■オマケの人生■
『奏光のストレイン』 waltzⅢ 25日発売!
●DVDブックレット構成・執筆
「がんばれ、ストレイン」と、見本が届くたびに思う。このアニメのやけに濃い戦闘シーンの情報密度は、この作品に出会えたあなたと私とだけ楽しむことにしよう。最後までがんばれ、ストレイン。残りあと四巻。
童貞・処女には自殺する権利はない、と書いたのは寺山修司だったと思うけど、皆さんは女性から「大っ嫌いよ!」と言われたことはありますか? 俺はきっかり二日前に言われた。「大嫌い」、なんて甘美な響き。「大好きよ」と言われるより絶対いいよ、これは。正確には「そんな廣田さん、大嫌いです!」 しかも、それを言ったのは同い年かそれ以上の年齢の熟女ですからね。しかも美人です。こういう相手は、言葉の効果を考えてから口に出す。長く生きていると、ひとつの言葉の意味・解釈が二倍にも三倍にも膨らんで聞こえるんだ。生きているってのは、それだけで勉強になる。(←『宮本から君へ』第十巻より。甲田美沙子に「大嫌い」と言われた宮本は、明らかに嬉しそう)
そうそう、「大嫌い」って言葉の中には「失望した」って意味が含まれてるんだ。なんて美しい言葉なんだろう。泥酔してたってのに、この一言だけはカッチリ記憶してたからな。
何冊か持っているジョージ・ルーカスの伝記のうち一冊を読んでいたら、「一度死にかけた僕は、オマケの人生を送っている」という意味のことが書いてあった。ハッとしたよね。そうか、今の人生はオマケなのか。そう考えると、いろいろ合点がいく。あえてトラブルの匂いのする所に飛び込んでみよう、という気にもなる。昨夜も打ち合わせ兼飲みで、そのまま朝までキャバクラ直行コースだ。朝陽がまぶしく、財布はカラ。クレジット・カードの売り上げ伝票しか出てこねえ。酒と香水ビンの中に浮かんで消える泡のような日々。だが、俺はもっと悲惨な人生をたくさん知っている。だから、今は万札はたいて飲み干すんだ。
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