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2008年7月31日 (木)

■永作博美はキングギドラだ■

CSで『ニライカナイからの手紙』を放映していて、こんな単純な話なのになんで泣けるんだろうと思ったら、やっぱり蒼井優がすごい。蒼井優が沖縄の離島から東京に出てきて、オシャレとはいえないダウンコートで重いカメラの機材を抱えて、東京の雑踏に立っている。蒼井の細い体が、くっきりと「東京」という街のつれなさを表現している。
彼女はカメラマンになるための修行で東京に出てきたという設定だから、そこに過剰なエピソードはいらない。表情を見れば分かる。別に寂しそうな顔なんかしてない。なぜなら、次の仕事の段取りで頭がいっぱいだからだ。映画を見て、二言目に「説明不足」という人は、自分の経験とフィクションを寄り合わせることが出来ないんだと思う。

その蒼井優が、永作博美という化け物と対決せねばならない映画。それが『人のセックス080730_21280001を笑うな』。蒼井と永作の間で右往左往するのが松山ケンイチって……もはや『三大怪獣・地球最大の決戦』ですよ、俺にとっては。
まず、日常会話で笑わせるのがうまい。これは半分ぐらいアドリブだと思うのだが、役者同士の掛け合い、特に永作と松山のイチャつきっぷりは笑いっぱなし。「これ脱いだら、僕、裸じゃないですか」「オー、イエス」「だから、オーイエスじゃなくて!」
状況はセックスに向かってるのに、笑いが出るというのがリアル。あと、永作はセリフを笑いとか吐息の中で言うんだよな。これがまた生々しい。同じ永作でも『四つの嘘』なんてマンガ芝居は見てられない。今の日本のドラマってのは、ぜんぶマンガだから。
松山を自転車の後部座席に乗せる前、「おしっ」と気合い入れるのも良かった。好きな映画が「テロリストの出てくる映画」ってのもグー。真面目な意味のあるセリフなんてひとつもないのに、ちゃんと魅力的。しかも、ろくな死に方はしないって顔をしているのが、また素晴らしい。もうね、生まれ変わって永作博美になりたいぐらい。
で、後半は蒼井優が松山を落とそうとする。怪獣映画だね、やっぱり。それまで被っていたニットキャップを脱ぎ捨てて勝負に出る。バッと、初めて長い髪が広がる。しかし、やっぱり迫力では永作にはかなわない。何しろ、キスひとつで動揺するような役柄だから。だけど、面白いことに蒼井優はたった一人で、映画を一本ひっぱっていけるんだよな。永作はチームプレイに向いている。キングギドラ一匹では、映画はつくれないということだな。最低二匹はピンはれる対戦怪獣がいないと。それで、永作はテレビの出演が多いのかも知れない。

読売新聞を開いたら、『スカイ・クロラ』で使われた架空世界の読売新聞が実物大で刷られていた。
080730_16170001本当に読売の記者がつくったと自慢してるんだけど、「必至」を「必死」と書き間違えている。社は金を出したかも知れないけど、担当者は「たかがアニメ」と思って書いたんだろうね……。
今おもしろいアニメは、キッズステーションで再放送している『紅』。生きているというか、他のアニメと明らかにリズム感が違う。画面全体が呼吸している感じ。と思ったら、アフレコではなくプレスコでやってるのか。あと、レトロムードも含めて全体に趣味がいいね。
決め手はやっぱり、脇役のお姉ちゃんたち。映画もアニメも、やっぱり色気がないと話にならない。

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2008年7月28日 (月)

■アニメージュでキラッ☆■

アニメージュオリジナル 本日発売News080728_02

●なぜマクロスFはこんなにも面白いのか? 構成・執筆
●りょーちも、鉄腕バーディーを描く 構成・執筆

『マクロスF』は全24ページで、第12話のメイキングがメイン。特に「星間飛行」の振り付けの原画を、出来るだけ「多く」「大きく」載せてます。キラッ☆に関して、前にも後にもこれだけこだわった特集はないはず。何しろ編集に「キラッ☆が多すぎるのではないか」と止められたぐらい。
河森さん×吉野さんの対談は「最初はこんなつもりじゃなかった『マクロスF』」と題し、なるべく本音の部分を語っていただきました。『マクロスF』という作品に違和感のある方は、何となくヒントがつかめるのでは……。
080728_16070001_2 とにかく、メイキング記事であるけど、キラッ☆ですね。これでもう後悔はない。オリジナルのキラッ☆を堪能してください。サテライトさんの全面協力に感謝します。必見!
『バーディー』の方は、とにかく「りょーちもさんの絵を見たい、載せたい」一心でした。ラフスケッチのなかには「どこがバーディーなんだ」という絵もあるけど、絵として魅力的なら載せてしまおう、と。『ノエイン』以来の片思いですよ。有田シオンの原画もかわいいじゃないか、大きく載せようと(でも、りょーちもさんのインタビューの最後の方で句読点が消えたり、太字処理がなくなったりしてるんだけど……こういうの、全部ライターのせいにされるんだよなぁ)。

