■「傑作」をネタに、別の何かを成功させる■
EX大衆 2月号 発売中
●名作アニメ最終回 早読み25話
前回やった特集がやけに評判よかったらしく、作品数を増やして掲載。さすがに25話すべて見直すのは無理があったので、半分は橋本学さんという方の執筆です。コラムにも書いたんだけど、ソフト化されてない、されていても完全収録されてないアニメの多いこと……ついには、制作会社へお邪魔して、保存されていたテープをその場で見せていただくという荒業に。
●佐野夏芽 グラビアポエム
●愛ドルのリコーダー 第一回 青島あきな
佐野夏芽さんのページは袋とじだったので、もうちょっと過激な感じで書けば良かったなぁ……つい、いつものパターンでまとめてしまった。新境地、開拓したかった。
それより、新連載の「愛ドルのリコーダー」。前号の「キス顔」まではショートストーリーを書けば良かったんだけど、今回はキス顔ではなく「水着姿でリコーダーを吹いているアイドルの写真」ですよ。一体、何を書けばいいのよ。でも、こんな企画考えて実行しているってことは、雑誌が元気な証拠だと思う。
早いもので、本日はドラマ『ハチミツとクローバー』二回目。
なんでこのドラマに腹が立たないのか、昨夜『ヤッターマン』を見ていて気がついた。今度の『ヤッターマン』は、『ヤッターマン』を題材にしたバラエティ番組なんだ。リメイクでもなければ、新訳でもリビルドでもない。最初の『ヤッターマン』は、ロボットアニメ全盛期だから成立した。今は違う。だのに、同じことをしなくちゃならない。だったら、『ヤッターマン』をネタにした、限りなく『ヤッターマン』に近い番組を、アニメという手段でつくるしかない。
今度のはアニメ番組という形式を使ったバラエティだから、オリジナルと比べても意味がないんだよ。
漫画の『ハチクロ』は、羽海野チカさんが人生の半分ぐらいを注ぎ込んだ作品で、もう二度と同じような作品は書けないと思うけど、だからといってドラマ制作者までが命を削る必要はない。『ハチクロ』をネタに、別の何かを成功させればいい。
『ハチクロ』の山田のお父さんが「特別出演」の泉谷しげるで、ストーリーから完全に浮く演技をしていても、バラエティだから腹は立たない。もしかすると、80年代の「月曜ドラマランド」あたりで鍛えられたのかも知れない。あれはもう、考えられないような漫画まで無理やり実写化していて、その名のとおり、「ドラマ」ですらない「ドラマランド」だった。
有名な漫画やアニメが実写になると聞いても、ワクワクすることなんか滅多にない。「終わったな……」とため息が出る人がほとんどだと思う。だが、終わった瞬間に別のロジックによる何かが始まるのだ。俺は、それを見届けたい。「コレジャナイロボ」を与えられた子供のように泣きじゃくるより、「傑作」をネタにした別の何かが結実する瞬間を見たい。
というわけで、明日は映画版『ひぐらしのなく頃に』のマスコミ試写に行って来ます。
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コメント
うん、タケチャンマンや仮面ノリダーと見てるときの感覚は一緒なんですよね。
(あ!全部フジだ!)
原作から拾ってきたキーワードやルールがあって、それを守っている限りはその舞台で好きに遊べる。
多くの原作付きアニメのなんと生真面目で純粋なことよ!
そう言えばエヴァなんかもライブ感が強い分、これらのノリに近いものも持っている気がしますね。
投稿: てぃるとろん | 2008年1月15日 (火) 21時55分
■てぃるとろん様
>多くの原作付きアニメのなんと生真面目で純粋なことよ!
これは本当にそう思います。そしておそらく、原作そのままの方が送り手も受け手も幸せなんだと思います。
もともと、テレビという媒体の始原にライブ感というか、バラエティ性というものがあったんですよね。「シャボン玉ホリデー」とか。
そういう意味では、今回の「ヤッターマン」の作り方は、意外と正解だったのかも知れません。
投稿: 廣田恵介 | 2008年1月15日 (火) 23時08分