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2008年9月10日 (水)

■16歳に人生を教えられた■

16歳に人生を教えられた。昨日は、山下リオ主演『魔法遣いに大切なこと』試写。中原俊監督といえば、『櫻の園』(90年版の方)。あれに泣いたオヤジたちは、安心して観ていい。中原監督を信じなさい。
080909_18590001映画の公開は12月20日……つまり、アニメ版の放送終了後。出来れば、映画とアニメのラストは変えて欲しいなぁ……たとえ同じでも、アニメの方は小林治テイストでビターに終わると思うけど。アニメ版はムーンライダーズの『青空のマリー』まで歌わせてしまったからね。優等生な脚本に、斜めからビートが刻まれている感じ。映画は、まるで違う静謐な雰囲気。

映画って複合的な表現だから、長所短所いろいろあって当たり前。撮影が良くなくても、俳優の演技がカバーしているとか。人工的なCGが逆に効果的だったりとか。永作博美が、意表を突いて母親役だったりとか(トラクターを運転する姿がまた、妙に説得力あったりとか)。
でも、何よりストーリーがね……まさか、あんな終わり方をするとは。ほのぼの青春ものと思っていると、一本背負いを食らう。主人公たちは16歳だけど、ラストで人生のすべてを包み込むほどの巨大な話になる。主人公に父親のいない意味、田舎に住んでいた意味、魔法の意味、恋愛した意味、ぜんぶが繋がる。
具体的に書けなくてもどかしいが、初めてのチュウが人生のすべてを担っているんだよ。思い込みでやったチュウであっても、多分、一生に影響を及ぼす。いや、思い込みだからこそ、全人生をもっていかれてしまう。
人生は、10代がピーク。あとは、その残響でしかない。残響のつづいている間、ちょっとでもマシに生きねばならないのが、僕たち大人という生き物。

山下リオは、ファッションモデル出身のせいか「肉体」を意識させない女優だった。対して、080909_20000001我らの谷村美月は、相変わらず骨と肉を感じさせる人。DVDで『リアル鬼ごっこ』を見て、「この人は、やっぱり唇と足(特に、変に細いフトモモ)の人だ」と思った。
冒頭数分で、いきなり柄本明に胸触られてるんだけど、そういう普通の女優がオーケーしない役を谷村が背負ってくれてるわけだよね。だって、『おろち』なんて人間の役じゃないんだもん。谷村は正常な女子高生役なんて、2回ぐらいしかやってない(笑)。あとは、ゾンビ役とかさ。
『リアル鬼ごっこ』のラストなんて、「もう結構です、十分に楽しませていただきました。そんな格好、しなくていいです!」と土下座したくなるからね。谷村が頑張れば頑張るほど、僕の胸は痛む。どうやってお礼したらいいのか、僕はいつも考えている。

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