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2008年4月 3日 (木)

■「面白い」禁止■

最近ちょっと、やりすぎな感のある某私鉄駅前。
080402_17420002080402_17460001_2例の銅像は、女子高生が写真を撮ったり、子供たちが触ったりしてたけど、さすがに駅売店のシャッターは……。
ちなみに、今日は仕事ではなく、単にメシのために待ち合わせただけでした。しかし、相変わらずメシを食うのには、やや不便な町であることには変わりがないです。

先日、知り合いと飲んだとき、「アニメを語るなら、まず映画を見ないとダメじゃないの?」という話になった。「映画は年に2~3本ぐらいですが、アニメなら百本は見ます!」という人が何を言っても、あまり真面目に聞く気になれないでしょって程度の意味です。
うーん……でも、「映画が大好きで、映画館で年に百本は見ますよ!」という人に会っても、何だかゲンナリしてしまうよなあ。きっと、そういう問題ではないのだよね。

今週末、俺は小学校時代の友人たちと『クローバーフィールド』を観に行くんだけど、それは酒の肴にするためであって、「娯楽」なわけです。ただ、昔よしみのメンツで観に行っても、結局は「俺は面白かったのに、お前らはダメだったんだ、フーン」と白けた空気が流れることもしばしば。この「面白い」っていう言葉がクセモノなんだよなぁ……やけに便利で、誰もが口にする割に、使う人間によって意味がぜんぜん違う。
俺だって女優やVFX目当てに映画を見るけども、根本的には「何か得るため」に見るわけだよ。「何か」というのは、もう「ありとあらゆるもの」としか言えない。女優の演技がエロくて最高だったとか、ものすごく下劣なことかも知れない。あるいは、何十年も言葉に出来なかった概念をポンと目の前に視覚化されて見せられることかも知れない。そういう「勉強」が出来たときに「面白い」と、基本的には言うことにしている……俺はね。

そうすると、「えっ、楽しむために映画に行ったのに、なんで勉強しなきゃいけないの?」と猛然と挑まれたりする。だから、その「楽しむ」ってのが「何か学ぶ」ってことじゃないの?と僕は無駄な抵抗を試みる。相手は「お前ほど高尚な気持ちで映画を見たりしてねーよ」とか言って、横を向いてしまう。
いや、だからさ。その「面白かった」ってのが、すでに高尚な体験なわけだよ。「最高にドキドキした!」ってことは、もう未知の何かに触れているはずなの。「楽しんだ」という体験の裏には、ほぼ間違いなく奇跡が起きているんだって。
ただ、その本来体験した「何か」を、いちいち言葉にするのは大変難しい。めんどくさい。だから、僕らは「面白い」という言葉で一発変換して、すませてしまう。あるいは「60点」とか点数つけて、さっさとゴミ箱に投げ入れてしまう。

高尚な映画があるわけでなく、高尚な観客がいるわけでもない。ただ、高尚な体験は、万人に平等に与えられているはずなんだ。

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コメント

「つっこみどころ満載ですが、難しいことを考えずに楽しめました」なんて、愉快なことをブログや映画サイトの読者評に書き込む人も多いのですが、そういうレビューを"カラオケ"する行為もむなしいですよね。

試写会マニアとか、1年で○○○本みたと豪語するマニアとかもまた、たしかにむなしいのは廣田さん、ご指摘の通りです。

投稿: BAOH!! | 2008年4月 3日 (木) 06時40分

■ BAOH!!様
ああ、「カラオケ」というのはピッタリきますね。映画を語ることが、コピペ化してるんですよね。

僕が学生の頃は、年500本とか1000本とかいう猛者がいたのですが、彼らは自慢なんかしませんでした。そこまで行くと、もうそいつの人生の問題ですから(笑)。

言葉が足りなかったと思うんですけど、一年に2~3本でも、濃密な体験が出来れば、それでいいじゃないかとも思ってます。

投稿: 廣田恵介 | 2008年4月 3日 (木) 06時59分

私のPCは気難しいので出来ない事も多いのですが今日は描き込めるかな?

面白いポイントって人それぞれなんで、野犬に襲われた経験のある人は犬もの映画にまったく喜びを見いだせないものです。
ヘェ!知らなかった。アータそう言う過去があったの。なるほどそうなるわねぇ。
違いをお互いに認識でき、確認し合えて人間再発見!と、そういうのが楽しいなぁ。

この国では特定の名作やカルトムービーをよいしょすることで自分を格付けする人たちが「評論家」なので、楽しみ方が狭められている気がします。

投稿: 平田英明 | 2008年4月 3日 (木) 09時34分

■平田英明様
今日は書き込めましたね。
その「違いをお互い認識する」というのが、みんな怖いんじゃないですか? 自分の性癖は隠しておいて、映画の欠点には容赦ない「狙撃手」タイプの人が増えたように思います。

