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2008年10月19日 (日)

■深夜のファミレスで■

六本木で開催中の第21回東京国際映画祭にて「ビジョンクリエーター 河森正治の世界」、プレスではなく、一観客として入場。
081019_13550001お知り合いが何人か来場していて、「EX大衆に『ゼーガペイン』のこと載せてくれて、ありがとう」と言われて、 ちょっと感激。「スパロボに参戦させてあげてください」とお願いしておいた。

さて、大スクリーンで『KENjIの春』鑑賞。やっぱり、この作品こそ演出家・河森正治のデビュー作だと思う。地面を割って天に昇っていく機関車は、アポロ・ロケットの打ち上げだったのか。なるほどなるほど。
そのあとのトークショーは、今までインタビューと深夜のファミレスでうかがった話を1時間に濃縮した感じ。取材映像をまとめて膨大に見られたのが、今回は大きな収穫だった。
それで、つい先日、例によって深夜のファミレスで聞いたばかりの『マクロスF』のヒミツをあっさり語っていたのに、ちょっと驚いた。『マクロスF』の「フロンティア」は西部開拓時代のフロンティア(定義はWikiなどに載っています)。ようするに、バジュラの母星を資本主義のカタマリとなった人類が征服する話だったわけだ。ビルラー氏が野心を語るとき、蒸気機関車が出てくるシーンで気がつくべきだった。
僕は、『マクロスF』の後半の展開が、いかに見るのが辛かったかも(深夜のファミレスで)訴えたんだけど、それは人類を決して肯定的に描いていないからだったのね(もっと具体的に聞いたんだけど、公の場の発言ではないので、ここには書きません)。
……このプロットに、学園と三角関係は入らないよ。でも、ようやく納得できた。

トークショーのあとは、驚きの新作(映像作品なのか、プロモ展開なのかは不明)の上映。081019_18420001 NIKEのスニーカーを履いたロボットが、実景の東京を走り回って、バスケットをしている。オタク文化と切り離されたロボット、見たかったんだよな。河森さんはデザインだけの参加だろうか?
(←帰りに配布されたステッカー)

河森正治は、脱オタク・クリエイターだと思う。二度のアメリカ旅行と中国旅行が、彼を「創作的メカオタ」から「作家」へと脱却させたんだ。
そんな挿話を初めて知ったのは、1997年発行の「Newtype mk.Ⅱ」掲載のインタビューだった。その2年後、僕は深夜のファミレスでほぼ同じ話を聞くことになる。
『KENjIの春』は、誰にも見えない世界を夢想しつづける河森正治の自画像だね。だから、宮澤賢治の一生ではなく「半生」、現在進行形で終わっているんだ。

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コメント

やはり良いイベントだったみたいですね。
行きたかったなぁ。。。
残念。
家に一日中居てふてくされてましたw

リンク先を見たけど動画が2種しか無くて内容が全く不明でした。
何が始まるのかさえ分からないです。

投稿: ギムレット | 2008年10月20日 (月) 01時00分

■ギムレット様
以下のサイトの動画には、ロボットの全身像が出てます。
http://www.tiff-jp.net/report/daily.php?itemid=695
……でも、分かんないですよね。上映された2分ぐらいの映像は、ちゃんと「作品」として完成されたものでした。ただ、それが何であるのかの説明は、まったくなかったです。

>家に一日中居てふてくされてましたw

知り合いのライターさんは「完売だって聞いたけど、当日券あったんですよ」と言っていました。うーむ。情報が徹底されてない。
それとは別に、こうして作品がヒットすると、今まで関係なかった企業や人が絡んでくるんですよね。それでも、僕みたいな馬の骨と話してくれる河森さんは、なんて優しいんだろう……と心から感謝しているんです。
いつか、河森さんとギムレットさんと話しこむような夜が来るかも知れませんよ?

投稿: 廣田恵介 | 2008年10月20日 (月) 01時24分

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