■動機、空白について■
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今回のお題は『コードギアス 反逆のルルーシュ』と、ちょっとページを拡大して「ロボット物に未来はあるのか?」……で、なんと今回のグレメカで俺の書いた記事ってこれだけなんすけど、「オヤヂ酒場、最終回か?」というぐらい面白いはず。編集者が帰ったあとも「もう一軒、行こう」と延々と語りつづけたからね。うまく伝わったかは分からないけど、『コードギアス』ちゅうのは優等生すぎてどうも……誰一人、キャラに感情移入できないんだよな。それは絵柄のせいだけじゃないし、声優がどうのって問題でもない。製作者も予想しなかった“ほころび”がないとね。
あと、最近いろいろな方に会って話を聞いて思ったんだけど、アニメって社会的な意味では、最早つくる根拠を失っていると思う。先日の話を読んでもらえば分かると思うけど、これだけアニメが「ある」ってことは動機が「ない」ことの証拠でしょうよ。「お金があるから」なんて理由で成り立っている文化は、最低なんだ。動機さえあれば、お金がなくてもつくってしまう。それが文化。
『コードギアス』はギアス能力という誰もが欲しがる力を描いたことで、ぎりぎり社会性を獲得できているんじゃないかな。説得でも脅迫でもなく、そういう手続き抜きに相手に言うこと聞かせる、という幼稚な欲望。それをてらいもなく描くことに、かろうじてつくり手の意志らしきものを感じる。それは、見続ける動機になるよね。
あと、『デスノート』や『コードギアス』のようなピカレスクが若者に受け入れられる時代というのは、大人の権威が失墜しているんじゃないか、とかね。
僕らはもういい歳なんだから、つくり手の姿勢から何か学ばないと。批判しかしない人間は進歩しないし。
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毎回毎回、よくもまぁこんな空想デート話を書けるなあ、と我ながら呆れているのだが、これも何かの埋め合わせだって気がする。人間の脳には、欠けたものを何とかして回復させる機能がある。モノつくったり、書いたりって時は、その機能を逆転利用してるんだと思う。さっきと矛盾したことを平然と書くが、「積極的に空白部分をつくっていく」ことも必要なんじゃないかな。
だって、空白を埋めることが人間の生きる目的じゃないもんね。
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コメント
>>優等生
コードギアスはおそらく100とは行かないまでも90%以上は.ある程度計算できているアニメなんでしょうね。
見て、好感を持って、DVD買って消費を完結させる現代アニメらしい優れたコンテンツだと思ってます
>>製作者も予想しなかった“ほころび”がないとね
自分もその部分を中期なり長期のテレビシリーズアニメの一番の面白さだと思っているのですが、最近の人はその部分を無条件で「駄目」と切り捨ててしまう。商品としては失格なんでしょうね。
投稿: セクター | 2007年3月19日 (月) 08時59分
■セクター様
お久しぶりです。
>商品としては失格なんでしょうね。
そう考えると、DVDでリクープするビジネスモデルは、
決して幸福ではありませんね。
僕ぐらいの歳だとDVDは「手元に残す」ために買いますが、
若い人たちは買っては売り…という状態では。
だとしたら、それに対応した(リサイクルに対応した)
アニメづくりをしないといけないはずなんです。
僕もパッケージには関わっているので、複雑な心境です。
投稿: 廣田恵介 | 2007年3月19日 (月) 23時15分