アニカンFREE VOL.58 配布中
●2008年夏、Production I.Gの攻勢
これは、元「押井塾」の黒澤亘さんと藤咲淳一さんの対談です。これは面白いですよ。特に『スカイ・クロラ』と『RD 潜脳調査室』のロケハンの規模の差とか(前者はポーランド、アイルランドに二週間、後者はサイパンに3泊4日)、普通はメーカーチェックで切られるようなところが、ちゃんと記事に残っている。特に、藤咲さんの話が最高に面白かった。

『アニメージュオリジナル』は、錚々たる執筆陣で濃くて濃くてしょうがない本だけど、僕は飽くまでチャラチャラ部隊というか、大人向け雑誌なのにキラッ☆だったり、そういう担当なんだと改めて思った。他誌の『ボトムズ』の特集でも、ココナの画像をなるべく載せたり……みんなが右を向いているとき、なるべく俺は左を向いていたい。
昨夜、アニマックスで『うる星やつら』の第一話を放映していたけど、ようはあれにガツンとやられた体験が『ガンダム』あたりより、よほど大きかったんじゃないかな。あの頃は『うる星』のサントラをエンドレスに流して、原作マンガを一日中読みふけるというアヘン中毒者のような生活をしてたから。だから、アキバの人たちがグッズ集めたりPCゲームに泣いたりする気持ちは、ぎりぎり分かる。『ポニョ』でも、宗介のママと人間化したポニョに色気を感じたし(さすが近藤勝也さん。カットは宮崎監督が全部手を入れてるけど、原画を仕上げるのは近藤さんだったそうです。作監だから当然といえばそうなんだけど)。

『マクロスF』12話は、今の陰謀話になる直前の一番ハッピーなエピソードだったんだよね。昨夜見直したら、プロットはご都合というか仕掛けが丸分かりなんだけど、作画と歌に賭けている。理屈じゃないんだ。あの幸福感を誌面にこめることが出来て、チャラチャラ部隊としてはミッション成功ですよ。本当に幸せな仕事だった。

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2008年7月24日 (木)

■下衆の勘繰り■

昨日の読売新聞・夕刊によると、父親を殺した中学生の長女が『ひぐらしのなく頃に』のコミ080724_00360001 ック版を読んでおり、埼玉県警が「長女が漫画の影響を受けていたかなど、事件を解明するカギとなるとみて詳しく調べる方針」だそうだ。もう、どこから突っ込んだらいいのか分からんのだが……とりあえず『ひぐらしのなく頃に』でニュース検索してみたら、「新作OVA『ひぐらしのなく頃に礼』がBlu-ray/DVDでリリース-全5巻で12月から発売。抱き枕カバー付きなど」なる記事がトップに来ていたので、一安心した。
未成年者による殺人事件に関連して、『ひぐらし』は何度か引き合いに出されている。うーん……フィクションに影響を受けないような人間は、最初からフィクションなんか見ないと思うんだよな。
フィクションは、人間の生理や嗜好や思想に影響を与えるもの。フィクションは、個人の人生を左右するもの。今さら埼玉県警が「詳しく調べる」までもない。フィクションとは、もともと危険性をはらんだものなのだ。
だから、この事件に関しても『ひぐらし』の影響がゼロだとは、とても言い切れない。ただし、表現の自由は守られなければならない。こんなことで『ひぐらし』のOVAが発売中止になるような国にしてはいかんのよ。
もうひとつ。容疑者が何を読んでいたか、何に傾倒していたか、ようするに他人のパンツの中を覗くような権利は新聞社にも警察にもない。作品と個人の関係は不可侵でなければならない。

僕はアメリカのスリラー映画『SAW2』を見て、あまりの残虐さに憎悪さえ感じた。しかし、それでもこの作品は、誰でも好きなときに見られる状態になければならない、と考えている。作品が、勝手に罪を犯すことはないからだ。あらゆる作品は、野に放たれていなくてはならない。どれほどグロテスクで、低俗で、下品で醜悪なものであっても。
ただ、作品と個人とが出会ったとき、そこに何が生じるかは誰にも予測はできない。ところが、それを予測して規制しようとする国会議員がいる。親殺しより、そっちの方が俺は怖ろしいんだがね……。

