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2007年9月23日 (日)

■武蔵村山市に『河童のクゥと夏休み』を観に行く■

「最寄り駅」であるはずの西武線・武蔵砂川で降りて30分歩いても辿り着かない。道に立っていた警官に聞いて、やっと着いたのがむさし野ミュー。……巨大ショッピングモールの中にある典型的な郊外型シネコンで、夕方一回だけ上映している『河童のクゥと夏休み』。外に出れば、川と空き地と住宅地。ちょっと映画の世界に近い。
070921_15420001(←映画館のあるショッピングモールの近く)

ここまで映画に対して無防備になってしまったのは久しぶりで、うっかり声を出して笑ってしまう。ネットの評判では「泣かせる映画」という声が多いようだけど、「実在感のある笑い」とでも言うのか、日常的な仕草や表情で笑わせるのが抜群にうまい。
次に驚いたのは、クゥと相撲をとるシーン。応接間のテーブルをどかすんだよね。相撲のスペースをとるために。すごいよ、そのさり気ない演出は。クゥのサイズとか体重がジワッと画面から伝わってきた。テーブルをどかすって芝居だけで。でも、だからって、リアルな河童を描くのが目的の映画ではない。
ストーリーは詳しく書かないけど、ラスト近く、主人公の康一がコンビニの前で一人で座っている。クゥはすぐ近くにいるが、画面には入らない。ずーっと康一だけを撮っている。問題はクゥではなく、康一が何を考え、どうするかなんだ。だからこれは、人間関係や日常の空白部分を「河童という仮の存在」で繋ぐ映画なんだと分かった。
そのちょっと前のシーン、康一が女の子のマンションに寄って、クゥも一緒に駅まで行く。別れるとき、クゥの入った箱をなでるんだよ、女の子が。画面にはクゥは映ってない。でも、クゥは「居ないんだけど、居る」。康一と女の子の間にクゥが「居る」から、初めて会話らしい会話が成立している。そのシーンだけをいきなり見たら、平凡な別れの会話なんだ。でも、クゥがいなかったら、そもそも二人は会話なんてしてなかったはず。その駅前のシーンは、いかにも私鉄沿線らしい地味な雰囲気がいい。ちっちゃい改札口の向こうから、もう会えなくなる女の子が見送ってくれる。劇的なシーンになり得るのに、そうしない。そうしないことが劇的なんだ。

公式サイトを見たら、養老孟司が「われわれは神が不在の世界に住んでいるのだなあ」とコメントを寄せている。別に既存の宗教でなくともいいから、信仰心というものは持っていたい。養老先生はもっと学術的な意味で言ったんだろうけど、生活の間というか隙間には、「神」がいると思う。それを河童という形で表現した作品じゃないだろうか。
康一がクゥを海へ連れて行くシーンがあるけど、あそこで初めて海を見たのはクゥだけじゃないんだ。康一も、「初めて」海を見たんだよ。
同じように、僕らも毎回毎回、違う海を見てきたはずなんだ。いつもいつも新しい体験をしているのだ、と実感できたら、他にはもう何もいらない。

この夏は『ポケモン』がメガヒットしたり、興行的には『クゥ』は苦戦したと思う。素直に「かわいい」とは言いづらい絵柄で損した部分もあるだろう。ちょっと子供には難しい表現もあった。尺も、やっぱり二時間に収めて欲しかったとも思う……でも、ビジネス的にもうひとつだったとしても、それすら愛する理由になってしまう。どこか欠けていないと、自分は作品と接点を持てないみたいだ。

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2007年9月21日 (金)

■12,000 years to the Future■

『劇場版アクエリオン』 パンフレット
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●真の「気持ちよさ」は常識のはるか彼方に!
……という題名の『アクエリオン』評を書きました。パンフ自体の構成・執筆は河合宏之さん。こんな高密度なパンフをたった一人でつくるとは。お疲れ様でした。また合体しましょう(笑)。
あ、グレンの「重力を操る」というCDドラマ用に考えた追加設定が、このパンフによって公式化したようです。それが一番嬉しかったかな。

