■プチ・天元突破■
機動戦士ガンダムの常識 続・一年戦争編 発売中
●30本ほど記事執筆
一巻目が、増刷につぐ増刷で記録的な売れ行きになったそうで、予定通りに二巻目刊行。前巻と同じく、裏話とか初期設定とかガンプラとかの話を中心にやりました。やっぱり、かなり読者の視線を意識してクールにならないと、こういう本は書けません。
さて、今月もグラビア・ポエムを無事に納品したのだが、ちょっと嬉しいことがあった。WEBラジオ・談話室オヤカタに出たとき、「こんなもん、当のグラビア・アイドルたちは読まないですよ」と言ったと思うが、ちゃんと読んでくれてる人がいた! リンク貼るのもおこがまいような気がするけど、相沢真紀さんのブログに「グラビアページに載っていたポエム的な文章がかなりツボだった」と書いてあった(笑)。
これはちょっとねぇ……プチ・天元突破ですよ。俺の顔も名前も知らない方、しかも美を武器にしているアイドルが、文章だけ読んで「要チェック」とまで書いてくれている。読みようによっては、「ひょっとして、これは笑われている…のか?」という気がしなくもないけど、けっこういいはずだよ、このポエムは。レオ・セイヤーの『タキシード・ボディ』を引用してるからね。全日空のCMソングですな。あれを聞くと「今日は、日曜日だ」って気分になるんだよな(リンク先に、全文出てます)。
以前に「廣田さんのポエム、女性編集者には評判いいよ」と聞かされてはいたんだけど、「文章だけ」でコネクトできるって、ヒョイと何かを越えた感覚になれる。このプチ・天元突破感だけは、自ら望んで書き続けた当人にしか分かるまい。いろいろやってみるもんだね。
さて、タイミングずれてしまったけど、この人の話題。別にインパクトもないし、怒りさえわかない。なんでかって言うと、こういう人には、今まで大勢会ってきたから。ダメ大人の典型すぎて、呆れもしない。経営者でも「やーめた」って人はいたし、そういう人は別に乞食になるわけじゃないんだ。今でも、のうのうと業界で生きている。リスクを背負ってないんですよ、逃げられる人って。経営者だけじゃなくて、フリーでやってる人間もそう。仕事中に失踪しても平気なんだよ。誰かが食わせてくれるようになってるから。
どんだけ無責任になろうが立場を放り出そうが、どうにかなるの。だから、ニートや引きこもりが成立する。無気力でも向上心なくても、餓死したりはしない。そういう意味では、日本は完成されたシステムだと思う。「国」じゃなくて「系」、つまり、仕組みでしかないんだよ。
この仕組みが維持できるなら、誰も義務や責任感は持たないよ。ましてや、理想なんか持つはずがない。理想という言葉を、ものすごく遠くに感じる。外国語みたいだよ。泣けてくるよね。
このブログらしく、フィクションからの引用で締める。「皆、疲れている。息をつく暇もない。 どこへ行ってもサイロンが後を追ってきて、逃げても逃げても、奴らが現れる。それでも我々は、自らに課せられた義務を果たさねばならんのだ!」(『ギャラクティカ』より)
こんな当たり前のことを言うドラマが、アメリカで大流行して、日本でマイナーな現状は何なのか。答えは簡単で、当事者意識がないんだよ。フィクションに癒し以外のものを求めてないんだ。
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コメント
グラビア・ポエムへのグラビア・アイドルのコメント、ほんとに「ちょっと嬉しい」ですか?
本当は「すげぇー嬉しい」でしょ?
廣田さんのポエムは思いが込められてるから。
それを感じるアイドルもいいセンスしてるよね。たまたま波長が合ったにしたとしてもさ。
投稿: DH98 | 2008年9月 4日 (木) 22時19分
■DH98様
いやー、照れますね(笑)。
編集者以外で目を通すのは、アイドルの事務所ぐらいだと思ってるんで、あとはファンが読んで不快に思わない、それを満たせば自由……こんなに自由に書けるジャンルって、他にないような気さえしますね。好きな言葉や音楽もモチーフに入れられますし。
>それを感じるアイドルもいいセンスしてるよね。
そう、アイドルも表現者ですからね。そこがやっぱり、いちばん嬉しかったですよ。僕は表現者ではないけれど、「ちゃんと届いた!」って感じです。
投稿: 廣田恵介 | 2008年9月 4日 (木) 23時12分