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2008年7月20日 (日)

■時かけの思い出は安酒の香り■

なぜか『時をかける少女』というアニメはキャバクラ嬢と因縁が深く、まず劇場公開時に歌舞080719_17510001伎町で知り合った嬢と観に行った。そのあと、「アニメNewTypeチャンネル」の記事を書くときに編集部からサンプル版DVDをもらい、別の店の嬢に渡した(その時の記事は、けっこうよく書けたと思う→こちら)。
どちらも、「もうこの店には来ない」と決めたとき、決まって『時かけ』が関与している。その「店に来ない」って理由も、単に金が続かないとか飽きたとか、その程度のもんなんだけど……多分、『時かけ』って映画には余白がある。俺は、その余白のなかに、夜の街の安酒と香水の匂いを溶かし込んだ。映画の思い出って、そうやって残っていくんだよ。
特に、歌舞伎町の嬢が「まだ、廣田さんには教えて欲しいことがいっぱいあるのに」と切れ切れに呟いた表情は、今でもはっきり覚えている。俺は泥酔していて、「この映画に、いろいろ教えてもらったろう」という意味のことを言ったはずだ。
しばらくして、その嬢から声優のオーディションを受けるとメールが来た。結果は聞いてない。結果は大事じゃない。何が正しかったかなんて、歳とらないと分からないもんだ。

閑話休題。近頃、何かとご縁のできた徳間書店から「月刊COMICリュウ」が届く。
080719_15540001と言っても、俺が何か書いたわけじゃない。池田憲章さんが「オヤカタ情報局」のページで、先日のラジオの内容を誌上にまとめてくださったのだ。もちろん、取材みたいな形で取り上げられるのは生まれて初めてなので、池田さんには感謝です。
それを読んで思ったけど、キャバクラで遊べて旅行に行けて、貯金も出来ているんだから、やっぱりライター業は正解だったと思う(成功じゃなく正解)。

昨夜の『時かけ』放映で、仲里依紗が顔出ししていたけど、いやはや丸くなったなぁ(『純喫茶磯辺』での仲も、かなりコロコロしているけど)。『時かけ』を「もう一度観たい」と思った最大の理由、それは谷村美月が出ているから。公開当時は谷村の名前さえ知らなかったからな。こうして見直すと、キャラの顔も当時の谷村に似ている。
「作品」、ことに「映画」とは出会ったり別れたり、再会できるところがいい。「人間」とは、なかなかそうはいかないからな。

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2008年7月15日 (火)

■久美子vs里依紗■

EX大衆 8月号 本日発売
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●愛ドルのリコーダー 由梨亜 ポエム執筆
●小倉優子 グラビアポエム執筆

リコーダーの方はもう7回目だから、ちょっと方向性を変えないと。小倉優子さんの方は、前に小倉さんが出たときの続きっぽい内容で。
池田憲章さんのラジオで喋った影響か、あちこちでグラビアポエムのこと聞かれるんだけど……先日、別件で双葉社に行ったら、「でもさ、こういのうは新入りの編集者が無理やり書かされるんだよね、ふつうは」。俺の前で言うなって。でも、まだまだ上手がいる。グラビアポエムの世界には。

シネマシティ立川のレイトショーに行く寂しさは、半端ではない。080714_22500001上映後は、それこそ数人の客しかいないし、駅までの歩道は人通りも少ない。この薄ら寒い雰囲気は、嫌いじゃないんだ。

昨夜観たのは『純喫茶磯辺』。もちろん、仲里依紗目当てで。
てっきり『かもめ食堂』みたいな路線かと思ったら、ギラギラした中年(それもバツイチ、キャバ好き)への応援歌になっていてビックリ。
麻生久美子が(中年男の)女への妄想を最高潮まで高めておいて、地面に叩き落す。鼻血は出すし、下ネタは言うし、性格破綻してるし……そして、最後にちょこっとだけ「女」の株を持ち上げる。でも、その持ち上がった部分は、主人公の宮迫博之には伝わらない(その辺り、シナリオが上手い)。何しろ、宮迫の麻生への態度が、キャバ嬢とじゃれ合うシーンとほとんど変わらないのが素晴らしいね。普通はいい芝居を入れてホロッとさせるもんだけど、ずーっと軽薄なまま。

