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2008年12月 5日 (金)

■12/30 東ホール ぺ-42a■

最後に同人誌に寄稿したのは、ライターになる直前のことだった。今回は、きっかり10年ぶりのコミケ参加だ(「アクエリオン公式同人誌」は、公式なので同人誌ではないような……)。
524791847_68←これがイメージ写真……何のアニメの同人誌か、分かる人には分かるよね? 「時祭」って時点で。参加者はプロアマ混在で、プロの中には大ベテランの方もいらっしゃるので、なかなかナメられない本になっていると思う。

この本の成立過程は、まるで文化祭の屋台が出来上がっていくように楽しかった。メーカーチェックも入らなければ、どこかの宣伝をしているわけでもない。作り手の売名でもない。でも、着々と屋台が組みあがっていく。組みあがっては壊し、また別の人が入ってきてクギを打っている。そして、ギャラも受け取らずに去っていく。
この10年、僕のやりたいことの中には、常に交換条件があった。「○○について書きたい。ついては、△△の宣伝もしますよ」といった具合だ。それが身に染みついてしまっていた。徹頭徹尾、そのプロの事情とやらで一冊の本が出来上がってしまう場合すらあるのだ。
やっぱり、「飛び出す絵本」をつくるつもりで、本をつくらないとダメなんだ! 愛がないなら、やめちまえ!
……と、この同人誌には頬を張られた気分。一冊1,000円、オールカラーです。

最近、ちょっと愕然とした話をもうひとつ。
「私、リン・ミンメイのセル画を塗ったことがあるんです」という方と知り合った。アニメ業界とは縁もゆかりもない人なので「?」となったが、「ミンメイには、影が二色あった」と言うんだから、本物でしょう。「渦巻きみたいな影」と言うんだから、間違いないでしょう。
セル画彩色はその人のお母さんの内職で、当時まだ小学生だった彼女は、ちょこっと塗らせてもらっていたらしい。出来上がったセルは、ちゃんとタツノコプロに届けて(笑)、自作の棚や机が、ほったて小屋みたいな作業場に置いてあったという。
これはもう、俺の中では『ALWAYS 三丁目の夕日』ですよ。見たこともない風景なのに、懐かしいという。

俺がセルを見たのは、サンライズに入る直前。放映直前の『エスカフローネ』のカット袋で、あれこれと説明受けた時。確か『犬夜叉』のセル画も「セルを使うのは、これが最後」とか言われて見せてもらったから、もうとっくに90年代か。
081204_21320001(←93年発行、匿名のアニメーターの自伝。イヤな意味で実感にあふれた一冊。現在でも入手可)
だから、同じセルに触れるにしても、内職の手伝いでスタジオまで届けに行ったのと「お仕事」で見たのとでは、まるで体感レベルが違うわけだ。

……自分の中で何が抜け落ちているか、だんだん分かってきましたよ。結局、自分の蓄積した「ノウハウ」なんて弾撃ったあとの薬莢なんだよ。薬莢は足元に落ちるが、弾は飛んでいって帰ってこない。必要なのは、常に新しい弾丸なんだ。

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