■イリアを塗るよ・3■
調子にのって早めに原稿を書いたら、「もうちょっと書きませんか」という話に。なので、もうこのへんで一区切りして、ちまちまと細かい部分は後日。
怖かったのは、首と胴体がちゃんとフィットしなかったこと。この写真でも首の角度が違うけど、あちこち削って無理やり合わせた。
『ゼイラム』なんて、映画としては全ッ然、何の思い入れもないんだけど、このスーツだけは別だった。本来ガードすべき胸や下半身が薄く柔らかい素材(ラバーなど)で出来てる上、装甲類が腹の辺りにベルトで止められているというボンデージっぽさ。たまらんぜ。デザインは寺田克也。
そこに今度は、竹谷隆之という才能(このキットの原型制作)が加わってしまったものだから、このガレージキットは神がかっているのだ。それを自分が組み立てる、色を塗るというという甘美なおののきを、どう表現したらいいのだろう?
手に入れるとは、満たされながら失う行為だ。手に入れた時、対象は確実に汚され、自分の欲望は確実に傷つく。物欲とは、そういうものだ。そういうやりとりだ。『リーンの翼』に出てきた「セックスってのは、ありゃ戦争なんだぜ?」 このセリフの感覚に近い……などと10年ぶりにガレキをつくりながら考えた。
明日は『ストレンヂア』の試写。
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