でも、麻生も勝負に出たけど、この映画では仲里依紗に軍配が上がった。
憧れの男に幻滅してから(この映画は幻滅してばっかだな)、一気に一年ぐらい老ける。表情から声の出し方から、ぜんぶ変わる。それは演出やメイクもあるだろうけど、やっぱり17~18歳という肉体を、仲里依紗が持っているから。その歳でないと、女優は一本の映画の中で、ああも変われるはずがない。10代というのは、やっぱり凄い。
今年70歳のミッキー・カーチスが素晴らしい役をやっていたし、エンディングがCKBというのも納得の、オッサンのための映画だけどね。この世に女神はいないけど、いるつもりで頑張れ、と。

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2008年7月12日 (土)

■『ポニョ』と『ポニョ』以外のすべて■

アニメージュ 8月号 発売中
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●『崖の上のポニョ』インタビューまとめ×2本
ラジオ「談話室オヤカタ」で、「アニメ誌に書いたことがないライター」と面白がられていた私も、とうとうアニメージュに。と言っても、他の人が聞いたインタビューを、他の人がベタ起こししたものを文字数以内にまとめただけですけどね。献本がなかったら買うつもりだったので、送ってもらえてありがたい。

「――それほどまでのことをしなくてもよさそうなものなのに、あえてそんな工夫がしてあるような代物だからね。しかし、そんなものである以上、他のものでは有りようがなかったわけだ。」(稲垣足穂『放熱器』より)
『崖の上のポニョ』を見て以来、何となくこの辺りの言葉が頭を漂っていた。こうして書き出してみると、やっぱりちょっと違う。でも、「これ以外の方法では、もうつくることが出来ない」というレベルにまで来てしまった作品。
例えばテレビで『ゲド戦記』がやっていたけど、アレンが塔から落ちそうになるカット。「あと百通りぐらいの見せ方があるな」と僕でさえ思ってしまう。つまり、絞り込めてない。
うろおぼえで悪いけど、岡本太郎だったと思う。「色ではない色を塗れ、形ではない形をつくれ」、そういうレベルに『ポニョ』は達している。『トトロ』に「私たち、風になってる」というセリフがあったけど、『ポニョ』はそこをセリフにしない。いきなり視覚化している。
かっきりと、『ポニョ』と『ポニョ』以外の映画、という区分けが頭の中に出来てしまった。ひょっとしたら、意外に通好みの作品になっているのかも知れない。

『魔法遣いに大切なこと』、ますます良い。何たってムーンライダーズだ。「9月の海はクラゲの海」だ。アニメでこの曲が聞けるとは。キャラクターも、みんないい。井上麻里奈のキャラも期待通り。セリフ回しが良かった。
あとは大林宣彦『あした』。ちょっと昔の映画だが、女優を脱がす脱がす。古いほうの『転校生』でも、小林聡美を脱がしてましたけどさ。オッサン、脱がせすぎだろう。椎名亜衣という女優が良かった。映画初出演で、これといって必然性のないヌード。でも、顔が好き。ペ・ドゥナに通じる間抜け顔の美人。宝生舞も良かった。オッサン、嵐のように女優出す。原田知世まで容赦なく出す。もうちょっと、最近のオッサンの映画も見てみるか。
テレビドラマは『ギャラクティカ』以外は見ないたちだが、永作博美のために『四つの嘘』を見る。夜食がカップやきそばってのが不健康でいいね。永作は自分を捨てている。捨てることで、ますます永作になってしまう。そういう女優、表現者が好きだ。

『ポニョ』と『ポニョ』以外のすべて――という考え方をした時、ふっと押井守監督の『勝つために戦え!』の一節が思い出された。「人生にはルーティンすらない、原則もない。全てが例外なんだから。一人一人が違うというのはそのことを言ってるんだから。」
この考えに納得がいくから、俺は映画に点数をつけたり、順位をつけることに嫌悪を感じるのだな。

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2008年7月 8日 (火)

■ポニョで色気でキャバクラで■

『崖の上のポニョ』、試写会いってきた。
080708_18440001宮崎駿作品は『千と千尋』がよく分からず、『ハウル』に関しては「なんで細田守じゃないんだ」ぐらいしか記憶に残ってないのだが、今回はバッチリ。
とにかく、宮崎作品のいいところが集めてある感じ。『カリオストロ』っぽいところもあるよ。『トトロ』も、もちろん入ってるよ。果ては『雑想ノート』や『シュナの旅』あたりまで入っている。宮崎駿全部乗せ。例の空間フェチというか、ジオラマ感覚というか「ここは段になってるので、またがないと先に行けない」みたいな箱庭的な設定(これはレイアウトとは微妙に違うと思うんだよな)もあちこちに。でも、絵がサラッとしているので、胃にもたれない。

