■『ガルダス』に学ぶ■
新宿タイニイ・アリスにて、池の上『狂人教育』観劇。劇場に客を入れる段取りが下手で、かなり遅れて開演。主演の女優が良かった。他の役者さんたちがもうひとつなので、孤軍奮闘だった。でも、劇場は広くて座席指定してある方がいいです。
さて、さる経由で自主映画『亜空間漂流ガルダス』のDVDを頂戴した。
……もう分かる人にはタイトルで分かるよね? 『メガゾーン』や『バイファム』、その他いろいろ80'sなアニメをミキシングした「プラモ映画」です。「プラモ映画」というのは俺の造語なんだけど、CGではなくて、フルスクラッチした模型をコマ撮りで撮ってるの。「ミニチュア」じゃなくて「プラモ」なんだよ。最初から本物に見せようなんて思ってないわけです。
(←この爆煙とか、「水に溶かした絵の具」じゃないかなぁ)
ようするに、『ガルダス』はバカのふりをしている。バカのふりをすることに真剣。いや、ちょっと違うな。「自分に出来る上限」を正確に推し量り、その上限ぎりぎりまで頑張っている。
ようするに、「自分のものさし」に対して誠実なんですよ。自分に対してウソをついたら終わりだ、という覚悟が見え隠れする。出てくるロボットもカッコ悪いんだけど、そこがカッコイイ。カッコ良くしたら終わり。洗練したら『ガルダス』じゃない。
ストーリーも素晴らしいよ。監督のフジタタケハル氏、自ら主人公を演じてるよ。もちろん、 主人公は単に女にモテたいためだけにロボットに乗る。ある意味、セカイ系。
(←もう無敵でしょう、このルックス。なぜか「軍服に体を合わせよ!」って言葉を思い出しちゃう。フジタ氏は、おそらくコンプレックスを「武器」に転化したんだよね)
で、基本的に「敵のロボットと苦闘の末に勝利、ラストはヒロインをデートに誘うがフラれる」以上のストーリーはないです。第二話の予告も入ってるけど、だいたい似たような展開みたい。それ以上に凝ったストーリーをつくったら、もう『ガルダス』じゃないんだろうね。潔い。(←主人公の惚れるヒロイン。『ヤマト』で言うと、スターシャみたいな役どころ。このヒロインをコスプレ系にして、オタクの琴線に触れるルックスにしたのが上手い。女優さんには失礼だけど、コスプレ成分で下駄はかせたっていうか)
じゃあ、『ガルダス』を万人に勧められるかというと、そんなことはまったくなくて(笑)、一度でも「俺の限界はここまでか」と体で感じた人にはピンと来ると思う。
結局、クオリティとか価値ってのは、自分の中にしかないんだ。誰かが答えを持ってるわけじゃない。どんなに曲がっててもねじれててもいいから、「自分のものさし」を持っている人は強い。それを手に入れられない空っぽの人は、簡単に人のつくったものを「クソ」という。
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