『さよなら銀河鉄道999』とか『AKIRA』、劇場用SFアニメというのは、クライマックスで何かを盛大にぶっ壊すとか何かが臨界点・沸騰点を越えるシーンを目玉にしてきたと思う。ルーツは、「ラッキョの皮むき」と言われた白色彗星帝国かな。とにかく、スケール感とか巨大感に対する脅迫神経的な執着は、劇場用SFアニメの特徴。ガンドロワもそうだし、巨神兵もそう。箱舟をパージするってのもそうかな。……そういう作品が80年代に集中しているのは、海外のSFX技術の爆発的な進歩と無縁ではなかった気がする。巨神兵なんて、実写でやったらホラー映画だよ。
海外SFXはどんどん日常へ溶け込む方向へ向かったけど、日本のSFアニメはスペクタクル映像へまい進していった。それは、巨大ロボ・巨大ヒーローという伝統文化が下地にあったから。「でかい」ことに対する信仰があるんだ。……ひょっとしたら、原爆を落とされたこととも関係あるかも知れない。
ともあれ、「アニメ映画でSFアクションやるなら、なるべく派手なことやんないと」って遺伝子は連綿と受け継がれていたと思う。
『アクエリオン』はSFアニメではなくファンタジーだと思うけど、「とにかく、スケールでかく!」の伝統が脈々と息づいています。小奇麗に洗練する、なんてことが出来ないのが『アクエリオン』。都会的で洒脱なものを観たい人には向いてないだろうね(笑)。それが弱点でもあり、個性でもあるんだ。明日から全国公開。

最近は、またぐっと劇場アニメが増えたので、現場の人手不足は、ちょっと前のアニメ・バブルの頃と変わらないと聞いた。テレビだったら、一度キャラ設定つくれば半年や一年使えるけど、劇場アニメは2時間だけでしょ。キャラ設定を起こすのもタダではないから、すごくコスト・パフォーマンスが悪い。なるほど、金かかるわけですよ。
そんなことも念頭に置きながら、明日は、ようやくよ~うやく『河童のクゥと夏休み』を観にいってきます。

『ROBO☆ROCK ロボ☆ロック』の予告編が上がっていたので、どうぞ。
http://jp.youtube.com/watch?v=oxdwmAPT5w4
ここにも、やっぱり「でかい」「派手に」信仰が……

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2007年9月16日 (日)

■一日おきに飲酒する■

EX大衆 10月号 発売中
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●愛すべきヒールよ永遠なれ! 人気アニメ悪キャラ 完全PROFILING!! 執筆
カリオストロ伯爵、ヨミ、ラオウ、シスター・ジル、妖鳥シレーヌ、マモー、マージョ、機械伯爵、ベルクカッツェ、衝撃のアルベルト、ブライキングボス、島 鉄雄、ブリタイ7018、デスラー総統、プリンス・シャーキン、そしてラストのコメントは唐沢俊一さん。
編集から「みんなが知ってる懐かしのキャラを」と言われたのに衝撃のアルベルトを入れたのは、趣味ですね。

●アイドルのキス顔チュ! 木下優樹菜 執筆
いつもはキスしたところで「終」なのだが、今回はキスシーンの後に「オチ」を付けてみた。人知れぬ工夫。

今週は一日おきに朝まで飲み会、という一週間だった。昨夜はシメ、という感じで小学校時代の友人二人と、中野区の隠れた名店へ。
070915_18230001二人は『ヱヴァ』を観た帰りだったので、「どうだった?」と聞くと、
A「いいじゃん。面白かったよ」
B「確かに凄かったが、ああいう凄さは『エヴァ』に期待してない……。ところで、Aはテレビ版の最終回、嫌いだろ?」
A「あー、あれはダメでしょ」
B「俺と廣田は、あの最終回はオッケーなんだよ。どうも、その辺で今回の劇場版の好悪が別れるような気がする」
なるほどねぇ。そうかも知れない。ウェルメイドな作品が苦手なんだよね、俺もBも。どっか壊れている方が愛せる。完成度と「面白さ」ってのは別次元にあるんだよ、きっと。
「低予算のホラー映画とか好きでしょ?」とよく言われるけど、そういうわけでもないんだよね。作品を嘲笑するってことが出来ない。つくった側というのは、必ず自分より上にいるから。
結局、近所のバーで四次会をやって明け方に帰宅。