キャラデ・作監は近藤勝也さんなので、『魔女の宅急便』的な色気がある。主人公のお母080708_19300001 さんなんて、成長したキキだよ。キキが成長したら、ああいう性格になるような気がする。多分、30代前半ぐらいだと思うけど、ちゃんと色っぽい。もちろん、ポニョもね。
メカも出てくるし、メシはうまそうだし、とにかく楽しいよ。見たあと、海に行きたくなるし、腹が減るアニメだ。10日発売の「アニメージュ」にいくつかメインスタッフのインタビューが載るけど(俺も手伝ったのですが)、読まない方がいいかも知れない(笑)。来週公開だしね。

この夏のアニメは豊作だと思う。『バーディー』は有田シオンが可愛いし、『魔法遣いに大切なこと』は主演が花澤香菜だからな(演技が上手くなりすぎたけど、井上麻里奈も出るしな。『ゼーガペイン』好きには、ちょっとたまらん)。『ウルトラヴァイオレット』も、モノローグで身の上話をした後に、ちょっとしんみりしちゃうあたりがいい。なんか、風俗嬢みたいで。

風俗といえば、先週は都内でも滅多に行かない場所で飲んだので、ついうっかりキャバで080706_04070001 朝まで。かつてハマっていた頃は「夜の世界を存分に楽しむ」という感じだったが、先日は「とにかく、朝に来て欲しくない」って気分だった。夜と朝の境界線がイヤだ、というのかな。何がなんでも嬢を落としたい、という客は目標があるからいい。どんな遊びでも、目標を設定しないとダメなんだ、ということだな。遊びにも計画性が必要。

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2008年7月 5日 (土)

■バーディー、星間飛行でひだまり■

巻頭グラビアの木口亜矢の『鉄腕バーディー』コスプレ目当てで、駅の反対側のローソン080703_20190001 まで足を伸ばす。ヤンサン、一冊だけ売れ残っていた。
自分はグラビアポエムを仕事にしてはいるけど、「ユーザー」として買い求めたのは初めてだ。ユーザーとしては、やっぱり紙質が心配かな。すぐボロボロになりそうだ。
しかし、このコスチュームの出来は明らかに「お遊び」「キワモノ」を越えている。アップの写真の丁寧な裁縫には、美学すら感じる。「表現になっている」とでも言うのかなぁ。

で、『バーディー』関係と『マクロスF』関係の仕事が一段落したせいか、今度は『星間飛行』が欲しくてたまらなくなる。歩いて数分のTSUTAYAに特典ブロマイド付きで売ってた。昔、チエ・カジウラのアルバムを中古屋で買ったら、ピラッとなんか紙が出てきたことがあった。「?」と思って裏返してみると、ミレーヌの全裸のステッカー(セル画)だった……あれはなんか屈辱的だったな。TSUTAYAのお姉ちゃんが、必死にレジ裏に貼ってある「特典メモ」を何度も確認している。いや、特典目当てじゃないんすけど。
080703_23460001とりあえず、何も吉祥寺のアニメイトまで行かなくても、三鷹駅前で『バーディー』も『マクロス』も揃ってしまう。

今日、打ち合わせの時に「いやぁ、『星間飛行』買っちゃったよ」と話したら、別のライター氏が「僕なんて録画した12話を7回見て、店に買いに行く時間ももったいないから、ダウンロード販売で買いました」。音楽には詳しくないんだけど、80年代アイドル歌謡というか、オヤジ・キラーな曲なんだろうな。
中学生の頃の感覚で聞ける、というか。作詞の松本隆先生は、今年59歳。「けし粒の生命でも/私たち輝いてる/魂に銀河 雪崩れてく」……これは59歳でないと書けないよ。
オーディションでまめぐさんが選ばれて、松本隆の詞が乗って、やっと『マクロスF』は作品になれたと思う。この作品のテーマは「懐古趣味を肯定する」ってことだ。もちろん、それは自己言及のパラドックスへ陥る道でもある。それを恐れずにやったところが、新しい。

夏のアニメがぽつぽつ始まっているが、『ひだまりスケッチ』第二期が凄い。おいおい、これ最先端をいきすぎだろ!  どうしても、新房昭之×シャフト作品を見ると、ロベール・ブレッソンを思い出すんだけど……ピーター・グリーナウェイっぽくもある。特に、ガスメーターの数字やポスターの端に書かれた数字に、何か意味があるような気がしてしょうがない。構図の中にリズムがつくってある。さらに編集でリズムを刻む。そのセンスが、もう世界最先端。
この作品への評価は「アニメを見ているか、映像を見ているか」に左右されるだろう。

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