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2008年4月12日 (土)

■遠い遠いはるかな道は■

シネマガールズ Vol.2 発売中
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●「2007年公開シネマ オレたちの魂のガールズシネマはこれだ!」 構成
全20本の映画を見て、藤津亮太、岩岡としえ、ヤマザキ軍曹、内田伊久(敬称略)、そして廣田の5人が話し合い、勝手に賞を決めるというページです。
ちなみに、私は「再婚したい賞」を、『クワイエットルームにようこそ』の内田有紀に。

●「ガールじゃなくてもガールズ映画は楽しめる」 執筆
これは1ページコラムです。お題は『渋谷区円山町』と『好きだ、』ですが……まだまだ書きたいこと、いっぱいあったなあ。

今週は谷村美月の映画を積極的に見ているので、出世作である『カナリア』を鑑賞。谷村、手錠をされる。谷村、レズ女に(おでこに)キスをされる。谷村、老人から金を取るために(上半身だけ)脱ぐ。谷村、ザ・ピーナッツの『銀色の道』を鼻歌で歌う。撮影時14歳にして、すでに人生の辛酸を知りすぎた谷村(劇中の設定では12歳)。援交しておきながら、「うちみたいのが、夢見たらあかんのか?」と苦い本音を吐いてしまう谷村。
080412_08050001 これだから、女優という職業はすごい。俺は、谷村美月にセクシャルなものは何ひとつ感じてないので、尊敬心が喚起されるんだよな。この映画の後半では、お人形さんみたいに扱われてしまうんだけど、前半の処世術に長けた谷村のほうがカッコ良かったな。

で、谷村美月の出てない残り3分の1ぐらいのシーンは、どうでもいい。映画を「評価」したがる人は、「全体のテーマが」「脚本が」ってなるんだろうけど、そういう人は何か刷り込まれてるよ。『クローバーフィールド』を観て、「パート2を観ないと、話が分からない」って言ってた人がいたけど、クルクルパーかと思ってしまう。
分かんなかったりつまんなかったりしたら、すべて「映画のせい」にしちゃうんだよね。その映画を観ようって決めた「自分の選択」は、棚に上げたままなんだ。
送り手がリスクをしょっているのに、受け手はリスクをしょわなくていいのか? 違う。いかなる関係も、フィフティ・フィフティであるべき。それが成熟した文化、成熟した社会である。

谷村美月から話が飛んでしまったが、彼女の出演作でも「ちょっと、これは……」という作品もある。でも、そういう場合はタイトルは書かない。そんな非建設的なことはしない。谷村は、すでに俺の先生である。楽しませてもらっているし、学ばせてもらっている。彼女に楽しませてもらった分、俺は別の形で社会に還元しなくちゃイカンのよ。
誰かのファンになったり、作品を好きになるって、自分が何かを「負う」ってことだからね。責任を負わずに「好き」という感情を機能させることは、出来ないはずなのです。

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コメント

断言してもいいけれど、話をわからせるためのPartIIなんて、作るはずがないに決まっています。

投稿: BAOH!! | 2008年4月12日 (土) 10時41分

■BAOH!!様
だって、話がどうだとか、そういう映画じゃないですもんね。だけど、ヒットの陰には、「パート2=つづき」パターン化された思考しかできない観客が大勢ひしめいているんじゃないかって気がするんですよ。

投稿: 廣田恵介 | 2008年4月12日 (土) 16時16分

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