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2008年2月21日 (木)

■「お客さん」気質■

080221_17140001 吉祥寺まで歩き、ワンフェスのカタログとMFLOGを購入。考えてみれば、「フィギュア王の取材です」とか言って、プレスで入場できたような気もするんだが……まあいいか。俺はなんと、ワンフェスには第三回に一度行ったきりなので(三回行ったんじゃないよ、開催第三回目にしか行ったことがないってことだよ)、あまり偉そうなことは言えない。
あの日は、ある模型メーカーさんの手伝いという名目で朝から出かけて、『バオー来訪者』のキットとプラキャスト(会場だけの安売りだった)を買って、「あんまり面白くないイベントですね」と言い残して、昼過ぎに帰った(笑)。当時は「フレンドリー・プラスティック」という新素材が出たばかりの頃だった。海外SFX映画ブームで、僕は映画を専攻していたから、身近にラテックスなんかもあった。ソフトビニールの玩具を紙粘土で改造してシリコンで仕上げたり、模型づくり=実験だったんだ。

今は完成品が増えてしまったので、金を払って実験する人はいない。みんな「お客さん」だ。いや、昔から「お客さん」気質の人間は、送り手の側にもいたような気がする。当事者意識のない人間、責任を負う立場から距離を置きたがる人間は、どんなに創作的な職場にもいる。
ともあれ、「お客さん」気質の人間は探究心が欠如しているから、モノが出来上がっていくプロセスに興味がないし、プロセスを目の前にしても感動しない。

プロセスや中身に興味がない人というのは、どうもコンビニで出来合いの食品を食べているからではないか、とトンデモな仮説を立ててみる。コンビニ弁当というのは、模型界でいえば「塗装済み完成品」だと思うんだよな(笑)。コンビニ食品が好きで、「今度、ローソン限定のカップ麺が出たから、ちょっと食べてみましょう」ってレビューしてるのを見ると、俺は完成品フイギュアのレビューを思い出してしまうのだ。
生活習慣というのは、絶対に嗜好や人生観に影響を与える。コンビニが日本に誕生してから30数年。ガレージキットは25年。で、いまやコンビニに酒井ゆうじ氏が原型制作したゴジラの食玩が置いてある。間違ってもレジンキットは置いてないわけ(ガンプラは売ってるけどね)。
どうも日本人の中に、「お客さん」気質の人口が増えちゃったような気がする。受身であることが当たり前のようになってしまった。で、それはコンビニの責任である、と僕は本気でそう思う。

080221_17550001明日はマスコミ試写最終日なので、『ライラの冒険』に行ってくる。たぶん映画は『ハリー・ポッター』レベルのものなんだろうけど、ライド・クリーチャーが好きなんだ。『スター・ウォーズ』で言えばトーントーンみたいな、人が乗れるクリーチャー。最初に粘土造形したのは1/35のトーントーンで、田宮人形改造コンテストの昔の号に出ているはずだよ(笑)。

今でも、いつでも何でも作れるように、粘土は常に用意してある。完成品も好きだけど、「お客さん」になる気は僕にはない。

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コメント

はじめまして。共感する部分ありましたのでコメントさせて頂きます。

>生活習慣というのは、絶対に嗜好や人生観に影響を与える。

知り合いの女の子が偏食で好き嫌いが極度に激しい事を思い出しました。お客さん気質の人多いですよね。気をつけないとは思ってます。

投稿: ohagi | 2008年2月22日 (金) 09時32分

■ohagi様
はじめまして、コメントありがとうございます。

ようは、自分が何を食べているのか自覚していれば、そんなに問題ではないと思うんですよね。「無意識に」「何となく」が一番怖いんじゃないでしょうか。

常に主体性を維持していれば、「お客さん」になってしまうことはないと思いますよ。

投稿: 廣田恵介 | 2008年2月22日 (金) 12時25分

例えば去年まで通ってた学校の近所にあるコンビニがあって、そこのカウンターに「○○の湧き水でいれたコーヒー」って手書きのポップと家庭用のメーカーが置いてあるわけです。
学校が山に近く、その○○ってのは車でちょっといったところなんですよね。

コレは例としてわかりやすいんですが、何というか画一的に押し付けられたように見える場所でも、実はもその場その場でのちょっとした創意工夫が現れる瞬間があって、そういうのに妙に感動するわけです。

「もうちょい面白くならんかなあ。」「イヤイヤ、現状だって探せばたくさん面白いところあるよ。」という二つの気分がない交ぜになりつつ。
コンビニは無くなって欲しくはないけど、もっと面白くなって欲しいですよね。

しかし大学生のお客さん気質は異常。
お前ら将来この分野で飯食うつもりなんだろ?って。
まあ別に良いんですけどね。

投稿: 朝の銀狐 | 2008年2月22日 (金) 17時08分

■ 朝の銀狐さま
先日、木工ボンドを買おうと思ってコンビニに行ったら、なんか高い気がしたんです。10分歩いたところにある99円ショップなら、99円で買える。そして、10分間歩く中で、どんな景色が見られるか、どんな考え事が出来るか、あるいは車にはねられるかも知れない(笑)。そういう可能性の余地を常に持っていないと、直線的な思考しか出来なくなる気がしてなりません。
「湧き水」の話には、“寄り道”感がありますね。

>しかし大学生のお客さん気質は異常。
>お前ら将来この分野で飯食うつもりなんだろ?って。
>まあ別に良いんですけどね。

いえ、ちっとも良くないですし、社会人のお客さん気質も異常、と申し上げておきます。
「あんた、この仕事で金もらってんでしょ? なんで必死になれないの?」って場合が「ほとんど」ですよ。

投稿: 廣田恵介 | 2008年2月23日 (土) 00時29分

廣田さま、

ご無沙汰しております。いつも訪れてはいるのですが、書き込みは一年ぶりぐらい。

人間、けっこうなんでもやっちゃえるもんだと、思います。それに気づいたのは、初めてゴマドレッシングを自作したとき。ゴマドレッシング→スーパーで購入。っていうかたちが無意識的にあったんです。でも、自作して初めて、そういう公式にとらわれていたことに気づきました。ちょっと、恐ろしくなりました。
このまえ、終電をなくして、自転車で帰りました。田舎なので、峠を一つ越えるんですが、満月でそれは美しい世界。
たかだか二時間の距離なんですが、職場の人間は、自転車で帰るなんて、とあきれていました。そんなことであきれていると、この世界は知れない。
趣味は? と聞かれ、以前は「散歩」とこたえていたのですが、最近は「迷子」とこたえています。

投稿: ユキサダ | 2008年2月28日 (木) 15時19分

■ユキサダ様
どうも、2年ぶりぐらいのご無沙汰です。

そのゴマドレッシングと似たような思考パターン(スーパーで買うもの)が、まだ僕自身の中にも沢山あるような気がします……
ここまで社会が複雑化すると、習慣と惰性だけで一生を終えることが可能なんですよ。それが怖ろしいですね。

「迷子」といえば、『アルケミスト』という小説の「少年は、毎日なるべく違う道を通った」という一節が思い出されます。
「終電をなくす」というトラブルのおかげで、「自転車で帰る」という選択肢が生まれるわけですね。

投稿: 廣田恵介 | 2008年2月28日 (木) 17時19分

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