■GUNHED■
●長崎尚志氏インタビュー
●ライトノベルをとりまくメディアミックスの今
以上、二本を執筆。後者には『空の境界』のアニメを制作するユーフォーテーブルの近藤光さんのミニインタビュー付き。『空の境界』は、ライトノベルのレーベルで発売されたわけじゃないんだけど、小説の分野としてはラノベ領域に属していると思ったので、あえて。
ラノベって、そのものずばり「ここからここまでがラノベ」と無理に線引きするんじゃなくて、ぼんやりと「ラノベ的なもの」「ラノベ周辺」と捉えた方が分かりやすいし、そう認識した方が面白い。
まったく話は違うのだが、最近は深夜に友達と電話で話すことが多く、昨夜は『ガンヘッド』のどこがそんなにいいのかを熱く語った。ようは、あの映画は自意識のあるロボットと共闘し、やがて同志となる部分がキモ。メカニックを相棒にするというドライさがいいんだよ。たいていのアクション映画は、戦いの果てに恋愛とか家族愛が待っていて、「愛のためなら頑張って戦う」という動機づけがあると思うんだが、『ガンヘッド』にはそれが一切ない。だって、主人公とガンヘッドは燃料をどうするか、残りの弾が何発あるか、しか気にしてないもん。現場主義っていうのかな。とりあえず、目の前の障壁を突破するため力を合わせる。それに徹してるのがいい。
『海猿』のクライマックスで、伊藤秀明が救援者を無視して恋人に携帯電話でプロポーズするでしょ。あのシーンを見ていて「こりゃ洗脳だな」と思った。恋愛・結婚が最終目的なら、何もかも肯定されるという。救援される側にも出産や離婚など家庭の事情が設定されていて、その話題が出た瞬間に許されるという。そこまで行くと、ゾッとするよね。
もちろん、『ガンヘッド』は映画としてはいびつなんだけど、恋愛至上主義に対するカウンターとして常備しておきたい一本。まあ、殺伐とした映画だとは思うけどね(笑)。
一昨日がデジタル・フロンティア取材で、明日がオムニバス・ジャパン。なんと2日も休むことが出来た。
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コメント
ガンヘッド懐かしいですね…
特撮だけ見れば、その数年前のやはり東宝の特撮ものの「さよならジュピター」の特撮スタッフがそのまま受け継がれて作られていただけあって邦画としてはギリギリの線をクリアーしていたと思います。
あと、監督の方は、数年前の ハリウッド作「ラストサムライ」で少し存在感のある役を俳優デビューされていたのは結構有名です。
あれは、ガンヘッド のデザインは当時アニメマニアだった当方としてはマクロスあたりで活躍されていた方のものだっただけに、ガンヘッドはSFファンのみではなく、アニメファンも取り込んでいた感じがします。
ガンヘッドのアメリカンなティストは日本映画が目指すべきものなのかどうかは別として
制作費15億円の巨額の映画(日本映画としては)として贅沢品だったと思います。
またああいったプロジェクトが持ち上がると、邦画好きとしては熱くなれるのですが。
投稿: hideaki | 2008年7月 1日 (火) 12時55分
■hideaki様
書き込み、ありがとうございます。
僕は原田眞人監督を見たいがために『ラストサムライ』を観ました。
『ガンヘッド』の企画は紆余曲折、もう製作を断念しようかと思ったほどだ、と後からプロデューサーに聞きました。バブルだからお金が集まった部分もあるのでしょうけど、プロデューサーの野心がなし得た企画だと思います。
>またああいったプロジェクトが持ち上がる
>と、邦画好きとしては熱くなれるのですが。
同感ですね。
一本一本は面白いし、才能も育っていると思うのですが、企画そのもので驚かせるような映画は皆無に等しいと思います。
『ガンヘッド』の第一報を聞いたときは、本当に耳を疑いましたからね。
投稿: 廣田恵介 | 2008年7月 1日 (火) 15時08分