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2007年9月14日 (金)

■キャバ嬢にゲルググVer.2.0をプレゼントした■

アニメーションノート No.7  18日発売予定
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●『EX MACHINA エクスマキナ』 構成・執筆
●『イヴの時間』 構成・執筆
『エクスマキナ』は全12ページ。特集テーマである「アクションシーンの作り方」はちょっとで、作品の成立過程から話が始まって、キャラデザインで終わるという。いかんいかん、ちゃんと特集テーマに合わせねば。
『イヴの時間』は、個人的に監督の吉浦康裕さんのファンなので、無理いって4ページいただきました。完成がホント楽しみ。

グレートメカニックDX 2 15日発売Scan20002_3

●一年前の番組を特集して何が悪いんだよ? これが『ゼーガペイン』だ! 構成・執筆
●ロボット映画 秋の陣! 
●オヤヂ酒場
「オヤヂ」のネタは、『天元突破グレンラガン』と『GAINAXの20年』。いやー、勉強になりました。「ロボット映画~」は『ヱヴァ』と『アクエリオン』と『エクスマキナ』と『ROBO☆ROCK』。さて、「ゼーガ」なんですが、特集といっても見開き2ページだけ。自主的に三回、編集の指示で二回、書き直した。それでも、デコボコでワケわんない文章かも知れない……。
画像もいっぱい載せたけど、止まった画像を見せても何も伝わらないのが「ゼーガ」なんだよね。一見して「おっ、カッコいい」という絵がない。結局、俺は見た目で分かるカッコよさではなく、「初見はダメなんだけど、実はがんばってる」作品が好きなんだと分かった。
思い出せば、テレビの『エヴァンゲリオン』は第六話「決戦、第3新東京市」から見はじめたんだ。あの時の「ものすごく大規模な作戦を突貫作業でやる、しかも30分の枠の中で」というインパクト。綾波の笑顔が下手だとか言われていたけど、アニメのクオリティってそういうところにはないような気がする。『ボトムズ』なんて「うわ、なんて下手な絵だ!」って笑いながら、毎週欠かさず見てたからね。
だから、俺はテレビのちょっと貧乏なヤシマ作戦の方が好きで、それで新劇場版にピンと来なかったのだと今さっき分かった。

先日、「ブランド物よりガンプラが欲しい」と言っていたキャバ嬢の誕生日に、シャア専用ゲルググVer.2.0をプレゼントした。しかも、割引対象商品なので3,000円ぐらいで買えた。安っ。それだけじゃ悪いような気がしたので、デパ地下でお菓子の詰め合わせを買う。それでも計6,000円ぐらいか。安いねー。
たとえ「ガンプラ欲しい」というのが俺に合わせたウソであっても、いきなりエルメスのトートバッグをねだるよりは好感度は増すわけで。
昨夜は「劇団鹿殺し」の『殺 ROCK ME!~サロメ~』観劇。ラストが綺麗だった。

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2007年9月10日 (月)

■キャバ嬢とアニメ会社の人と、話題のアニメを観る■

『ROBO☆ROCK ロボ☆ロック』 プレスシート
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●「奇想天外かつパワフルな監督、須賀大観」執筆
『ROBO☆ROCK』の作品レビューのような文章です(“ような”というのは、最初のオーダーからブレがあったため)。劇場用パンフにも転載されるみたい。

