■時間を味わう■
合体指南書 其の参 29日コミケで発売
●ファイトだ、カサP!!
……というタイトルの読み物を書きました。『劇場版アクエリオン』完成までの3ヶ月のメモ帳を葛西プロデューサーから見せてもらい、 それにツッコミを入れるという、言われてみれば確かに同人誌っぽい企画。
今日24日は、なんとガルダスのスタッフとお会いするという飲み会。イヴなのに男ばかりというのが、いかにもガルダス。
今年は、こんな風にして人と会う機会が増えたせいか、やけに時間の流れが遅い。酒を飲むと時間の感覚が狂うのは僕だけじゃないと思うが、夢の中で数年間を過ごしたこともある。時計を見ると、5分程度しか経っていない。しかし、ありありと「数年間」という体感時間が、身体に残っている。この夢見の方法をマスターすれば、二百年ぐらいは生きられるのではないか、と思う。
時計の刻む時間というのは、自分以外の他者がいるから必要なだけだ。時計がまっすぐな線ならば、体感時間はカタマリである。計る単位が違うのだ。
例えば、メシ屋に入って、メシが出てくるまで漫画を読んだとする。ページをめくり、衝撃的なシーンに出会う。その瞬間は、時計の針では2秒間であっても、計測不能な時間として凝固する。そこで「お待ちどう」とメシが出てくる。そのシーンのまま、漫画の中を流れていた時間は、僕がメシを食い終わるまでの間さえ、ゆっくりと引き延ばされていく。
僕が松本大洋の『花男』を知ったのは、床屋で順番待ちをしている時だった。シーンは、バッターボックスに立った花男が、空を見上げてカモメを見つけるというクライマックス。そこで床屋の順番が回ってきたので、僕はタイトルもつづきも知らないまま、いくばくかの時を過ごした。確か、友達に「こういう場面のある漫画、知らないか」と聞いてまわって、だいぶ経ってから単行本の一巻を手に入れたように思う。
床屋で見たカモメのシーンは三巻に収録されていたので、さらに待たされたことになる。うまく言えないが、時間というのは「使う」ものではなく、味わうためにあるのだと気がついた。
そのような時間のあれこれが、枝に果実がみのるように、僕らの人生に、いくつも発生しているのだと思う。つまり、僕らは何本、何百本という独立して並走するタイムラインを、飛び渡るようにして生きているのではないだろうか。
それとは関係ないが、昨夜、駅前のバーミヤンでメシを待っていたら、フェリーニの『道』のテーマ曲が流れはじめた。僕は、曲を最後まで聞くため、できるだけゆっくりとメシを食べた。
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コメント
「テラダ・ルークって、お前に聞く前から、どこかで聞いた事あると思ってたんだよね。思い出したよ。前にmixiでナウシカファン探してたとき、『好きなキャラ:ナムリス、クロトワ』ってのが印象に残ってたんだよ!」
アニオタでも何でもなく、ただジブリにちょっと詳しいという友人から聞きました。
俺も漫画ナウシカではナムリスがものっそい好きです
投稿: 朝の銀狐 | 2007年12月24日 (月) 05時05分
勢いで書いちゃいましたが、記事と一切関係ないですね。
すみません。
投稿: 朝の銀狐 | 2007年12月24日 (月) 05時07分
■朝の銀狐さま
確かに、「ナムリス、クロトワ」と書きました。クロトワは、後半でイイ人になってしまいましたが、ナムリスは知れば知るほどリアリティのある人物で、物語に深みが加わったと思います。
嫌いなキャラクターは、チククですかね。便利キャラなところが、嫌いです。
投稿: 廣田恵介 | 2007年12月24日 (月) 13時07分