カルトムービーをよいしょするのは、「マニア」を自認しているでしょうから、まだいいんです。普通の人が紋きり口調の「評論」を下している方が、僕には不気味なんです。

投稿: 廣田恵介 | 2008年4月 3日 (木) 12時18分

 テラセンセ、こんにちわ~♪

 「カラオケ」という表現は面白いですね、今後使いたい!(謎

 以前、アメリカ映画は見ないことにしていると書きましたが、生活の中では完全に避ける事が出来ずに、たまに深夜放送とか友人からDVDを借りてみます。最後まで見るとは予期していなかった深夜放送の小粒な作品であったり。。。やっぱりここ数年では「Mr.インクレディブル」が衝撃的でした、儲け儲けのこの世に、こんな楽しい作品が作れるのかと衝撃を受けましたね。

 予期しなかった、良き作品に出会えると素直に「面白い」と思っちゃいます。
 世の中、何でも「新しい作品」に話題が集中し、古いとなんかそれを今さら面白いというのが悪みたいな風潮もありますが、面白いものはいつみても面白いだろ、が私のスタンスです。


 最近、若いヒトと話していて気がついたのが、「好きだ」と言い切らないんです。好きなのか興味があるのか、それを貫かない。本当に好きなのかどうなのか分からない。
 例えばボークスの話しをしていたら、「面白そうな話しをしてますね」と首を突っ込んでくるんだけど、ボークスのなにを語りたいのかウジウジして分からない。
 「ガンダム」が好きだというけれど、何がどう好きなのか分からない。自己主張しないんですよね、若いのに。
 よく分からない不思議な現象ですが。

 テラセンセも、こんな読者を相手に戦っているんだろうな、と思いますが!

投稿: きゃてぃーなかぢま | 2008年4月 3日 (木) 23時26分

■きゃてぃーなかじま様
今回は、いろいろな方がそれぞれの言い方で意見をおっしゃってくれて、勉強になっています。

>「好きだ」と言い切らないんです。

それは分かる気がしますね。何かを好きだと表明したら、周囲からのツッコミを引き受けねばなりませんから、曖昧にしておいた方が楽なんでしょう。
みんな当事者意識を持ちたくないんですよ。趣味においてすら、「うわ、マニアック~」と言われるのがイヤなんでしょうね。

でも、それは若者だけのせいではないと思うんですよ。徹底的に「平均値」からはじき出された大人だけが、道を示せるんだと思います。マラソンで言うと、三周ぐらい走ってきたオッサンでないと分からないことが、いっぱいありますから。

投稿: 廣田恵介 | 2008年4月 4日 (金) 00時10分

近年、「大人の社会科見学」的な活動を(気がついたら)しているように思うんですよね。
なんつーか、異業種交流会の課外授業的な集まりがいつの間にか形成されてまして、(気がついたら)僕以外みんなシャッチョーサーン!(notエレキの)ばっかだったりして、皆さん(シャッチョーサーン!達って)結構時間に都合がつくようで、んじゃ銀座に盛岡冷麺食いに行こうか!(ぴょんぴょん舎最強!!)とか、俺が三池崇史フリークなことから、「ジャンゴ見に行こうぜジャンゴ!ついでにラジオ会館のボークス寄りてぇ!」とか、じゃあ、それら行動になんか意味があるかというと、んなもん後付けで良くて、すでに「体験する=楽しい=学び」ぐらいのことは、その場にいた奴ら(シャッチョーサーン!達)って各々自分でテキトーにやれちゃってる…。
でもってその後呑みながら、本日一緒に居ながらにして何を得たのか拾ったのか、皆気になる訳ですよ。なんせ「楽しい=学び」から発表するステージが用意されてると「学び(独学)=共有=下手すっとなんかスキルついたんじゃね?これ?」ぐらいのね。
で、たぶん、共有って嘘なんだよね。でもそのフェイクっぷりな感覚を共有できる連中がいるってことが、ハッピィエンドラッキィでインエンドヤンなんだろーね(脳死発言)。
他者のおもしろポイントを面白がれる仲間に乾杯。君の瞳に映った僕に乾杯!みたいなビバップビバップ!!

あ、俺、何言いたいんだろ。

あ、そだ、ご無沙汰してます廣田さん。
でも結構読んでるのーーんココ。

落ちこんだりもしたけど、わたしは元気です。あ、嘘。てか、このコピーなんだっけ?


★こっから転調

~最近なんかツボなこと

【定番に“ちょっと”を付けてみる】

●明日のために、今日の屈辱にちょっと耐えるんだ。それが男だ!
●我々は、戦うべきではなかった…ちょっと愛し合うべきだった!
●古代君がちょっと死んじゃうっ!
●地球か、何もかも皆ちょっと懐かしい…

●こいつぅ…ちょっと動くぞ!
●ザクとはちょっと違うのだよ!ザクとは。
●アムロ、ちょっと行きまーす!

◎百式ちょっと出る!! ←今週のハナマル!!
※池田氏の声で聞きたい。

投稿: 前岡和之(飲食業) | 2008年4月 4日 (金) 15時10分

■前岡和之(飲食業)様
かなりご無沙汰してます。こういう書き込みがあると、ブログ続けてて良かったと思いますねえ。

>「体験する=楽しい=学び」

義務教育では、そうなってないんですよね。小学校高学年になると「勉強=苦痛」というイメージに洗脳されて、社会人にとって「学ぶ」というと、もう習い事になってしまうんですよ。
昔、東映まんがまつりで『白鳥の湖』を見に行ったら、子供の付き添いで来たお母さんがボロボロ泣いていたんですよ。うらやましいですよね。「感動した」の一言では済まされない何かが心に起きただろうし、生きていく上でのスキルも身についたはずですから。

>てか、このコピーなんだっけ?

