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2008年3月 4日 (火)

■映画と身体■

1999年に関わったムック本が、復刊されると連絡があった。
080304_00230001『シャアがくる!』というタイトルで、 なぜか「広田恵介」が著者となっている。たぶん、「武勇伝」とか「語録」とか、書いたテキスト量が多かったからだろう。実際、「復刊したいので、過去の原稿を使っていいですか」と打診はあったものの、僕の口座には一円も入らない(笑)。
この仕事を頼まれた僕は『Zガンダム』と 『逆襲のシャア』の難解さに苛立っていて、作品への不満が、そのまま本にぶちまけてある。編集チーフの木川明彦さんは「内容は面白いんで、何とか(版元に)通します!」と頑張ってくれた。
あと、感謝している編集者はSPA!のTommy鈴木さん。「金払って、アニメの宣伝をするのが僕らの仕事じゃないのです」という言葉は、今でもよく反芻する(金というのは、版元に払う画像使用料などのこと)。つまり、同じ素材を使っても、編集者やライターの主体性、向上心や挑戦心次第で、まったく違った本が出来るはずなのだ。

閑話休題。
再び『渋谷区円山町』のこと。この映画に泣かされたからといって、僕は女子高生が好きになったわけではないし、渋谷が好きになったわけでもない。かつて女子高生であったこともなければ、これから女子高生になるわけでもない僕は、しかしこの映画を見ている間は、確実に女子高生だったのだと思う。
う~ん、何というか……リアルタイムに『渋谷区円山町』を観た女子高生より、40歳の俺の方が、瞬間最大風速的に、ずっとずっと女子高生だったぞ、ということだ。渋谷の朝焼けは痛かったし、一日歩いた分だけ疲れもした。つまり、「映画も身体で観る」ということだ。俺はずーっと自室のテレビの前に座っていたけど、ちゃんと渋谷を歩いてきたわけ!

以前に、「48歳で『魔女の宅急便』をつくった宮崎駿は、その時だけ13歳の少女になっていたはずだ」と書いた。それと同じことだ。13歳の中学生には『魔女の宅急便』をつくる基礎体力がない。身体の経験値が足りない。原則的に、フィクションというのは知識でなく身体からジェネレイトされるから。
それを考えると、身体にコンプレックスのある人がフィクションを過剰摂取しなければならないのも、ごく自然と思える。フィクションに接する時、われわれは己の身体と向き合っているわけだ。
さて、あと2本映画を観ればノルマ達成。来週は楽しい座談会だ。

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