月刊Newtype 10月号
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●劇場版アクエリオン 記事執筆
記事っていうか……言っちゃっていいと思うんだけど、記事スタイルの広告ですね。「アクエリオンとは何か」的な総まとめと劇場版のストーリー紹介。『アクエリオン』は先日、初号試写を見たんだけど(パンフに文章を書いたので)、かなりの怪作に仕上がってます。

土曜日。オリテクさしださんと「怪獣と美術」展に行ってから、ちょっと飲む(さしだ氏の話、めっちゃ面白かった)。その後、キャバのお姉ちゃんと或るアニメ関係者と三人で『ヱヴァ』鑑賞。往年の名バンドが再結成、みたいな印象。
070908_21280001内容はさておき、昔の連続活劇のように、あるいは書き下ろし単行本のように「次回、満腔の期待を持って待て! つづく!」にした点が、最も潔いと思う。予告編が最大の目玉だった。一晩だけの再結成じゃなくて、アルバムにどんどん新曲が増えていくってことだよね。
予告編で引っ張ることで情報温度を維持できるし、イベント性(今風に言うと祭ってことか)も高くなるし、いいことづくめだよね。

せっかくアニメの現場を仕切っているプロと行ったので、備忘のためにも彼の感想を記しておくと「あれ以上密度を上げたら、もうプロじゃないと凄さが分からなくなる」ぎりぎりのラインなんだって。だから、作画的には限度いっぱいまでやってるはずだ、と。
070909_04020001その後、嬢の友達も呼んで、朝まで居酒屋とバーで飲み。アニメ好きのはずの嬢は一言、「ヱヴァ、あんま面白くなかったです……」。まあ、ソツなくまとまりすぎて、ツッコミどころがないんだよね。かといって、つまんないわけでもないし。これが『ゲド戦記』だったら、三時間ぐらい盛り上がるところだよ。
ヱヴァの話が出ないので、店では絶対聞けない、嬢の苦労話をえんえん聞く。そういや、去年は『時かけ』だったんだよな。なんで俺は秋になるとキャバ嬢とアニメを観にいくのか。

それはそうと、今度はタミヤの恐竜プラモなんか塗りだした。
070902_01290001070907_18230001_2翼竜がオマケについてるし、「1/35」ってスケールが何より素敵。塗装はやっぱり、リキテックス筆塗りで。

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2007年9月 5日 (水)

■観光客の皆様へ■

何ヶ月ぶりかでキャバクラ行った。嬢から「エヴァの映画、観にいきましょうね! 誕生日プレゼントはブランド物よりガンプラとかが嬉しい」というメールが。ふーん。あんな綺麗な子がねえ。いいんだけど、今は精神的にも金銭的にもキャバに入れ込んでる余裕はない。と言いながら、MGのターンエーガンダムでいいかな……などと算段している俺がいるのも事実。
070904_23400001ファルシオンのイリアは、ちょっと前に完成。今は、こういうことやってる方が楽しいよ。自分ひとりで完結していたい、というか。

キャバに行った日、『真・女立喰師列伝』の試写会に行ってきた。各人それぞれサービス精神があって、楽しいオムニバスに仕上がっている。特に、神谷誠監督の『歌謡の天使 クレープのマミ』が傑作。1985年の原宿、というメガゾーンな舞台設定だし、タイトルは某魔法少女のパロディだし、これだけユーモアセンスのある特撮人がいたとは。この人が実写の『キューティーハニー』の総監督なんだ。すげえ楽しみ。(『キューティーハニー THE LIVE』の総監督は、横山誠さんでした。よく確認せず、大変失礼いたしました)

先日の記事のつづきなんだけど、「消費者ヅラした愛のない連中が増えた」って、一言でいうと「オタクの世界に、イヤなヤツが増えた」んだよね。何を見ても何を買っても、物足りないと思った部分を自分で補うってことを知らない。二言目には「こんな作品のDVD、誰が買うの?」 お前が買わずとも、お前と価値観の違う誰かが買うっての。その程度の想像力すらない。異なる価値観を並存させていく度量がない。バカだよね。

