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2007年7月21日 (土)

■中年オタクは祝福されているのだ■

今夜は『時をかける少女』放映とのことなので、感傷的な中年オタクとしてはキャバの姉ちゃんと楽しく観に行った一年前を想起しながら、ぼーっと『時かけ』を眺めてます。
そう、中年オタク。これぞ、今の私につきつけられたテーマ。もともとコメント欄で、「シロクマの屑籠」さんのこちらの記事を紹介してもらったのがキッカケなんだけど、時間のある中年オタクどもには親記事も読むことを推奨します。(あと、今出てる「サイゾー」にも「“ノスタルジィ中年”が跋扈! 老害化が進むオタク論壇の憂鬱」という威勢のいい記事が載ってます。書き手は違いますが、参考までに)

「シロクマの屑籠」さんの記事を読んで思ったのは、つまり中年になったオタクが「自己実現できてるかどうか」が問題なんじゃないの?と。
ただ、俺の周りには、オモチャやアニメといった趣味を持ちながら結婚している人が多いし、そもそもオタク趣味を(モデラーなりライターなりといった)仕事にしちゃった人ばかり。みんな、家庭や仕事で自己実現している最中なので、こういうオヤジたちと話してても切迫した感じはまるで伝わってこないんだな。皆さん、いたって堅調で。
「一番切迫してるのは俺じゃないか?」と思う。もう『鈴木先生』第三巻後半の鈴木先生並070721_18060001にジタバタしているかも知れない。
(←参考画像)
先月だったかな、最も敬愛し、かつプライベートな相談にも乗っていただいているアニメ監督に「君は天職につけて、うらやましいよ」と言ってもらったんだけど……めっそうもない、それまでの迷走っぷりを話してあげましょう。20代の頃、映画監督になるつもりで数十社に持ち込みを続け、ひとつもモノにならなかったんだから。持ち込み活動のおかげでサンライズに入れてもらえたのに、あっさり辞めてしまったのも「映画監督になる」という気持ちが、どこかに残っていたから。

もしあの時、顔見知りの編集者が「ちょっと、雑誌に書いてみない?」と誘ってくれなかったら、今でも「映画監督になる」とほざいていたと思う。……ライターってのは、素敵な職業です。好きなジャンルについて書けて、憧れの有名人にも会える。向上心と積極性があれば、単行本も出せます。皮肉ではなく、マジで幸せな仕事だと思う。

さて、俺が映画監督になるのをスッパリあきらめられたのは、20代の終わりごろ、学生時代からの友人が商業映画を撮ったから。その映画を観て、いわば俺はそいつのファンになってしまったのだ。なので、綺麗に「夢」とお別れすることが出来た。
そう。「ファン」でありさえすれば何も困ることはない。よほどの人格破綻者じゃないかぎり、結婚もできる。結婚せずとも、生活に困らないだけの職業を得ていれば、30代になろうが40代になろう070404_21370001が、まったく焦ることはない。カラオケ屋に行けば、80年代アニメの主題歌は余すところなく揃っている。次世代ディスクを買い揃えるという楽しみも残っているじゃないか。中年オタクは祝福されているのだ。

不幸なのは、その祝福を受け入れられず、「俺はこんなもんじゃない、まだまだ!」と奮起してしまう中年オタクですよ。純粋なファンか、クリエイター崩れか。その差が40年間の幸せな人生を狂わす。俺は、何年か前に壮大な「失敗例」を目の当たりにしてしまったから、冷や汗が出る。その人、自分の才能じゃなくてマルチ商法で食うようになっちゃったからね……。
つまり、40ぐらいになって「自己実現できてない」ことに気がついてしまった人。しかも、社会常識を知らないオタク。この二つの条件が揃った中年は、身の丈に合わない壮大な創造的野心を燃え上がらせてしまう場合がある。
これから中年になるオタクは、自分がファンなのかクリエイター崩れなのかは自分で判断……いや、自分で決めた方がいい。経験的に言うと、30歳を過ぎて「俺(私)の仕事」を世の中に出せてない人は、ちょっと嫌な予感を感じた方がいいっすね。

オタクは情熱家が多いと思うけど、情熱だけで突破できるものなど、この世にない。人生は冒険的であるべき。挑戦的であるべき。しかし同時に計画的であらねばならない……と、この歳になってようやく分かった。

