■次の曲がり角■
Virtual Walker 創刊2号 27日発売予定
●TV情報欄
●映画情報欄
後者は『スカイ・クロラ』レビューと、押井作品4本の紹介。TV情報欄には『鉄腕バーディー』の情報も書いたんだけど、これは編集氏の指示だったか自分で希望したのか、ちょっと覚えてない。来週試写だけど、どうなったかなぁ。
旅行中に録りだめしてあった『アクビガール』を見て、あいかわらずご都合主義でオチがないのに、やっぱり泣いてしまう。(←これが、沖縄で買った琉球アクビのステッカー。このパラダイス感が、アニメのイメージにフィットしていると思う)
なんでこんなに泣けるんだろう、と考えた。『アクビガール』で泣く僕の感性が優れているのではなく、『アクビガール』という作品が特に優れているわけでもなく、単に、僕と作品の「出会い」「関係」が素晴らしかったのだ、としか言いようがない。
作品に点数をつけたり、頭ごなしに酷評する人は、実は作品と出会ってすらいない。自分を完璧だと思っているので、作品と「関係」なんて築けるわけがない。欠落を認め合わなくては、作品を愛せないし、愛されない。
脚本が良くない、演出が最悪、音楽もセンスなし……えんえんと続く作品への酷評は、実は自分への恨み節なのだと思う。自分の欠落を一切合財、相手になすりつけているだけじゃないだろうか。
臨死体験できるドラッグを探し回るロードムービー、『図鑑に載ってない虫』は下品なギャグも含めて、キュートな映画だった。途中で、「どうせ、なんかマジメなオチが待ってるんでしょ?」と気がついて、事実その通りだったんだけど、だからこそ愛らしい。常に「意外なオチ」が偉いなんて、誰が決めた?
この映画では「極楽」という言葉が出てくるけど、僕の好きな言葉を使うと「楽園」を捜す旅。すべて。映画やアニメを見るのも、人と会うのも仕事するのも、酒を呑んだり笑ったり泣いたりするのも、すべて精神的楽園にたどり着くための道程なのだと思う。
作品を見ることは、いつもは曲がらない角をちょっと折れてみるのに似ている。そこに何かあるかも知れないし、ないかも知れない。何もなかったら、次の角を曲がればいい。なぜなら、まだ旅の途中だから。
あまり関係ないけど、今週の『マクロスF』(第12話)がスゴイよ。ひさびさに「萌え~」という言葉を思い出した。やっぱ、アニメってすげえ。段取りやシナリオ上の約束事を重ねた上での「萌え」なんだけど、確実に理屈を越えた何かを語りはじめている。この番組を作ってきたスタッフの積み重ねと、見てきた視聴者の積み重ねがピタッと重なる。こんな幸福でいいのかな、とさえ思う。必見。
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コメント
「ハクション大魔王」大好きで、とくにあくびちゃんにすごくハマってたんですよ〜可愛いもんなあ、よく絵を描いたものです。
投稿: ごんちゃん | 2008年6月24日 (火) 13時52分
■ごんちゃん様
やっぱり、元のデザインがすごく良いよね。今のデザインは、微妙にリニューアルされてるんだけど……それがまた良い!
投稿: 廣田恵介 | 2008年6月24日 (火) 14時46分
マクロスF#12視聴しました。
いろんな要素をコレでもかと詰め込み、これまでの作品世界で積み重ねてきたものを惜しみなく出して客を楽しませ、クライマックスであの乱入劇!
萌えを超えた燃えを感じました。
これで『星間飛行』購入決定しましたし(笑)。
アレですね、情報参謀って言うのはアイドルの情報までもがダイレクトに脳とかに入ってくるから他のゼントランと比べても染まりやすいんですかね。
業が深い(笑)。
投稿: てぃるとろん | 2008年6月29日 (日) 11時06分
■てぃるとろん様
そっちは放送遅いんでしたっけ。
旧作の“カバー”ともいえる演出には賛否両論あると思いますが、作画でチャラですね。あれは確かに、戦意を喪失させる可愛さ。ストーリーがどうとか、あの瞬間に消し飛びました。
画面からダイレクトに伝わってくるものがありましたね。逆を言うと、今まではなんとなく、薄皮が一枚かぶさっていた感じがしてたんです。
投稿: 廣田恵介 | 2008年6月29日 (日) 15時43分