■鏡音リンの歌声に泣く■
昨夜の『マクロスF』も面白かったけど、ランカの歌ってるシーンは前回の方が圧倒的に良かったなぁ……。かと言って、前回と同じ演出ではシーンにそぐわない。結局、モノづくりはトレードオフであって、カット数も作画枚数も無限にあるわけじゃない。例えば、今回は戦闘シーンが皆無だった。でも、その間もデジタル部は働いていたはずだから、いずれ戦闘シーン主体の回もあるだろう、ぐらいの予測は誰でもつくでしょ。そういうプロセスも含めて「面白い」ということだと思うんだ。
さて、コメント欄で突っ込まれてしまったけど、僕は音楽のセンスがありません。知識もなければ、経験もない。だから、インタビューした歌い手さんもアニメ関係の方たちばかり。僕の中には、音楽の地図がない。みんなが洋楽のレコードを買ってる時、僕は『うる星やつら』のサントラを聞いていた。
あの頃より、今の方がアニメと音楽の親和力は近いような気がする。もっと正確に言うと、「オタクと歌」の絆が強くなった。電波ソングなんてスラングがあるぐらいだ。初音ミクの存在も大きい。まあそれでも、僕は音楽センスが欠如しているので、「人工音声ソフト? 俺には関係ないな」と冷ややかにスルーしていたのだが、たまたまニコニコ動画で発見した鏡音リンの歌声に泣かされてしまった。
mp3があったので、そのリンクを。http://piapro.jp/a/content/?id=i3km3cin90ecnk0d
こういうジャンルを何というのかすら、僕には分からない。ノイズミュージックと書いてあるな。ちょっと調べてみたら、密室系という言葉も出てきた。これを聞くときには、ぜひとも歌詞を見ながら聞いて欲しい。「明日何があるの? 昨日は何があった?」あたりから……病んだ美しさというのかな。「ああ、でも、生きたいな―――」のところも凄い。これは、人間が歌っても感動しないと思う。合成音声だからこそ、綺麗なメロディが痛々しく聞こえる。余計な情念が入らないから、歌詞がストレートに胸に突き刺さる。
同じ「≡A」さんのつくった曲は、こっち↓も泣けた。http://piapro.jp/a/content/?id=ayvwimfem4l340pt
これはもう、命を削っている。街頭でギター一本で歌った方が伝わる、なんて絶対にウソだ。泣きながら肉声で歌った方がいいとか、俺は信じない。カーテンを閉め切った病室からしか生まれない音楽もあるんだよ。
相変わらず、僕の中には音楽の地図がない。でも、だから「≡A」さんの曲をいいと思えるんだろうね。まずは、自分が自分でしかないことを肯定しないと。
それで、「≡A」さんは売れ線を狙おうとか、ちょっとでも儲けてやろうとかぜんぜん考えてないところが美しい。僕は煩悩のカタマリだから、こういう人に憧れます。ヘンリー・ダーガーも、彼は自分の作品で一山当てようなんて思ってなかったからね。損得じゃないんだ。
またコメント欄からの引用になるけど、「音楽が世界を救うんじゃない、音楽に救われた君が世界を救うんだ!」(ヴィレッジヴァンガードの手書きポップの言葉)、これが基本。音楽に感動したら、その感動で他人に何が出来るか、でしょう。やっぱり、与えられる一方じゃダメなんだよ。
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