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コメント

ミクシィの日記キーワードランキングに「時かけ」が入るかと思ったけどまだ反映されてないみたいですね。今日反映されるのでしょうか?
「スパロボ」等のゲームがすぐに反映されたのを見ているとミクシィ内のオタク層傾向ってよくわかりません。「スパロボ」ってそんなに市民権を得ているのでしょうか?
「時かけ」はこの間のアニメ夜話で見た気になってしまってスルーしてしまいました。すみません。

投稿: ハム船長 | 2007年7月22日 (日) 05時01分

「社会常識がない」・・・もとい「社会常識をしらない」オタクさんとそうじゃない人の違いが、なんとなく感覚でわかった気がしました^^

投稿: yuki | 2007年7月22日 (日) 08時37分

■ハム船長様
いま見たら、2位が「タイムリープ」、3位が「時かけ」でした。このアニメを好きな人たちって、普通のアニメファンとか映画好きとは違う特殊な感じがするんですよ。映画館に何度も足を運ぶリピーターが多かった、というのが何かを語っているような。
スパロボ支持層も同様で、「スパロボだけ特に好き」な人たちがいるんでじゃないでしょうか。

■yuki様
社会と折り合いをつけられずに悩んでいる人というのは、オタクに限らず大勢いるでしょうね。俺も悩んでないといったらウソになるし。

投稿: 廣田恵介 | 2007年7月22日 (日) 16時56分

 同じ記事を元に書いた者として、ほぼ同意見です。
 ただ一点、アプローチとして明確に違うのは、

>みんな、家庭や仕事で自己実現している最中なので、こういうオヤジたちと話してても切迫した感じはまるで伝わってこないんだな。皆さん、いたって堅調で。
>よほどの人格破綻者じゃないかぎり、結婚もできる。結婚せずとも、生活に困らないだけの職業を得ていれば、30代になろうが40代になろうが、まったく焦ることはない。

 この足場の部分。
 結局は中年のオタクであるかどうかが問題ではなく、中年にさしかかってそれなりに巧くいっているかいっていないのかの違い、差でしか無い。
 巧くいっている人は、「中年のオタクは祝福されているのだ」 といえるし、いっていなければとうていそうは感じられないという事に対しての認識の差、でしょうねぇ。
 そして人間の群れの中の細分化された集まりというのは、だいたい同じような境遇の人間が集まるように出来ているものですから、「それなりに巧くいっている人」 は、やはり 「それなりに巧くいっている人」 の集まりに入るし、そこからはじかれた 「巧くいっていない人」 は、やはり 「巧くいっていない人」 の集まりの中で生きることになる。「巧くいっている人」は、わざわざ「ネットカフェ難民になるような人」 や、「40すぎて、結婚したくてもできない人」たちとは、わざわざ関わらないですしね。
 僕の場合は、結婚も出来ていないし仕事も巧くいっていない、「巧くいっていない人」 の側にいるから、「中年オタクであるかどうかが本質の話題ではない」 という論としての結論までは同じでも、「よほどの人格破綻者でもなければ結婚できる」 ともいえないわけです。
 やべぇ! しんでこよう!
  

投稿: へぼや萬年堂 | 2007年7月23日 (月) 14時34分

■へぼや萬年堂様
書き込みありがとうございます。そちらの記事は、確か昨夜拝見しました。
この話題のキツイところは、自分の立場を表明しないと発言の責任を保てないところですね。記事内で書いてる「クリエイター崩れ」って明らかに僕のことだし、「こんな俺でも、結婚はできたんだよな」と自分に言い聞かせないと、とても書けたもんじゃないですよ。

僕の周囲の中年男たちは祝福されています。人生うまく行ってるんです。ただ、僕もそうであるとは一言も書いてない(笑)。フリーランスなんて、来年の今ごろはどうなってるか分かりませんし。
この話題は、本当にシャレにならんのです。

ただ、(肉体的にも精神的にも)「死なない」ためには、自分の痛さを全て認める勇気も必要だと思います。この話題を「見なかったこと」「自分に関係ないこと」にしちゃってる当事者たちは、かなり大勢いるのでは。

投稿: 廣田恵介 | 2007年7月23日 (月) 21時12分

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