■アダマくんとタイ大佐■
本日は、WEBラジオ『談話室オヤカタ』の収録。そう、またしても二週連続で出演する。10/1と10/7に配信予定。谷村美月と永作博美について、とにかく語り倒してきた。もう、アニメ系ライターでも何でもねえ(笑)。
感激したのは、たつみんさんが、僕のグラビアポエムを朗読してくれたこと。グラビアポエムというのは、インスタントラーメンでいえば「かやく」みたいなもんですからね。こうして、人の声、しかも女性の声で読み上げられると、単なる「かやく」を越えて、何か別の側面が立ち上がってくる感じ。う~ん、「グラビアポエム詩集」を出したい。自分にかける恥は、すべてかき倒したい。
さて、『バトルスター・ギャラクティカ』のシーズン2が、先週から放映スタートした。
第一話では、アダマ艦長とタイ副艦長の出会いがフラッシュバックで描かれる。タイ副艦長の髪がフサフサしているところを見ると(笑)、10年以上、昔のシーンなのだろう。
ところが、この回想シーン、断片的すぎて何が起こっているのか、よく分からない。アダマは「コネを使って、艦隊に戻り、いつか自分の船をもってやる」と野心まんまんだ。ということは、叩き上げの軍人に見える彼も、艦隊から追放されるほどの挫折を、過去に経験しているということなのだろう。そんなアダマに対して、タイはすでにアル中になっており(笑)、さらに自殺願望まであった様子だ。彼を助け出したのは、一足先に艦隊に戻っていたアダマだった。
第一話の最後で、意識の戻らないアダマに、タイは語りかける。「俺に指揮官は無理だよ。俺を艦隊に戻したのは、失敗だったな」。
野心と情熱と勇断の人・アダマ艦長に対して、タイ副艦長は、常に後悔と自責の人である。『ギャラクティカ』には、ただのダメ人間は出てこない。宮崎駿風に言うと、「救いがたい大人は出さない」。
印象的なのは、『ギャラクティカ/序章』で、サイロン側の識別信号発信機が、ギャラクティカ艦内で見つかったとき。「敵の機械がしかけられているのに気づかず、ほっといたのか? 誰かが発見せねばならなかったのだ。特に、副艦長である俺がな」。
ここでも、タイ副艦長は部下を責めながら、同時に自分も責めている。人間は、他者との関係性の中でしか、自分を発見できないのだ。
他人との縁は、どこかで必ず生じてしまう。それは、とても残念なことだ……と、タイ副艦長は思っていて、だから酒を呑むのかも知れない。僕も「なかなか、完全に一人になるのは難しいな」などと思いながら、今年の残り三ヶ月で仕事をすることになる人たちの顔を、何人か思い浮かべるのである。
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コメント
先程やっとBSG14話を観ました。
まともな会社勤めをした事の無い自分ですが所帯を持って地域活動と関わりを持ってくると今更ながらダメ無責任大人がいかに多いか実感します。民が政治に文句を言う前に自分の責任を果たしているのか・・すみません、話が自分の事にそれましたが自責出来るだけでもタイは人として立派だと感じます。
でもシーズン2も面白くなりそうで今後が楽しみですね。
投稿: ハム船長 | 2008年9月28日 (日) 05時57分
■ハム船長さま
ご無沙汰してます。
実は、タイ副艦長はギャラクティカの危機を直感で救ったり、身を挺してアダマ艦長を守ったりしているんですよね。つまり、社会貢献しているわけで、だから許せるんでしょうね。
気持ちや行動が自分の方にしか向いてないと、たちまち人間は腐ってしまう。どこかで「他人のため」を意識しないと、どうしても歪みが出てしまうんだと思います。
シーズン1は話がわき道にそれていましたが、シーズン2は一直線の話なので、すごく熱いですよ。
投稿: 廣田恵介 | 2008年9月28日 (日) 08時22分