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2008年11月13日 (木)

■モケイを作らなくなったらオシマイだぜ■

『バトルスター・ギャラクティカ』シーズン2に関しては、先にサンプルで全話を見ていたので、特に急いで見る必要はなかった。
しかし、昨夜放映の第22話『ブラックバード』(原題:Flight of the Phoenix)は、一本原稿を終わらせて、「朝までもう一本、がんばろう」という時に、喝を入れるために見た。

乗組員のストレスがピークに達したギャラクティカ艦内で、整備班長のチロルが、一人で戦闘機を作りはじめる。「これは、自分で模型を作ったことのある人間なら絶対に共感するぞ」と、初見のとき思った。周囲から「こりゃ、絶対に完成しないね」と言われるような自作模型を作ったことがあるだろうか。けっこう大きな経験だと思う。
Sgmdx06sgmdx06tv_bga02_t2209_0004これまで失う一方だった『ギャラクティカ』という物語が、創造に向けて舵を切るのが、この第22話だ。チロルは、戦闘機を自作しつづける動機を苦渋の思いで語る。「僕には、この戦闘機と仕事以外、もう何も残っちゃいないんです……」。
自分をクリエイターだと思ったことは一度もないが、このセリフには心の底から共感する。――余談だが、何かにつけてクリエイターと口にする奴は信用しないことにしている――。しかし、成果物でしか認められたくない、という意地なら、よく分かるのだ。仕事の結果以外で信用を勝ちとりたいとも思わない。

さて、チロルの無謀な挑戦に、艦内の人々は次々と手を貸しはじめる。完成した戦闘機には、ローラという愛称が与えられる。ローラ・ロズリン大統領の名前だ。この時、ロズリン大統領は余命数週間の末期がん。だから、このエピソードの題名は「Flight of the Phoenix(不死鳥の飛翔)」という。作り手の祈りが込められているのだ。

「解っていると思うが……人間、モケイを作らなくなったらオシマイだぜ」。これは、『山根公利 メカ図鑑』に掲載されている、柿沼秀樹さんの言葉だ。
山ほど原稿があろうとも、仕事なんてのは、熱心に手を動かしていれば必ず終わるものなのだ。仕事とは別に、自分だけの「モケイ」を作りつづけなくてはならない。そういうことだと思う。

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コメント

>仕事の結果以外で信用を勝ちとりたいとも思わない。
同意。
私の場合、辞めた職場から「アルバイトしないか?」と声かけてもらってます。
仕事を教えなくて済むというのもありますが。
やる事はきちんとやっておくべきですね。

投稿: DH98 | 2008年11月14日 (金) 19時37分

■DH98様
すぐにクリエイターと口にする奴は信用しない……と言いながら、自分で口にしてしまいました。心のどこかで意識しちゃってるんでしょうね。

「信用を得る」って大げさなようですけど、ようは次の仕事が来るか来ないか、ですよね。
「アイツはいい奴だから」なんて甘っちょろい理由で、仕事を頼まれたくないんです。僕は性格が悪いので、なおさらです。

投稿: 廣田恵介 | 2008年11月14日 (金) 20時05分

遅レスで申し訳有りません。
前にも廣田さんと「クリエイター」という呼称について話しましたよね。なにか良い言い方は無いかと。
自分もこそばゆくて使いたくない言葉です。
日本語の方がいいかと「表現者」と自分はすることもありますが廣田さんは納得しておられないご様子でしたね(笑)。なにか良い言葉が見つかると良いですね。

ネットで簡単に自分の作品が大勢の人に見てもらえるご時世ですから模型も「自分のための〜」と自信を持って言えなくなりましたが作る時の模型との1対1の関係は忘れたくないですね。

投稿: ハム船長 | 2008年12月 5日 (金) 05時27分

■ハム船長さま
僕は、ある人から「私たちはクリエイターだから、一般の人とはモノの見方が違う」と特権階級のような言われ方をされて、それ以来、気になるようになったんです。
言葉が必要以上に神聖化(あるいは俗化)されているような気がして……。「デザイナー」と言うと、ちゃんと具体性がありますよね。

>作る時の模型との1対1の関係

傍から見たら、「何を無駄なことを」と言われかねない関係であり、時間ですよね。僕はいつでも衝動的に作り出せるように、粘土を常に買い置きしてあります。

投稿: 廣田恵介 | 2008年12月 5日 (金) 11時59分

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