■闇の36時間■
月刊「創」 5月号 「マンガはどこへ行く」 発売中
●「蟲師」と“世界の大友”異色顔合わせ 取材・執筆
ほんのちょっとではありますが、漆原友紀先生のミニインタビューもあり。もうすいぶん前から言われているけど、マンガのコマ割みたいに撮られた映画ってあるでしょ? 『蟲師』はその範疇に入らないと思うけど、それに慣れちゃうのって恐ろしいよ。物語を受け入れる経路が一個しかなくなる。
それはマンガ表現が幼稚って意味じゃなくて、もともと日本映画ってのは競争率も低く、表現として鍛えられるチャンスを逃し続けてきたと思うから。それが昨今、マンガのリズム感に毒されすぎているような気がする。
まあ、それはさておき。
丸3日間も赤坂、中野、歌舞伎町などで朝まで飲み続けた結果、友達から「走ってるね~」と笑われた。この「走ってる」のは、まあ「生き急いでいる」というような意味でございましょう。そんなつもりはないんだが。
この3日間走りつづけた夜というのは……夜というより、闇に近かった。「夜」には、ほのかな明るさがある。かすかな温かみがある。「闇」には、それがないのだ。そのくせ、昼の世界にまで忍び込んでくるような、いやらしさ、狡猾さがある。(それは一緒に飲んだ人たちがどうの、という問題ではなく僕の肌が感じたことに過ぎないので、誤解なきよう)
「夜」と「闇」とは違う。闇は空虚であり、死の匂いがする。夜は感傷的で甘美だが、闇は虚無そのもの。 それを対象化して感じられただけでも、僕はラッキーだった。次からは、それを退けることが出来るからだ。
皆さん、夜を楽しむために酒を飲みましょう。闇に飲まれないように。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント