■深夜早朝3本立て■
さて、ようやく寝る時間が出来たと思って横になったら、1時間で目が覚めてしまった。しょうがないから、録り溜めてあった映画を見はじめる。オールナイト3本立てである。
こんなんだったら、昨夜、『斬~KILL~』の試写会に行っとくんだった。
まず、麻生久美子めあてで録ってあった『怪談』。呪いがらみで死ぬ女は計3人で、麻生久美子は三番目。だから、最後まで見られたのかも知れない。麻生がよければ、AOK(オールオーケー)だよ。
次は『さよならみどりちゃん』。古厩智之監督が、星野真里に惚れこんでいるのは、良く分かった。星野にべったりくっついて、泣かせて脱がせて歌わせる。でも、それじゃダメなんだよな……難しいんだな、女優を撮るのって。なんか、勉強になった。山下敦弘ぐらい、むっつりスケベでちょうどいいんじゃないだろうか。
ただ、こじんまりした飲み屋街は、いい雰囲気だった。スナックがあって居酒屋もあって、その代わり他には何もない。あとは、徹夜で町を走った星野真里が見る早朝の風景。うっすらと夜が明けてるのに、あちこちに街灯がついている。俺が酔った頭で何度も見てきた、一生で最も馴染み深い風景だ。
三本目は、『大阪物語』。市川準監督が亡くなって以来、「なんとかして見ておかねば」と思っていたうちの一本(なぜかDVD化されていない)。前半が田中裕子と沢田研二の夫婦漫才、夫婦の話メイン。消耗する一方のダメ親父、沢田に感情移入してしまう。
後半、ばっさり髪を切った池脇千鶴が、失踪した父親の沢田研二を探して、大阪を徘徊する。ぶらつく、つぶやく、疲れる。池脇が自転車に乗ると、真心ブラザーズの「ENDLESS SUMMER NUDE」が流れはじめる。
この時、池脇千鶴、18歳。なのに、中学生役が犯罪的なまでにハマっている。劇中にも出てきたけど、「おっちゃんと、お茶でも飲まへんか?」という気分だ。眼福。汗べっとりで苦しそうに寝ているさまを撮るあたりに、市川監督のスケベ目線を感じて、AOK(すべて良し)。
脚本は、犬童一心。よく出来た脚本だ。この5年後、犬童監督は池脇主演で『ジョゼと虎と魚たち』を撮る。どちからというと、『ジョゼ』は池脇の生んだ作品であって、犬童監督は分娩室で立ち会った程度ではないだろうか。同じ池脇・犬童コンビの『金髪の草原』を見れば、もっとよく分かるかも知れない。
あ、『金髪の草原』は大島弓子原作だ。それが犬童監督の『グーグーだって猫である』に連鎖するのか。『グーグー』は徹頭徹尾、小泉今日子の映画だったからな。やっぱり、映画は女優が生むものだ。監督は立ち会うことぐらいしか出来ない。男しか出ない映画? 俺は、そんなものは見ない!
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