■土木作業のアニメもあった■
22日木曜夜は、新宿バルト9にて『ギャラクティカ』DLP上映。←観客に配られた、サイロン兵のお面。プレス関係者は貰えなかったので、帰りに「ください」とおねだりした。スタッフの着ていたギャラクティカのマーク入りTシャツも「ください」と言っておいた。記事がよかったら、くれるかも知れない。
プレス席は、ステージイベントを撮影しやすいように最前列。上映が始まると、ゲストへの個別取材のため、俺以外の全員がロビーへ出て行ってしまったのには驚いたよ。信じられない。この名作を大画面で見られる最初で最後のチャンスなのかも知れないのに。
そして、今度の吹き替え版は、「あれ?」と思っていた用語が直されている完璧版。まあ、それは記事に書いたので、とにかく皆さんはレンタルで『ギャラクティカ』を見て欲しい。
そして、翌日午前中にDVD-BOXが届く。空箱の中には、さり気なくスチール詰め合わせが入っている。ちゃんと劇中どおりに8角形である上に、名言「So Say We All」ですよ? ちょっと写真とセリフが一致してないけど、そんなこと気にしてはいけない。ひさびさにマニアな気持ちになれる商品だ。
パッケージも含めて、アニメのDVDでこんな豊かな気持ちになれたことってないような気がする。それは、俺が中古ばかり買っているせいかも知れないけど……。でも、テレビで無料で流したものをネットにUPするのはダメで(UPした人間は何の利益も得てないのに)、その代わりDVDは買ってくれというのは、かなり矛盾している。「DVDを買わざるを得ない」価値の部分を、みんな忘れている。よくある言い方だけど「目先の利益」ばかり追求するから、こういうイビツなことになっているんだと思う。
先日もちょっと書いたけど、何の因果か、今ごろになって『くりいむレモン』を観ることになった。特に凄かったのが『亜美・イマージュ』あたりかなぁ、無理やりつくったミュージック・ ビデオ。これは「目先の利益」が「芸」になっている。背景の殴り書き具合とか、もう凄い。「しょうがねぇだろ、時間がないし金も安いしよぉ」という現場の叫びが、フィルムにくっきり焼きつけられている。「クオリティ? お前ら、どうせヌキ目的で買ってんだろ? 背景なんか見てないだろっ!」というメッセージのこもった背景。もう、土木作業ですよ、これは。作画じゃなくて、工事。ただ、紙に絵の具を塗りつけただけ(笑)。
あと、ミュージック・ビデオのくせに、すごい暴力的な編集。今みたいに編集ソフトじゃなくて、スプライサーでガチャン、の世界だから。
でも、「アニメって面白いな」と思ったのは、背景でも動画でも「結局は撮影する」わけで、絵としての完結性が求められてないところ。フィルムをつくるために描かれる「材料」なんだ。それが理解できると面白い。
毎度おなじみの作画崩壊ネタでいうと、ワンカットごとに絵としての「完結性」を求めているから崩れて見えるんだろうな(止め絵にした時に崩れてないか気にする人は、作画がパーツであることを理解できてない)。
もっと大事なのは、セルとフィルムがなくなった時、どうしても滲み出てしまう「人手で作ってる」感が消えたこと。「技術」だけが見られるようになったこと。例えば、絵の下手な人が鉛筆でパパッと描くと「味」になるけど、Photoshop使ってマウスでパパッと描くと、腹立つぐらい「下手さ」が強調される。
『亜美・イマージュ』の、アートの域に達した手抜き作画を見れば、いい勉強になります。上手な破綻のない絵だけ見ていても、何にもならない。
あと、俺はジジイだから言うけど、昨夜の『マクロスF』。強化服で卵を割るのは『宇宙の戦士』が元ネタでしょ。そういうマニア的基礎知識が、まるで伝わってないこの断絶感。
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