し訳ありません。
WALL・Eの宣伝とかを見るたびに、
「ショート・サーキットだろ」
が頭のなかに蓄積されていまして。
ともあれ『WALL・E』は機会があればみようかと。
廣田さんのエントリー読んでると、その作品見たくなるんですよ。
その後、
「そうだ廣田さんはプロのライターさんだったんだ。洗脳されてしまった。」
と気付くんです。
p.s
『うた魂♪』見ました。楽しい作品。満足満足、でした。

投稿: DH98 | 2008年12月 9日 (火) 15時38分

■DH98様
『うた魂♪』は絶対いいですよね。どう考えても素晴らしい映画。夏帆、最高。

『WALL・E』は、どうもわざとありきたりなストーリー設定にしているフシがあります。見たあとに「一杯くわされたんじゃないか?」「何か見落としてないか?」という疑念がよぎるんですよ。

投稿: 廣田恵介 | 2008年12月 9日 (火) 16時26分

動画のバックに流れていた曲 ユーミンの不思議な体験…ボイジャーというアルバムに入っていたもので タイトル曲のボイジャー自体ソノアルバムに入っていないという…そのかわり当時の邦画さよならジュピターの主題歌としてシングル発売された

80年代万歳ですよね…

コンテンツ自体80年代半ばより現在まで進化が遅いような
自分がハイティーンだった80年代前半の頃が一番めまぐるしく変化していたような感じもする

80年代後半はとにかく 和洋問わずコンテンツ文化が貧弱に感じられた

2000年以降技術革新がめまぐるしく奇跡といいたい
結局 バブル崩壊の頃は停滞していたあらゆる意味で世の中は…

投稿: hideaki | 2008年12月10日 (水) 23時31分

■hideaki様
思い出しました。「ボイジャー」、貸しレコード屋で借りた記憶があります。あの頃のことは、一言でもヒントがもらえると、どんどん思い出しますね。

>自分がハイティーンだった80年代前半の頃
>が一番めまぐるしく変化していたような感じもする

あの勢いは何だったんだろう、と今でも思います。コンテンツというかエンターテイメントの全ジャンルが、一晩もすると、もう別の進化を遂げていましたよね。
しかも、それぞれクオリティが高かったと思います。先取の精神がありました。

80年代も半ばを過ぎると、粗製乱造やリサイクル感が漂ってきましたね。『Zガンダム』が始まった85年ごろから、いろんなものが劣化していきました。その後、バブルがはじけて現在に至る……という感じです。

投稿: 廣田恵介 | 2008年12月11日 (木) 01時38分

なんか引っ掛かってることがあるんだけど、自分でWALL・E見てから言うことにします。

古いエントリーにコメントしても怒らないでね♪

投稿: てぃるとろん | 2008年12月12日 (金) 01時50分

■てぃるとろん様
何事も、自分で見てから発言した方がいいかと思います。

『ポニョ』のとき、「見るつもりはありませんが」と言いながら批判している人が多くて、唖然としたものです。

投稿: 廣田恵介 | 2008年12月12日 (金) 10時12分

やーっと今日観てきました。

あのピコピコ的なタレ目具合とか首のかしげ方とかがイラッとくるんですね。わかります。映画のジャンルが「ファンタジー」になっているので、これはSFではないのだと割り切ってしまって楽しみました。なんでたかが22世紀のお掃除ロボットにあんな複雑な心があるんだとか、考えない考えない。

素晴らしく美しかった、前半の滅びの世界パートをもっとみたかったなあ。あの摩天楼といったら!
自分でパーツを取り替えるところがカッコよかった。なにしろ代えはいっぱいあるんだから。帰宅して玄関で「脱ぐ」ところもよかったなぁ。
とりあえず、劇場であと2回くらい観たいです。

映画館を出るときに後ろのカップルの男が、「ウォーリーってさぁ、お掃除ロボットなんだね!」って言ってたのでものすごくずっこけました。

投稿: シモレンジャー7 | 2008年12月14日 (日) 23時17分

■シモレンジャー7様
コメントありがとうございます。日本語吹き替えでした? 僕は吉祥寺で観たので、日本語版でした。

>あのピコピコ的なタレ目具合とか首のかし
>げ方とかがイラッとくるんですね。わかります。

いえ、ウォーリー自体は機能美と擬人化のバランスもよく、演技も洗練されていたと思います。何か、イラッとさせるトリガーがピコピコロボにはあると思うんですよ。
ウォーリーは、うまいことイライラ感を避けていたところが、逆に物足りなかったです(笑)。やっぱり、ピクサーはセンスいいんですよ、くやしいことに。

>映画館を出るときに後ろのカップルの男が~

ああ……今の観客って、そんなもんだと思いますよ。

投稿: 廣田恵介 | 2008年12月15日 (月) 00時45分

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