■ワンフェスとガルダス■
20年ぶりだったので、あんまり論じる資格はないんですけどね。思わぬ人との再会もあって、総体としては楽しかった。
やっぱり、これだけ完成品のクオリティが上がっているのに、あえてわざわざキャストキットを作って売るってのは、80年代から脈々とつづく「オタク」の精神だなぁ……と思ったよ。金払ってでも苦労するのが「オタク」だから。どんな限定アイテムを手に入れたかなんて問題じゃなくて、どれだけ苦労したか。苦労自慢するのが「オタク」。そのスピリットは、あちこちに感じられたけどな。
ただ、第三回の頃に感じた、戦後の闇市で雑炊をありがたがるような「飢餓感」はなかった。
あちこち挨拶に回り、最後の最後に、やっと『ガルダス』のブースにたどり着く。それもそのはず、会場の一番端っこにあるのだ(笑)。そこだけ南洋の孤島のようで、当たり前のようにフジタタケハル氏が座っていた。なんだか、すごくリラックスしているように見えた。それがまた、リゾート感を演出していて、居心地がいい。
「そうか、ここが俺の行き着く最後の地なのか……」と、ポンと得心がいった。『ガルダス』ブースの左では、萌え系フィギュアを売っており、そこそこ繁盛している。右側は机が切れていて、何もない。つまり、萌えに押されて断崖絶壁。それが『ガルダス』らしくて、良かった。
撮影に使ったミニチュアが並んでいて、もう用済みとなったラジコン戦車にだけ数千円の値札がついてるんだけど、そりゃ誰も買いませんって(笑)。ここだけ、局所的に闇市。
ありがたいことにサンプルをいただけたので、家に帰って、さっそく第二話を見る。
……ぶっちゃけ、僕は『ガルダス』は第一話だけでいいと思っていた(笑)。もう第一話で「よく分かった、もうお腹いっぱいです!」って気分だった。
でも、今回も教えられた。だって、新装備のブースターとシールドとライフルが一度に失われちゃうんだもん。新しいものを出しておいて、早々とブッ壊す。そして、ただひたすら追い詰められていく。ピンチのためのピンチ。不条理なまでの崖っぷち感。それが何故かカッコイイ。絶望から本当の勝負が始まるのだ。
(←第三話の予告より。これ以上ない、最強のコピー)
なんちゅーか……ヒロインの扱いもどんどん容赦なくなってきてるし、破滅的……だよね。「安直なハーレムなんか、死んでもつくらない」という覚悟が見える。
だいたい、特撮担当者のブログからして、常にピンチだ。これとか、発売三日前にミニチ ュアを作って、出来次第、撮影! この超高速セミ・スクラッチの模様は、ちゃんとDVDのメイキングに入っている。もう、まったく手を休めない。結局、つくらずにいられない人間がつくる。つくらない言い訳を考えられる人間には、つくれない。ただそれだけの事なのだ。
プロが何かするときには、必ず理由を付けなきゃならない。
ワンフェスの『マクロスF』のトークショウで天神英貴氏が言っていた。「プロより、アマチュア意識の方が、強いですよ」と。アマチュアでもダメな人はいっぱいいる。でも、プロでもダメな人は大勢いるし、ダメプロは、ただ醜悪なだけだからね。
やっぱり、粘土で何かつくろうかな……
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コメント
ワンフェス行きたかったけれどもいろいろあっていけませんでした
ただマクロスFには期待してます
というより2008年はこれが最大注目作だと思ってます
投稿: セクター | 2008年2月26日 (火) 15時53分
■セクター様
『マクロスF』は、「80年代モノにっとてのお祭」としては機能すると思います。アレとかコレとか、意外なものが出てくるようです。
でも、受け手が応えないと「祭」は成立しないので、80年代モノの体力も試されることになるでしょうね。
投稿: 廣田恵介 | 2008年2月26日 (火) 19時28分