『魔女の宅急便』です。あれは大学の頃はガックリだったけど、最近見たら凄かった……

>百式ちょっと出る!! 

金色のがムニュッと出るようで、ちょっとイヤですね。

投稿: 廣田恵介 | 2008年4月 4日 (金) 18時39分

PC環境に復帰しました。
今ランダムにつまんで読んでます。

『面白い』
『つまらない』

で片付かない場合は

『良かった』
『悪かった』

で済ませても良さそうなのに、どなたもそこに行かないのが『面白い』ですね。

『勉強した』『何ものかを得た』を無自覚のままに受け止めて言いようの無い感情に囚われながら観終わる事の方が世の中よっぽど多い気がします。

そういった物は何年、何十年か後に噴出してきて、他の何よりも自分に影響を与えていくんですよね。

いやはや全く『面白い』です。

某駅前は物凄いですね。
もう業界関係者は恥ずかしくて駅前で待ち合わせできないんじゃないでしょうか(笑)

投稿: てぃるとろん | 2008年4月 7日 (月) 23時18分

■てぃるとろん様
人々の間に定着する言葉は、たいてい意味が曖昧なんですよね。いかようにも解釈できる言葉だけが、定着するわけです。
(「オタク」とか「萌え」とかも、定義が曖昧になってから広まったんですよね。で、いい加減みんな使い飽きてきたと)

映画を観たあと、僕はせめて、「良かった」というようにしてます。そうすると、相手が「へえ、どのへんが良かったの?」と聞いてくれるからです。「面白い」だと、自己完結しすぎるような気がして。

投稿: 廣田恵介 | 2008年4月 7日 (月) 23時55分

>>テラセンセ
 こにゃにゃちわ~、|||-_||| サダコです!

勉強」というキーワードが引っ掛かりますね。

 ガンプラがうまく作れるようになりたいとのたまわっていたその小僧と話していると、じゃあオヂさんがついて行ってあげるから、ガンプラ本を一緒に探しにいこうよ、といってあげると「ええっ」という目をされましてねえ。
 いや、いままでガンプラの作成法が知りたいって語ってたのはおまえじゃないか、と。よくわかんないッス、この傾向。

Mixiとかの「ガンプラ」コミュニティとか見ていると、延々と何年も「素組み派」(塗装をしないという意味らしい)を自認しているやつが多いんですよ。
 私も、近所迷惑とかを考えて、もう模型はやめてしまったので、そりゃ塗装環境を確保する自体たいへんだと気持ちはわかるんですが、何年もその素組みやってて、いい加減向上する気がないの、ないならやめろと思ったりします。

 その「勉強」しない傾向というか、体験を通してより向上しようとしない姿勢があたかも、同じところに延々と生えてくる「鮫の歯」状態というか、なんともキモチが悪いんです。

 ちょっとはなれて、「外国人の友達がほしい」というMixiのコミュを見ていると、それこそ鮫の歯のように、「英語が出来ません」君が延々と湧いて出てくるんです。いや出来ない事は分かったからさ、まずお前が出来ることを先に書こうぜ、と100年前から私は言ってるんですが鮫の歯のように延々と出てくるんです。折っても折っても同じところに生えてきやがる、という。

 この鮫の歯状態は日本人に限らず、英語のSNSのほうにもあり、「Learn Japanese」と言うコミュに、たまに日本のアニメの歌詞を英語に訳してくれ、という投稿があります。コレもまた鮫の歯状態で、延々とそういう投稿が続くんです。てか、そろそろおまえら日本語勉強しろよ、と思いますがね。誰ひとりわたし宛に「こんにちわ」の日本語の挨拶でメールしてきたやつもいない。

 え。。。なんの話しをしにきたんでしたっけ、わたし(核爆

 久しぶりに、気を吐かせてもらいました、他人様の掲示版ですけど


投稿: きゃてぃーなかぢま | 2008年4月 8日 (火) 19時50分

■きゃてぃーなかぢま様
いえいえ、きゃてぃーさんは、あの僻地で飲んだ仲ですから、何を書いてくださっても(笑)。

僕なりに解釈すると、みんな「人のせいにしてる」んだと思いますよ。例えば、ガンプラ技術を向上させたいのに「環境がない」、語学を習いたいのに「時間がない」。そういう人は、決して「自分の工夫や努力が足りないからです」とは認めません。言うとしたら「向いてない」です。

僕の仕事なんて特にそうなんですが、「時間がない」とは「その人のスケジュールの組み方がヘタ」なだけなんですよ。的外れなところに問題点を探して、それで騒ぐ人が多い。
自分に問題の核心があるなんて夢にも思ってない人たちは……まあ、ほっときゃいいのではないかと思います。

投稿: 廣田恵介 | 2008年4月 8日 (火) 23時00分

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