キャバから帰って新聞を読んでいたら、「待たなくてすむから」という理由で緊急外来を利用する患者が増えていると書かれていた。学校では、教師に理不尽なクレームをつける親たちがモンスターペアレンツと呼ばれて恐れられているという。どいつもこいつも、消費者意識、「お客さま」意識に浸りきっている。
アニメって趣味の世界、創造的なフィールドなのに、「お客さま」だらけ。というか、観光客に近い。宣伝文句に煽られて来たくせに、やけに態度がでかい。さんざん文句いったあげく、現地にゴミ捨てて帰る。それが、今のアニメ・ファンだ。

アニメは商品ではあるけども、創作性の強い商品だ。受け手もクリエイティブであれ。感受性を豊かに保て。それが結局、自分のためになる。

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2007年9月 1日 (土)

■小人閑居して■

蜷川幸雄の『エレンディラ』を観て来た。最初は上演時間、4時間と聞いて愕然としたんだが、観て良かった。三幕目の途中から、自分にとってこの物語が抜き差しならないものに思えてきて、「芝居を見ている」感覚が薄れていった。ひとつひとつのセリフが歴史を刻むように、重く、遠く聞こえはじめる。特にラストの主演二人の会話は、もうクギを打ち付けて、そのまま時を止めたくなるほど素晴らしかった。いやー、人間ってすごいな!
070831_18230001(←彩の国さいたま芸術劇場)

その前日、『ストレンヂア』を観にいった。こっちは試写会なので気楽に。長瀬智也が、まるで昔の郷田ほづみみたいで実在感バリバリ。耳になじんだ山寺宏一の声の方が浮いて聞こえるぐらい。
ま、どんなに演技力があっても「アニメ・ファン」の皆さんはアニメ専門の声優じゃないとイヤみたいだけどね。その理由を考えてみたんだけど、みんなアニメしか見てないからだろうな。芸能人という夾雑物が入ってくるのが怖いんだろう。
お金のかかった劇場公開作品は数少ないアニメ・ファンだけを対象にするわけにいかないから、話題づくりのために芸能人を起用する。どうもその「話題づくり」がイヤみたいだね、熱心なアニメ・ファンの方たちは。「アニメはアニメ・ファンのもの」って意識が強いんだろうな。
(逆に劇場版『CLANNAD』などは、マニア限定の色合いが強いので、ヒロインの声はゲームと同じじゃないとマズイわけだよね)

普段、実写映画やドラマしか見ない観客層からしたら、アニメって珍しい存在なんだよ。俺にとって、観劇体験が珍しいのと同じだな。
いい例が先月末にテレビ放映された『ミヨリの森』。一般層とアニメ・ファンの間で、ぱっき070901_14240001 り評価が分かれた。二時間もののアニメを滅多に見ないライト・ユーザーは、損したと思いたくないから「なかなか良かった」ぐらい言うよね。さっき、俺が『エレンディラ』を誉めたように。
『ゲド戦記』を大ヒットに導いたのも、話題性に弱いライト・ユーザー層だろう。『ミヨリ』の視聴率は『時かけ』を越えたそうで、テレビ番組としては成功といっていい。そこにマニアがかみつくのは、完全にお門違い……と思うんだが、山本二三を知らないような人が、最近は「アニメ・ファン」だったりするから、話はややこしい(笑)。

俺は、一年前に「若いファンは今を楽しめ。過去作品なんか見なくていい」と書いた。研究熱心なヤツは、20年前、30年前に遡って作品を見るはずだからだ。だけど最近は、(アニメに限らないと思うけど)ファンというよりは口うるさい「消費者」ばかりが増えた気がする。作品の酷評ばかりか、配収、DVDの売り上げを笑い飛ばす。他人の失敗が楽しいんだ。雨の中から子猫を拾ってくるような愛すらない。鳥肌が立つぜ。

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